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【お知らせ】

「発信力の鍛え方 -ソーシャルメディア活用術」を出版しました(感想を紹介しています)
広島大学での講演「就活生のためのソーシャルメディア入門」が中国新聞に紹介されました

2012-01-31

[]「ジャーナリスト・エデュケーション・フォーラム(JEF)2012」を3月3日に開催します

日本ジャーナリスト教育センター(Japan Center of Education for Journalist)は3月3日に、「ジャーナリスト・エデュケーション・フォーラム(JEF)2012」を東海大学湘南キャンパスで開催します。

エデュケーションフォーラムは、JCEJが取り組んでいる新しいジャーナリスト教育のための祭典という位置付けです。ソーシャルメディア時代に対応した、これまでにない実践的なジャーナリスト教育を目指しているJCEJでは、ライティングや取材、編集といった技術だけでなく、ウェブやマーケティングなどの知識やスキルも必要と考え、分野にとらわれないゲストを招いて毎月のワークショップを行っています。また、実際にネットメディアに記事を書くジャーナリストキャンプも行いました。エデュケーフョンフォーラムは、さらにチャレンジングなものになります。そのため、通常の運営メンバーに加えて、サポートメンバーから実行委員を募って昨年から準備を進めてきました。

午前中は、全体セッションで、ゲストによる講演とワークショップが。参加者が交流するランチの後、午後からは「データジャーナリズム」「コミュニケーションデザイン」「イノベーション」の3つのセッションに分かれて夕方まで、3-4のワークショップを行う予定です。講師は交渉中のセッションもありますが、豪華なメンバーになりそうです。

ここでは、午前中の全体セッションのゲストだけ紹介しておきます。

一人目は、NHKで「プロジェクトX」「サラリーマンNEO」「プロフェッショナル仕事の流儀」と人気の番組を立ち上げてきたプロデューサーの有吉伸人さんNHKエンタープライズ)。次々と新たな企画を考える有吉さんのアイデアや取り組みをお話頂きます。

もう一人は、「イノベーションの学校」として注目を集める東京大学i.schoolディレクターの田村大さん博報堂イノベーションラボ 上席研究員)で、i.schoolが提唱する人間中心イノベーションのエッセンスが体験できるワークショップをお願いしています。田村さんとは、人間中心イノベーション・ワークショップ「新聞の未来をつくる」に取り組み、もう一緒にやりたいと思っていたので、とても楽しみです。

申し込みはこちらから

ゲストの決定などはフェイスブックのイベントページでもお知らせします。

<これまでのJCEJのイベント(各レポート一覧はこちらから)>

  • 検索エンジンを知らずにジャーナリストは出来ない
  • 「ユーザーに刺さる杭を打つ」ネット時代のメディア経営
  • ヤフー・トピックスを作ろう
  • 日本の広告費から読み解く 企業から見たメディア
  • カンヌ審査員による「伝わる」コミュニケーション講座
  • 新聞博物館見学
  • 震災報道と一人称のジャーナリズム
  • ジャーナリストとキャリア あなたの「働く」論を考える
  • ジャーナリストキャンプ2011飯南
  • 伝えたくなる文脈づくり〜クチコミマーケティングの現場から
  • ネットメディア収益化の肝、ネット広告のしくみを学ぶ
  • ウェブサイトのお知らせをわかりやすく書くワークショップ
  • Live Shell×Ustream講座

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2012-01-29

朝日新聞が記者ツイッターの一覧を紹介 「個人」による競争の幕開け

朝日新聞が1月23日に「アサヒ・コム」の看板を下ろし、朝日新聞の電子版である「朝日新聞デジタル」に統一しました。画面デザインやロゴの変更などが行われましたが、ツイッター利用の記者一覧が「つぶやく記者」として公開されました。

