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2007-10-01

[]朝日・日経・読売、業務提携の意味

週刊ダイヤモンドが「スクープ」として報じた朝日+日経+読売=ANY構想が正式に発表されました(MSNサンケイニュースが記者会見を詳しく報じています)。3社は(1)インターネット分野での共同事業(2)販売事業分野での業務提携(3)災害時等の新聞発行の相互援助を行うとのことで、新事業のため民法上の組合を設立して、数億円規模の事業費は3社で均等に負担するとのこと。インターネットでの提携、ニュースポータルを前面に押し出した内容になっており、注目も集まっているようですが、新聞業界にとっては配達など分野での業務提携のほうが衝撃が大きいでしょう。

新聞社にとってネットビジネスへの取り組みは急務とはいえ、紙に比べれば規模は小さく経営にとっての重要性はまだまだ低いのが現状です。記者会見では、日経の杉田亮毅社長が、販売だけでなく、新聞制作の代行、印刷の代行、輸送支援にも触れており、いままで手をつけていなかった分野の業務効率化が進む可能性を示唆しています。

その販売の連携ですが、「朝日・読売・日経が提携 ネット共同事業や配達分担」(asahi.com)によると北海道、鹿児島、大阪市の一部で実施するとのこと。

販売での連携は、過疎地など互いに合意できる地域で、朝日と読売の販売所が配達地域を分担する。販売部数が少なく戸別配達が難しい北海道や鹿児島県の一部地域、大阪市内の一部で実施する。地方では複数の新聞を配達する合売店が多く、朝日と読売は北海道函館市室蘭市で共同配達を行ってきた。複数の新聞社の販売所と取引のある日経は、場合に応じ協力を検討する。

このような販売網などの業務提携については、元毎日新聞の河内孝氏が「新聞社―破綻したビジネスモデル」において、毎日を中心に、産経新聞と中日新聞が業務提携するという(紙面の共通化ではなく、印刷や事業、営業などの分野で効率化を図る)第三極構想を示していますが、朝日・日経・読売という強い3社が先に動き始めました。私は「産経、中日側には、毎日と連携するメリットは少ない」と思っていましたが、状況次第では「第三極」などということすら言ってられない状況になるかもしれません。

記者会見でも、この業務提携への他社の参加があり得ることを明言していますが、このような発言をするということはモデル地域の鹿児島などでの状況を見ながら、全国に広げていく考えがあるのでしょう。

朝日と読売だけでやろうというのではなく、他の新聞社も、毎日さんであったり、県紙・ブロック紙であったり、そういったところが一緒になって、共同作業で宅配網を維持していこうということ。

圧倒的なシェアを誇る地元紙・県紙でも、専売店の維持は苦しくなっている。1社でできないことは、何社かで協力して維持していこうという発想。

そこに加わって頂ける社、賛同していただける社があればそれを拒むものではない。

新聞社のコアである編集部門(それが劣化しているのがまた問題ではあるが)を残しながら、業務を効率化していくとなれば、販売だけでなく、印刷や輸送、新聞制作、広告、事業など様々なところにメスが入っていくことが予想されます。それほど、どこにも手が付けられていないとの裏返しでもあるわけですが…

最後の護送船団のマスメディアは「金融自由化前の銀行・生保業界と重なる」ものがあります。単に業務提携や合併をしても根本的な改革を行わなければ、ダメになってしまうところもあります。これまでの横並びではなく自ら考え経営判断をしていく必要があるでしょう。この業務提携がきっかけに新聞業界がどう動くのか、興味深いところです。

新聞社―破綻したビジネスモデル (新潮新書)

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