17話「二つの顔」DOUBLE SHOCK

米国初放送:1973.3.25
NHK総合初放送:1974.7.20
ピーター・フォークの年齢:45歳
ゲストスター:マーティン・ランドー(役名:デクスターさん。料理研究家。声:滝田裕介)
今回のみどころは、料理研究家で、テレビの料理番組を持っている犯人デクスターさん(ランドー)と、コロンボが、料理ショーをやっちゃう場面でしょう!画面に突っ込みまくりですよ奥さん。このシーンには台本はなく、マーティン・ランドーピーター・フォークの二人が、ぶっつけ本番でやっちゃったんだって。こいつら男二人が、作った料理がすごいのだ。なにがって。アメリカじんちゅうのは、こんなクソ簡単な料理、番組で教わらないと作れんのかぃ?卵の黄身と、フライパンで溶かしたバターと、レモンじると、塩、こしょう。これらをミキサーで混ぜて、ゆでたパスタにかけるだけ。ま〜ぜ〜た〜だ〜け〜。「二つの顔」を、あたしと一緒に見ていたママ曰く、
「あんなもん、ミキサー使うまでもないがな」
でも、ピーター・フォークの「卵の扱い方」を見れば、彼が料理慣れしていることは確かで、フォーク萌えなあたしとママ、その点は大喜び。
こんなあたしとママが、画面に突っ込みまくったシーンがもうひとつ。被害者宅で検分中、くわえタバコを注意されたコロンボが、その家のバスルームに入る。
私「靴、はいたまんまやん…」
母「いやあねえ、お風呂場に、泥靴のままあがるなんて」
私「あっちの習慣なんやなあ」
洗面台で、顔を洗おうとしてコロンボ、浴室内の異変に気がつき、しげしげを眺め始めます。と…ところが…浴槽や、洗濯物入れや、犯行に関係ありそうなものに気をとられている間、コロンボ、洗面台の水、出しっぱなし!突っ込むあたしと母!
母「蛇口、蛇口!出しっぱなしやがねあのひと」
私「コロンボ、水道をしめなさい」
ダーダー水が出ている洗面台は放置で、他ごとやってるコロンボ
私「すいどう。みず!水道を、しめなさい。コロンボ、水…もったいないやろ!」
母「あー、ようやく、水とめたわ」
私「どんだけ出しっぱなしじゃ」
刑事コロンボ』に限らず、洋画を見ていると、こうした文化の違いを、たびたび垣間見るので、おもしろい。「二つの顔」では、デクスターさんの料理簡単すぎと、コロンボの水道出しっぱなしが、すんげー気になって、楽しめた。こういう、生活観がにじみでる描写、好きだなあ。

18話「毒のある花」LOVELY BUT LETHAL

米国初放送:1973.9.23
NHK総合初放送:1974.9.14
ピーター・フォークの年齢:46歳
ゲストスター:ヴェラ・マイルズ(役名:ヴィヴィカ・スコットさん。化粧品会社社長。声:伊藤幸子)、マーティン・シーン(被害者役。声:伊武雅之。現在の芸名は、伊武雅刀
犯行現場に残された、眉墨で書かれたメモから、コロンボは「このメモを書いたのは、黒い眉墨を使う女だ」と推定。このネタで、コロンボのカミさん情報がひとつ判明しました。コロンボ曰く、カミさんは、眉墨(眉毛を描く化粧道具で、アイブロウペンシルとも呼ぶ。)を、鉛筆代わりにするとのこと。
それを聞いた、化粧品会社の社長で、今回の犯人ヴィヴィカさん(ヴェラ・マイルズ)は、赤毛だったのです。ヴィヴィカさんは、自分のなら、アイブロウペンシルは赤毛用で、黒くはないのよと。黒いアイブロウを使う女性は、ブルネット(暗褐色の頭髪のこと)のはずだと言いました。つまりコロンボのカミさんの髪は、暗褐色だと、判明したわけです。
コロンボが語る「身内の話し」は、どこまでが本当なのか、わからないのがミソなんだが、眉墨の件にかんしては、事実を言っていたね。なんでかというと、中途半端に正確だったからよ。リアリティがあんの。男性は、女の化粧にはうとい。カミさんの愛用化粧品を、イヤでも見てきたコロンボには、銘柄などの化粧品知識はあったけども、じっさい使ってる女性じゃないから、眉墨ってものはみんな、鉛筆みたいに黒いもんだと思ってた。それは違うぜよ、赤い眉墨なら日本にもあるぜよと、ヴィヴィカさんでなくって、あたしでも突っ込み入れたもんね。
だから、眉墨にかんするヴィヴィカさんとのやり取りは、彼の家庭生活を想像する上で、非常にリアルな会話だったといえます。「ウチのカミさん」の髪の色は、ブルネットです。ハイこれは判明!