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2014-12-24 艦これSSを投稿したりしました(復)

 ということでおおよそ一月ぶりとなりますが、艦これのSSを作りましたのでサッサッとアップロードしました。リンクはこちらからどうぞ。

 『恋もよう、ところによりスイーティ』

 最近は読んでいるだけだと死ぬ病に罹ってきたようなのでせっせと作品作りに取り組む一座でございます。何かしら出しまくることでアタマを覚醒させるのです! ビカー!

 今回は高速戦艦榛名の恋愛模様(文字がおかしいが事実です)を中心にお送りましたが、次は駆逐艦の叢雲を主人公というかヒロインにしたSSを準備しております。でも投稿制限があるのでこの作品はギャラリーには載せられないかも……むむむ!

 あとタイトルがめちゃめちゃ某氏の某SSに似ているのですが、これは……つまり……リスペクトです! 語感としてスウィーティもいいけどスイーティにしました。

 感想に関してはちょっと行き詰まりを感じているので、もう少々お待ちください……

 追記:気づいたら今日はクリスマスイブじゃねえか! つまりこの作品はクリスマスプレゼントだな!(ちがう) 良いお年を!

2014-11-12 オリジナルSSを投稿しました(復)

[]オリジナルSSを投稿しました!

ということで、最近ミニミニ展示会などがあったわけですが、そこに掌作品集を投稿することができまして、今回はその小説をGalleryにアップロードしました……というか美術展なのによく小説受け付けてくれたな

リンクはこちらからー。

掌の欠片たち

願わくば、星々の実りと愛を

これでようやく嵐のようだったオリジナル小説の竜巻も過ぎ去ったので、レビュったり二次創作を書いたりできそうです。

今は艦これ物が一作ストックされておりますが、これはすぐに上げちゃうかしばらく寝かせてから直すか、ちょっと悩みそうです。

でも艦これ小説の新刊などが発売されてるので、それを読んでから直してもいいかもな……!

そんな最近ですが、読んでいる本は艦これからかけ離れてスティーヴン・キングの『悪霊の島』だったり『ビッグ・ドライバー』だったりもしたのです。

あと掌小説を書くために田中慎弥さんとかバリー・ユアグロー氏の本も漁りました。世の中にはさまざまな本があるものだ!

本日はこれにて潜るのでした――……

2014-10-01 築地俊彦『艦隊これくしょん 陽炎、抜錨します!3』(復)

[]築地俊彦(illustration/NOCO)『特装版 艦隊これくしょん -艦これ- 陽炎、抜錨します! 3』ファミ通文庫、2014

【イントロダクション】

 南へ、南へ。

 少女たちは駆けていく。

 そこに何があろうとも。何が待ち構えていようとも。

 南へ、南へ。

 リンガと名のつく泊地へと。

 植物茂り太陽注ぐ南方へと、陽炎たちは向かう。

【あらすじ】

 大規模作戦は集結し、不知火は呉へと戻った。戦いと訓練という日常に戻った陽炎達だったが、人と深海棲艦との戦いは終結の兆しを見せなかった。西方海域での攻勢のために露払いを繰り返す陽炎たちに元に、辞令が下された。内容は、南方のリンガ泊地への転属。戦争現場の西方ではない事に疑問を抱いた陽炎たちであったが、南方――南の島へと、ひとまずは休暇代わりにとリンガへと向かった。しかしそこで陽炎たちが知り合う事になるのは、ここにいる艦娘は自分たちだけだと言う叢雲とあきつ丸。今ここに、駆逐艦と揚陸艦、そして一人だけの老提督の生活が幕を開けた。

 

【レビュ】

 いよいよ出ました、第三巻です。ここまで来ると本を束ねた厚みもけっこうな物になるので、歴史を重ねてきたのだなあ、と何故かしみじみします。ちなみにカバーを比較してみると、三巻が最も色気があるように思います。曙と潮の足が魅惑的だからでしょうかね!

