がらくたマガジン

小説を書いたり、読んだり、勉強したりするブログです。執筆者紹介  (復)=復路鵜執筆  (K)=春日 姫宮執筆

ノベライズ・幅広・ボクシング(20240213)(復)

 二月! 去年は異様に寒くて仕方がなかった季節だが、今年は思ったより暖かいです。このまま春になるのか……!?

 本日は読書感想文を書いていきたいと思います。

 

小説 機動戦士ガンダム 水星の魔女1

 

高島雄哉『小説 機動戦士ガンダム 水星の魔女1』KADOKAWA、2023
 水星の魔女のノベライズ! アニメ放送当時から楽しんで観ていましたが、SF用語が多く、活字で術語を確認したいので購入しました。
 読んでいて感じたのですが作品での説明文は控えめで、たまに海外文学で見られるページの半分を占める風景描写とかメカニック描写、くだくだしい解説は殆どありません。どちらかというと梗概に色をつけた作風に近い。これから本を読もうとするティーンエイジャーや、サッとあらすじや内容を確認したい人にとって便利かも。
 創元SF文庫とかハヤカワSF文庫の作風を期待していましたが、レーベルがKADOKAWAなので、スニーカー文庫に近い……のかもしれません。
 会話もおおよそアニメ版と同じですが、セリフの入れ方が令和的で新しいと思いました。
「あ握手!」とか、
「もう食べます?」「くいしんぼ」
 のようにレスが早い。会話で無駄を出さないシャープさを感じられます。
 アニメで「アーレア・ヤクタ・エスト(賽は投げられた)」とラテン語で発するシーンがありました。小説だとやはりラテン語表記をするのか……? と期待していましたが、カタカナ表記でした。
 内容はアニメを一話~三話まで収録しているほか、オリジナルエピソードもあります。オリエピではハロが自律して動いてます。
 巻末にはMSのルブリスやエアリアルの資料の絵が載っているのですが、普通の本で買ったので、サイズが小さくて細かいところがよくわかりません! 画像の資料としての理由で購入される方は、電書で買うほうがいいかもしれません。

 現在は三巻までシリーズが刊行されています。

 

https://g-witch.net/product/104/

 

文字渦

円城塔『文字渦』新潮文庫、2018

 最初はタイトルを「もじか」だと勘違いしていましたが、「もじうず」と読むのですね。
 短編集で、古代中国から現代日本、未来の宇宙船を通して、文字そのものをテーマとした話が展開されていきます。人々の姿を陶器に写していく職人の視点、発明家のように文字に関わる開発をしつつ隠遁して暮らす天才女性の視点、ソフトウェアに入力されることで大量に増殖した文字の視点など、私の頭脳を軽々と越える跳躍を見せて、文字についての小説が書かれます。川端康成文学賞日本SF大賞を受賞したのも頷ける話。どうしてここまで極端に話が書けるの!
 世界観は通底して同じなのですが、短編のジャンルもそれぞれ異なっています。歴史やSF、仏教、ミステリなど幅広く取ってあって、それに応じて文体も変わります(本当にスゴい)。気に入ったフレーズは「とびきりイカ仏国土を作り上げたいと願う法蔵の願いをみてとった世自在王は、」の辺りでした。エッジが効いているのにシャープかつ重厚な世界観を体現したのはまさに偉業。あと、某ゲームが想像もできない形で物語に登場します。こんなのあり?
 巻末には参考文献も載っています。東洋文庫も載っていて、博識なんですぜ……!


https://www.shinchosha.co.jp/book/331162/

 

青が破れる


町家良平『青が破れる』河出文庫、2019

 ボクサー志望のおれが、友達に頼まれて友達の彼女と出会いつつ、家庭を持った奥さんと不倫している話。純文学です。

 主に四人~五人でぐるぐる話を回しながら、暗くもあり閉塞感のある世界観を導き出す文章構造。短編映画にも毛色が似ているかもしれません。

 芥川賞を受賞した『1R1分34秒』とボクサーというテーマは同じなのですが、あちらは張り詰めた空気感と絶え間ない修練の世界が続いていましたが、こちらではむしろ弛緩した、人間関係を軸にした仄暗いドラマが広がります。

 病気の女、友達、主人公の不倫相手と相手の子供、そして主人公が世界をゆっくり巡りながらボクサーの日々に埋もれる。暗い読書体験を味わえました。巻末にはマキヒロチ氏による、小説の一場面を切り取った漫画も収録。画風がモーニングって感じです。

 

https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309025247/

 

 今回は以上です。

 

 

逆噴射完と読書日記(20240209)(復)

 2024! それは偶数でありながらなんとなくAKIRAを想起してSFチックな羅列であり攻殻機動隊だと笑い男が出現して映画だと「カナダ東部の研究所で爆発騒ぎが起きて脱走者が出たが大きな問題はなく……」みたいな年表の一番上に位置するような年ですが、今年です。本年も体鍛えたり音楽聴いたり小説読んだりと、いろいろとやっていきたいですね……!

