映画×ロケンロー備忘録




映画とロックを愛するフリーライターの雑記帖。映画におけるロックの使われ方についての雑感を徒然と書いております

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2008-11-21 愛なんて信じない

gakus2008-11-21

 後手後手に回っている更新、恐縮です…。ともかく、くじけず、ジャン=クロード・ヴァン・ダムが自身のセルフ・パロディを演じる『その男ヴァン・ダム』(12月公開)のお話を。

 アクション俳優ヴァン・ダムも既に47歳。長回し撮影の戦闘アクションをもう一度やってくれと言われても、体力的には追いつかない。そのうえキャリアも崖っぷちで、決まりかけた主演作ねセガールにさらわれる始末。私生活では離婚訴訟に追われ、おまけに手持ちの金がない。落ち込みつつ故国ベルギーに帰国すると、郵便局で強盗事件に遭遇し人質に。さらに悪いことに、包囲した警察からは犯人に間違えられてしまう…。笑っていいものかどうかというほど現実とシンクロする設定しかし映画の後半、ヴァン・ダムがカメラ目線で延々とまくしたてるグチはハリウッドへの恨み節満載で、さすがに笑えないなあ。もっと弾けてくれても良かったと思うが、ヴァン・ダムは嬉々として演じているので、これはこれで嬉しくもある。

 映画のエンディングは、女性ボーカル、アコースティック・アレンジによるDAVID BOWIE”MODERN LOVE”のカバーをフィーチャーしているが、個人的にはかなりツボだった。愛でさえ信じられないというサビは、ヴァン・ダムの崖っぷちを象徴するかのようで、ユーモアと切なさが同居する。アコースティックの枯れた雰囲気が、また味だ。

 ちなみに個人的には、近年のヴァン・ダム作品は決してクオリティは低くないと思っている。『ヴァン・ダムinヘル』や『ディテクディブ』における負け犬的キャラクターは、それまでの無敵アクション俳優的キャラクターを逆手にといっていると思えなくもないし、ある意味『その男ヴァン・ダム』以上の物悲しさを感じさせる。良い意味で期待を裏切られるので、ヴァン・ダムのことを俺様映画のお山の大将と思っている方にこそ見てほしい。

 ジャケは2007年リリース、『Best Of David Bowie 1980-1987』。3枚組ベストの一枚として一度は発表されレア・バージョン満載のアルバムだが、後に単品発売された。当然これほしさに3枚組版を買ったファンは激怒するわな(俺もだよ!)。