 物語の軸はやっぱり駆逐艦の陽炎にありますが、今回ではちょっと趣向が変わりました。底にあるエンタメは変わらないながらも、どことなくミステリが漂うのです。不可解な辞令。二人しかいない艦娘。不審なリンガでの生活……後々に活きてくる伏線があちこちに張り巡らされた所は蜘蛛の糸のようにあちこちに存在していますが、けれども陽炎たちは変わりません。無骨で(女のコにつける表現ではありませんが)俊敏、そして真っ直ぐです。北方海域では仲間たちのために全力を尽くし、疑問を抱くリンガでの生活でも、海岸でビーチボールを使って遊んだり生活環境を改善しようとテーブルや食事する場所を組み立てたりと余念がありません。

 ちなみに駆逐隊の雰囲気を立てる言葉として一番良さそうなのが、リンガ砂浜で遊ぶ事になった際の、

【子どもっぽいことにこそ真剣になる、駆逐隊の本領発揮であった。

 海の上が乱闘状態のプロレスリングのようになってきた。】

 です。一言で言い表すとこんな駆逐隊がワイワイとやっているので、とても楽しそうです。こいつらは大笑いしているシーンが一番似合っている。

 ついでに今作で雑誌とか映画などのミニアイテムも出てきますが、艦これ世界での娯楽はこのように変遷してるのだなあ、と思える描写の仕方になっていて良いのです。二次創作とかの資料にもなりそうです。戦時中の娯楽であったり、人々の手に入るものはこんな変化をしている……と類推が出来ます。

 そして後半から始まる戦闘。駆逐艦と来れば深海棲艦との命を削り合う戦いが欠かせませんが、今回もそれらは描写されています。リンガを舞台にした戦いはこれまでとは毛色を変えて細かく、戦術を大事にしつつも戦略を疎かにもできないものであるため、細心の注意を必要とします。力で劣る者が闘志と知恵を基に劣勢ながら戦いぬく、というのは今シリーズの目玉にあるように思えますが、三巻目でもそれは変わらずシャープに描写されています。そして負けん気とガッツが強い駆逐隊が、少女らしさを持ちながらも戦に挑む様は、とっても艦娘らしくて大好物なのでした。詳細は本編にて……どうぞ! それとゲーム内でのとある要素が、今作で応用されているのにビックリ。そういう用い方もあるのか!

 そして今回は、前回の不知火とまた異なる味を持つ叢雲とあきつ丸。正直あきつ丸が出てきた事は意外でありましたが、彼女も陸から海へやってきた者として動き、活動し、そして活躍します。陽炎たちが驚くほどのパワーアクションを見せてくれますが、私も驚きました。うわあきつ丸つよい。

 叢雲もまた食えないキャラとして描き出されていますが、第十四駆逐隊の少女たちに劣らずキャラクター像が濃く、十分に強い印象を与えてくれるのです。特に終盤は燃える展開とともに七面六臂を叩きだしてくれるので個人的大盛況。ゲーム中での印象に則りながら、それでいてキャラを一歩前に出す書き方は良いです。オリキャラとしてリンガ泊地にいる老提督も登場しますが、こちらも艦これ世界とマッチしております。老兵! 老兵がいるぞ!

 ちなみに今回、前回出てきた某キャラの影響を受けたようなシーンが出てきて、おやおや歴史がローム層のように積み重なってしまったぜ……! とニヤニヤできます。これを感化と呼ぶべきか、あるいは成長と捉えるべきでしょうか。

 そして今回は、特装版です。スゴいです。ぷれみあむ小冊子がついてきました。内容は漫画と二種類のギャラリーです。ギャラリーを見返していると、やっぱこの潮は色気があるよな

 漫画の内容は詳しく書いてしまうとアレなので制限せざるを得ませんが、スゴイです。某キャラがいます。しかも「この絵師の人は漫画描いた方が受けるんじゃないかなぁ」とか思っていたので、ツボに入りました。もちろん駆逐隊の彼女たちもいますが、静的なキャラ絵ではなく、動的な漫画として描かれると魅力の質が異なってきます。カツカレーだったのがかつ丼になって、うまい! 味が濃くなった! そう叫ぶのです。魅力が余す所なく大胆に描かれていて画集めいたアトモスフィアを……のもにゃもにゃなのは置いておくとして、キャラの関係性やら日常などが分かって収穫でした。お気に入りは九頁のガツガツしてる所。他の絵師さんが投稿してるギャラリーもありましたが、ギャラリーは……そうですね……ギャラリーでしたね。途中で石破ラブラブ天驚拳が混ざっていたのがピンときました(てきとう)。

 キャラたちも順調に成長し、他の人と出会って強くなり、ついでにバトルも楽しめるオススメの一本です。

 それとさりげなく挿絵のクオリティも高く、パジャマ姿の陽炎だったり皐月だったり、叢雲にあきつ丸もしっかり描きこまれています。二人のおっぱいけっこうデケえな!

