2004-11-15 (Monday)
■小さな世界仮説
http://www.yamdas.org/column/other/number.html
でも、下の単語は既に登録済み。
Stanley Milgram というアメリカの社会心理学者がいる。1984年に死んでいるし、多分これからもずっと死んだままだろうから、「いた」というのが正しいのだが、主な著書に「服従の心理」(1974年)があり、一般には「アイヒマン実験」などで知られている。詳しいことについては The Stanley Milgram Website で調べるのがよかろう…などと偉そうに書いているが、実は僕自身彼のことを知ったのはごく最近のことである。現在訳している文章の中に、彼の名前と彼が唱えた「小さな世界仮説(Small World hypothesis)」が出てきたからだ。
この「小さな世界仮説」というのは、簡単に書くと「ある人から始めて、知り合いの知り合いを六人ぐらい辿っていけば、世界中の誰にだって到達する」というものである。どこかで聞いたような話じゃない? というか、一度は誰でも似たようなことを考えたことあるのではないだろうか。
Milgram はマサチューセッツ州にゴールになる人を設定し、ネブラスカ州の人から出発し、知人を経由して手紙を転送していき、実際にゴールとなる人にたどり着けるかどうかを調べている。そして、知人のネットワークをうまく利用することで、意外に早くゴールに到達することが分かり、この仮説に至ったわけだが、当然ながらこれは仮説どまりであり、厳密には証明できんでしょう。
■殺人者の素顔 ミルグラム博士の禁断の実験
http://www.stanleymilgram.com/
- 作者: スタンレーミルグラム,Stanley Milgram,岸田秀
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 1995/10
- メディア: 単行本
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表題がいまいちです。別に、スタンレー・ミルグラム博士は、悪いことしてないです。
http://www.fujitv.co.jp/unb/contents/p96_2.html
まず始めにここで皆さんに心理テストをして頂こう。会社の宴会のカラオケ大会が盛り上がっている中、一人だけノリの悪い部下がいるため、楽しい場がしらけつつあります。怒った上司に「何とかしろ!」と言われたら、あなたならどうしますか?
1.無理矢理酒を飲ませ、歌わせる
2.部下が目立たないように自分で必死に場を盛り上げる
3.上司に部下の性格を説明し、その場をとりなす
4.面倒なので、トイレに行くフリをして帰る
この結果は最後に。
人間の心に潜む意外な落とし穴。そこには、普通の人間が殺人者へと変わる恐ろしいメカニズムが隠されていた。このメカニズムを解明するための、禁断の生体実験を行ったのが、アメリカの名門イェール大学で心理学教授をしていたスタンレー・ミルグラム博士だ。その実験は通称アイヒマン実験と呼ばれているが、これはある一人の残虐な殺戮者の名前に由来していた。
アドルフ・アイヒマン。彼は15年にも及ぶ逃亡生活の末、1960年5月、潜伏地アルゼンチンで逮捕された。彼の犯した犯罪とは、600万人の大虐殺だった。
ヒトラー率いるナチスで、アイヒマンは死の番人と呼ばれ、ユダヤ人絶滅計画を遂行した人物だった。彼は1938年以来ユダヤ人を強制収容所に送り込む計画を実行し、その結果、600万人ものユダヤ人が虐殺された。殺戮システムのプロフェッショナルだったのだ。では、なぜミルグラム博士の実験には、彼の名がつけられたのか、そして、その実験の目的と方法とは?
