Hatena::ブログ(Diary)

実際、最後は精神論ですよ。 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2010-09-30 登会長と税関で面白い体験をした。 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

仕事の関係でソフトイーサの登会長と海外出張をした。

彼と旅行すると面白い体験をすることが多い。

前回、某国に行ったときはiPadを購入しようとして詐欺にあった。

70,000円程度であると言われたのに、購入したのち簡単なサービスを行われ追加で70,000円要求された。

これは個人的にも不当であると思ったが、まあどちらの言い分も理解でき、私は仲裁に入って追加サービス分の価格交渉をする羽目になった。

しかし、どちらもほとんど譲歩しないので(特に会長は絶対に引かない)私はだんだん面倒くさくなり、最終的に会長はある大人の解決を行った。

これは正当な行為だったが、常人にはとても思いつかないような解決法で、これには驚いた。


今回は税関で登会長の至極まっとうな意見によって大変面白い体験をした。

しかし、私は単に自分が本当に思っていることを正直に話しているだけである。カバンの中に何が入っているのか、検査するまで、自分でも分らないではないか。また、カバンの中に入っているものが、違法物品に該当するか否かというのは自分には専門知識が乏しいので、やはり、分らないではないか。自分で確実に分っていないことなのに、わかったふりをして、申告書に "いいえ" と書くのは、正直な行動ではない。それは、自分の思っていることに反した行動だから、それはできない。そう主張して、是非、税関で荷物を開けて検査してほしいと依頼し続けた。

http://d.hatena.ne.jp/softether/20100929

当時の会長は始終まじめにblogで記載されているような内容を繰り返しており、税関の職員も困惑していた。

はじめは私もまじめな顔をしていたが、あまりに滑稽な状況が続くので、だんだん笑いをこらえるのが困難になった。

登会長は非常にまじめにやっていたが、私が笑ってしまうと悪意を持ってこのような行動を取っているとみなされ、業務妨害に抵触する可能性がある。

しかし、私は同行者なので彼のそばを離れるわけにはいかない。

会長の主張は大変論理的であるし、理解もできる。

税関の職員も困惑しているし、職員が何人もこちらに集まってきており、この結果税関のほかの場所が手薄になって日本国に違法なモノが持ち込まれたり、脱税が行われて正当な税収が損なわれる可能性があった。

そこで、私は税関職員の説得をすることにした。


とりあえず私は若い税関職員に友好的に話しかけ、自分の立場と、登会長が大変変わっているが善良な人物である説明をした。

そして、今回特にこのような行動をしている理由として私が出張先であった恐怖体験によって彼が過敏になっているという話をした。

その恐怖体験というのはホテルのロビーでガラの悪い連中に取り囲まれ売春窟に無理やり連れて行かれそうになったことなどである。

そして、自分は量を超えて煙草を購入したので関税を支払う必要があるという話をした。


彼のような奇妙な行動をとると、一般に人は『何らかの危険な人物である』とか『変質者である』と思い警戒してしまう。

しかし、私のように自分に対して友好な態度を持つ人物が、危険な人物ではないということを保証するとだんだん態度を軟化させる。

ああ、この人物は危険なのではなく、ただの変わっているだけなのだと思うのだ。

そして、態度を軟化させた職員に、面倒だから望み通りカバンをすべて開けて調べてやってはどうだろう?

その方がここで問答をしているよりも早く問題が解決する。

という提案をした。


これは俗に言う、『Good Cop / Bad Cop』という手法である。

良い警官・悪い警官は、明確に相反するやり方で対象者へのアプローチを行う二人の質問者のチームから構成される。二人の質問者が対象者に対し交互に質問を行う場合と、同時に対面する場合がある。

「悪い警官」は対象者に対し、粗暴な非難や侮辱的な意見、脅迫などの、攻撃的かつ否定的な態度を取り、基本として対象者との間に反感を作り上げる。これにより、対象者に同情的な役割を演じる「良い警官」の活躍の場が整えられる。「良い警官」は対象者に対し支援や理解を示すように見せかけることで、基本として対象者への共感を演出する。また、「良い警官」は対象者を「悪い警官」の締め上げから庇護する。

対象者は「良い警官」への信頼感や「悪い警官」への恐怖から、「良い警官」と協力関係が結べるのではないかと感じ取り、結果として「良い警官」へ協力するために、色々な情報を話してしまう。

この場合、会長には悪い警官の立場を意図せずに演じてもらった。

一般の犯罪者に関しては攻撃的かつ否定的態度が有効であるが、税関職員に対してこの場合は有効ではない。

税関職員は登会長よりも知的能力が低く、法律に関しても詳しくないが、公権力者としての威厳を保たなければならないので、彼のように正確に遵法する行動の方が、脅威となるのである。

会長は、公務員公務員として扱うが、彼らは公務員である前に職業を行う人間であることを忘れてはならない。

こういった状況に陥った際に、多くの場合公務員が高圧的な態度に出るのは、自分たちが知的能力が低く、法律に関しても詳しくないことが露呈してしまうことを恐れているからである。

そして、それが公然の事実*1であっても露呈してしまうと威厳が保てないのだ。

威厳を保てないと税関職員の信頼は失われ、機能しなくなってしまい、何らかの別のシステムに入れ替えられて職を失ったりする可能性がある。

彼らはそれを最も恐れているのだ。

また、別の角度から考えると、通常、旅行者は帰国の際にカバンを税関でチェックされるのを嫌がる。

それをどうしても開けて調べてほしいという旅行者が現れた時に、私が彼らの立場であれば、対峙している人物が実はカルト教団などの狂信者やテロリストで中に爆弾が入っている可能性を考慮してしまう。