 特にベストショットと思ったのはラストで入る挿絵です。なんというか、この一枚を切り取りました。日常から無造作に切り取りました、というさりげなさと人が描いたツクリモノの感覚を、かなり調和させて作り上げたもののように思えるので、大変良かったです。詳細は本編をどうぞ!(宣伝)

2014-09-22 築地俊彦『艦隊これくしょん 陽炎、抜錨します!2』(復)

[]築地俊彦(illustration/NOCO)『艦隊これくしょん -艦これ- 陽炎、抜錨します! 2』ファミ通文庫、2014

【イントロダクション】

 

 艦娘たちによる決死の作戦から数ヶ月。陽炎たちはいつものように厳しく、いつものように楽しく訓練に勤しんでいた。

 いつからか、鎮守府に見慣れない顔が増えていく――横須賀鎮守府に呼び寄せられた艦娘たち。新しく始まる、大規模な作戦に参加する少女たち。

 そして陽炎は、その作戦に自分が知った名前が参加する事を、この鎮守府にやってくる事を知る。

 陽炎型二番艦駆逐艦、不知火。

 かつて呉鎮守府から異動する際に残してきた、唯一無二の親友だった。

【あらすじ】

 

 前回の作戦で更に絆を深めた、陽炎を中心とした、曙、潮、長月、皐月、霰と言った横須賀鎮守府の第十四駆逐隊の面々。フロチラ・リーダーである陽炎の指導の元、彼女たちは荒っぽくも厳しい訓練を重ねていた。そこに訪れる一報――かつての陽炎の同僚だった、陽炎型二番艦駆逐艦の不知火が横須賀鎮守府に配属されるというのだ。驚喜し、不知火を出迎える準備に大わらわになる陽炎。しかし第十四駆逐隊の少女たちは自分たち以上に陽炎を知る不知火に対し、不穏と困惑を隠すことができない。そして不知火は陽炎に、共に呉に帰って欲しいと呼びかける。駆逐隊の面々は反発し、ぎくしゃくした雰囲気が流れ始める。そうした内輪とは裏腹に、鎮守府では深海棲艦に対抗するため、海上大規模作戦を計画していた。火蓋を切られる攻勢作戦に、第十四駆逐隊の艦娘たちは、身を投じる……

【レビュ】

 

 基本的には前回と路線を同じくするリアル路線です。駆逐艦達が艤装を操作し海上を走る訓練風景。ペンチやハンマーで魚雷を取り付けるシーン。しかし大きな変転要素として導入されるのは、かつて陽炎の同期であった彼女の存在です。不知火でした。不知火です。不知火なのです(すごく大事な事なので三回言いました)。関係ない話ですがウチの鎮守府では不知火のレベルは2です。ゴメンナサイ。

 見どころとして強調されるのは……そう、女同士の熱い友情です!以後キマシタワー禁止です。

 予兆は一巻からありました。横須賀鎮守府に異動が決定して呉鎮守府から時別れる際、陽炎と残る不知火のシーン。ちょっと引用します。

 【不意に胸がいっぱいになり、陽炎はぎゅっと不知火を抱きしめる。ごく自然に出た行為だった。

「じゃあね、不知火」

「はい」

不知火もゆっくりと抱きしめ返す。陽炎よりも力を込めていた。】 

 と、がっぷり四つの大型建造にも負けない親友物語が展開されていた訳です。それが、二巻で花開きました。

 例えば不知火着任当日。出迎えるために陽炎が朝五時に起きて同室の皐月を巻き込みながら、出迎えの準備をするシーン。

 例えば不知火の到着時。出迎えた他の駆逐艦の面々に殺す目つきでガンを飛ばす不知火の姿。ヤクザなのか

 例えば駆逐艦たち。陽炎と不知火の仲が異常に良いことを見定め、「もしや陽炎と離れ離れになってしまい、終いには駆逐隊に居場所がなくなるのでは」とモニョモニョしだす彼女たち。

 例えば第十四駆逐隊所属の曙。彼女はなんと、陽炎を巡って不知火と血みどろ(誇張無し)の争いを繰り広げます。この場面では【これは駆逐艦(おんな)と駆逐艦(おんな)の勝負です】というセリフが好きです。

 こうした風に、面白さと友情と粉薬ほどの嫉妬を織り交ぜながら、不知火をめぐる第十四駆逐隊のゴタゴタは重なっていきます。その過程は女子校での派閥争いにも似ていたり、あるいは熱血友情漫画で殴りあうライバルたちのようでもあり、さまざま豊かに頁を彩色していきます。修羅場ほど見ていて楽しいものはありませんね!