 既に二月になりましたが、逆噴射まとめを(十二月・一月にはできませんでした……)します。ジョン久作さんの作品が大賞を受賞されました。

ジョン久作さん大賞受賞

 あらためて、逆噴射小説大賞2023の受賞おめでとうございます! 受賞当時は細かいつぶやきでしかお祝いできなかったので、こちらで改めて祝賀したいです。
 受賞の詳細は上のnoteに書かれているのでぜひ読んでほしいです。私の感想は以前のピックアップに記しましたが、一点付け加えたいところがあります(知人に感想を聞いてみたところ、新しくもたらされた知見です)。
ストーリーテリングがうまいのは勿論であり、なにより主人公が外界からの受動的刺激ではなく、ある問題を解決するために能動的に自ら行動している。そしてそれによってもたらされた別な問題と遭遇している」という視点でした。新しい視点です。目から鱗です。
 他の作品では「俺の元に問題が出た! さあどうする!?」という締め方が多いのに対して、『悪魔の風~』では、「とある問題がある! ゾーイは問題解決のために森林火災へと飛び込んだ! しかし、そこにカルト教団が悪さをしてきて更にピンチになった! どうする!?」という締め方です。
 言い換えると、主人公が先んじて問題を解決しようとしており、その副産物として厄介事が押し寄せてきています。私の作品はこの辺が不足していたので、まあもうちょっとだな……というレベルでした。
 この辺の能動さ加減や主人公がリードすることで事態を動かす感覚は、逆噴射2022における最終の最終選考作である『Q eND A【キューエンドエー】』にも通じるかもしれませんね。

『悪魔の風の軌跡』ピックアップ


 二作品ともパワーがあって凄みがあるので、ぜひ皆さんもお手すきの時にご一読いただけると幸いです。
 また、ジョン久作さんの受賞noteでは、「2023で作品を投稿するために意識したこと」「ChatGPTの使い方」「投稿タイトルで気をつけること」などが丁寧に記されており、これは有料noteでも読みたくなる実用性のある内容ではないか……!? という記事でした。とても有用であり、役に立つので、ぜひオススメしたい文章です。
 そして、オッこれは……! ピカピカに光るビール!

 こいつは壮観ですね!

 私の作品の解説やライナーノーツとかまだいろいろ残ってるんですが、今回は読んできた本の感想を述べたいと思います。アイデアを得たいなら、やっぱり本だぜ……(映画は観ながらぼーっとするので内容を忘れていることがしばしばです)!

田中~年齢イコール彼女いない歴の魔法使い11


ぶんころり『田中~年齢イコール彼女いない歴の魔法使い 11』マイクロマガジン、2020

 現代×ファンタジー小説を書いていることもあり、資料兼趣味としてファンタジー小説をよく買います。しかしこの作品は非常に面白い。

 一~九巻までのあらすじ:事故(たぶんトラック)で命を落とした田中が異世界に転生し、高いINT値からなる超ヒール能力で異世界を満喫しようとするが、生来の顔の悪さと性格が災いして異性にはまったくモテず、他人からは忌み嫌われ、苦戦しつつも成り上がっていく話。
 十巻のあらすじ:在住するペニー帝国で爵位を得て、自分の街も持った田中。色々あって魔王をボコボコにして、ドラゴンやロリムチなエルフといったヒロインといい雰囲気になったのだが、急に別な大陸に召喚された。
 異世界転生モノでは最も楽しみかもしれない作品。チート級の能力を持っているので、敵を殴って社会的地位がドンドン上昇していく(言い換えるとどんな相手でも殴り合いになった時点で勝ち確)のに、「女性と付き合うなら乙女がいい」(マイルドな表現)という田中の難儀な性格と顔の悪さ――主に「醤油顔」「中年アジアン」「ブサメン」と表現――により、本来ならスルーできる無理難題が降ってきたり、仲間に裏切られたりと、ある意味で先が読めないスリリングな読書体験が味わえます。物質的にはどんどん満たされていくのに、精神的な飢えがいつまでも満たされずに右往左往します。非モテエピソードの白眉は、一巻のオークに襲われる宿屋の夜です。モテない、ハブられるってこういうことなんだなって、肌身で感じられます。
 今作からは知らない大陸に全裸で召喚された田中。「このような男が召喚獣だなんて……!」とまとめられながら、その場の状況を適切に把握しながらサバイブしようとします。全体的に田中の作品は、ちょっと紹介がはばかられる独白だったり、独特な心理描写の癖が強く、登場するキャラも頭のネジが一本抜けているようなクセモノが多いですが、今回もそれを楽しみながら読めました。面白いけどアニメ化、絶対無理だろうな……
 たびたび挟まれる社畜エピソードも面白い。交渉や難題が行き詰まった時、転生前の会社員時代が蘇ります。金額を決定する権限がないのに外資との交渉最前線に放り込まれたこと、上司にしか発言権がない打ち合わせ、バブル期の熱海……ファンタジーに転生したのに現実がつきまとう緊張感。豊富な社畜の経験値を持ちながら田中はサバイブを続けます。サラリーマン解像度が高いせいか、王宮での貴族・爵持ちの謁見や外交会議、スパイとの交渉についても「言い換えるとこういうことだな」と腹落ちも早い。あと、田中の独白が大人向けなので、青少年には注意したい作品。漫画化した作品が二作出ています。