朝日新聞は新聞社の中で最もツイッター利用に熱心です。一覧表には多数のアカウントが紹介されていますが、これまでは部署や企画ごとに運用されてきました。ニュースサイトからの記事を流す @asahi は52万、報道・編成局長室が運営する中の人が見え隠れする @asahi_tokyo(コブク郎)も5万とフォロワーを多いのですが、個人としてこの一覧に掲載されていたのは元WEBRONZA編集長で現在AERA編集長の一色清 @isshikikiyoshi さんのみ。神田大介記者や平和博編集委員のように個人的にツイッターに取り組む記者もいましたが、一覧に掲載はされていませんでした。

23日に掲載されたのは14人、すべて実名です。29日に確認すると15人に増えていたので、今後も追加されていくことが予想されます。

29日現在のツイッターid、担当とツイート数、フォロー、フォロワー数を一覧にまとめてみました。敬称略です。

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海外特派員が6人(ローマ、ロンドン、ロサンゼルス、バンコク、ニューヨーク、北京にそれぞれ駐在)、編集委員が3人(スポーツ、IT、文化財/古社寺)、デジタル編集部の記者が2人、東京社会部、報道局(遊軍)、スポーツ部の記者、ジャーナリスト学校研究員、となっています。記者経験が長いベテランが多く、年齢的にはやや高めといったところ。プロフィールにはそれぞれの記者の経歴や興味に加え「発言は個人の見解で、朝日新聞社の見解ではありません」といった断り書きも添えられています。

以前からツイッターでは知られていた丹治記者が1万を超えている以外は、1000フォロワーに満たないアカウント(12人)がほとんど。ツイート数も二桁ですが、まだ始まったばかりなので、これからなのでしょう。

フォロワー数が全てとは思いませんが、ひとつの指標になるでしょう。

これまで新聞社の記者は何らかの指標で比較されることがありませんでしたが(賞を取るというのありましたが、ごくまれですし、スクープが多いやよく取材しているというのも印象的なところが多かった)、他の記者との違いが可視化されることになります。フォロワーやツイートに対する反応は読者(外側)からの評価で、それを適切に取り入れることで、内側の論理だけの記事や評価も減って行くでしょう。

以前よりジャーナリストは「個」であると色々なところで話をしてきましたが、組織ではなく記者が前に出るのは、プロフェッショナルとしてはあるべき姿だと思います。記者が個人としてソーシャルメディアを利用することによって記者の興味や関心、取材活動や書いた記事が分かり、読者や取材先とのコミュニケーションだけでなく、ジャーナリストを目指す人にとっても記者活動が分かり、目標となる人も見つかり易くなります。

せっかく、公式なカタチで個を押し出したのですから、社内にいる2000人を超える記者にソーシャルメディアの利用してもらい、トップページに紹介するアカウントを選抜する総選挙や握手会などを行えば、より競争も促進されるでしょう、というのは半分冗談で半分本気です。より質の高い記事をアウトプットするためにはジャーナリスト同士による切磋琢磨が欠かせません。それぞれの記者が、いい取材をして、いい記事を書いて、ファンを増やしていってほしいものです。

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2012-01-19

広島大学での講演「就活生のためのソーシャルメディア入門」が中国新聞に紹介されました

母校である広島大学文学部の就職関連の講義「リテラアワー」で1月17日に話をしてきました。

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普段は文学部生が対象なのですが、全学部の希望学生が参加できるようにして頂きました。学生だけでなく、教員やスタッフの姿も。自分が教えを受けた先生を前に話すというのは、とても緊張しましたが、本当に感慨深いものがありました。

講演には地元の中国新聞の記者が取材に来ていて、18日の朝刊5面(中国総合)に写真付きで記事が掲載されていました。

交流サイトで就活指南 広大

 広島大大学院文学研究科は17日、就職活動をする学生たちにツイッターやフェイスブックなどの有効な活用法を伝える「就活生のためのソーシャルメディア入門」を東広島市鏡山のキャンパスで開いた。文学部出身で元新聞記者のジャーナリスト藤代裕之さん(38)が講師を務めた。