 ちなみに上述した限りでは陽炎→不知火のようでもありますが、きちんと不知火→陽炎のサインもあるようです。普段の不知火は白手袋を嵌めており、滅多な事では外さず、手袋を取る事に違和感すら覚えています。とは言え陽炎を目の前にすれば話は別。以下ちょっと引用です。

【出撃前に一度だけ、陽炎と不知火は言葉を交わした。駆逐艦寮の廊下でばったり顔を合わせたのだ。

 陽炎が「もう行くの?」と聞くと、不知火は無言で手袋を外し、陽炎のりボンタイに手を触れた。

「曲がってます」

 会話はそれで終わり、不知火は桟橋へと歩いて行った。】

 デレか。二人きりだから存分にデレたのか。

 二人が積み重ねてきた歴史・経験・繋がりが、思う存分に発揮されており、カップリングを期待される方には大満足な内容となっております。

 同時に、それらを遺漏なく発揮させてくれるのがストーリーの変遷です。

 前作もエンタメ的な回し方で読者を飽きさせませんでしたが、今回もその路線は変わりません。深海棲艦に対する大規模作戦では、敵たちとの戦闘シーンや、戦う存在である艦娘として行動する陽炎たち、また単独で深海棲艦に挑む不知火の姿も存分に描写されています。上に挙げた人間関係の上に積み重ねられた、兵士としてのドラマ。時折挟まれる、陽炎と不知火の過去――フラッシュバックにも似たそれらの記憶は、激化する戦局や悪化する戦闘模様と相まって、悲惨さと痛烈さを強烈に醸し出します。どんどん重みと強さを増していく過去の映像が次第に現在へと広がり、やがて行動を起こさせる契機となります。

 また今回は不知火と陽炎の二人がメインとなっている感がありますが、他の駆逐艦娘たちにもきちんとスポットが当てられています。チームプレーとして動く駆逐艦たちはそれぞれの特色を活かしながら最後までバトルを積み重ねていき、たくさんの音色たちが轟々としたオーケストラを形作るように、全員の勢いがやがて烈風となって突き抜けていくのです。この模様は一挙に打ち倒す爽快感というよりは、むしろ前回と今回で積み上げてきた重厚感と言うべきものでしょうか。前半でかき乱された面々が、後半になれば一つの事へと傾注し、やがてクライマックスへと辿り着く――配分、傾斜具合、そして勢いは前作に負けず劣らずなので、読む人に充実感と勢いの良さを与えてくれます(あと駆逐隊の少女たちも陽炎を大好きなので、なんか作中では陽炎ハーレムみたいになっていて大好きです)。

 同時に、サブとして活動する他のキャラ……重巡たちや提督の姿もちらほらと散見されますが、きちんと彼らも役割を持ち、機能している辺りが良い意味でエンタメっぽいなーと思う次第です。愛宕のお姉ちゃんっぷりは相変わらずですが、セクハラ大魔王の提督も、負けん気第一の重巡摩耶も出演時間が短い割には良い味出しています。もう少しキャラをバラけて出して欲しかったなーという向きもありますが、むしろ出し過ぎると収拾がつかなくなったり、あるいは出しっぱのポッと出で終了してしまうので、あるいはこの具合で良いのかも知れません。

 それと今回、装備品として探照灯が出てます。作品刊行時ではまだゲーム内で実装されていなかったと思うので、これぞ、先見の明ですね……! と思わざるを得ない一品。夜戦ならば当たり前に使う物かもしれませんが!

 前作の模様に、深まった人間関係という、一つ違う彩色が施された一品。一巻がお気に召した方には、是非ともオススメしたい作品です。

2014-08-11 オリジナルSSも投稿しました(復)

[]流れる手紙のように

とある場所でミニミニな展示会が開催されるはこびとなりましたが、その際「復路鵜さんもちょい書いてよー」という事で、オリジナル短編を書いてはっつけてきました。

本日はそちらの短編をサイトにUPしました!

ちょっと二ヶ月くらい間が空いてますが、そ、そういう事情もあったという事でひとつ……!

二次創作でないオリジナルは久しぶりなのでああだこうだと悩みましたが、結局は七転八倒の末にいつもどおりに落ち着いた感じで書く事ができて、楽しかったです!つまり作風変わってないって事ですね

pixivにも投稿しましたので、もしよろしければ見ていただけると幸いです。

本もこしょこしょと読んだりしてるので、そろそろ感想など載せたい所です。ぐぬぬ。

それとしばらくは艦これSSとかを中心に書くかもしれません。轟沈モノとかな!(うそです)

2014-06-04 艦これSSを投稿しました(復)

[]{艦これ}鉄食

twitter企画で書いたものを推敲したり加工してUPりました。

なにげに展開とか細かい描写とか変わってるのでお得だと思いますよご老公!

