がるの健忘録 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2015-02-18

[]トゥーヴ「dad」

トゥーヴは、一つのBW(blank will)を「特定の品物(通常、15cm程度の杖を模した形状である事が多いが、形状や素材に、魔的な意味での意味合いはない)」に付与する事で作られる。

BWの価格が極めて高額であるために「全ての民が持っているもの」ではないが、とはいえ、ある程度有力な家系や裕福な家系、魔力の強い者などは、所持している事が多い。

なお当然だが、BWにも(かなり極端なくらいの)魔力の高低があるので、おなじトゥーヴであっても魔力はかなり異なる。


ごく稀に、1つのトゥーヴに「2つのBW」が付与されているものがあり、「ダブル」と呼ばれ、極めて貴重である。

単純にコストの問題もあるが、いくらBWが「domestic manから魂を抜きだし、意志を剥奪することで得られる魔力の元」であるとはいえ、厳密かつ完全に「意思を剥奪しきれる」かは難しく、僅かに残った意思の残骸、魂の波長その他の問題で干渉がおきる事も多いため、「十分なだけの意思剥奪+十分な相性」など諸々の条件が重なるために(で、その条件に満たなくて霧散したBWのコストが乗るために)、極めてレア、且つ高額である。

通常は「高名かつ裕福な家系」で「術士としての期待を一身に背負っている」ものに与えられる。

特定の「極めて重要な役職に就く者」に貸与されるケースも少なくない。…よって、ダブルを持つものには大きな敬意が払われるのが常である。


同様に「トリプル」があるが、以下略。

こちらもダブル同様「極めて重要な地位にいるものに貸与される」ケースが多い。


「クワド(4つのBWのトゥーヴ)」以降は国宝級となる。なお、クワドの場合それは「地水火風」を指すと言われている。実際に、3つが現存している。

クワドは「名家の証」的な意味合いが強く、実際、現存している貴族筋が保有している。


同様に「クウィント(5つのBWのトゥーヴ)」がある、と言われているが、これは現存が確認されていない(作成された、という記録はある)。


「セクス(6つのBWのトゥーヴ)」は1つだけ現存していて、これは「王」が所持していることが知られている。

セクストゥーヴは、実際には幾分の干渉があるらしく「通常のトゥーヴの6倍の魔力があるかどうか」というと微妙ではあるらしい。

幾分「儀礼的な」ニュアンスも強い。


「セプト」と言われる「7つのBWのトゥーヴ」については、理論上「可能である」「不可能である」という議論が現在も平行線を辿っていて、決着がつく様子はない。

ただ現実問題として「理論上可能だとしても、現実的に不可能である」という意見で、現場の技術者たちの見解は一致している。


ここに、誰にも知られていない一つのトゥーヴがある。

「dad」と命名されたトゥーヴである。

魔力を導くのに齟齬がない、程度に意識が残っており、極めて希にだが「所有者と念話をする」事があるこのトゥーヴは、極めて穏やかで深い知識を有する。

無口であること、一方で深い見識を持つ、などの性質から、敬意を込めて「お父さん」を意味する俗語「dad」と呼ばれている…と思われているが。

正しくは「隠された知恵」を意味するDaath(ダート)という名前がなまって「dad」になっている。


dadは「本人を含めて、11のBWを保有する」トゥーヴである。

かつ、本人以外の10のBWは適切に扱われ、10の「異なる力の側面」を導き出し、dadの中心BWたる11番目がそれを適切にコントロールするために。

通常どころか、「理論限界」をすら、遙かに超える力を導き出す事が可能である。


とある技術者がなにがしかの意図を持って作成したのか、ただの偶然だったのか…すなわち、必然だったのか。

11番目が他の10のBWを完全に制御している為に「1つのBW」としか見なされず、魔力量を抑えた為に能力としては「C級程度」と思われ。

とはいえ「欠陥であるために必要な判定」は全て問題なくスルーしたために。


「dad」は、安い「C級品」として、流通に乗った。

その力を、トゥーヴ自らの「意思」によって、隠したまま。


dadは、存在しない。

あり得ない、トゥーヴである。


あり得ない。

すなわち

あり得る、事である。

2014-10-19

[]キャラクター設定

エヒュール

「本来の魔力」を扱える唯一の人物だった。

高潔な王であり、偉大なる魔術師であったが、相手を「無為に信じる」事が出来ない程度に若い人物でもあった。