 学生や教職員約40人が受講した。藤代さんは、フェイスブックなどで自分の経歴や思いを発信することで「自分を見つめる機会になり、特長を伝えやすくなる」と説明。企業や従業員との出会いにつながる一方で、「いい加減な内容ならば、企業が閲覧する可能性もあり、やらない方がいい」と警告もした。

卒業して20年、決して優秀とは言えませんでしたが、母校で話す時がくるなんて人生は分からないし、だからこそ面白いといえるのかもしれません。大学の教員になっている同級生も駆けつけてくれて、「お互い変わらないね」と一瞬だけ話もしました。

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2012-01-08

[]なぜ口コミは大切なのか。食べログ問題をきっかけに考える

食べログを舞台にした不正について日本経済新聞電子版の連載「ソーシャルメディアの歩き方」に「食べログ」だけではない ネットでやらせがはびこる理由という記事を書きました。

Web刊のトップとして取り上げて頂き、7日のアクセスランキング総合2位とたくさんの方に読んで頂きました。ありがとうございます。

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ネットで色々な反応がありました。改めてブログでも、なぜ口コミが大切なのか、そしてジャーナリストなのに口コミマーケティングに関わっているのか書いておきたいと思います。

  • 口コミなんて自分に関係ない?

何気ないツイートやブログ記事へのソーシャルブックマークのコメント、コミュニティへの書き込み、そしてリアルな会話も口コミです。

  • みんな口コミを参考にしている(はず)

「今日の飲み会の店は食べログで評価高いとこ選んだよ」「アマゾンですごく話題の本なんだ」という会話だったり、評価が低いから買うのをやめる、宿泊を別のところにする。といったような行動だったり。「あの人どんな人」という質問だったり。

  • 口コミは便利!

つまり口コミは行動の参考です。たくさんのお店や商品、サービスがあって、迷ったとき、知らない地域に行って何かを食べたるとき、情報があると便利です。行動の結果、口に合わなかったり、面白くない本だったり、といった最終的な評価はそれぞれの判断です。

  • なんで口コミが参考になるのか

実際に利用した人の生の声という前提だから。広告だったらいい事しか書いてなくて当たり前。正直な感想があるから、自分が利用したり、購入したり、するときの参考になるのです。

  • ネットの情報は疑うのが前提?

ネット以外のメディアも100%信用するというのは問題ですが、ウソ前提になると、あらゆる情報を確認する必要があります。それは時間も手間もかかり、ツールとしての便利さが失われてしまいます(ネットの情報は疑うのが前提という発言をしている人は、あらゆる情報を確認しているんですよね…)。それに、ネットの口コミが信用できないということは、自分が何かネットで発言していることも信用されない、やらせかもしれないと思われるということでもあります。そんなコミュニケーションは悲しい。

  • いい情報をシェアしていこう!

私たちがいいと思った情報をシェアする。これはとても大事なことです。でも、その情報は他の人が見たときに嘘なのか本当なのか分からないのです。もし「ネットの情報は疑うのが前提」だとすれば、いくら本心からシェアしても疑われます。「このおいしさを友達に知らせたい」と思った書き込みが、ステルスマーケティングと疑われたら… 逆に友達の言うことなら100%信用してしまう、というならそれも問題です。

  • テレビの「やらせ」はどうなる

テレビはテレビ局のメディアなので、やらせや偏った報道を繰り返していると信頼を失い、ビジネスが成り立たなくなります。メディアやジャーナリズムの観点からは問題がありますが、視聴者からすれば信用できないなら見なくてもいいという選択肢があります。マスメディアのやらせが批判されるのは、実は「だいたいは間違っていない」という行動の参考になる情報減として期待しているからではないでしょうか。マスメディアも口コミも、大事な事はだいたい信用できる(何度もいいますが絶対信用できるというのではありません)という状態は便利です。

