映画×ロケンロー備忘録




映画とロックを愛するフリーライターの雑記帖。映画におけるロックの使われ方についての雑感を徒然と書いております

*過去に取り上げた作品についてはページ左下の一覧表を参照

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2009-02-13 のどかになれなくて

gakus2009-02-13

 昨夏、大作ひしめくアメリカで低予算ながらスマッシュヒットを記録したスリラー『THE STRANGERS』が『ストレンジャー/戦慄の訪問者』の邦題で4月の日本公開が決定。これ、実話に基づく映画で、しかも救いがない。つまりマジで怖い映画…と言えるワケです。

 パーティから早朝に帰宅し、どういうわけか気まずい雰囲気がただよっているカップル(スコット・スピードマンとリヴ・タイラー)。そんな彼らの家に、何者かが侵入。物音を立てたり、窓を割ったり、ついには暴力を加えたり。マスクを被った、この謎の訪問者たちに恐怖によって彼らは恐怖の数時間を過ごすことになる…。

 昨年日本公開されたルーマニア製ホラー『THEM ゼム』をほうふさつさせる内容で、あれも実話に基づいていたが、こちらもアメリカで起きた実際の事件に基づいているという。説明的な描写を省き、不条理性を押し出した作りは技あり。

 帰宅したふたりは気まずい静寂を誤魔化そうと古いアナログレコードをかける。どれもプチプチといレコード盤独特のノイズが重なるもんだから、てっきり50〜60年代のポップスかと思ったら、ほとんどが最近のUSインディー系のアーティストたちの曲。BILLY BRAGG & WILCOの曲も聴ける。

 数少ない当時の曲がベテランカントリー歌手MERLE HAGGARD、68年のヒット曲”MAMA TRIED"。この曲、ふたりの窮地を知り友人が助けにやってくるシーンで流れるのだが、彼の背後からマスク姿の侵入者が斧を持って近寄ってくる…。のどかな曲に似合わず、異様な緊張をかきたてる。この音的な演出は凄い。

 ジャケは1969年リリース、この曲をフィーチャーしたMERLE HAGGARDの同名アルバム。