がるの健忘録 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2011-05-09

[]エンジニアリングにおける生態濃縮問題

毒危険。

…いや今回まぢで結構しゃれになってないので。


本題。


さて。なにを持って「出来るエンジニア」と呼称するのかにもよるのですが。

おいちゃんとしては概ね「深広練、特に練度、深度のある」状態を指し示します(「現在は身についていないが、実につけるべく鋭意努力中」は、将来を見越して「身についている」カテゴリである、と仮定します)。まぁ他の定義にしても、おそらく今回のロジックは成立しますが。

http://d.hatena.ne.jp/gallu/20110425/p1

http://d.hatena.ne.jp/gallu/20110504/p1

とりあえず一端「エンジニアリングスキルを大切にしている人たち」と仮定してみましょう。


前提条件1。

とある組織には、エンジニアが100人居ました。

うち、50人は「タイプA」、50人は「タイプB」である、と仮定します。

…比率についてのクレームは受け付けません(笑 *1


前提条件2。

企業風土などの関係から。上に上るのに必要なスキルが「エンジニアリングスキル」ではなく「政治能力*2である」と仮定します。「無茶な数字を設定、部下を磨耗することでその数字を達成、成果だけ自分の手柄にする」は、政治能力の一環であると仮定します。

…まぁ実際のところ「エンジニアリングスキル」を(ある程度、にしても)正しく判定できる経営層は稀で。一方「政治能力」は、数字が見えたり心地よかったり、と、経営層にとって判断がしやすいってのは、ひとつ重要なポイントです。


私が定量化を行わない最大の理由は、社会的な事業のなかで真に意味のあるものは定量化になじまないからである。

by Peter Ferdinand Drucker


閑話休題


タイプAは、大抵「エンジニアリングスキル」を伸ばし、そこを上司に向けてアピールします。で、そのアピールは大抵通用しません。なお、彼らの政治能力には、相応の問題があります。具体的には「上司だろうが平気で批判する」などなど(いわゆる「カイゼン」は、批判の一種です)。

タイプBは、大抵「政治能力」を伸ばし、そこを上司に向けてアピールします。で、そのアピールは、一定の確率でしっかりと通用します。なお、かれらのエンジニアリングスキルには、相応の問題があります。具体的には「動くからいいだろ?」な、大変に「ジェンガ( http://d.hatena.ne.jp/gallu/20110324/p1 )」な設計とソース。


確率的な問題として「タイプB」が上司になる可能性があがります。


「タイプBたる上司」は、判定基準に「エンジニアリングスキル」を求めません。より正しくは「判定できない」ので、求めることができません。


タイプAは、大抵「エンジニアリングスキル」を伸ばし、そこを上司に向けてアピールします。で、そのアピールは大抵通用しません。

タイプBは、大抵「政治能力」を伸ばし、そこを上司に向けてアピールします。で、そのアピールは、一定の確率でしっかりと通用します。


確率的な問題として「タイプB」が上司になる可能性がより高くなります。


少し別の角度で。


「タイプA」は、可能性として転職ができます。実際に「よりマシな待遇」をしてくれる可能性のある会社を調べている可能性も高いでしょう。

「自らのスキルを評価してくれず」「明らかにエンジニアリングスキルの低い上司の指示に従わざるを得ない」環境を前に、彼らは一定の確率で転職をします。


「タイプB」は、可能性としての転職を、大抵は考慮しません。

そもそも転職する理由もありませんし、転職してもし「エンジニアリングスキルの低さが晒される」と、職の危機すら訪れかねないので。

なお。厳密には「本当に政治能力が高ければ」どこにいっても同じように取り入ることができると思うのですが。そういう意味で「真に政治能力がある」人というのは、やはりごく一部なのではなかろうか、と思われます。


つまり。


タイプAは「評価をされず」「組織内での地位、発言力、権限が上がらず」「一定確率でその組織から消え去り」。

タイプBは「評価され」「組織内での地位、発言力、権限が上がり」「その組織にしがみつき」。

組織は「タイプB」が上位を占めるようになり、それによってより「タイプAにとってすごしにくく」「タイプBにとってすごしやすい」環境が整い。

タイプAは「評価をされず」「組織内での地位、発言力、権限が上がらずどころか下がり」「一定確率でその組織から消え去り」。

タイプBは「評価され」「組織内での地位、発言力、権限がより一層上がり」「その組織にしがみつき」。

組織は「タイプB」がさらに上位を占めるようになり、それによってより「タイプAにとってよりすごしにくく」「タイプBにとってよりすごしやすい」環境が整い。

以下略。


かくして「生態濃縮」が始まります orz

タイプA:タイプBが、初めは50:50だとして。それが40:60になり、25:75になり、10:90になり…最悪、0:100になるわけです。

大抵この手のって「雪崩る」ので。一度その傾向が見えてくると、後は早いもんですねぇ。雪崩た後にエンジニアリングスキルの高い人が入ってきても、彼は「相応に、そういった嗅覚が発達している」ので。危険なにおいを嗅ぎ取って、大抵の場合「速やかに離脱」していきます B-p


現実問題として。

「タイプB」は、「とりあえず動く」程度のものは作れます(それさえ出来ないのはさすがに論外)。

問題は。「とりあえず動く」というのは、大変にDominant-Negative(ドミナント ネガティブ)な状態なので( http://d.hatena.ne.jp/gallu/20101106/p5 )。

本当であれば「そこから先が大切」なのですが、「動いているから問題ないじゃないか」で、大抵の改善策は、封殺されます。


効率化? セキュリティ

なにそれおいしい?


そんな環境に嫌気が差すタイプAは離脱し、タイプBは居残り、以下略。


んで。

改善は「論理的に不可能ではない」のですが、実際問題「あんまり現実的でもない」のが、大抵の現場の実情なのではないでしょうか?

一応改善策をあげておくと。最低でも「中堅どころ以降に散見されるタイプBの意識を徹底的に、意識レベルで改革する」か、大抵の場合「ある程度(あるいはほとんど)の中堅どころ以降に散見されるタイプBの首を切る」が、startラインなので。


で。首を切られそうになると、タイプBは「お得意の政治能力」で逃げ切るので…でも、逃げ切られると、結局はまた「生態濃縮」がrestartするだけなので orz


故に。一度この状態に落ちると、回復は非常に困難です。なにせ「とりあえず会社はまわっているように見える」ので(実際には「かえるさんが茹で上がる最中」程度の状態なんですがねぇ)。

できれば「ベクトルが下を向いた時点でヘッジする」か、でなければ「大掛かりな外科手術をしてでも、一度しっかりと根本治療をする」必要があります。


できるんなら、ですがね B-p


参考

退職する理由 http://d.hatena.ne.jp/gallu/20061206/p1

人柄なのかデジタルなのか… http://d.hatena.ne.jp/gallu/20070912/p1

*1:現実的な話をすると…タイプAは…100人中、10〜20人もいればいいほうなんじゃないかなぁ… orz

*2:口先とかおべんちゃらとかゴマすりとか B-p

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