  • お金を払ったら広告と表記すればいい

その通りです。ただ、つい先日アメリカで起きたGoogleの騒動を見ると、そう簡単ではありません(参考:Chromeのキャンペーン中にGoogle自身が有料リンクの禁止に違反した疑惑を巡る教訓TechCrunch)。記事を読むとGoogleは広告を買ったが、ブロガーが有料記事と書かなかったようです。いくら広告主や口コミ事業者が誠実に取り組んでも、発信者が守らなければ崩れてしまうということです。

  • ウソを書き込めば自分もウソを読まされる

ブログイベントやアフィリエイトプログラムに参加した場合。もしくは口コミを期待されて何らかのサービスを受けた場合(例えば、フェイスブックに書いてくれるならデザートサービスとか、ポイントキャンペーンとか)、そいて会社の業務で取り組んでいるのに、それを表明せずに新サービスやキャンペーンを紹介した場合。読者が見て分かるように明確に、一般的な記事と、お金や物、サービスを受けた場合を分けているでしょうか。さらには、不正書き込みのアルバイトをしているという学生もいました。ネットに嘘を書き込むということは、巡り巡って自分も嘘を読まされるということになります。

  • 大事なのは関係性が分かる事

WOMJのマーケティングガイドラインは、「原則として金銭、物品、サービスの提供とする」としています。そもそも、物品やサービスと引き換えに情報発信を強制したものは口コミではありませんが、いくら自由に書くという任意性が確保されているとしても過度な物品やサービスの提供が行われた場合は「情報発信せざるを得ない」ということもあり自発性が疑われかません。そこで、依頼者と被依頼者の関係を示すことで、消費者が判断できるようにしています。

  • 法律で規制すればいいのか

悪質な不正には業務妨害や名誉毀損といった法律で対応し、刑事事件にすることも可能です。景品表示法薬事法といった関連法令もあり、現状の法律で対応可能です。必要以上に行政に期待するというのは、自由を自ら狭めてしまうことにつながります。行政に頼る前に、まずは自分たちが取り組むべきです。

  • ジャーナリズムと何の関係があるのか?

ジャーナリズムにおいても信頼というのは大きな前提です。よくあるマスメディア批判に、記者クラブがあります。政治や官僚、大企業との癒着(ネットの場合は特定の国とかもある)もあります。これも関係性の問題です。権力と非常に近い関係にあるのに、客観報道や市民の立場を強調することが信頼を失うことになるのです。広告と記事の分離(編集権の独立)も信頼に重要な役割を果たしています。実は口コミの信頼も同じ構造があると考えています。

  • 情報発信する人々もジャーナリスト

ブログが広がった時期から、人々の情報発信こそがジャーナリズムの基本(日々の記録としてのジャーナリズム)があると個人的に考えています。情報発信する人々もジャーナリストである、という考えには議論も異論もあるでしょう。ですが、多くの人々に情報発信できる存在が既存マスメディアに限られていた時代と違い、いまはソーシャルメディアがあります。情報発信の責任を既存マスメディアだけに押し付けるのではなく、自分たちも担っていくことで、社会の問題や課題を解決が進むはずです。

  • 最後に

記事にも書きましたが、ソーシャルメディアの時代、発信者は受信者となり、受信者は発信者となります。便利さを享受し、自らが参考にしている情報を、自らの手で参考にならないものに「汚して」しまうと困るのは自分たちです。事業者の取り組みや倫理、システム、行政や制度、それぞれのリテラシーなど、様々な面から取り組みを進める必要があります。自由で便利なネット空間になるような取り組みを今後も続けていきたいと思います。

  • お知らせ

WOMJでは16日に会員向けにマーケティングガイドラインと消費者庁の担当者を招いた説明会を行います。また口コミに関連するシンポジウムも行おうと話し合いを進めています。

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2011-12-29

一言では語れない2011年 たくさんの出来事と仲間との出会いがありました

東日本大震災が起きた2011年。一言では語れないほどたくさんの出来事と仲間との出会いがありました。

震災直後にツイッターで呼びかけてボランティア情報のまとめサイトを作ったことをきっかけに、現在でもYahoo!などの国内主要ポータルにボランティア情報をデータベースから配信しています(Yahoo!では9月までに5000件を掲載していただきました)。まさか、ここまで長い活動になるとは思ってもいませんでした。