がらくた内のリンクはこちらになります。

鉄食

pixivにも投稿しました。良ければ御覧ください。

今週はSSをUPしたので、日記は、これでカバーできますよね……! いや、感想もけっこう書いているわけでして……ごにょごにょ……

ということで、次回もお願いします。

2014-05-28 築地俊彦『艦隊これくしょん -艦これ- 陽炎、抜錨します!』(復)

[]築地俊彦(illustration/NOCO)『艦隊これくしょん -艦これ- 陽炎、抜錨します!』ファミ通文庫、2013

【前振り】

 ブラウザゲーム『艦これ』と言えば、現在では知っている人がそれなりにいるのではと思います。多くのプレイユーザーを備えたこのゲーム、正式名称の『艦隊これくしょん』は、昨年スタートした旧海軍艦艇らをモチーフとした艦隊育成シミュレーションゲームを指します。艦娘たちを育成し、出撃させ、そして新たな艦娘を集めていくこのゲーム。

 その書籍版は昨年から発売されてきました。

 現在ではwebや雑誌連載を含め、漫画や小説など多くの媒体に掲載されている、『艦これ』の上に立った作品たち。今回は、おそらく書籍版としてはじめて登場したように思われる、この一冊を紹介することにしました。

『艦これ』のファミ通文庫版ノベライズ、『陽炎、抜錨します!』のレビューです。なお二冊目も満を持して発売されていますが、こっちのレビュはできれば今度にしようかなーと。今回の主人公は、陽炎型二番艦駆逐艦の陽炎です。でも個人的には曙とかも捨てがたいんですけどね

【あらすじ】

 深海棲艦が跋扈する世界。何処からか現れた人類最大の敵たちは、海上交通路という資源運搬の要を、島と大陸を運ぶ道路を荒らしまわっていた。敵対勢力に為す術がなかった人類は、やがて深海棲艦にも対抗できる存在として、選ばれた少女たち……艦娘を配備していく。艦娘の一人として訓練に励む駆逐艦陽炎は、呉鎮守府から横須賀鎮守府――通称横鎮――へと異動を命じられた。そして異動先の鎮守府、騒動だらけの艦娘たちとの出会いの後、彼女はいきなり第十四駆逐隊の嚮導艦(フロチラ・リーダー)に命じられてしまう。彼女が指導するべき艦娘らは、潮、霰、皐月、長月、曙ら、他の隊からあぶれた艦娘たち。陽炎は彼女たちを一人前にし、使える艦娘にする必要に迫られる。今、彼女の波乱に満ちた横鎮生活が始まる!

【レビュ】

 2014年五月現在でも、艦これのノベライズ版には多くの作品がありますが、こちらの『陽炎、抜錨します!』の方は、ある意味でリアル系列です。他の小説媒体もさまざまな味があって面白いのですが、こちらの作品では、完全に一人の女の子としての艦娘から、ファンタジーも妖精もいない(ちょっと噂されてますが)艦これワールドから始まります。一人の女学生が艦娘になったとしたら……武装すれば……工廠で営まれる作業は……訓練風景は……そうした物が広がります。海に出る時は足元の主機を軸に、両舷前進半速からはじまり、やがてフルスロットルに。艦娘たちが調べ物をする自習室には、弾頭を抜き取った九十式魚雷やタービンが転がります。駆逐艦たちがうまく動かなければ前にぶつかり波浪で機械が故障し……まさに地に明日着いた形式としての、ある意味ガッチリした小説が目の前に展開されているのです。飛び交う砲弾がリアルなら血と汗の訓練風景もリアルチック、そして悪戦苦闘する陽炎の奮闘ぶりも肌で感じることができます。艦娘たちが何を悩み、何を楽しむのか。辛い時は何をして過ごすのか。人間関係は……少女の日常として、また艦娘の日常として、頁の上で生活が展開されているのです。

 とは言え中身が一から十まで暑苦しかったり重苦しいものではなく、作者の築地氏の力量もあってか、楽しくも笑える場面が多くて良い感じに力が抜けます。関係ないですがこの人の別の富士見ファンタジア文庫作品『まぶらほ』も短篇集が笑えて面白いです。2年B組を見てアジテーターという言葉の意味を知りました(遠い目)。個人的にギャグの質は一発芸に吹き出すというよりは、キャラたちの絡みから来るクスクス系の笑いが多い気がするので、本を開けるのは図書館辺りがギリだと思います。でもブックカバーしてないと公衆の面前で、表紙にいる堂々顔の陽炎を人目に晒すことになってしまうため、角っこでチラチラ本を読む羽目になります! ソースは私