ヨド

「原エネルギー」を扱える、力ある魔術師

しかし、その力故に配慮が幾分浅く、判断力や理解力に欠けるところがあった。


エドゥヒューム

時間と生死を操り扱う強力な魔術師

様々な者が見え過ぎわかり過ぎてしまうために、心の底では全てを拒絶してしまっている、悲しい女王。


エル

全ての完成と安定を司る賢王。

安定を尊重する余り感動を忘れ、心が失われていく自分に恐れつつも安定を欠く事をより恐れ、密かに心が揺れ動いていた。


エロフギボル

争いと武力を司る勇ましき武王。

しかし、いつしか自らの振るう「強大なる力」に酔い、残酷さを隠しきれなくなっていた。


エルハス

調和救世を司る魔術師

調和による美しさを尊ぶあまり、醜悪なモノを嫌悪するようになり、ゆっくりと心の中に、醜悪が積み重なっていた。


アドツァバオ

自然のエネルギーを司る奔放な女司祭

性愛もまた彼女の管轄ではあったが、その性愛に溺れ、愛憎の網にゆっくりと絡め取られていった。


エルツァバオ

知性と記憶を司る魔術師

その旺盛な知識欲は、貪欲なまでに「全て」を欲し、いつしか「禁断の知識」に足を踏み込ませていった。


シャダルカ

幻想と霊界、揺れ動く全てを司る魔術師

幻を巧みに操りすぎるが故に、いつしか、自らの存在にすら不安を感じはじめ、ゆっくりと、不安定になっていった。


メレク → キムラヌト

「物理」と「物質」全般を司る王。

彼は「全て」を欲した…

2014-05-03

[]魔法概論

前提

「世界」を「編み変える」ことで、現実に様々な影響を及ぼすことが出来る。


歴史的側面から

最初期

いくつかの方法で「編み変える」方法に、偶然気づく連中がいた。

そのうちの僅かな個体は「自らの意思によって」「再現性のある」模様の編み変えが出来るようになり、人々の畏怖と尊敬を集めた。


定着期

「自らの意思によって」「再現性のある」魔法を使える個体が現れ、また一部では口伝なども始まり、世界に「魔法」がゆっくりと定着していった。

当時の識魔率は1%前後と考えられている。

「知識階級に多い」という訳でもなく、実際に「農村にて、農民達が受け継いでいる」術式、なんていう例もあった。


発展期

研究が始まり、進み、事故も多かったが、徐々に様々な法則が明らかになっていった。

識魔率が50%に達したのはこの頃。

様々な術式の「基本」は、ほぼこの頃に出そろう。


調和

一般に「アイランドフォーム」と呼ばれる術式が全盛だった頃。

比較的短い手続きでの魔法発動が可能だが、調整/調節の難易度が高く、習熟していない術士による事故も多発していた。


大異変

様々な「精霊の悪しき部分の封印」などを含む、一連の騒動。


現在

現在では「コンチネンタルフォーム」と呼ばれる術式が全盛となっている。

「同一規模/内容の術式」の場合、アイランドフォームより若干の手続き増加があるが、適切に制御が出来る上に「手続きを簡略化する」技術が発達したので、結果的に、アイランドフォームより圧倒的にメリットがあり、現在の主流となっている。


「誰も知らない」側面から

最基底

極めて単純な「1命令」単位。名詞と動詞のみが存在し、量を規定する方法は「突っ込む魔力に寄る」為に、最高位クラスの難易度となる。

ここでの「1命令」は「1DS(ダイナミックステップ)」という単位で測定される…が、この意味を知るものはもはや存在しない。


最基底汎用

「最基底」ではあまりにも魔法の構築が難し過ぎるために出来た中間言語。

ただし「最基底を理解している」前提であるため、難易度は同様に最高位クラス。

ここでの「1命令」は、1〜4DS程度となる。


関数

「ある程度よく用いられる」魔法をひとかたまりの"手続き"としてまとめたもの。

実際には「最基底汎用のみで構成された一次関数」から始まり、「一次関数によって構成された二次関数」…と繋がっていく。

現在用いられている魔法は、ものにもよるがどんなに若くても25次関数以上、である。

15次関数以下の若い関数を、学術的には、便宜的に「基底関数」などと呼称する事がある。10次未満の関数を「解析」出来る術者は、現在、存在しない。


代表的な関数

数値制御関数

「特殊な例外」を除く全ての魔法で必ず用いられる関数。

「得たい力」と「それと真逆の力」を、マイクロ秒単位で交互にスイッチさせつつ「ごく僅かに」得たい力の方の秒数を増やすことで、結果的に「得たい力を、得たい数量だけ、安全に」得る事が出来るようにする為の関数。出力制御、である。