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被災の深刻さが分かるにつれて、もっと本格的に活動するために学生ボランティアに参加してもらい、会社の許可を得てさとなおさんが主宰している助けあいジャパンの活動に合流。たすけあいジャパンのメンバーや関係省庁、企業の支援を得てボランティア情報ステーション(VIS)を立ち上げました。

横浜の神奈川災害ボランティアネットワークに協力をお願いし、さらに仙台に新聞社時代からの仲間を河北新報に尋ね、社会人や学生ボランティアが集まり、JR仙台駅構内にリアルな情報提供場所を作ることができました。

右の写真は3月22日の夜に赤坂で行われたさとなおさんや岡本さん、田中さん、省庁関係者との会合

VISの仕組みは、ユーザーが利用する面を作らず、データベースのAPI提供をするという仕組みのため、分かりにくいところがありましたが、アジアの広告祭「Spikes Asia 2011」のメディア部門でブロンズを受賞することができました。「DBによってメディアを創ってもらうという手法が新しいと評価されたのです。

チームに参加してくれていたADK井上さんがエントリーをしてくれたのですが、賞に値すると考えてくれたことが何よりも嬉しいことでした。また、ライターの野々下さんが『インターネット白書2011』のp38-39に「ボランティアをしたい人と募集側を結びつけるデータベース作り」として、エンジニアtypeもインタビュー取材してくれました。

NTTレゾナントgooラボを担当してサービスプロデュースをしてきましたが、思ったほどユーザーが増えなかったり、途中で止まってしまったりするプロジェクトもあり、悔しい思いがありました。VISは常務の米川さんによる活動許可があり、レゾナントのエンジニア澤村さんや一緒にラボを運営していたNTTの玉井さんが参加してくれて大きな役割を果たしてくれました。そしてYahoo!災害チームや他ポータルとの連携で、会社の枠をこえて被災地の力になれるサービスを作れたことを誇りに思います。

活動はVISの一員だった北村君が仙台に居を移し、ボランティアインフォ(NPO申請中)へと発展させてくれました。夏休みにはもっとボランティアをプロジェクトを実施して、東京と仙台の学生が協力して被災地を回わる情報ボランティア活動に取り組んでくれました。

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ボランティアインフォになるまでの活動の様子はITmediaに連載していたので、記事一覧ページを見ていただきたいのですが、実は震災後からゴールデンウィークまでの記憶はあまりありません。

このエントリーを書くためにチェックしていた写真が右のもの。川島さんと赤倉さんが学生のみんなにデータベースを説明しているところ。学生もこのあと何人かがリーダーとなり成長していきました。

森ビルさんに協力頂いた活動拠点で机もいすもなくフロアに座ってのミーティング風景を見ても何年も前のような気がしています。節電で薄暗いなか手探りで、怒濤のような日々を過ごしていたのは間違いないのですが…

そんな時期によくITmediaの連載を書いていたなと思うのですが、「記録しておかなければ、どこかに消えてしまうのではないか」という気持ちはぼんやりとありました。正直3月末から4月中のことはあまり覚えておらず、連載を段取りしてくれたのは1月に有志で発足させた日本ジャーナリスト教育センター(JCEJ)の講師としてお世話になった元ITmediaの藤村さんでした。

JCEJはソーシャルメディア時代のジャーナリストのあり方として、「Entrepreneurial Journalist」という考えを打ち出し、一人ひとりがメディアの担い手として、問題意識を持ち、組織や立場、年齢を越えて共に学ぶ場にしようとつくったものです。取材や企画、ライティングだけでなく、これまでのジャーナリズムが扱わなかった技術や広告、ビジネスも積極的にテーマとしています。2月に発足記念の3連続講座を行い、藤村さんにメディア経営の講師で出てもらったのでした。