https://gcnovels.jp/book/641

千葉からほとんど出ない引きこもりの俺が、一度も海外に行ったことがないままルーマニア語の小説家になった話

済東鉄腸『千葉からほとんど出ない引きこもりの俺が、一度も海外に行ったことがないままルーマニア語の小説家になった話』左右社、2023

 タイトルだけ見たらものすごく異世界転生の感じがしますが、ノンフィクション・随筆であり、本の中身がタイトルを地で行っています。
 内容としては、日本人なのにルーマニア語で小説を書き、ルーマニアの文芸誌に小説が載るようになった作者の半生が、エッセイとして記されています。
 陰鬱な大学時代、就活の失敗(「就活、失敗しました~」という軽薄な口調でかえって心に突き刺さる)、引きこもり、それから映画を観まくって映画エッセイを書いていくうちにルーマニアにハマり、小説を書くようになり、やがてFacebookを通してルーマニア語を習いながら、ルーマニア語でも小説を書いていく……という人生。現実を写した内容なのにドラマチックであり、圧倒されてしまいました。
 著者の半生を記したエッセイであります。本の終盤、著者はここまで読み終えた読者たちを励ますように、自分と同じ立場の人たち、経済的に、あるいは実存的に苦しい立場に追い込まれた人たちに向かって優しく語りかけています。「良かれ悪かれ 今お前がそこにそうしているのが最大の強み」という座右の銘を送っています(BUCK-TICKの歌詞だそうです)。自分の生き方に悩んでいる人にとって突き刺さる文章です。
 語りが「俺」で一貫しており、タイトルの軽妙さも相まって、小説の主人公がひとり語りを続けている印象があります。最近だと乙一異世界転生小説を思い出しますね。


 著者がルーマニア文学や東欧文学が好きでとにかく読みまくっているので、文章中でも東欧の小説やエッセイ、ノンフィクションなど、さまざまなジャンルの外国書籍が紹介されています。
 著者はFacebookを通してルーマニア人にフレンド申請をしまくることで、千葉県の実家に住みながら自分なりのメタバースを構築しています。いまのTwitter(現X)でこれが応用できないか? と思いましたが、どれがbotアカウントでそうでないか、どれがインプレゾンビなのか、判別が難しいので、苦しいかもしれない……
 繰り返しになりますが、「重要なのはどこにいるかじゃない。俺たちが今そこにいること、これ以上に価値のあることはない。だから俺にとっては、他でもない今にそこに立ってるアンタこそが未来だ。やってやれよ、おい!」という締めの文章が、改めて力づけられる感じがあり、良いエッセイでした。ちなみに著者はnoteを運営しており、短編を無料公開しています。

左右社サイト
https://sayusha.com/books/-/isbn9784865283501

済東鉄腸note
https://note.com/gregariousgogo/

私はあなたの瞳の林檎


舞城王太郎『私はあなたの瞳の林檎』講談社文庫、2021

 短編集です。収録作は『ほにゃららサラダ』『私はあなたの瞳の林檎』『僕が乗るべき遠くの列車』。ジャンルは恋愛小説です。
 私は恋愛小説が苦手で、「どうせくっつくかくっつかないかのパターンだろう」と斜に構えたスタイルですが、そんな私でも芸大や芸術をテーマにしたり、恋愛に発展しそうで発展しない感覚を主題にしたりと、手を変え品を変え別な風味を出そうとしており、楽しんで読めました。
『僕が乗るべき遠くの列車』ではのっけから「親がノストラダムスの大予言を信じていて……」となり、そうか、ノストラダムスってそんな前なのか……! とビビります。チェンソーマンでは現在進行系でノストラダムスの予言と戦っていますが、この小説では完全に過去として書いており面白かったです。
『僕が乗るべき~』においては毛色がちょっと純文学的で、最初にクライマックスと呼べる大変なシーンをぶっ込んできて、その後は少年少女が絆を深める日常シーンが続く……というエンタメ小説とは異なる構造になっていて、普段読む小説とは違っていて新鮮味がありました。
 というものの、メインの事件は少年少女のすれ違いなのですが、すれ違いをどう解釈したらいいのかわからない部分が多く、こんがらがることがありました。
 おすすめは『ほにゃららサラダ』です。芸大に入った女性の主人公が、まさしく天才で作品を制作しまくっている男性と出会っていい感じになるものの、女性は芸術家としてのエゴやプライドがあるため、簡単に心を許していく関係性を作れずに……という話。プライドなんて捨てちまえよ! と外野は見ていて思うんですが、人間、そう簡単には思っていることを変えられないのがミソですね! 十代、二十代の失敗して失敗してとにかく失敗する恋愛模様(というか人間関係)が記されていて面白かったです。

https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000355481

 今回は以上です。一月中にもう少し投稿したかったのですが、思ったより時間が空いてしまいました。今年の目標は、もうちょっとマメにnoteも更新していくことですね!
《終わり》

逆噴射ピックアップその五(20240115)(復)

追記

 

 最終選考作品が発表されています! 二十一作品が選ばれました!
 私の作品は残念ながら、落選です……! 次はライナーノーツの出番だ!

 

再追記

 

diehardtales.com

ウオオオ大賞受賞作の結果発表もされています!