この関数が「ある」事すらもほぼ知られておらず、一般的には「魔力量を調整出来るのは、魔法としてごく当たり前の法則」である、と考えられているのが一般的である。


構文解析関数

現在の「あらゆる魔法」が必ず用いる関数。

「誤った構文」の魔法を、発動前にチェックし、必要に応じて抑止するための安全弁。

実際には複数の「構文解析関数」があり、かつ、現在は「国による構文解析関数」が用意されていて必ずそれを通す事が義務づけられている(安全のため)。

いくつかの術式が「禁止」されていたり「特殊な許可」が必要だったりするのは、この関数内での制御、のため。


魔法発動の流れ

大まかには

・術式用のコードのプログラミング(呪符などはここがないし、呪文も「予めプログラミングされている」ので、即興魔術以外ではここは事前準備が可能なところ)

・魔力の召還:正しくは「意思を1方向にまとめる」

・魔力の錬成:正しくは「意思の力を術式コードに流し込み、コードを実行させる」:実行結果として「コンパイルされた魔力」が出来上がる

・魔法の実行:;「コンパイルされた魔力」の実行


なお「発動遅延」は、そういった術式を組んでいない限り「コンパイルされた魔力は、短時間で性質を変える」ので、比較的難しい。

2012-11-28

[]性懲りも無く新しいタグです

いやまぁ構想は結構前からしているのですが…そろそろ自分の尻っぺた叩かんとなぁ、とか思ったので(苦笑


「lule of runatic - 狂気の法則-」という世界観を現在作成中でして。

TRPGと小説とWebブラウザゲームの3方向展開を考えてます(えぇ考えてるだけで遅々として進んでおりませんが(苦笑) )。


「world be falling 〜堕ちゆく世界〜」は、そのうちの「小説」部分になります。

ちぃと、設定とか小説の走り書きとかを、晒していこうか、と。


よろしかったらご笑覧くださいませ。

[]設定の欠片

人々の要求に次々に答えるために高度に最適化する形で発達した魔法文明は。その恩恵をあずかれるものにとっては、すばらしいものだった。

魔法とは極論すれば「意志の力」である。

そのために。さまざまな道具に「意思を増幅するための"白紙の意思(ブランク・ウィル:BW)"」が埋め込まれていった。

初期は純粋に「力の結晶」に近いBWであったのだが。

命令解釈の柔軟さを補うために、さまざまな思考能力が付与されていった。

だが残念なことに。思考能力とともに、記憶もまたある程度、引き継がれてしまう「事故」があり、しかし素材の高価さのために、それらは通常「セカンダリ(二級品)」として流通していった。

しかし。セカンダリの検査にすら落ちるほどに「記憶を洗いきれなかった」粗悪品が存在する、といううわさがある。記憶どころか、ブランクではない意思すら残している、という、完全なる失敗品。

ただの都市伝説に過ぎないのだが・・・


トゥーヴ

Tool to sarve the person(人に奉仕するための道具)。人間が(ある程度以上の)魔法を使うために必要な道具。

現代社会における携帯電話と同じ程度、或いはそれ以上に普及し、生活に密着しているもの。ただし高額のため、一定以上上流の家柄に限られる。

形状は様々。


blank will

白紙の意思(ブランク・ウィル)。BWと略されることが多い。

domestic manから魂を抜きだし、意志を剥奪することで得られる魔力の元。

トゥーヴはBWを物品に付与することで作成される。


domestic man

家畜を意味する「Domestic animal」と人間を意味する「Man」から作られた造語。

BWの素材。

物理的に人間と等価な存在だが「彼らはBWになるために造られた」とされている。

ある程度、魂が成熟するまで(一般的には13〜16年程度)の間、特殊な地域で飼育されるほか、ある程度貧困な地域での(一応非合法なのだが通常は目こぼしされている)売買もある程度のシェアがある。

[]世界の破死まり

それは、一つの失敗から始まった。

魔法とは「意志により変化を起こす技法」である。

ならばその「意志」とはなんなのであろうか?


BWの理論そのものは、比較的初期から考えられてはいた。だが「同じ人間を奴隷がごとき状態に堕とす」という行為は、中世以前であればまだしも、この現代の世において、世論が受け入れられるものでは、到底なかった。


「同じ人間」で、あれば。


その変化は、全体から見れば、わずかなものの集合であった。

ある、世界の「魔力の根源(…などというものは存在しないのだが)」の枯渇の可能性の観測。

より高度な、そして重度の魔法依存という風潮。

全く異なる生き物から「人間に極めて近しい」生物が合成できた、という事実。………誰も知らない、嘘。

ほぼ発作的といってもいいほどの速度で決まった、国際魔法連合会議での可決。………インサニティとチャームという二つの魔法を合成した一つの魔法…ルナティック。


人は、望んだ。より強い力を、魔力を得る事を。

あまりにも多くの「魔術師」が願ったその願いは…願いそのもの、意志そのものとして…暴走した。

世界は。あまりにもあっけなく、その魔法にとらわれた。


そうして、生み出した。BWという存在を。


ならば。

生と対になる死は、どこから生まれるのか。何を殺すのか………


[]小説に向かうためのプロローグ

"それ"は紛れもなく欠陥品だった。

「欠陥であるために必要な判定をことごとくかいくぐる事ができる」という点において、まさに。


通常。

BWは読んで字のごとく「意志を白紙にさせられる」。

彼は。

意志を除去する魔法「will remove」に対してほぼ完全にレジストすることが出来た。しかし、わずかな影響は彼の -元々割合に乏しい- 感情をほぼ完全に消し去った。