実験は、1960年から1963年にかけて、ニューヨークの北東コネチカット州ニューヘイブンにあるイェール大学にて行われ、完成された。
ミルグラム博士は実験のために、地元の新聞にある募集広告を載せた。「記憶研究のための人員を求む」。こうして集められた様々な年齢・性別・職業の応募者は、二人ずつ呼び出された。そして、「記憶と体罰の関係を調べる心理学の実験」だという説明を受け、くじで「生徒」と「教師」という役を割り当てられて実験室に向かった。
まず二人は、第一の実験室である「生徒の部屋」へ向かった。ここで生徒役の人物はイスに座り、手足を縛られる。そして、もう一つの部屋にあるショック送電器につながっているというリストバンドを手首に巻かれた。いわば電気イスだ。
生徒役はこの状態で、単語の組み合わせを記憶するテストを受ける。「青い・箱」「寒い・日」「野生の・カモ」などのような10数個の単語の組み合わせを記憶する。そして、「青い」と聞かれたら「箱」と答えるというものだった。
教師役はミルグラム博士に連れられ、第二の実験室へ向かった。教師役は、この部屋からマイクを通して生徒役に問題を出し、間違えるたびに15ボルトずつ強い電気ショックを与えるよう指示された。電気ショックは、15ボルトから最高で450ボルトまでの30段階だった。
電気ショックがどのようなものか、博士は教師役に試しに45ボルトのショックを与えた。これで教師役は、自分が生徒役に与える電気ショックの衝撃の大きさを知るのだ。この実験では、電気ショックという体罰を与えることで、記憶力がアップするかを調べるということだった。
心理テストという緊張感はあったものの、実験は穏やかに進んだ。しかし、実験が進むにつれ、実験室は異様な雰囲気に包まれていった。生徒役が電気ショックの痛みに苦しむ声が、スピーカーを通じて教師役の実験室にも聞こえてくるのだ。
あまりに悲痛な声に、教師役は博士に「もう止めた方がいいのでは」と尋ねてきた。しかし博士は、「この実験はあなたが続けることに意義があるのです。生徒役の方の責任は私が持ちますから、どうぞ続けてください」と言い続けた。
実は、体罰と記憶力の実験というのは全くの嘘で、本当の目的は、電気ショックのスイッチを入れる教師役を観察することだったのだ。そして、生徒役にも電気ショックなど与えられてはいなかった。あの苦しむ声はあらかじめテープに録音されたものだった。苦しむふりをしていたのは、博士の助手だったのだ。
そもそも、役割を決めるくじにも仕掛けがあった。両方のくじに「教師」と書かれていたのだ。助手は自分のくじを見せず、相手がくじを開いて「教師」という文字を見た時点で、博士が「ではあなたが生徒です」と助手に言っていたのだ。
ミルグラム博士の実験は、人間が権威の命令にどれだけ従ってしまうかを調べるものだった。そしてそれは、大量虐殺犯アイヒマンと同じ心理状態を実験室に作り出すことになった。
逮捕されて間もなくイスラエルで公開裁判にかけられ、大量虐殺の責任を問われたアイヒマンは、自分はナチスの組織の中で与えられた仕事を行っただけだと主張した。
人々は、醜い言い逃れにすぎないとしたが、裁判中のアイヒマンは殺戮者どころか、几帳面で平凡な官僚に過ぎないようにも見えた。彼は、ヒトラーをはじめとするナチス将校たちの権威に従い、職務を遂行したという。
一方実験の中では、教師役の人物は名門イェール大学の心理学教授の権威に従った。博士は、戦時下と実験室という状況の違いはあるが、本質的心理状態は同じものとした。では、教師役の人たちは一体何ボルトまで電気ショックを与え続けたのだろうか?結果は、驚くべきものだった。
博士は、実験を始める前に精神科の医者たちに実験の結果を予測してもらっていた。精神科たちの予測では、200ボルト以上の電気ショックを与える人はほとんどいないというものだった。ましてや450ボルトに達するほど残虐な人は1000人に一人しか存在しないとした。
しかし結果はあまりに残酷だった。なんと、300ボルト以上の電気ショックを与えた人が40人中31人、約8割近くにのぼった。しかも、450ボルトに達した人は、40人中25人と、全体の60%以上にもなったのだ。
さらに博士は、生徒役と教師役を同じ部屋に置くという実験も行った。もちろん、生徒役は博士の助手で、苦しむ演技をしてもらった。よほど残虐な人間でなければ実験の続行は不可能と思われたが、このような状況の中でも300ボルト以上の電気ショックを与えた人は40人中25人に上った。さらに、最高電圧まで実験を続けた人も40人中16人もいたのだ。
実験に参加した人たちは普通の善良な市民だった。しかし彼らの多くは、自分のやっていることは博士の命令に従って行ったことで、自分に責任はないと考えたため、良心や道徳には目をふさぎ、ただ命令に従ってしまったのだ。
博士は、組織の中の人間が自分の責任を放棄し権威の命令に従い、時に取り返しのつかない悲劇を生む心の落とし穴を、「服従の心理」と名付けた。これは、我々日本人が特に陥りやすい心の罠なのである。
企業の研修会で、上司の命令に従いスパルタ式の研修の中で暴力をふるい、同僚を殺してしまったという事件。会社の命令で脅迫めいた取り立てを行う金融業の社員。また、宗教などへの信仰心から犯罪を犯してしまう者もいる。
アイヒマンは、責任は全てナチスにあり、自分はただの歯車にすぎないという主張を繰り返したが、1962年5月に絞首刑に処せられた。
ミルグラム博士の実験は私たちにこう問いかける。もし、組織が道徳に反した命令を下した時、あなたはどうしますか?
さて、最初に行った心理テストについて見てみよう。
1を選んだ人は、権威への服従傾向が極めて高い。極限状態では何も考えず、人を傷つけてしまう恐れがある。
2を選んだ人は、権威に服従しながらも自分の行動に責任が持てる。時として先走りし過ぎて失敗することもある。
3を選んだ人は、権威と服従のバランスが優れている人。
4を選んだ人は、自己中心的、組織を顧みない社会不適格者。社会生活を送るためには、多少の服従の心理は必要。
さて、あなたはどうでしたか?