映画×ロケンロー備忘録




映画とロックを愛するフリーライターの雑記帖。映画におけるロックの使われ方についての雑感を徒然と書いております

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2009-06-19 ゆっくり行きたい

gakus2009-06-19

 晩夏〜初秋、リュック・ベッソン率いるヨーロッパコープ製作作品がドドッと公開される予定。『ゴー・ファースト/潜入捜査官』(8月公開)はその中のひとつ。

 ”ゴー・ファースト”とはスペインからパリへ、時速200キロでハイウェイを駆け抜けるドラッグの運び屋の俗称で、パリの犯罪世界に実在する仕事であるとか。ただし、この名は警察が付けたらしい。

 で、物語は麻薬組織に同僚を殺害された刑事が麻薬捜査局の囮捜査に駆り出され、ゴー・ファーストなりすまして敵を追うというもの。この内容でヨーロッパコープ作品だと『TAXi』『トラスンポーターシリーズのようなノリを想像するかもだが、これが全然違って、1970年代東映実録路線に近かったりする。カメラは全編手持ちでリアリズム重視。潜入捜査官になるための訓練や、麻薬組織によるゴー・ファースト採用試験などの主人公が経験する試練は生々しく痛々しい。痛快なカー・アクションを期待すると肩透かしを食らうかもしれないが、逆にこの骨太な感覚がイイ。

 劇中ではクラブミュージック世界では有名なフランスのDJ、アゴリアの曲が使用されている。このジャンルにはまったく明るくないので、とくにコメントすることもないのだが、なんでもゴー・ファーストの運転手はこういうエレクトロな感じの音楽を好む傾向にあるらしい。

 本編の中で唯一知っていた曲がEDWYN COLLINS”GIRL LIKE YOU"。ブリットポップ最盛期にヒットしたこの曲は、麻薬組織に雇われるため、悪党であることを見せなければならない主人公が高級車を盗もうとして忍び込んだ邸宅で、その家主が聴いている。30代・実業家風情のこの家主が聴いているのだから、もはやダサい懐メロ扱いと言ってよさそう。先のラジカルなエレクトロミュージックに比べると、”イン”ではない曲ということになるのだろうか。

 アウトオブデートであろうがなかろうが、イイ曲だよ、これは。というわけで、1995年リリースエドウィンコリンズのこの曲のシングルORANGE JUICE時代〜ソロ初期はネオアコ大将のように思われていたコリンズが、実はソウル・ファンであることを高らかに宣言しちまったナンバー90年代なんてまだ”最近”じゃないの?と感じてしまうのは、歳のせいかねえ。