京都旅行 覚書 2日目 20日のこと(夜)

5時ころ、ホテルを出て、早めの夕食とする。四条通高島屋側に渡り、timepiece cafeに行く。階段を上がって3階のお店に行ったら、ドアの前には待っている人達の列が。20分くらい待って、店内にはいり、野菜カレーとパスタとサラダを頼んでくつろぐ。まるで地元の人になったような隠れ家的なお店である。

夕食を終え、207番の市バスで清水道へ。清水坂をあがっていくと、前方には夜空を赤々と照らすライトが見える。一緒に歩いている人たちからも「すごいな」と声が出る。雨は止んでいる。よい感じである。

清水に着く。境内の入口では何かパフォーマンスをやっていて、人だかりがしている。ライトアップのイベントだろう。薄赤く周りが照らされていて、昼間とはまったく違った空間のように思える。
拝観料を払い、境内に入る。大勢の人がいる。人の流れにのり、そぞろ歩く。
隋求堂の胎内めぐりをすることにする。真っ暗のお堂を数珠の綱を頼りに歩くのだが、私らの後ろに並んでいた、おバカなヤンキーのおにいちゃんの団体が、「うおー、何も見えんぞー」と絶叫してうるさいのなんの、お化け屋敷じゃないんやで!!と怒り爆発し、「静かにしてください!」と暗闇の中、コーラスで鍛えた(笑)ドスを効かせた声で注意した。すると、「あ、静かにしてください、だって。」と一人が言い、その後はしーんとなったのだが、すでに遅し、すぐに出口に着いてしまったのであった。ふざけんな!!はあ〜〜。

しばらく歩いて本堂に着き、清水の舞台からライトアップされた眼下の風景を楽しむ。まだ花をつけていない桜の木々の枝もライトで赤く染められ、あたかも花が咲いたような風情である。
音羽の滝をまわり、順路をとおって門を出る。

門前のおみやげやさんで、八橋の試食とお茶のサービスがある店があり、ついつい寄って、バナナチョコ味や苺味の生八橋を買う。どんどん試食とお茶を勧めてくれるので、お客さんがいっぱい入っている。損して得取れ、あっぱれ、と思う。
三年坂、二年坂を通り、高台寺前を通りかかったところで雨が降ってきた。折り畳み傘をさして歩いていく。角々に大きな生け花が置いてあり、ライトアップされている。とても綺麗である。

しばらく行くと、「狐の嫁入り行列がきますよ〜」と教えてくれる人がいた。「円山公園のほうから来ますよ。見たら幸せになりますよ」と言う。角の向こうから、リーン、リーンと鈴の音が聞こえてくる。道の傍に寄って、固唾を呑んで見守っていると、白い行列が静かに角を曲がってやってきた。お供の人々は白装束である。真ん中に人力車に乗った狐の面をつけたお嫁さんがいて、この世のものではない静寂に包まれ、鈴の音を響かせながら歩いていく。行列が去ったあと、「今のは幻・・?」と顔を見合わせるほど不思議な雰囲気の行列であった。

円山公園をとおって八坂神社へ。時すでに8時を廻っている。こみちさんが教えてくれた、祇園囃子の奉納には間に合わず、残念であった。舞殿に近づいていくと、この時間は弦楽四重奏の演奏が行われていた。和楽も洋楽も奉納されるんだな、と聴き入る。バイオリニストに見覚えがあった。左手のピアニスト、舘野泉さんの息子さんの、ヤンネ舘野さんだ。また有名人を見てしまった、と静かに興奮して、演奏が終わったので、帰途に着く。

八坂さんの門を出て、四条通りを歩き、四条大橋を渡ったところで「サンマルコ」を発見。学生時代によく通ったピザの店である。めっちゃうれしくなり、次に来た時に入ろう、と決心する。昔の店がちゃんとその場所にあるのはうれしい事である。一緒に行った友達のことなど思い出しながら河原町の交差点を渡り、ホテルにもどる。