大賞はジョン久作さんの『悪魔の風の軌跡』でした! おめでとうございます!

他にも多くの作品……たぶん三十作品ぐらい? が逆噴射先生によるコメンタリーを付されています。これからの創作にも役立つアドバイスが目白押しなので、ぜひお目通しいただければ幸いです。

いろいろとあった2023年が終わって急に令和6年になりましたが、今年もよろしくお願いいたします……!

逆噴射小説大賞二次選考発表・発表スケジュール

 週末! それは古代日本の各地でプレミアムフライデーという休みっぽい楽しい儀式が発生し、「今日はビール飲もうかな」「ケンタッキーでチキン買おう」「スシは……」とかそういう楽しい雰囲気が混じっていたのですが、いつのまにか雲散霧消しました。
 そして逆噴射小説大賞二次選考の結果が投下されました。エッ! 早くない!? それでいて大賞作品の発表もあります!

 一次選考や二次選考にあたってのコメンタリーも書かれています。有料部分があるのですが、創作に関するヒントやポイントが多いので、よろしければぜひご覧ください。私も身につまされるところがたくさんあります。人は本質を突かれた時……顔に力を入れて耐えるしかなくなる……

 今後の発表スケジュールとしては、

 金曜日から土曜日にかけて熱くなりそうです。
 ところで「全体からのピックアップ・コメンタリー」という試みを初めて見ました。「この作品は二次選考とかで選外だったが、こうこうこういうところを修正すればもっと良くなるだろう」「この作品はジャンルを変更したほうがうまくいくだろう」とか、そういう提案なのかしら。

 また、前回のnoteでも記しましたが、私の作品は『土蔵は下へと旅を紡ぐ』が入りました。やったぜ!

https://note.com/eule/n/ndd2a26ceddf6?from=notice

 軽く反省点を洗い出してみると、

・ツェツェとの戦いにおいて、描写にぶつ切り感が出ているので、もう少しなだらかに文章をまとめる。
・「昏睡状態で寝ている」など、「頭痛で頭が痛い」というような文章が多いので整理する。人はたいてい昏睡状態でランニングしたり昏睡状態で卓球したりしない……
・ダンジョンに入るくだりが若干入りとして弱い
・「戦闘体験」=「刺突、隠匿、拳銃、柔道、小銃」とあるが、「隠匿」「柔道」の辺りが単語として適切かどうか怪しい。単語を変えるか、「戦闘体験」ではなく「戦争体験」にして、カメラをロングにしたほうが良い。そうすると例えば深夜の戦闘や、諜報活動、仲間内での会議など、もう少し幅長にできる。

 などがあります。時間が経ったからこそ見えてくるものがありますが、とりあえず突破できました。嬉しい!
 次回は反省会を兼ねたライナーノーツを書く予定です。
 今後書いていくものの予定としては、

・逆噴射提出作品のライナーノーツ(800字版のあとがき)
・書いたけどボシャった逆噴射プラクティス第一話を整理して投稿する、三本
・書きかけの逆噴射プラクティス(十一万字書いたやつ)を仕上げる
・読書感想文

 などがあります。ちょっと、多いね……!

 それはそれとしてピックアップをしていきます。だいたい三十作品ほどピックアップしたので、そろそろ打ち止めになるかもしれません……!

ピックアップ第一段

ピックアップ第二段

ピックアップ第三段

ピックアップ第四段

最期寿司

 腕利きの板前の失踪と、それを追う記者の話……なのですが、途中で出てくる牛刀ババアの印象が良い意味で強すぎて、板前がややかすんでしまいます。「ババアは失うものがない。特攻隊員として最適な人物だ」は『ハチワンダイバー』の言葉ですが(うろ覚え)、まさにそんな強いババアをぶつけてきた感じがします。
 あるいは、このババアがウェートレスを殺害して入れ替わっているというより、外から《暴》の化身として入ってきて、たまたま出くわしたウェートレスをなぎ倒した可能性も高い。
 映画によっては出オチ的な要員でありますが、種類によっては終盤まで主人公を狙い続けるライバル的なシリアルキラーにも昇華されうるので、主人公は特に注意して対応しなければなりません。これがサイコブレイクバイオハザードだったらかなりの難敵だった。
 失踪した板前セイゴを探す前に、まずはこの暴れ狂うババアから逃れなければならない。ジェイソンのように突っ込んできた《暴》をどうやっていなしていくのか、わたし、気になります
 