 キャラクターたちについては、日常茶飯事的にセクハラを行う提督、「お姉ちゃんと呼んで」と陽炎に迫る重巡愛宕(他の艦娘にも強要してます)、それに一癖も二癖もある駆逐艦達が多く、まさに飽きません。運動マニアの皐月、相当に無言を通しているのでこの子もっと口開けたほうがいいんじゃないのと思わせる霰、霰を守ると称して何故か彼女にべったりな長月、天才肌ながら他の仲間とソリが合わず、陽炎にもいちいち突っかかる曙や、その態度に右往左往する潮……ゲーム内での性格もさることながら、実際に生活する上でのオリジナルなセリフや行動が付け加わるので、より一層面白みが増しており、そうした艦娘らの丁々発止はなかなか見応えがあります。存分にキャラが立ちまくっているので、二人会話も頁となり、そこに複数人が加われば、立派な一大イベントとなり得るのです。小説内でも書かれていますが、駆逐艦たちはナリが小さくとも戦艦や空母とも張り合うために、ファイトソウルが凄まじい娘たちが多く、闘犬とも言える存在なのですね。そんな子たちが集まって、平穏に終わるはずがありません! 時に笑い、時に殴り合い、時に助けあうその姿を見ていると、なんだか新兵たちの訓練風景はこういうものかと、ほっこりさせられる気もします。

 文体は非常に端的です。厳密だったり膨大な描写が必要な際はそれも為されていますが、基本的にはボクサーのように描写をしぼって書いているという印象。一行一行をシャープに研いだと言いますか、無駄や贅肉を徹底的に省いたスタンスのように思えます――それだからこそ、ボケやコントの切れ味も光るのかもしれません。余分がないので本の厚さもシャープですが、でも、もっと増やしても良いのよ……?

 それとゲーム経験者ならば気になるだろう、工廠やドックの存在についてですが、こちらもきちんとリアル路線で描写されています。それぞれオリジナルな設定でありつつも、しっかりゲームでの役割や枠組みを踏襲しているので、ゲームを知らない方はなるほど、知っている方であればニヤリとする所も目白押しとなっております。読者層としては既プレイで既に知識がある方が多いと思われますが、艦これってナニ? という初心者でも、きちんと一から十まで説明はされているので、割りかしとっつきやすい本となっております。ゲームでは描写されてませんが、海軍ならやっぱりあるんだろうなーという施設だったり、こんな所もあるのか! と眼から鱗な場所についてもちょろっと描かれているので、ああやっぱり陽炎たちはここで生活してるんだなあ、と思わせる一本です。

 そうした設定やキャラもさることながら、ストーリーもなかなか見逃せません。山あり谷ありの第十四駆逐艦隊らの演習模様だったり、訓練模様が描写されては、途中で振りかかるピンチ・パニック・アクションと、エンタメ的な要素は尽きません。楽しい時は仲間と共に、辛い時も仲間と共に! 軍隊ならではの、あるいはチームならではのそれぞれがそれぞれのやり方で貢献する在り方などが根底にあるようなので、一言で言うならば、楽しさあり苦しさありのチーム・軍隊モノという感じです。勿論設定が軍隊なので途中で怪我したり死がつきまとう事も日常茶飯事ではありますが、そこも艦これワールドの一部として、十分に受容できる代物なのでは、と思います。それもまた含めて、リアル路線なのですね。

 より深く艦これについて知りたい方も、そこまで気を張らずに、ちょっと興味が向いたかな、という方にも、オススメな一品です。

2014-05-21 平山夢明『暗くて静かでロックな娘(チャンネー)』最終回(復)

[]平山夢明『暗くて静かでロックな娘(チャンネー)』集英社、2012

全五回予定の最終回です。 ついにここまで来ました……!

