映画×ロケンロー備忘録




映画とロックを愛するフリーライターの雑記帖。映画におけるロックの使われ方についての雑感を徒然と書いております

*過去に取り上げた作品についてはページ左下の一覧表を参照

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2009-08-14 ビヨンセの功罪

gakus2009-08-14

 明日から公開される『キャデラック・レコード/音楽でアメリカを変えた人々の物語』は、1950〜60年代のブルース全盛期、そしてロックンロール黎明期を支えたマイナー・レーベル、チェス・レコードの物語。

 白人でありながら黒人に偏見を持たず、ヒットが出る度に気前よくアーティストにキャデラックを買い与えた創設者レナード・チェス(エイドリアン・ブロディ)を中心に物語は進む。マディ・ウォーターズハウリン・ウルフチャック・ベリー、エタ・ジェイムスといったチェスのスターの栄光と挫折が描かれ、興味深く見た。とくにマディとウルフのライバル意識の強さを描いたエピソードは面白い。

 時代考証は"あれ?”と思うところが多々ある(エタが"AT LAST"をレコーディングするのはストーンズがデビューするずっと前なのに、その順番が入れ替わっているとか、エタがチェス・デビュー前からシンガーとして活動していたのに映画の流れでは売春婦まがいの仕事からチェス・デビューしたように見えるとか)。また、焦点が絞りきれておらず、起きたことを淡々と連ねるだけになってしまったのが惜しい。でも、何より”おいおい…”と思ったのは、エタ・ジェイムス役をビヨンセがやっていることだ。違いすぎないか!?

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 それでも音楽はやはり素晴らしくて、よくぞここまで再現したな、という感じ。『ドリームガールズ』ではわざとポップな歌い方をしていたビヨンセも水を得た魚のようにソウルフルなボーカルを聴かせる。なんだかんだ言っても"AT LAST"のレコーディング・シーンはグッときたぞ。

 ジャケは1961年リリース、ETTA JAMESのアルバム『AT LAST!』。