死闘裁判

https://note.com/baroque_core/n/n06d5b86bf5a0?sub_rt=share_b

「オッ呪術廻戦で弁護士が戦う回があったかあんな感じに進行するのか?」と思っていたら想像の斜め上を行く格闘技でした。逆転裁判以上のつよつよ裁判かよォ!
 私は予告編しか見てないのですが、『最後の決闘裁判』とか、こんな感じに両者の殺し合いが始まっていた気がします。
 ボクシング出オチで終わることもなく、格闘の内容も充実しています。作中で用いられる武術はジークンドーですが、今後は相撲やテコンドーなど、色々な方向に拡張できそうだと感じました。顔面の踏み砕き、目潰しとあると、総合格闘技も視野に入ってるように思えます。
 この世界で法科大学院民法、刑法を引き合いに出すのは野暮かもしれませんが、この世界、弁護士には腕っぷしが強くないとなれないようですね……! ロースクールファイト・クラブみたいになっていそう。
 フィクションを引き離す勢いで現実世界が加速しているので、相手が政治犯だったら……とか、有名Vtuberだったら……とか、アサシン系動画配信者だったらどんな状況になるのか……とか、考えていて好奇心がつきません。
 作品の状況を見るに、検察は控訴をするようです。裁判の仕組みをざっくり説明すると、裁判→控訴→最高裁になります。おそらく最高裁は規模が大きいので、チーム戦になると考えられます。集団弁護団と検察団による、裁判員制度を利用した大規模なデスマッチが予想されます。『ニンジャスレイヤー』みたいな多対多の戦闘や、スマブラのKAZUYAみたいな強キャラが出ると予想しています。楽しみですね。

グッドデイズ・マイシスター。

 昨今流行りのブイチューバー! というヘッダーから始まるのですが、ヘッダーの画像からして不穏。画面移りが悪いというより、無理やり画像を捻じ曲げた感じがします。若干、終わり際の文章が何を意味しているのか難しいのですが、教授の醜聞みたいなものかしら? あとは細かい指摘なのですが、人名にルビを振って欲しいです(読めなかった……!)
 ブイチューバーの現状として、登録者84万人はなかなか多いが、いまの業界の上中下で比較してみると、中ほどか……? と思いつつ読んでいたら、次々と明らかになる情報。主人公と合歓垣の魂胆がどのように一致するか気になるところです。
 難しいのは、合歓垣の目的が達成された場合、それを観測できるのが主人公しかいないことですね。その頃には合歓垣はこの世にいないわけですから……
 自律アイドルとなると、所属事務所を通さず、フリーで永遠に画面の向こうに踊り続ける存在……サイト消されたらどうするの? とか、チャンネルがbanされたらどうなるんだ……? という野暮な疑問は、攻殻機動隊やリングが帳消しにしてくれます。おそらく勝手に自己増殖して関連サイトやチャンネルを立ち上げ続けるし、誰かのPCやサーバーに寄生してサバイバルしていきそう。

シエラの帰還点

 いきなりの暴力ですが、スムーズに展開されるので読者は新鮮な頭で対応することができます。また、七年間――飛行機――十二人目――という単語により、細かいルール説明がなくとも、読者は主人公の身に何が起きているのかを推察できます。
 そうか、ここは終わらない閉鎖的デスゲームの最中だったのか……!
 未成年たちが主役というのはゴールディングの『蝿の王』を思い出しますが、あの作品は不穏な雰囲気を漂わせていた作品だったのに対して、こちらでは既に爆発しています。
 閉鎖空間にずっと閉じ込められると人間はおかしくなりますが、まさにそれが主人公の身に起きている。ルールは不明であり(おそらく実際に説明されることはない……)、わかるのは飛行機の内部にいることと、誰かが死んでも常に十二人に補充されることだけです。漫画の『ぼくらの』では、ルール外での人数の増加や減少について言及されていましたが、それを想起しました。誰かが途中で妊娠とかしたら、これどうなるんだ……?
 最後の辺り、もう一人の登場人物が出てきて、やや甘酸っぱい青春物語が展開されていきます。続きが気になります。
 タイトルにある『シエラの帰還点』はどういう意味だ……? と検索してみたところ、こういう記事が引っかかりました。

今回のボーイング除外で、新型“終末飛行機”開発に手をあげているのはネバダ州にある航空機・宇宙船の開発製造会社であるシエラ・ネバダ・コーポレーション(SNC)だけになりました。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%89%E3%82%A5%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%82%BA%E3%83%87%E3%82%A4%E3%83%BB%E3%83%97%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%B3

 終末飛行機ですって! 想像したら鳥肌が立ちますよ奥さん! なんでそんなとこにこどもたちが乗ってるの!?

バキラが首都にやってくる

 たまにツイッターとかで「でっか……」という言葉を目にするんですが、今回は《暴》がでかい女性が来ました。名前はバキラ。巨女なのでどちらかというと『ジャイアントお嬢様』に近いんですが、明白な違いは、こちらは明確に戦闘を繰り広げています……!
 巨大な女性であるバキラが、デートするために機動艦(たぶん空母みたいなやつ)に乗り込んでくる話。無許可なので機動艦の兵士たちが反撃するんですが、意に介さないでパンチとキックで兵士たちを黙らせていく。その上でバキラの周囲にはキナ臭い話が溢れているらしい……
 バキラ視点と少尉の視点が交互に入れ替わっているので、若干ストーリーを把握するのに手間取る点はありますが、基本的なストーリーは「恋をしたバキラがデートしにきた」です。
 読んでいて、〈バキラは誰とデートしにきたのか?〉という疑問が浮かびました。途中でバキラは初代総統に恋をしていることがわかりますが、最初の文章が「おーい少尉、しょーうい! デートに来たぞう!」とあります。
(この女は少尉ともデートすることで二股をかけているのか……?)と思っていましたが、おそらく〈総統とデートしにきたのだが、総統は奥まったところにいると思うので、ひとまず執事役っぽい少尉に挨拶をした〉という意味だと解釈しました。なので、少尉に挨拶したのだが、当の少尉は機動歩兵で殴ってくる。あるいは、バキラは昔初代総統に恋をしていたのだが振られてしまい、いまは少尉に恋をしている……?
 巨大な生物と人間が恋をした場合、手をつなぐとか散歩するとか、そういう細かいところから問題が生じます。手を握られたら死ぬし、ハグされても死ぬ。それを回避するために少尉が機動歩兵に乗るわけですが(そもそも少尉は恋愛対象ではない)、バキラにとってはデート=闘争なのではないか……? 人類とバキラとの価値観の違い……
 バキラも根っこが純粋な人物だと思うので、幸せになってほしいと思いました。
 