次は短篇集か長編か、どちらにしましょうか。短編の方が区切りやすいので書くのに良いですが、長編も手をつけないと積まれるのですね。


『おばけの子』

:半年の物語だ。千春の周囲にはサエコとアキオがいた。弟のこーちゃんはずっと前に消えた。千春は学校に行っていない。千春は食事を食べさせてもらえない。千春は反省文を書かされながら母のサエコに蹴り上げられる。千春の顔にはおばけが住み着いていて、鏡を見る度に見返して怖くなる。八月に入ると、隠れて弟の絵を描いた事が原因で二人にラジオペンチで歯を抜かれた。そういう生活が、千春の全てだ。

 一体何のために書かれた作品なのか――これを読んだ後に、そう自戒するほど、自身に問いかけてしまうほど、訳がわからなくなる話。不愉快のトンネルに体ごと突っ込まれていますが、気づけば読み終わっていました。同時に、作品の存在意義などは、考えても意味がないことを知りました。それがある事が、既に意義なのです。不愉快、可哀想、憤怒……かくやの感情を刺激するために描かれたような、絵に描いたような完璧な虐待と生の行き着く先。不愉快にするためだけに作られたアートとでも言うべきか。ある意味でこの作品は現代アートの会田誠を思い浮かべさせます。感情刺激逆方向清涼剤として張り巡らされた文章は的確に読者のツボをつき、的確に読者に本を細切れにするよう、怒らせるよう誘導してきます。読むだけで全身が燃え上がり、訳の分からない鬱屈と怒りが吹き上がります。

 特筆すべきは、千春ら当事者の行動だけでなく、周囲にいる者たちの曖昧な対応も、事態を特化させるのに十全の役割を果たしているということです。異変に気づいているのに動かない人びと。気づいていても面倒だから動かない人、気づかぬ事で何かを犠牲にしていることにも気づかず、ただ安穏と鼻毛を抜いている人びと。そうした彼らの、薄ぼんやりとして適当な悩みの底の底の底には、千春の文字そのまま地獄のような激苦が渦巻き……渦巻き……そして渦巻いているのです。今も世界のどこかで行われている、神様のように上の位階に位置する者からの暴力は、子どもや老人のように力のないものを羽交い締めにし、破壊しているに相違ないのです。

 黙祷。

『暗くて静かでロックな娘(チャンネー)』

:彼女と出会ったのは腐った町の腐った便所――俺は薄汚いバーで、盲目の美女ロザリンドと出会った。彼女と繋がる方法は、掌に字を描くことだけだ。彼女は俺に一目惚れし、ロザリンドの父親のファントムもそれを承知した。ともに暮らし、彼女たちのショーを見物する俺。美しくも楽しい日々だった。その先に何が起きようとも、その日々が匂わすものは花やかで華やかで、濃密だった。

 表題作です。薄い絵画同士を重ねあわせ、絵の向こう側、向こう側にあるものが何かを想像させる文章。奥底がスーッと見えたりもすれば、霞がかって目の前の絵しか見えない時もあります。文章が裸のまままろびでる時もあれば、何か匂いらしきものを押し出し、じわじわと読者を包み込むものをも感じさせます。不可思議でありながら、一瞬「あ、わかった」がやってくるような、薄っぽい霊感が時折やってきたは立ち去る、そんな作品です。最後の文章で欠けていた一つのピースが完成するような、かちりと音を立てて合わさっていくようなものがあります。読み進める度に透明になっていく文章群は魅力的で、何かしら神々しさを、子どもの神が屈託なく遊んでいる様子を思わせます。前作が暗陰とした作品でありましたので、余計に彼らの生に対する屈託のなさが、奇怪な彼女たちの奥底に潜む、一筋あふれる魅力のようなものが強調されるようです。

 美々しい作品と言っても良いのでしょう。暗鬱でも無念でもなく、それを乗り越えて中に掘り下げていき、見つけ出される綺麗さ。破壊された後の、残骸から醸しだされる美しさは、他に代えがたいものがあるのでしょう。

 ということで、この作品の書評は終了です。見られた皆様、お疲れ様でした!

 

 次回も一週間後に書きたいのですー。

 ちなみに現在は賞に出すため短編を書こうと四苦八苦していますが、簡単な物語スケッチが積み上がるだけで、起承転結の起がはじまりません……!

暗くて静かでロックな娘

暗くて静かでロックな娘

通りすがり通りすがり 2016/01/08 12:35 平山氏は児童虐待について、以前から警鐘や啓蒙を作品を通じて発信していました。自身の被虐待経験もあるそうです。「おばけの子」や「無垢の祈り」などがその作品に当たるかと思います。ご参考までに。上段から失礼いたしました。

2014-05-14 平山夢明『暗くて静かでロックな娘(チャンネー)』その四(復)

