映画×ロケンロー備忘録




映画とロックを愛するフリーライターの雑記帖。映画におけるロックの使われ方についての雑感を徒然と書いております

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2010-02-02 超地味セレブ

gakus2010-02-02

 アカデミー賞で作品賞をはじめとする6部門でノミネートされた『プレシャス』(4月公開)。主要部門では助演女優賞以外の受賞は厳しそうだが、注目作であることに変わりはない。

 スラムに住む超肥満の女の子プレシャスは、母親に精神的にも肉体的にも虐待されている上に、家出した父親の子供(二人目。一人目はダウン症)を身ごもっている。彼女の逃避の場は空想の世界だけで、そこでのプレシャスは周囲にチヤホヤされるセレブリティだ。しかし、やがて現実の世界でも彼女は突破口を見つける。フリー・スクールに転校し、読み書きを覚えた彼女は学ぶことの楽しさに目覚めた。そこから新しい世界が開くと思いきや、プレシャスの前にさらなる壁が…。この展開だけ聞くととんでもなく悲惨な話に思えるかもしれないが、タッチは予想外にポップで、物語もポジティブ。むやみに感傷に走らない点は好感度が高い。ウェット一辺倒のケータイ小説映画も、少しは見習った方がいい。

 この映画では最近のR&Bが多く使われているようで、残念ながら知っている曲はほとんどなかった。が、それでも目に付くのが二人のアーティストの出演。ひとりはマライア・キャリーで、プレシャスを担当するソーシャルワーカー役で出演。スッピンに近い状態の出演で、それなりに出番はあるものの、言われないと出ているとはわからないかもだ。映画では大空振りだった『グリッター』の印象が強くチャラいイメージのある人だが、この地味だが味のあるキャラには不覚にも好感を抱いてしまった。

 もうひとりはレニー・クラヴィッツで、出産時のプレシャスの入院先で働き、プレシャスの級友たちから”ナース”とからかわれても怒らず笑ってる看護師役。こちらも地味キャラで知らないで見るとスルーしそうだが登場シーンはそれなりにあって、やはりイイ味を出している。ちなみにエンドクレジットによれば、クラヴィッツは”DO IT”なる曲を映画に提供している模様。再見する際にはチェックしておきたい。

 ジャケはLENNY KRAVITZ、昨年20周年記念バージョンで再発された1989年のデビュー・アルバム『LET LOVE RULE』。この後サングラスがトレードマークになり、素顔のイメージが弱くなってしまったのも、劇中で気付きにくい理由と思われる。

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