おまけ

 ローグライクゲーム的に、男がエルフ同伴でダンジョンの最下層へと潜っていく話。二次選考を突破しました。嬉しい!

 陰陽的に黒い少女に導かれて、サラリーマンが白い少女を探しに行く話。君烏帽子被ってない?

 今回は以上です。
 改めて週末には逆噴射大賞作品が発表されますね……!
 次回はライナーノーツか本の感想あたりをやっていきたいですね。

《終わり》

『風景画杯』に投稿しました(20210816)(復)

白蔵主さま主催のコンテストに短編(24000字ぐらい)を投稿しました。

 

男が自転車で勤め先まで行き、仕事して帰ってくる小説です(な、なにも起きない!)

リンクはこちらから。

 

note.com

 投稿できたのは15日と、締め切り(16日)前日です。

今回は……浮かばなかったな……

小説のメインとなる部分はするすると書けたのですが、枝葉の部分から急に難しくなり、投稿できたのが割とギリギリでした(タイトルをつけるのも時間ギリギリでした)。

他の投稿作品はこちらから読めますので、ぜひご覧になっていただければと思います。

note.com

 

レギュレーションである「事件が何も起こらないのに面白い小説」と描けたかどうかは、結果発表を待つとして、今回はかなりチャレンジングなステージで書くことができました。

すばらしいコンテストを開いてくださった白蔵主さま、ありがとうございました。

次回は、第一話だけ書いたままの作品をモリモリ書いていきます!

 

 

《終わり》

白蔵主さん主催の『風景画杯』が開催されます(20210709) (復)

面白そうな文芸賞が開かれますよ! 私も参加予定なので宣伝します。

 

 

締め切りは8月16日(月)です。

 

基本レギュレーションについては、白蔵主さんの記事から引用します。

(3)レギュレーションは、「事件が何も起こらないのに面白い小説」です。テーマや題材は自由です。字数は3000字から3万字くらいまでとします。内容が面白ければすこしくらい多くてもいいです。1人格につき1作品までとします。多重人格の方は人格の数だけ応募してもらっても構いませんが、新作のみとさせてください。

 

「事件が起きない」を維持しつつ「面白い小説」を提出するというのは、かなりチャレンジングです。どのように参加できるか悩みますね。エンタメ的なイベントをスルーしつつ、目が離せない作品とはどんなものか、悩ましい。多重人格の方の応募も(?)期待しております。

 

そしてタイトルのつけかたがうまい。『風景画』とはうまいこといったもので、我々は特にエンタメでもイベントでもない風景画を見て心を揺さぶられることがありますし、道や天気の描写だけで感動します。

 

字数は3000字から3万字とのことで、キロバイト換算に直せば、6kb(原稿用紙では7枚ほど)から60kb(75枚)までとなります。掌編から中編サイズの小説を投稿できる規模となりますね。果たして『風景画杯』ではこの長さがどう作用するか。

 

「なにも起こらない小説」の具体例は、白蔵主さんの記事から飛べるので、興味ある方はぜひジャンプしてみてください。そして更に興味がありましたら、筆を取りご応募のほど、ご検討いただけると嬉しいです。

 

《終わり》

本には自分を追い込む種類ともてなす種類がある(20210711)(復)

梅雨! 地獄のように雨が降ってランニングができなくなって困っていますが、最悪なのは外出時にズボンと靴が超濡れるのでテンションがだだ下がりになるところですね。もう着替え持っていって到着したら着替えて仕事して終わったら着替えて帰ってまた着替える……みたいなサイクルにしたいですが、そんな大量の荷物持っていくとカバンが無茶苦茶重くなりますからね。現時点で本とか水を持っていくのでカバンの積載量は限界です。雨は止んで気温は涼しくなり、なんか……ほどよく晴れて毎日爽快な天気に……なってほしい。

 

楽しい本は精神をマジで安定させる

 

ずいぶん前から『逆噴射小説ワークショップ』『逆噴射小説大賞』の続きを書いており、どうせ書くなら舞台背景を充実させたほうが良いなと思ったので、関連ジャンルの本をよく読んでいます。ロシアとか安倍晴明とか、音楽、将棋……みたいに。そういう資料本の場合は「面白い本があるといいっすねー」と割り切った感じに読んでいるのですが、イイネ! という作者さんを発見しました。町田康さんと羽田圭介さんです。

