映画×ロケンロー備忘録




映画とロックを愛するフリーライターの雑記帖。映画におけるロックの使われ方についての雑感を徒然と書いております

*過去に取り上げた作品についてはページ左下の一覧表を参照

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2009-02-04 and I feel fine

gakus2009-02-04

 久しぶりにレンタルビデオ屋に行ったら、『ドニー・ダーコ』のリチャード・ケリー監督の新作『サウスランド・テイルズ』が日本では劇場公開されぬままDVDになっていたのに驚く。で、いそいそと借りてみました。

 舞台はテロ対策に基づく愛国者法によって人々のプライバシーが奪われた米ロサンゼルス。記憶喪失の人気俳優(ザ・ロックことドゥエイン・ジョンソン)をかくまっているポルノ女優(サラ・ミシェル・ゲラー)は、政治家の愛娘と結婚している彼を反政府運動に利用しようと画策。反政府主義者たちは政府の弾圧に圧されながらも、人生に絶望した警官(ショーン・ウィリアム・スコット)を利用してある計画を推し進めようとしていた。一方、最新のネット監視システムを駆使して俳優の行方を探る政治家たちの内部にも、恐ろしい陰謀が進行中だった…こんな物語が、”世界の終わりはこんなふうにやってくる”と語る、ジャスティン・ティンバーレイクふんするイラク帰還兵のナレーションに乗って展開。終末感あふれるドラマは観念的な方向に寄り過ぎのきらいはあるが、真剣に見れば確かな手ごたえを返してくれるはず。こういう作品は、やはり劇場向きだよなあ。願わくば、ブッシュ政権のころに見ておきたかった。

 『ドニー・ダーコ』では80年代のオルタナを配していたレリー監督だが、ここではやはり比較的”今”の音楽が主体。ロック様にサラが”愛してる”と告げるシーンでMUSE”BLACKOUT"が聞こえてきて、クライマックスの一大パーティのシーンではBLACK REBEL MOTORCYCLE CLUB"HOWL"が鳴り、エンドクレジットではBLUR"TENDER"が流れる…といった具合に不穏かつ虚無を感じさせる楽曲が印象に残った。ジョン・ロビッツふんする警官が無抵抗のカップルを容赦なく殺害するシーンではPIXIES”WAVE OF MUTILATION"がかかるが、アルバム『DOOLITLE』収録のロック・バージョンではなくシングル『HERE COMES YOUR MAN』にカップリングされていた虚脱アレンジのバージョンだ。

 もっとも印象的なのは、ティンバーレイクが曲に合わせて歌い踊るTHE KILLERS"ALL THESE THINGS THAT I'VE DONE"。"俺はソウルを得たがソ(ウ)ルジャーじゃない”というリフレイン。心的にそうであっても体は人殺しが染みついている、そんな彼の矛盾するキャラクターを強く印象付ける。

 ジャケはこの曲のシングル、UK盤、2004年リリース。