普通のくつ下を目指して
編みつつもいつも考へずにはゐられない。
「もし今自分が編んでゐるやうなくつ下が売られてゐるとして、それを自分は買ふだらうか」といふことを。
あ、もちろん、売るに足るqualityだとして、だ。やつがれの腕前はまだまだちよつと……つてーか相当…………。とほほ。
間違つても pomatomus なんか買はないだらう(まだ編みはじめてもゐないけど)。Hedera だつてアヤシい。
それどころか、ただのメリヤス編みのくつ下だとしても、Opal の Tiger みたやうな模様のくつ下を、やつがれは店頭で見て買ふだらうか。
おそらく答へは「否」だ。
考へてみれば、買つてくるくつ下のほとんどは黒・紺・茶である。
たまに臙脂や深緑を買ふこともある。自宅用には白つぽいくつ下を買ふこともあるかな。
だが、段染め毛糸で編んだやうなくつ下を買ふことはまづない。おそらくない。いや、絶対ないと云ひきつてもいいかもしれない。
ぢやあどんなくつ下なら買ふ気になるのか。
こちらの記事を見て、チト真剣に考へてみた。
んー、たとへばこんな感じ?
或はかう?
「普通」とかいひながら、たとへば履き口は二色で Cable Cast-on だ。これははじめて使つてみた。編みづらいけど、いいね。
また、踵は以前もちよろつと書いた Eye of partridge をこれも二色で編んだ。二色で編むと「H」を重ねたやうなチェック模様になる。
こんな感じだ。
そして、やつぱり「普通」には編めない自分に気がつくのだつた。
だつてこのくつ下、かうなつてゐるんだもの。
さう、左右色ちがひの足袋くつ下。足袋くつ下は普通に売られてゐてやつがれも買つたことがあるが、しかし、左右で色のちがふものは買つたこともなければ売られてゐるのを見たこともない。
手編みなんだから、いいぢやん、これくらゐの遊びがあつてもさ。
ハマナカのポームで編んでみた。白い糸は無垢綿のニット、茶色の糸は色綿の col. 33。
針は2号(2.75mm)四本針。材質は樺。もう一号細くてもいいかも。
編み方はこちら。でもタイポエラーがあるので要注意。親指の減らし目段の二段目は、書いてあるとほりに減らしても12目にはならないし、左足の拾ひ目をする針には Needle 1が二度でてくる。最後の方が Needle 3 だ。
くつ下は、実は無垢綿の方がやはらかくてきもちいい。色綿の方はしつかりした感じでこれもいい。まあ好きずきといつたところか。
足袋くつ下は編むことはないだらうと思つてゐた。編んでみたら案外かんたんだつた。今後も編むかも。また、ゴルフソックスとでも呼びたいやうなこの長さもいい。あまつたくつ下毛糸で編んでみたい。
ところで「靴下」つてあみものグループ専用のキーワードだつたんだな。はてな全体のキーワードだつたらよかつたのに……。