どちらにしろ、この状況は税関職員が想定外であり、想定外なので彼らの有限の脳細胞ではフレーム問題が発生して税関職員自身の合理的な判断力を奪う結果となっていたことを心に留めておきたい。


しばらくすると提案に従い無線で呼ばれた職員がやってきて彼は望み通り別室で取り調べを受けることとなった。


ちなみに私は登会長と似たような人物をもう一人知っている。

2ちゃんねる管理人の西村博之氏である。

もう10年近く前の話だが、当時、私はUGの世界でそこそこ名の通ったガキで、現在では違法になったチンケなビジネス(当時は合法)などで金を儲けていた。

そして2ちゃんねるに金の匂いを察知し、西村氏やその側近と仲良くなった。


ある日、私が彼と他何名かで都内某所で遊んでいたときに、ある団体がそこに西村氏が居ることを嗅ぎつけて恐喝をしに来た。

2ちゃんねるの運営によってその団体が損害を被ったので賠償しろというような内容だったと思う。

そこは密室だったが、強面のどうみてもカタギではない人たちが複数で西村氏を取り囲んで怒鳴り散らしており、私はビビリなのでキンタマが縮みあがった。

自分は関係がないので早く賠償でもなんでもしてこいつらを追い返してくれと思っていた。


しかし、西村氏は一歩も引かずにヘラヘラしながら対応していた。

当初の予定とは反して、その団体の人たちは怒鳴り散らすだけで暴力をふるうことが無かった。

常人は、こういう人たちと対峙すると、すぐに暴力が振るわれるような妄想をしてしまい、自分を不利な立場に追いやってしまうと思う。

しかし、普通に考えればその団体の人たちがもし西村氏に暴力を振るえば、司法によって彼らの方が不利な立場になってしまう。

以前、非合法団体の人から聞いた話ではこういう金銭を交渉する場合は場数を踏んだ冷静な人物を交渉役として送るらしい。

その場合、決して所属の司法指定団体名を名乗らず、暴力もふるわないらしい。

なぜかというと、団体名を名乗るだけで暴力団対策法で処罰され、また暴行の事実が明らかになった場合通常よりも重い処分が団体に下されるからだそうだ。

西村氏はこのことを良く知っていたので、ヘラヘラ笑いながら対応していた。

知っていたとしても、私にはできないと思う。


この一件で若かった私はこの世界でビジネスを続ける器がないと判断して、UGと決別した。


当時の知り合いの何人かはネット長者になった。

そして、少なくない数が路頭に迷ったり、犯罪者になったり、自殺したりした。

特に2000年代前半のネットバブルでハメを外しすぎて失敗した人が何人もいる。

当時、六本木ヒルズがなぜITベンチャーで盛り上がったか知っている人は少ないだろう。

その背後にはある団体が居たのだ。彼らは巧みにIT企業家を女と薬で奴隷にして、上場詐欺に近い方法で利益を上げていた。

六本木という土地は今も昔も警察が支配しているわけではないのだ。

当時、私も標的になった。

しかし、決別する決心をしていたので運良く抜けることができた。

西村氏の一件がなければ今頃収監されているか、薬漬けになっていたかもしれない。


西村氏はそういう中にあってうまくやっていると思う。

登会長も非常にうまくやっていると思う。

登会長も西村氏も、必要以上に自分を不利な立場に置かないという点で共通している。

つまり、どんな状況にあってもこの二人は常に冷静で合理的な判断が可能なのだ。

大きな成功というのはこういう人の元に降ってくるのであって、それができない人には手に入らないのだと思った。


西村氏の時はキンタマを縮み上がらせていた小物だった私だが、10年近くたって、私にも色々出来ることが増えた。

今回は私は、登会長が税関で被ったトラブルの際に登会長、税関の双方を助ける行動がとれたと自負している。

私も私なりに人なみの幸せが手に入れたい。


追記

詐欺に会ったときに、会長が行った行動というのは、一般的に社会人がお金を払っているあるサービスの有効利用である。

しかし、この利用方法についてはここに記載しない。

なぜかというと、このサービスを色々な人が利用しだすと、サービス自体の採算が取れなくなり、破たんする可能性があるからである。

私は知識や技能というのは自分でモノを考えられる人のみで利用されるべきだと思っている。


また、10年前に私がトラブルに合ったある団体というのは非合法団体がスポンサーとなって活動している政治結社のようなものである。

右翼側か左翼側かは明記しないが、どちらの側も紐解けば非合法団体に結び付くことは公然の事実だ。


現在、20代中盤以上のギークにとって、UGとの繋がりは切っても切れない関係があると私は考えている。

日本国内にいる天才プログラマーの殆どが多かれ少なかれUGで技能を身に付けた経験があるというのが私の実感だ。

今でも90年代後半のカオスだったWEBの話題は当時を知るプログラマー同士で語られることだし、利用していたUGツールのプログラマー同士が知らないうちに友人関係であることも多い。

これは登会長がUGで活動していたという話ではなく、一般論の話である。彼が活動していたかどうかは彼のみが知るところだ。

2ちゃんねるという裏路地ができるまで、UGの世界は我々若いギークに対して門戸を開いていた。

しかし、裏路地ができて本当にレベルの低いワナビーがあふれかえると、彼らは本当に地下にもぐってしまった。

20代前半などの若いギークの話題はWEBとtwitterメディアアートなど凡人に媚びた内容が大半を占めており、コンピュータの表面しかなぞっていないと私は個人的に感じているので、これは非常に残念なことだ。

*1:国III高卒程度の難易度である税関職員にそんな高い知的能力が無いことは誰でも知っている。