●あふれる熱い、週末ソウル


明日の番組準備も山積するなかではあるが、しばし手を止めて地下鉄に乗る。
サンボマスターのライブを観に、心斎橋クラブクアトロへ向かう。


ワンマンに伺うのは、去年の春の《音楽の子供はみな歌う》ツアー@BIG CAT以来。
あれはすごいライブだったが、今回はクアトロ。酸欠で倒れるんじゃなかろうか、客もメンバーも。
てな心配をしつつ、ライブそのものは、やはりまったくなんの心配もなかった。


シングルリリースを受けてのツアー《君を守って 君を愛して ライブもやって》だったので、セットリストは、むしろ初期の頃の曲のほうが多いのではという感じ。
電車男”騒動の頃のツアーは、歌への執着が薄れていたのか、ほとんどお客さんに歌わせてるだけみたいなときがあった。
その頃のライブしか観てないで「サンボって……」と決めつけているひとがいたら(特に音楽業界関係者諸君!)、ぜひ考え直してもう一度観てみてほしい。
なのだが、とはいえ、私も『サンボマスターは君に語りかける』('95)の曲などは、こうして山口隆@オンマイク・アゲイン!な歌唱で聴けると嬉しい。


てなことを書いてると後ろ向きなファンめ、と思われるかもしれないが、いいじゃないか/かまわないよ、いい曲だらけなんだからサンボは。

僕らが汚れてるのは知ってるよ それでも君がうしろめたいのはイヤさ

      • 「二つの涙」

なんて素敵な、前後左右に引き裂かれた思いであることか。
ほんと震えるくらい、いい詞だと思う。




いやいや、しかし。
中盤で聴かせてくれた新曲。


「センチメンタルに歌いたい。別れたもの、失ったもののために歌いたい」


歌い終えたあと、山口がそんな風にMCをつけてくれた曲(たぶん「ソウルコア」。めっちゃええ歌)。
この曲のときもそうだったけど、全篇の底流に、あるひとへの想いが溢れてるライブだった。




たとえばこれもそうだった。
そのぬくもりに用がある」の曲なかのブレイク。


「あのひともこうやって歌ったんだ。『愛しあってるかい?』」


あろうことかそう叫んで、ギタァーーーーに行きよった。




やられたなあ。


山口、おっさんをあんまり泣かせるんじゃない。




   *  *  *




じゃまた。
アルバム、勝手に待ってるぜ。




新しき日本語ロックの道と光 サンボマスターは君に語りかける 僕と君の全てをロックンロールと呼べ 音楽の子供はみな歌う
君を守って君を愛して