羽田圭介さんは文芸誌をめくっていたら発見した人で、作品ですと『ポルシェ太郎』『滅私』と『Phantom』を読みました。パッと見だと文章に「スイングトレード」「芸能事務所所属」などの単語がチラホラ見えたので、勉強として読むか……と思っていましたが、物語自体のパワーにあてられて楽しく読みました。

作品だと物質中心主義というか、「カネが人権! いいクルマとか持ってないなら陰々滅々!」という雰囲気で作品が展開されていて、最初はしんどい感じで読んでいたのですが、だんだん生活が苦しくなって主人公が自分の考えを反省したり、他人の行動を見て刺激を受けていく、主人公の変化が気になってどんどん読んでしまいました。

 

 

 

 

他の雑誌をめくって面白かったのが町田康さんの『ギケイキ』です。こちらも作品のパワーがスゴイし主人公の源義経が現代語を駆使して「イージーな態度がむかつく」とか「ビン・ラディンやなんかより遥かに安全なところにいた」とか言ってるので実質サイバーパンク。舞台が日本中世なので、時折ジャンルが大河ドラマに寄ったかと思うと、アクションシーンではほぼほぼパルプの挙動で動くので、こんな作品あったの!? と驚愕しています。

 

 

 

1から10まで付き合わなくてもいい

 

で、いまはそういう全然関係ない面白い・楽しい本と資料本を一緒くたに混ぜて読みながら、アウトプットをしている状態です。以前までは「芸能の話を書くなら芸能の本を1から10まできちんと読むべし! 全把握してから取捨選択すべし!」と考えていたのですが、どうやら違うようです。

なんでかっていうと、面白い・楽しい本ってそれだけで独自の磁力というかパワーがあるので、まったく違う事柄同士をひきつけてくれるんですね。純粋にパワーがあるので、ただ読むだけで頭がドンドン活性化していき、「あの展開は肉抜きできるな」「セリフ増量しよう」「mexico……」と勝手にアイデアが来ます。単に資料として読むだけだと、一冊終えて次……知識だけ増えてまた次……みたいに流れ作業みたいになってしまい、powerも落ちて意識の火がだんだん消火されます。

またこうした面白さ・楽しさは他人がつけたジャンルで考えなくても良くて、「しんどいと評判の純文学を読んだが実際にはメッチャ楽しかったので元気でた」「孤独な映画を見たが不思議なパワーが溢れていてスッキリした」ということがありえます。なので推奨としては、既存の自分が楽しんでいるものとは別に、新しい作品をdigる余裕があるといい、ということです。これはゲーム・漫画・鉱石・書道・カタログギフトでも本当になんでも良くて、とにかく自分をもてなしてくれる存在を見つけられると気分が良くなる、ということです。

もちろん話を書くのに知識がなさすぎても困るので、資料本は読んだほうがいいのですが、資料として読んでいるのに精神的にダメージを受けたり、人格形成とか書いてあって、想定したのと違う角度からの攻撃を受けてヘコむこともあります。流せるならいいのですが、流せない場合、「でも勉強しないといけないから!」と、1から10まで付き合う必要はないので、やはり最初は「面白いものがあればいいな」ぐらいの感覚で接して、なんか合わないな、と思ったらだんだんフェードアウトするぐらいの距離感を持つことが大事なのだと思います。そもそも勉強している時点で新しい分野にチャレンジしているので、お金出して買ったからって気負わないことが一番大事!

 

ドラマ代わりにテキストゲーム

 

夜中の休憩時間にテキストゲームをオートで流しています。完全にプレイとかボタンを押すとかの能動的な動きを放棄して、AUTOボタンを押して三十分くらい流しっぱなしにするという受動的な動きです。映画とかドラマをバックグラウンドで流すような心持ちですね。一番楽なのが、気になったところでテキストのバックログを開いて、過去ログを確認できることです。ドラマや映画だと、画面を見てないとそもそもの意味が取れないことも多いので、これはずいぶん助かっています。昔は選択肢が多いゲームをやっていましたが、いまは選択肢が少なくて、受動的に流すことのできる作品をやっています。

テキストゲームは、以前までは能動的にタップしまくっていたのですが、そうするとゲームは別に本じゃないので、「疲れたので栞を挟んで休もう」が通用しない時もありますし、「最初にパラパラめくって全体像を把握してから読むか」も通用しません。グラブルやプリコネの場合、一回タップしても数行ぐらいしかテキストが表示されないので、だんだんエサ目当てに車輪を回すハムスターになった心地になってきます。人々は「そろそろおわらないのか・・・!」「もうやめたいよお!」と嘆きながら、タップ・・・TAP・・・WAR・・・第三次世界大戦が起きます。問題なので、AUTOを実施しました。

何がいいたいかというと、例外なくテキストゲームはウマ娘の選択肢スキップ機能を実践してどうぞ(ウマ娘の場合、能力増減などの核心的な選択肢を除き、選択肢自体をスキップできますし、テキストも超早送りできます)。

《終わり》

逆噴射ワークショップ第2回を振り返り改善点を探す(20210412)(復)

逆噴射ワークショップ第2回が開催され、拙作が取り上げられました。嬉しいことです。詳細はこちらの記事から。

 

 

