GameDeep Ad-hoc このページをアンテナに追加 RSSフィード

全方位型ゲーム考察同人誌GameDeepの更新情報とかネタメモとかそんな感じでお送りします。

2012-01-13 vol.20 / 21 PDF公開 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

GameDeep vol.20と21のPDF版を公開しました。

vol.22も近いうちに公開してしまいたいと思います。

あと次号からは先にPDF公開してから実物を売るというよくわからない行動をしてみる予定。毎度おなじみの突貫工程にそんなことをしている余裕が残っているのかは不明ですが。

2011-12-28 コミックマーケット81での委託のお知らせ

前回チケットを忘れるというポカをやった影響でか、ついに(弱小ジャンル補正によると思われる)コミックマーケット連続当選の途絶えたGameDeepですが、なんか原稿が出てきてしまったのでやむなく(?)新刊を作りましたよ。

GameDeep vol.22 「ゲームと得点」

掲載記事

ゲームと得点 / 中田吉法

ゲームにおける「得点」というものを分類し、得点というものがゲーム構造に与える影響や、得点をゲーム外に取り出すことの問題について考察する。

勝利条件調整装置としての「勝利点」 / 寺島由人

ボードゲームにおける「勝利点」の分類と、その機能についての考察。

PS VITAリッジレーサー』評 / C.F.

PS VITAリッジレーサーの目指したものについての小評

頒布場所

1日目 東F-29b 遊星からのフリーキック

3日目 東P-59b 豆満江開発機構

----

やむなく、とは言うものの、きちんと予定していた内容でお送りしますので、お近くにお立ち寄りの際はぜひ入手していただければ、と思います。

2011-05-08 ドミニオン:カードの版面デザインを考える

震災の影響で中止になったぺらねこなう! のLTにて発表しようかと思っていた内容を記事として書いてみましたよ。

ドミニオン:カードの版面デザインを考える

ドミニオンが登場し、その斬新な内容で界隈を席巻し、いくつかのフォロワーが出てくるようになった。しかし後発のデッキ構築型ゲームの多くは、いざ遊んでみるとなぜだかドミニオンより遊び辛く感じてしまう。

決して不思議なことではない。後発のフォロワーたちでは(ドミニオンとの差をつけるために)なんらかの要素が加えられ、システム面での複雑性が高まっている――わかりにくくなっていることが多いからだ。だが、後発のフォロワードミニオンの差は、単にシステム面での違いだけではない。


「わかりやすさ」につながるもっと基本的な部分、ドミニオンの「わかりやすさ」をなにより支えている「コンポーネント」の形、カードの版面デザインについても、やはりドミニオンは優れている。

○ゲームの導入

ドミニオンの基本システムが持っている要素は、極めてシンプルだ。

ベースとなる7種のカード:銅貨・銀貨・金貨・屋敷・公領・属州・呪いを見ればわかる。全てのゲームで使われるこれらのカードには、余計なことも複雑なことも一切書かれていない。

ゲームのはじめ、デッキには3枚の屋敷と7枚の銅貨が入る。これらのカードの意味は、一目瞭然となるように作られている。背景色で機能が示され、大きく書かれた数字で効果が書かれている。左下に書かれた○囲み数字――購入するときの価格のことさえ説明されれば、初期デッキの中身は全て把握できるぐらいにシンプルだ。


○サプライにて

それ以上に複雑なことは、すべて王国カードのテキスト欄に押し込まれている。

ゲームが開始され、サプライ(カード売り場)に目を向ければ、最初の手札と、並んだカードは明らかになにか違う。

手札にある得点と財宝にはテキスト欄はない。大きな数字とマークだけが書かれている。

だがサプライに並んだカードを見れば、そこにはカードの半分ほどを占めるテキスト欄があり、なにやら複雑なことが書かれている。わかりやすいことは太字で大きく、わかりにくいことは小さな字で細々と。パッと見でわかりやすいかわかりにくいかも見た目でわかる。

カードの名前とイラスト、それからテキスト欄に書かれた効果が、10枚ぶん一気に並べられているので、なんだか混乱するかもしれない。だが全てはテーブルの上に並んでいて、どの情報も苦労することなく参照することができる。