8月にはJCEJとして島根県で、ジャーナリストキャンプ飯南2011を開催することが出来ました。地元紙や町の担当者、JBpressの協力を得て、地方からの情報発信の可能性について取り組みました。地方新聞出身の自分にとって地方の特別な意味があるイベントでした。

東日本大震災でもメディアの東京視点は強くありました。これまでは、紙や電波という物理的なボトルネックがあり、地方発のニュースは通信社や全国紙、キー局を通さなければ広く伝播しないという側面がありましたが、ソーシャルメディアの登場によって直接届けることが出来るようになりました。

積極的な自治体や企業は独自に発信を強化している中で、地方紙はこのままでいのだろうか。東京のニュースを地方に届けているだけでいいのか。そして記者として腕前がネットで通じるのか、という問題意識がありました。

キャンプは深夜まで取材や企画の議論が続き、参加者の満足度も高いものになりました。関心のある方は朝日新聞ジャーナリスト学校が発行するJournalismをご覧ください。

ただ、キャンプを通じてもう少し深刻な記者教育の状況も分かってきました。新人に手間をかける時間の減少。OJTや地域や取材相手に育ててもらう他力本願な仕組みが古びています。採用も減り、若手が少なく疲弊する現場で、若手記者の「書くのが苦痛です」「好きなことを書けと言われるけど、何を書いたらいいのか分からない」という言葉が胸に刺さっています。

確かに伝える、書くことは辛いときもあるし、苦しいときもあるけれど、とても魅力的でやりがいのあることだと思います。書くことが好きだし、ジャーナリストに憧れて記者になったのに苦痛と言った若手の顔を見ながら、自分が徳島新聞の若者向け紙面改革に取り組んだときに部長と記事や写真について、あれこれ夜がふけるまで話したのを思い出しました。次は自分がその役割をどこかでやらなければいけないのだと…

発信力の鍛え方 (PHPビジネス新書)

ゴールデンウィーク前には活動の合間には昨年から書いていたPHPビジネス新書での本の原稿にも取りかかりました。9月に無事に「発信力の鍛え方 -ソーシャルメディア活用術」というタイトルで出版されました。

この本は、若手のビジネスパーソンや就職活動を控えた大学生向けに、人とつながるために、自分を成長させるために、ソーシャルメディアを使って行くための教科書的な位置付けとなっています。

前書きに「ワクワクするソーシャルメディア体験に恵まれるお手伝いができれば」と書いたのですが、伝え、表現することは、人生を広げ、豊かにします。本を読んだ方がブログに感想を書いてくれました。

ツイッターで「簡単だった」という感想をもらうこともあるのですが、その場合は終章を実践してもらえると嬉しいです。スモールグループ運営やイベント主催は学ぶことが多くあります。

また、いくつかの大学ではテキストとして使って頂いているとのこと。誰もが情報発信できる時代のメディアリテラシーやスキル、倫理については引き続き大きなテーマとして取り組みますので、講義やワークショップなどは出来る限り対応します。

他には、東日本大震災におけるマスメディアとソーシャルメディア連携についての研究もスタートさせました。かわいい検索のローンチ、WOMJガイドライン冊子づくり、京都大学デザインスクールでのワークショップ、Infinity Ventures Summit(IVS)への参加、大学での講義や学会、講演もたくさんありました。その中でお世話になり、出会った皆さん一人ひとりの名前を挙げてお礼を言いたいのですがご容赦ください。

2012年ですが、「発信力の鍛え方」をきっかけにした母校広島大学での講演やいくつかの原稿の締め切りがさっそく控えています。復興支援のための新しいサービスの開発、マスメディアとソーシャルメディア連携の研究中間まとめ、JCEJの大きなイベントであるエデュケーションフォーラムも3月に予定しています。新年度ぐらいをめどに広げている部分を少し整理しつつ、やるべきことに集中しようと考えています。

【過去の振り返りエントリー】