映画×ロケンロー備忘録




映画とロックを愛するフリーライターの雑記帖。映画におけるロックの使われ方についての雑感を徒然と書いております

*過去に取り上げた作品についてはページ左下の一覧表を参照

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2009-09-21 アメリカの湖畔も怖いぞ

gakus2009-09-21

 早く日本公開してほしいハリウッド製リメイク・ホラー2編。アメリカで一度見たけれど、待ちきれず輸入盤のDVDも購入。それほど面白かった…ということで話を進めたい。

 ひとつは鬼才ウェス・クレイブンのデビュー作にしてホラーの古典『鮮血の美学』をリメイクした『THE LAST HOUSE ON THE LEFT』。両親とともに湖畔の別荘に出かけた少女が脱獄囚とその仲間に遭遇。同行していた友人は殺され、レイプされた彼女は身の危険を感じてボロボロになりながら湖に飛び込み、ボロボロになりながら逃げ切る。一方、この時の追跡で脱獄囚一味のひとりが重傷を負い、助けを求めて、そうとは知らず少女の別荘へ。彼女の父親は外科医で、傷の手当てをするが、このゴロツキどもがかわいい娘をいたぶったこと知るや、妻と共に復讐の鬼と化す…。

 脱獄囚役に『サラ・コナー・クロニクルズ』でT-888を演じていたギャレット・ディラハントだから、血も涙もない無機質な不気味さは強烈。しかし、これを上回る怪演を見せるのが夫婦役のトニー・ゴールドウィンとモニカ・ポッター。特に、ゴールドウィンはいっちゃっていて、『13日の金曜日』シリーズの何作目かで殺され役を強いられたウサを晴らすかのように、良きパパのバイオレントな変貌を見せつける。このメーターの振り切れ具合は新鮮。

 前半、ゴールドウィン一家が車で別荘へと向かうシーン、カーラジオからGYM CLASS HEROESのヒップホップ風ナンバーが流れている。居眠りしていたゴールドウィンは"Yo yo what's up?"とつぶやいて妻子を笑わせるのだが、家族の幸福な風景はここまで。

 もう一本は韓国映画『箪笥』をリメイクした『THE UNINVITED』。病気の母を火災で亡くし、心に傷を負った少女が退院し、湖畔(湾かも!?)の自宅に戻ってくる。彼女を迎えたのは大人びた姉と父親、そして実母の面倒を見ていたが今では継母の座に就こうとしている看護婦の女性。この看護婦が、実は母を殺したのではないかと、少女は疑い、姉とともに調査を進め、やがて驚愕の事実が明らかに…。

 大筋はオリジナルとそれほど違わないので、その点での驚きは薄いが、『箪笥』が哀愁を感じさせる終わり方だったのに対して、こちらはトコトン救いがない。ラストシーンのヒネリもそれに拍車をかけ、ズドーン!と突き放されたような感触。

 映画が始まってすぐ、若者たちのパーティのシーンではKINGS OF LEON”MY PARTY"が延々とフィーチャーされる。しかし、これよりインパクがあるのはCHRLOTTE GAINSBOURG"THE SONG THAT WE SING"。壁越しに聞こえてくる父と継母の愛の営みの声にウンザリしたヒロインがヘッドフォンを装着すると、この曲が流れてくる。冒頭の箇所だけの短いフィーチャーだが"I saw somebody who rminded me of you - Before you got afraid I wish that you could've stayed that away"という歌詞は、ある意味、物語のオチに関わってくるような。

 どちらもオリジナルに勝るというつもりはないけれど、それでも見返したくなる魅力はある。ハッキリ、オリジナルを”超えている”と言える点があるとすれば、どちらも美少女の水着姿が拝める点か…。

  D

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 ジャケはシャルロット・ゲンズブール、先述の"THE SONG THAT WE SING"(ジャーヴィス・コッカー作!)を収めた2006年のアルバム『5:55』。そういえば、『なまいきシャルロット』でのこの人の水着姿も可愛かったな。

*追記

2010年1月『ゲスト』の邦題でDVDリリース。

ゲスト [DVD]

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