テーブルの上に平たく置かれることで、その状態のカードは「一覧表」としての効果を発揮しているのだと言える。

並んだカードのテキストを読んで、わからなければ質問をして、効果を確認したうえで、左下隅に書かれたコストを支払って購入することになるだろう。


○手に持つ

買ったカードがシャッフルを経てデッキに入って手元にやってきたときにも、ドミニオンのカードの版面の力が発揮される。

次のターンに向けた手札がやってきて、まず行われるのは分類だ。

幸いドミニオンのカードは、わかりやすく色分けされている。はっきりと枠が色分けされているので、中身を見なくても種類だけならすぐにわかる。

財宝は黄色の枠にコインマーク。得点は緑の枠に盾のマーク。これらは「アクションを消費しないでも効果が発揮されるもの」だ。手札の中では脇に置いておかれる部類だろう。

自ターン中の主役となるアクションカードは主に白枠。

他人のターン中でも使うことがあるリアクションは青枠。

ドミニオン:海辺で追加された「持続アクション」は橙枠で、ターン終了時の片付けのときに気が付きやすくなっている。


さて、そうやって分類されたカードをいったいどう持つだろうか?

手の中のカードは(トランプなどのときと同様に)左手でカードの左下隅を持っていることがほとんどだろう。このとき、実はカードの名前はほとんど見えない。せいぜい先頭の一文字ぐらいで、おそらくは枠とイラストのごく一部分しか見えていない。

だから、カードの認識をする上で最初の情報となるのはイラストだ。

枠とイラストでカードを認識し、よくわからなければカード名をちょっと見て思い出す。それでもわからなければカードの全面を見てテキストを読んで確認する。


だがちょっと待て、なんでイラストなんていう「意味を持たない情報」を上に持ってくるんだ。そんなことよりテキスト欄を上にしたほうが、という意見もあるかもしれない。

なるほど一理はある意見だ。でもドミニオンにおいて、その理は明白に否定される。

○あなたの選択でデッキに入る

思い出して欲しい。ドミニオンが「デッキ構築型ゲーム」であることを。

デッキ構築型ゲームにおいて、デッキの中のカードとは(初期の手札を除けば)プレイヤーであるあなたが選択して獲得したものばかりのはずだ。あなたが選んで買ったから、デッキの中に入っている。すなわち、あなたはそのテキストとイラストと効果とコストを確認した(もしくは確認するまでもなく憶えていた)はずなのだ。


だから手札の中のカードについて必要なのは、仔細な説明ではない。

そのカードの名前がなんであるか思い出せれば、効果はもう知っている「はず」だ。そして目の前にはサプライという見本集がある。枠の色とイラストがあれば思い出すには十分だし、ちょっとずらせばカードの名前もすぐわかる。

手札の中にあるカードとは「思い出す」ための情報を提供するものであり、そのための情報はちゃんと左上隅に集まっている。

いきなり未知のカードの束を渡され、把握しながらプレイしろ、と言われたわけではない。プレイヤーが納得したうえでの選択の結果、デッキの中にはそのカードが入っていることを忘れないほうがいい。それでもなお、手札のカードの効果がすぐにはわからないのは欠陥だ、と断固主張するのであれば、さっき食べたお昼ごはんのことを忘れていないかを心配したほうがいいだろう。


ところでカード左上隅の情報には1系統だけ例外があって、財宝で得られる価値は左右両方の上隅に小さく書かれている。左上隅だけ見れば手札の中のお金の量は計算できる、というわけだ。もしも上下逆にカードが来た場合でも右下隅は空欄だから、購入コストを財宝の価値と勘違いしてしまうこともないようになっている。


リサイクルを考える

購入コストが左下隅なのもおそらくは意図的だ。

カード左下隅は、通常カードをまとめて持つために手で握るための場所である。すなわち、テーブル上に平置きされているときには見えても、手札の中では見えにくい場所なのだ。

しかも左隅であるため、その気になれば一覧しやすくもある。破棄したカードのコストを見て効果を得るようなアクション――改築や引揚水夫など――を使う場合、手札のカードのコストを一覧したくなる。普段は見せたくないが、たまに一覧したい情報=カードの購入コストを示すための場所として、左下隅というのはうってつけの場所だと言える。


○まとめ

というような観点で他のデッキ構築型カードゲームの版面を見ると、いろいろ問題のある箇所が一目でわかるようになる。

  • 財宝に相当するカードの価値がテキスト欄
  • 購入コストが左上隅
  • リアクションや持続カードの色分けがない

といったあたりはよく見かけるところ。

とはいえデザイン上で考えるべきは機能性だけではない。特にイラストレーターの絵を大きく見せたいというニーズによってデザイン上の制約を受けていたりもすることは多いだろうし、その上での選択であるならば上記のポイントが一概に悪いとは言えない。

