映画×ロケンロー備忘録




映画とロックを愛するフリーライターの雑記帖。映画におけるロックの使われ方についての雑感を徒然と書いております

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2011-01-19 21世紀の大災難

gakus2011-01-19

 今週末に公開される新作の話を、もう一丁。『デュー・デート/出産まであと5日!史上最悪のアメリカ横断』は、『ハングオーバー!』のトッド・フィリップス監督がロバート・ダウニーJr.を主演に起用して放つロードムービー。同作のザック・ガリフィナキスが、またもハタ迷惑なキャラで暴れまわる。

 ダウニーふんする主人公は妻の出産を間近にして、出張先のアトランタから北米大陸の反対側にあるLAの自宅に一刻も早く帰ろうとしている。しかし旅客機に乗り合わせたのがガリフィナキスだったことから、とんでもない災難に見舞われる。テロリストに間違えられてガリともども機内から追い出され、レンタカーを借りるも、ドラッグに寛容な自由人であるガリの運転では事故るのも必然的。一日でLAに帰るはずが、結果的に長い旅路となってしまい…。

 『ハングオーバー!』のハイテンションかつバカバカしいノリを期待すると肩透かしを食らうかもしれない。自分が連想したのは、むしろジョン・ヒューズの『大災難P.T.A.』で、ソリの合わない者同士が巻き起こす珍騒動はもちろん、大迷惑なキャラクターにも同情すべき点があり、ふたりの間に友情が芽生えるシンミリ感も共通する。

 嬉しい驚きは意外性のあるキャスティングで、昨日取り上げた『完全なる報復』のジェイミー・フォックスがダウニーの友人役で顔を見せていたり、最近はミュージシャンとして活躍目ざましいジュリエット・ルイスがガリのヤク友にふんしていたり。

 とはいえ、『ハングオーバー!』でも感じられた適材適所の選曲は今回も絶妙。オープニングで流れるSAM & DAVE“HOLD ON, I’M COMING”でダウニーの心情をガツンと訴え、ジュリエット・ルイスの家でドラッグをキメるシーンではCREAM“THE WHITE ROOM”やPINK FLOYD“HEY YOU”がサイケな音色を響かせる。

 一方で、シンミリしたシーンではROD STEWART“AMZING GRACE”が鳴り渡る。個人的にグッときたのは、深夜にダウニーとガリが会話しつつ、親密になるシーンでフィーチャーされていたCOWBOY JUNKIESの“SWEET JANE”。ルー・リードのカバーであるこの曲のダウンテンポのサウンドは、真夜中の魔力を感じさせるに十分で、親しくなるはずのない彼らの間に生じたマジックを想起させる。

 ジャケはカウボーイ・ジャンキーズ、1989年のヒット、米盤シングル『SWEET JANE』。

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