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2006-05-20

gatonews2006-05-20

[]「デジタル・ジャーナリズム研究会」連続討論スタート

情報ネットワーク法学会に、デジタルジャーナリズム研究会(DJ研)という研究部会があり、インターネットの普及、ブログなどの登場で変容するジャーナリズムについて月1の連続討論を行うことになったということで、私も参加してきました。上智大学の橋場義之先生、ジャーナリストの佐々木俊尚さんが運営の中心で、ジャーナリストの歌田明弘さん、ダンギルモアの「ブログ 世界を変える個人メディア」を邦訳した平さん、御手洗さん、徳力さん、R30さん、泉さん、オーマイニュースの方、出版社の方など15人が集まりました。

第一回目のテーマは「そもそもジャーナリズムの定義とは」で、まず橋場先生からジャーナリズムのいくつかの定義や5W1Hをどう考えるかといったアジェンダの設定があり、佐々木さんと私が「反論・意見」する形で議論が始まりました。私からは、こちらのサイトから新井直之氏の

ジャーナリズムの本質は「いま言うべきことを、いま、言う」である。娯楽や広告媒体としての活動は付随的なものにすぎず、継続性や定期性も重要ではない。一回かぎりの行為であってもジャーナリズムたりえるし、組織である必要もない。

という定義を引用して(本当は原典に当たる必要がありましたが、時間がなかった…)、「意外にしっくりくる定義があるにもかかわらず、ジャーナリズムという言葉が揺れているのは、機能と役割、感覚的な意味など、各種のレイヤーが分けられてないからではないか」(あまりに議論がいろいろあったので、はっきり覚えていませんが…)というような意見を述べました。

事例として、アメリカのWikipediaの「Journalism」は

ジャーナリズムとは、散在している事物や人について現在起こっている出来事、流れ(トレンド)の情報を集め、分析する技能・訓練のこと。それらの技能を有している者・それらの作業を行っている者を、ジャーナリストと呼ぶ。ジャーナリズムの中心的な活動は、出来事を誰が、何を、いつ、どこで、なぜ、どのように行ったかをレポートすること。

日本語版Wikipediaより抜粋)

と「情報」を集め、分析するという機能の面に重点を置いているのに対して、はてなキーワードを見ると『報道精神』となっていることを紹介しました。また、これまでジャーナリズムというのは発信者側の主体の問題でしたが、受け手側からのジャーナリズムの再定義も必要であるのではないか、との提案も行いました。

そこから、参加者による活発な意見交換が約3時間続きました。議論を聞いていて私なりに今回の議論をまとめると下記のようになります。

  • これまでのジャーナリズムという言葉はマスメディアに密接に結びついていた。しかし、インターネットは媒体や資本力の制限をなくし、個人による発信も可能にした。ジャーナリズムという言葉はマスメディアにだけ結びついているのではないと考える必要がある。
  • 例えば「いま言うべきことを、いま、言う」にしても情報の発信者側からの定義である。受け手側からのジャーナリズムの定義、「いま読みたい(見たい)ときに、読む(見る)」といったような定義が必要なのではないか。
  • ジャーナリズムという言葉が問題なのかもしれない。時代に合わせた新しい言葉を作り、定義する必要があるのかもしれない。

さらに、ジャーナリズムとビジネスの問題、仮にマスコミが暴力装置としての国家への対抗力を引き受けているのであればブログなどはどうなるのか(国家権力が本気を出せばブロガーなど軽々となぎ倒されてしまう。そういう意味では新聞ジャーナリズムがこのまま弱くなるのは大きな問題だ…)、などの課題も提起されました。

連続討論は毎月第二土曜日を予定しています。次回からは観客としての参加もできることになりそうです。関心がある方がいらっしゃったらご連絡ください。