それにドミニオンのデザインだってカードとしての機能性だけに特化しているわけではない。「カード名を左寄せにする」「カード名を左辺に書く」あたりは機能性としての改良点に挙げることができるだろうが、実際やってみると見た目のバランスは悪くなるはずだ。


これからカードゲームをデザインして、カードの版面を作るという人がいるのなら、版面デザインをする上での重要なポイントとして

  • 手の中で「思い出す」ための左上隅
  • 平場で見えて手で見えない左下隅
  • 色分けは大切

を意識するといいだろう。

2009-08-28

本年下半期活動予定

前半ちっとも活動しなかった気もしますが気にせずに、本年後半の活動予定など。

GameDeep vol.18 「ゲームの強度」

コミックマーケット77(2009/12/29-)にて発行予定。

「ゲームの強度」と題して、ゲームシステム、プレイヤーの振る舞いなどから見えてくるゲームの「強度」について考察したいと思います。

2人用ゲームがなぜ適当に楽しくなるか、3人以上になるとどうしてそれが容易に壊れるのか、それらを踏まえて1人用ゲームでは何を考えないといけないのか、などなどを予定

GD# vol.36

遅くとも文学フリマ9(2009/12/6)までには発行予定。

中身は当然未定。

  • サマーウォーズ話
  • 初音ミクがライブイベントデビューしたよ話

あたりは書きたいなー。

GD# vol.37

コミックマーケット77(2009/12/29-)にて発行予定。

このぐらいまでに「傾向と対策」シリーズの新作が出来ているのではないか説があります。データとしては集計してみて、あまりに明白な「市場動向」が見えているとかなんとか。これでひととおりのレーベル調査をしたことになるからまとめて独立した本作りますかねー、という話になっておりますです。

2009-03-10

テレビゲームの越えてきたハードルを想う

ハドソン高橋名人が、東京大学で“ファミコンブーム”を熱く語る!

http://www.famitsu.com/game/news/1222608_1124.html

に行ってきましたよ。詳しいレポートはリンク先をどうぞということで、ここでは少し視点をずらした感想を。まあ速報としての意味はもうないことだし変化球でね。


とかく高橋名人の話の中で印象的だったのは、「子供を相手にすること」への意識の高さだったと思います。

たとえばリンク先に写真も出ているファミコン体操の話。

初期こそは2時間で200人以上の参加者にスコアアタックさせて、上位者には決勝戦やらせて、というスケジュールを回すのがぎりぎりいっぱいで、本当に説明とゲームしかやっていなかったものが、「高橋名人」として人気が出てきたあたりからMCの時間を15分ほどいただけるようになってから採り入れたものの一つだそうで。

  • 元々は「健康体操」という名前
  • 児童館の方から教わった
  • しかし高橋名人が「ファミコン上手くなるためには」って言えば子供は喜んでやる

のだと。

して、それを実際にやってみるとどうなるかというと、まあ普通はぶっつけでできるわけがないわけです。で、ぜんぜんできない子供たちが「高橋名人すげー!」と言ってイベントの雰囲気はバッと明るくなる。それも、親御さんたちも笑顔にならざるを得ないような健全な雰囲気になるのだと。

でまあ、ここでやってることはぶっちゃけゲームとかぜんぜん関係ないわけですよ。しかしそのゲームとの関係のなさが、おそらくはとても大事だったのだと。

ファミコンブームの起きた1985年前後というのは、まだインベーダーブームから数年程度の時期。当時インベーダーは無秩序なままにブームを起こしすぎて、まあゲームセンターの評判とかかなり悪かったわけです。

そこにテレビゲームというものが出てきて、これが家庭に入ろうとしている状況でした。そうした状況を考えると、高橋名人の思いつき*1で始まった「ゲームの健全化」という動きは、その後のテレビゲームの普及に大いに影響を与えたのではないかと思います。

そこで「会社ぐるみで主張してくことにするから」と追認したハドソン役員会の決断もまたすごいものですが。


そんなわけで、「ファミコン」なる社会現象を歴史的に考えようと思う向きには一級品の資料たりえる講演でした。

*1:リンク先でも紹介されてますが、「ゲームは一日一時間ぐらい集中してやって、後は外で遊ぶんだ!」的なことを言ったそうです。