will removeに対するある程度のレジストは、当然ながら工程において想定内である。

そのために。通常の感知魔法のほかに、意志があれば耐えられないストレスを与えるなどのテスト工程が入念に行われる。

しかし。

感情がなくなった彼にとって、ストレステストは純粋に「観察と興味の対象」にしかすぎず。

結果。

彼が意志を完全に備えている、ということは誰にも気付かれず。

かくして「意志と思考能力が完全にある状態」という、あり得ない -あるいは「あってはならない」-状態で、出荷された。


性能としてはもともと「かなりの高性能」に分類される彼であったが。

意志を持つ彼は「学習」に加えて「考察」をする事ができ、それはさらなるパワーをもたらし。つまりは「より高い性能」を持つにいたり。

相応に評価され、長い年月を閲するに至った。


とはいえ。

道具に語りかけるものなどいるはずもなく。

彼は密やかに学習し、内包するパワーとしては「世界でも有数の」という形容詞を与える事ができるほどに育ちつつも。

目立つ事を嫌った彼は適当にパワーをセーブし、ゆえに「高性能」程度の緩やかな評価を受けながら、大切に使われていた。

「実は意志ある魂である」ということは、誰にも露見しないまま。


あの日までは。

彼女の手に渡るまでは。

[]プロローグ

序章

あたしは、日記を書こうと思う。

今までに起こった事を。そうして、これから起こる事を。

その中で思う様々を。


回想

あれは。おばあさまから初めて、魔力の手ほどきを受けた時だった。


「いつもお前や私が使っているこのお道具は。トゥーヴというのですよ」

トゥーヴ。

家のいたる所にあり、お食事の時に使うフォークやナイフよりもよくつかうお道具。

いろいろな形があるけれども。お人形がもつ杖のような小さな杖の形が多くて。


「さぁ。いつものように何気なくではなくて。今日は、ちゃんと魔力を意識して使ってみましょう」

あたしの中にあるほんの少しの魔力の流れに沿わせるように、あたしの魔力に合わせてたくさんの力を貸し与えてくれる、大切なお道具。


「自分の中にある魔力をゆっくりと喚起して…」

総ての人にとって、無くてはならないもの。


「その魔力をトゥーヴに乗せて、魔力を増加させるの」

おばあさまはいつも「どんなお道具にも魂がこもっているものなのですから、大切になさい」とおっしゃってた。


「その、増幅された魔力を使って、呪文を唱えてごらんなさい」

あたしは、トゥーヴが増幅してくれた魔力の上に呪文を乗せる。


「沈黙なる水よ 我が元に集え」

魔力は周囲の水気を集めて、一筋の水の流れを作る。水作成の呪文。…集中しすぎたものだから、思ったよりたくさんの水が出来てしまったのだけれども。


「あらあら、相変わらず魔力持ちさんね。周りが思った以上にびしょ濡れだわ」

おばあさまはそういって、笑いながら脱水の呪文をお唱えになった。

そうして、いつものように、おばあさまはおっしゃった。

「お道具は、あなたを手助けしてくれる大切なものよ。どんなお道具も、感謝の気持ちを忘れずに、大切に使って差し上げないとね。道具には魂が宿っているのだから」

もちろんどんなお道具も粗末には扱わなかったけれども。

あたしは、ほかのどんなお道具よりも、トゥーヴを使う時に、そう感じていた。

だから、おばあさまに、当然のように質問をした。

「ええ。でも、トゥーヴは、ほかのお道具と違って。本当に、本物の魂がこもっているんだと思うわ? だって、あたしや、おばあさまや、お父様や、お友達たちの中にあるものと全くおなじものがあるんですもの」


おばあさまの、一瞬の、逡巡の表情と。その後に見せてくださった、とても哀しげな笑みを。

その時のあたしは、ただ不思議な思いで見つめるのが精一杯だった。

あたしが覚えている限りでただ一度だけの、おばあさまの、とても不思議な表情。

それ以降も、おばあさまから色々と魔法を伝授いただいたのだけれども。

あたしが同じ質問を口にする事は、二度となかった。おばあさまのあの表情が…哀しみをたたえた目が、忘れられなくて。


…忘れたくて。