初イーガンに順列都市読んだ

で、ビッグスリーダン・シモンズには手を出したのですが、ビッグスリーは50年代のSF黄金期を担った作家であり、ダン・シモンズは90年代から活躍する現代の作家だけど、ハイペリオンイリアム(未読)もSF叙事詩なので、現代のハードSFというものをまだ知らなかったんですね。
というわけで、現代ハードSFの大家であるグレッグ・イーガン

順列都市〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)

順列都市〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)

順列都市〈下〉 (ハヤカワ文庫SF)

順列都市〈下〉 (ハヤカワ文庫SF)

を読みました。キーワードはセル・オートマトン人間原理アナグラムといった感じかな?
なんだか各所で同作者のディアスポラ (ハヤカワ文庫 SF)が難解難解言われているので少し怯えていたのですが、以前ライフゲーム - Wikipediaを読んだのと、GtkLifeを弄ったのとでセル・オートマトンについてのイメージが存在していたおかげで大体は理解して読めたように思います。物語の鍵の塵理論が出てくる辺りは結構辛かったですが。ニューラルネットワークのシミュレーションによって自意識が生まれるところまでは良い(ような気がする)として、その演算の順序なんて替えたら駄目なんじゃ、そもそも直前の結果を使わない演算に意味はあるのか、てな感じで。http://www2.ocn.ne.jp/~nukunuku/MyPage/K0102C.HTMを読んでそもそも塵理論について分かってなかったことが発覚。いつかまた読まなくては。
第2部では人間が物理的な束縛(この宇宙すらも!!)を完全に超えて新たな局面に入り、衝撃の結末に終わるわけですが、わかりやすい要約なぞは書けないし、最後にこの作品読んで思ったことでも。
自分は今まで全知全能の唯一神なんてのは信じなくても、一つ上の次元の一般人である創造者がビッグバンの起こる配置を作った、っていうことにしてビッグバン以前の宇宙論なんて考えなくても良い、という風な考えを持っていました。
でも、その考えは世界五分前仮説と全く何も違いが無く、同様に証明も反証も出来ないんですよね。だから人間は科学的手法を用いて、デウス・エクス・マキナを用いることなく、辻褄の合った物語を過去に向けて書いていくしかない。それが人間にとっての真実だ、と。
あと、ハルヒラノベハイペリオンだ、というの以上にハルヒはイーガン的だ、というのに納得。順列都市1作読んだだけだけど、既にハルヒに出てくるSF要素の殆んどに結びついてる感が。これはイーガン全作揃えたくなるかもわからんね。と書いた後で、これはだめかもわからんねの由来を知ってショックを受けた。