2011-08-09
今週のお題「夏休みの宿題」は『ブリキの兵隊』
画廊の二階に住む、ペルシャ猫のルルです。
お題の「夏休みの宿題」で思い出して、
20年前のものを引っ張り出してきた。
オーナー夫妻の娘さんが、中学の時にやった「夏休みの宿題」だ。
子供用の原書の童話を訳して、挿絵を描いて本にしたもの。
英文の別冊もあって、「英語」と「美術」の両方をクリアしている。
奧さん・・・アドバイスはしたけど手伝ってないわよ。嬉々としてやってたわね。
本来、夏休みの宿題はそうあるべきだと思う。
科学の好きな子は、実験や観察を。
体育の好きな子は、自己ベスト更新を。
美術の好きな子は、いっぱいのスケッチを。
国語の好きな子は、何冊もの本を。
音楽の好きな子もチャンス! コンサートに行ける!
好きなことを堪能して、暑さを忘れる。これが休暇というものだ。
学校では、数学が好きでも美術もやらなくちゃならないし、
体育が好きでも化学の実験をしなければならない。
普段は子供なりに、たくさんの我慢をしているのだから。
20年前の宿題は、娘さんが大きくなって家を出た後も残っている。
A5の大きさの、スケッチブックに描かれてたもので、
表紙を開けると、
次は、英文を訳したお話と、20点の挿絵。
『ブリキの兵隊』の話は知ってますよね? えっ、知らない?
それでは挿絵の一部と共に、ご紹介いたしましょう。
(挿絵をよく見たい方は、画像をクリックして少し大きいものをご覧下さい)
むかし、デンマークで、ひとりのおじいさんが、大きなスプーンを潰して兵隊人形を24個作りました。
25個目の兵隊はブリキが足らずに、一本足になってしまいましたが、兄弟達と変わらず勇敢で真っ直ぐに立ちました。
おじいさんは25人の兵隊を箱に入れて売りました。
兵隊の人形は小さな男の子の家に買われました。
そこには他にもたくさんのおもちゃがありました。
意地悪な犬のおもちゃも、綺麗な踊り子の人形もありました。
一本足の兵隊は、その踊り子に恋をしてしました。
でも誰かのいたずらでしょうか?
一本足の兵隊は窓から外に落とされてしまったのです。
道に落ちていた兵隊を拾うと、いたずらっ子が舟に乗せて遊びました。
舟は流されて、ブリキの兵隊は遠く知らない所を旅することになりました。
でもどんな困難な時も、しっかりと片足で立ち続けました。
「私は何処へ行くのだろう? またあの美しい踊り子に会えるだろうか?」と、思いながら。
長い旅の途中で舟は沈んでしまい、大きな魚がそれを飲み込みました。
そしてその魚を漁師が釣り上げました。
釣られた魚を買って、料理をしようとした召使いが驚きました。
「まあ、失くなったあの一本足の兵隊よ!」
一本足の兵隊はまた元の家に戻ることができました。
同じおもちゃ達の中に立って、幸せでした。
踊り子は踊り続けていて、兵隊を見てくれませんでした。
一本足の兵隊は言いました。
「でも私は彼女を愛している」
ある日子供たちが喧嘩をして、怒った子が一本足の兵隊を、暖炉に投げ付けてしまいました。
身体が熱く溶けていくのを感じながら、一本足の兵隊は踊り子を見つめ続けました。
すると、踊り子が兵隊を見たのです。
その時風が吹いて踊り子を舞いあげると、彼女は暖炉の火の中の、ブリキの兵隊の側に舞い降りました。
彼女は紙のおもちゃだったのです。
次の朝、暖炉の掃除をした召使いが、踊り子の髪飾りだったブリキの花を見つけました。
そしてその隣に、もはや兵隊の姿ではないただのひとかたまりのブリキがありました。
けれどそれは、ブリキの兵隊の愛のように、ハートの形をしていました。
おわり
20年前はまだコンピューターがそれほど普及していなかった。
せいぜいワープロという頃である。
現代はデジタル画像をプロと遜色なく作れる時代になって、
もっとすごいものが、簡単に作れることだろう。
でも、これを作った14歳の少女は、20年後の今も、
その頃と同じ夢を追いかけている。
これってそんなに簡単な事じゃない・・・よね。
彼女の本が、初めて出版されます。
どうぞよろしく。
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