映画×ロケンロー備忘録




映画とロックを愛するフリーライターの雑記帖。映画におけるロックの使われ方についての雑感を徒然と書いております

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2009-07-15 フェレルはフェレル

gakus2009-07-15

 1970年代にアメリカの子供たちの間で好評を博したTVシリーズに基づく『マーシャル博士の恐竜ランド』。ファミリー向けのファンタジー・アドベンチャーには違いないが、ウィル・フェレルが主演となれば、やはりそれだけでは済まなくなる。

 タイムマシンを開発する突飛な理論によりアホ学者のレッテルを貼られ、不遇な日々を過ごすマーシャル博士(フェレル)は、彼の説を信じている女性との出会いにより、冒険の旅に出ることを決意。砂漠の怪しげな土産物売屋の男(『トロピック・サンダー』の爆弾男ダニー・マクブライド)時空の歪みに遭遇した彼らがたどりついた先は、現代文明の残骸や恐竜、類人猿、半魚人のような怪生物が共存する、世にも奇妙な世界だった……。

 タイムワープを可能にする素粒子が発生すると『コーラスライン』の音楽が鳴り出す装置(”開発前の機械のデータが残っていたから”と博士は説明する)のスリリングなシーンにおける音楽的な脱力感、恐竜から身をかわすためと、その尿を全身に浴びたり飲んだりする博士。この辺のバカっぽさは、フェレルのテイスト。

 そして『俺たちダンクシューター』で全開となった1970年代ソウルは今回も登場。命がけで翼竜に奪われた装置を命がけで奪還した後、モーテルの廃墟にあるプールサイドで祝杯を上げているシーンで、RARE EARTH、71年のヒット曲”I JUST WANT TO CELEBRATE"が流れる。このシーンだけは、ひたすらノーテンキでタイトル通りのお祝いムード。

 しかし、それがエスカレートしてしまうのもフェレル作品ならではで、類人猿に勧められて試したドラッグでラリって、ボブ・ディランの"ALL ALONG THE WATCHTOWER"の間奏部分、サイケなギターがギンギンに鳴り響く。ファミリー映画でもキワドく攻めるフェレルでありました。『エルフ』の頃の方が、まだ節操があったような気も…。

 ジャケはレア・アース、この曲を収録した1971年のサード・アルバム『ONE WORLD』。もちろん、モータウン発。