10枚目〜ロジーナ、カプリ
John Singer Sargent 1878年
ジョン・シンガー・サージェント
同じカプリを描いてはいるけれど、楽しそうな後ろ姿
カプリにしては、真っ白い建物を描くのではなく、ほんの少しだけ、汚れが見える
その汚れは決して汚らしいものではなく
カプリの白い建物をこちら側の現実世界にひきとめてくれるつなぎ目の役
そんな気がする
君は左手を上げる
壁の向こうに見えるであろう街並みに向かって
君は時間を止めた
そこに見える君の人差し指は
空に向かうレモンを指差す
うつむきながらも微笑みを絶やさない君の唇は
多くの人の楽器が奏でる天空のリズムを左右する
雲は舞い
鳥は歌う
太陽が微笑み
月は黄金色のダンスを始める
君が左手を下におろすとき
きっと新たな音楽がまた始まる
頭が良くなった気がする度 ☆☆☆☆
思わず目を細めて聞いてしまう度 ☆☆☆
都会の静けさ度 ☆☆☆☆