詳しくは記事リンクを辿っていただきたいのですが、悩みを送ったら全部掲載されたり、良い評価を頂けたりと、嬉しい驚きがありました。「いまの自分は地図でいえばこの辺りに位置している」が理解できたことも大きいです。

 

今回は、上の記事を読んで考えた、自作の反省点や改善点を挙げていきたいと思います。

 

ヘッダー画像を工夫せよ

 

最も意外だったのはヘッダーです。白状すると逆噴射以外ではあまり記事を書いたことがなく、かつて書いていたはてなダイアリーでは画像投稿も多くないので、ヘッダーに思い至りませんでした。

 

ヘッダーは本の表紙みたいに、記事を強調するポイントです。が、私はそういうことを考えず、ワークショップに投稿する時に軽い気持ちで、「椅子を使うし……アリ・アスター監督の風味を出したい……これくらいでヨシ!」とヘッダーをお出ししたのです。

 

ここには大いなる改善点があります。

 

他の方の記事を眺めていて思うのは、「ヘッダー画像にオリジナルアートを入れていてすごいな」です。私はデザイナーとしての実力が高くないので、ゼロベースで作ることが難しい。とすると、やるべきことは、素材を加工することです。

 

ここで発揮するべきは加工するための振る舞いです。イメージするならば、画像を使う際は、

 

「画像にタイトルなり入れて見やすくする、フォントも検討する」

 

「画像をトリミングして異質性を強調」

 

「画像をブラシでいじってあえて違和感を出す」

 

などが考えられます。次回からはこうした作業も追加します。使用ソフトは……ペイント! あるいはフリーソフトで……

 

タイトル、冒頭の改善点

 

ここはズバリと斬られたポイントで、その通りです。今作のタイトルは、「SF風味だがあらゆる文庫本に使えるように柔軟なタイトルにしよう」というコンセプトでした。八方美人過ぎる。

 

タイトルをつける際は、時間を置いてから考えています。よほどの作品だと先にタイトルが来ますが、おおむね最後です。ですので、今回も第一稿を書き上げてからトップに戻りたいと思います。頑張ります。

 

自作のジャンルがわかった

 

実は投稿するまで、「この作品のジャンルはどこ?」と悶々としていました。コメディではない。ではアクションか? そうでもない。この内容だと……ホラー……サスペンス? などという具合です。作っている側からすると、距離が近すぎて認識できなくなるのです。

 

読書会では「仕事ホラー」、上の記事では「現代ローファンタジーエクソシストめいたモダンホラー」とガッと指定して頂いて、上で書いたように「地図でいえばこの辺りにいる」納得感がありました。「○○めいた」という言葉がつくので、該当ジャンルを見ていきながら目印になりそうな作品を探そうと考えました。

 

で、ホラーなんだからホラー映画を見よう……までは至ったのですが、問題は、私が非常にホラーが苦手なことです。全体的に描写とか無理で、すぐに気持ち悪くなったりします。『ミッドサマー』とか『ムカデ人間』なんてあらすじ読んで気持ち悪くなりましたし、かつて映画館で観たメル・ギブソンの『サイン』はトイレに行く振りをして逃げました。

 

幸い、小説が原作の映画も多いので、キングや『ぽぎわんが来る』シリーズなどを読みながら傾向を探していきたいです。

 

取材!してね!

 

上の記事で言及されていたように、取材……小説の対象となるフィールドを知ることは大事です。私の場合、関連書籍を2冊3冊ぐらい読むと、「もういいや見切り発車して大丈夫だろう」と始めて問題になってしまうので、態勢を改善するよい機会です。

 

いまはちまちまと声優本やエッセイを読んでいますが、もともと役者の世界はあまり知らなかったので、「こういう世界もあるのか」と知的刺激があります。取材感覚が発達してくると他も気になってくるので、芸人、舞台演劇の本も視野に入れています。オンラインイベントや配信ライブも考えていますが、さすがに取材費用にも天井を設けないとヤバいので、脳内経理部と相談しながら考えたいです。

 

小説の対象になると面白いもので、いままではだらっとしていたい時にアニメを流していたのに、取材感覚を意識した途端、だらっとアニメを観なくなりました。セリフ一つ取っても「このセリフを発するまでにテイク12ぐらいあったか?」「何回オーディション受けた?」「打ち合わせは」「台本……」と浮かぶので、下手したらノートを取りながらアニメを観ます。この取材感覚はフルボイスのゲーム、謎アニメ、その他声優が登場するバラエティ番組、SNSYoutubeです。

 

問題は、いままで休憩時間に趣味で楽しんでいたものが取材に取って代わられてしまったので、休憩が休憩でなくなってしまったことです。対処法として、声優とは無縁なホビー(模写や粘土いじりなど)とか、音量をゼロにしてゲームするなど、工夫していきたいですね。

 

また別な取材感覚や仕事が持ち上がってきたら、おそらく別な趣味を導入していくのだと思います。なんだか分野を変えているだけのいたちごっこな気もしますが、取材感覚はそういうものなのでしょう。取材ばかりしても頭が参ってくるので、うまく趣味と仕事を区別して、心を逃しながら書いていきたいですね。頑張ります。

(復路鵜)