[]平山夢明『暗くて静かでロックな娘(チャンネー)』集英社、2012

全五回予定の第四回です。

粛々と感想を進めましょう。粛々。


『人形の家』

:《俺》はパチンコをすると天カスになる男。だいたいお金がなくて、仕事はしていない。自分で仕事を探すと思いながら二年経っている。いつものように天カスで全部お金をなくしてパーになった俺は、公園のベンチで大自然に暖められながら人生の成功について思索していた。呼ばれた。振り向くと、あとで『はぁちゃん』と呼ぶことになる女の人がいた。俺がぼーっとしてると、枝が揺れる音がしたので振り向いた。女の人が首を吊っていた。死ぬ思いで助けだした俺と『はぁちゃん』はその後、同棲することになる。

 なんだかふわふわした文章で、主人公の俺が相当にだらしなくてほわーっとした性格をしているので、それを如実にあらわしているような気がします。はぁちゃんとの拙い同棲生活はなんだかよくわからないものによって繋ぎ止められながら、訳の分からない人びとがたまに混じってきます。でも往々にして主役はやっぱりひわーっとした俺で、その人生訓にかかってしまうと、強固だったものがなんだか柔らかくほわほわになってしまって馬鹿馬鹿しくもなってしまって、はぁちゃんの特異な性格やその他の人びとは、所詮その上でくるくる踊っているのだな、と思ってしまうのです。俺の心の芯がドロドロに溶けているので、相対的に活きるはずのその他のキャラたちが目立ったり、目立たなかったりと、なんだかよく分かりません。

 やや惜しいのは、起承転結を経て最後までたどり着きますが、結末にたどり着くのに急ぎ足で動きすぎたためか、あるいは主人公のへわーっとした性格が汚染しちゃったためか、最後のシーンがなんとなく物足りないなぁと感じてしまう点があります。あるいは一番大事なのがはぁちゃんの性格なのか、あるいは主人公のほわほわとした生活なのか、その所の区分が曖昧になってしまって、なんとなく生活が仕上がったけど、まぁ、いいのかなぁ……となってしまう所でしょうか。ビルの屋上近くに引っかかった風船みたいに、明らかに見えるのに取れないような、そんなもどかしさを内包した作品です。


『チョ松と散歩』

:子どものチョ松はいじめられていた。それを見かねていた子どもの俺はチョ松をいじめたりはせず、一緒にブランコに乗ったりしてやっていた……すると、チョ松は俺を親友だと思っていたらしい。ある日、製油工場にある《オバケ煙突》が爆破されて倒されるというニュースを聞きつけ、学校をサボってオバケ煙突の爆破を見に行こうと提案した。後が怖い俺は渋っていたけれど、朝方やってきたチョ松が地べたに土下座したり、哀しそうな顔をするので、仕方なく一緒に、森を抜けて爆破見物をすることになってしまった。

 子どもの頃のノスタルジーや、昔の戻らない出来事を語りかけるように、どこか遠い感じがします。すーっと鼻から胸に抜けていくような冷たい空気、心に染み入って、二度と戻らない事を、戻らない事が分かってから思い知らせる事実群。楽しさもつまらなさも怖さも、全部ひっくるめて子ども時代というのは去って行って、後に残されるのは大きくなってしまった、昔子どもだった人だけなのです。チョ松と森を散歩したり、いろんな事をした出来事はつまらなくもあり、面白くもあり、それは何やらの想い出として仕舞われたり、時折思い出したように開陳されていくのでしょうか。森からはじまる奇妙な世界に立ち入りながら、俺とチョ松は、色々な事を体験したに違いないのです。それは二度と取り戻せないものでありながら、その時間に永遠に刻まれていく事のように思われつつも、一つの雫のように何かしらを匂わす、そうした残り香があります。その場でそれを体験しているのに、遠くから見守っているような感じ。もしくは現在と未来からいっぺんに見通しているような感覚。

 奇怪な雰囲気だったり、子供同士の馬鹿馬鹿しい遊びだったり、《逃げゆくもの》や《消えてしまうもの》への、行き来する感慨を記した作品。雰囲気が好みです。


次回が最後ですが、次の感想は何にしましょうか。

むーん。悩み所です。

暗くて静かでロックな娘

暗くて静かでロックな娘

2014-05-06 艦これSSを投稿しました(復)

[][]うまれかわる

twitter企画で投稿したものを大幅に修正した作品をUPしました。

当時の投稿時とくらべて二倍増量とお得ですよ奥さん!

リンクはこちらになります。

うまれかわる

pixivでも投稿しましたので、宜しければそちらもご覧ください。

ここ最近は凄まじい頻度で投稿しておりますが、そろそろインプットとかしないと、保たないんじゃないの、自分……!?

次はおそらく小説の感想となりそうです。

それでは。