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グローバル時代を生き抜く5つのヒント

前回までは、迫り来るグローバルコンペティションの状況、そして私たちに及びうる影響について考えてきた。今回は、来るべき本格的なグローバル時代に備えて、私たちがとりうる選択肢にはどのようなものがあるのかを考えていこう。
世界中の有力企業がひしめくシンガポールの社会で日々働く筆者の目から見ると、私たちがキャリアパスとして考えられる方向性は大きく分けて5つあるという。「グローバル度」を縦軸に、「スキル」を横軸にとったマトリックスで整理してみると……。

■グローバル時代にとりうるキャリアパスの選択肢は5つ

「しあわせはいつもじぶんのこころがきめる」

これは相田みつをさんの名言ですが、(好まざるとも)迫ってきているグローバル化社会を“しあわせ”に生きるには、まず人生観を決める必要があると私は考えています。そして決めた後には、それに向けていち早く行動を起こすことが大切です。

ただし、ここで気をつけなければならないのは、人生観を考えるにしても、その前提を間違えてしまうと当然結果は自分自身の望まざるものとなってしまう、ということです。

かつての私もそうでしたが、日本で生活していると、これまで自分が慣れ親しんできた「前提」や「常識」が、外からの荒波によって塗り替えられようとしていることになかなか気づかないものです。手遅れになってしまう前に、自分自身の生き方やキャリアについていまのうちに方向性を決めておくことは、決して無駄なことではありません。

そこで今回のコラムでは、日本の外にいる私が肌で感じている「グローバル化」時代の前提をもとに、いくつかの「生き方」の選択肢をご紹介したいと思います。

グローバル社会の縮図ともいうべきシンガポールで、世界各国から集まる優秀なビジネスパーソンを観察していると、私たち日本人にも参考になるキャリア上の戦略が見えてきます。それを表したものが下のマトリックスです。これは「グローバル度」を縦軸に、「スキル」を横軸にとったときに考えうる5つのキャリアパスです。



以降でそれぞれについて見ていくことにしましょう。

1. ベリートップを目指す(マトリックス右上)
1つめは、世界の競争に勝ち抜き、本当の意味でグローバルトップを目指す生き方。まさに王道中の王道です。イメージとしては、ビル・ゲイツスティーブ・ジョブズ、あるいはグローバル企業のトップといったところでしょうか。

もちろんこの生き方を選択した場合、世界のライバル(世界の生産年齢人口45億人)と競争し、勝ち抜いていく必要がありますから、相当の実力と運がなければ成功できません。

世界をリードする人材が日本から何人も輩出されればいうことはありませんが、言葉の問題や国内でもそこそこやっていけている現状を考えると、日本人がこの道を目指すのは相当な「いばらの道」かもしれません。

しかし、何もせずに指をくわえているだけでは状況は好転しないのもまた事実。日本の次世代が将来的にこの道を選択できるように、子供の教育環境を改善することをもっと私たちも真剣に考えるべき時が来ていると感じます。

2.世界のプロを目指す(マトリックス左上)

第2の選択肢は「世界のプロを目指す」。手に職をつけ、「この道では世界を探しても○○さんの右に出る者はいない」といわれるほどにそのスキルを高める生き方です。

この作戦をとりやすい職業としてすぐに思いつくのは、職人、医師、弁護士などの専門職。また一般のビジネスパーソンでも、専門分野に関しては人後に落ちないといえるだけの技を身につけられるなら十分に選択可能な道です。

たとえば日本の優れた金型職人の中には「その金型がないと世界中の工場が止まってしまう」というほどの技術を持った人もいます。こうなれば、たとえ外国語がまったく話せなくても、世界を相手に仕事をすることもできるかもしれません。

ただし、世界で通用する水準まで技術や能力を高めるためには相当の研鑽を積まなければなりませんし、日ごろから世界と戦うんだという意識を持って仕事に取り組む必要があります。

加えて、その価値をうまく人に説明・宣伝できるようになる必要もあるでしょう。これが欠けると、せっかくの技術や能力やノウハウが安く買いたたかれてしまうリスクが残ります。まさにいまこの状況に陥っているのが、このコラムの第2回でお話ししたような、アジアから狙われている日系企業なのです。

3.日本のプロを目指す(マトリックス右下)

日本の総人口は減少しているとはいえ、いまだに1億人以上の巨大マーケットであることは間違いありません。日本は世界的に見ても言語や文化が特殊で、外部からはなかなか参入しにくい市場だと言われています。これらの市場特性を逆手にとり、日本に特化した生き方を選択するのがこの第3の方法です。

このカテゴリに属する例としてすぐに思い浮かぶのはサービス業です。外国に行った人ならおわかりのとおり、日本のコンビニエンスストアのサービスは世界最高レベルです。100円かそこらのジュースを1本購入しただけなのに、ご丁寧に挨拶をしてくれ、包装までしてくれるのですから。このように心のこもったサービスは、日本以外ではまず望めません。

日本人の文化や特性から言って、この水準のサービスがこの先低下することはまずないでしょうから、このような強みをもって日本のマーケットで勝負するという選択肢は大いにアリでしょう。また、この生き方を選択した場合、うまくすれば「世界のプロ」にアップグレードするという道も開けてきます。

ただし、この選択肢について気をつけなければならないのは、競争の激化が必至だということです。日本全体のパイはじわじわと縮小していきますから、参入障壁が高いとはいえ、決して安住はできない選択肢であることをお忘れなく。

4. 強者連合を組んで世界を目指す(マトリックス左上×右下)

このやり方は、すでに資産(お金に限らず、技術などの無形資産でもかまいません)がある人向けです。資産をうまく活用して、有力な外国勢とタッグを組むという選択肢です。

企業でいうとM&Aなどがこれに当たります。円高のうちに外国企業を買収したり提携したりして強者連合に入っておくと、先々の競争に備えた布石を打つことができるでしょう。

個人でいうと、海外で同じ分野の仕事をしている人との連携などが該当します。これは先に挙げた「3. 日本のプロを目指す」にも関連するところなのですが、インターネット時代の今日、日本で実績を上げている人の評判はオンライン上などでも広く知れわたり、外国からも声がかかる可能性が高くなっています。

外国から声がかかった場合、自らその才能を開花させて世界を目指すのもひとつの方法ですが、もうひとつ、あなたの才能をうまく売ってくれるパートナーと連携して世界を目指すという方法もあります。

5. フォロワーになる(マトリックス左下)

5つめは「来る者を拒まず従う」という生き方。グローバルマーケットに打って出るわけでなく、かつ強みと呼べるスキルも持ち合わせていない場合はこのカテゴリに属することになります。

グローバル競争が加速し、日本のマーケットの魅力が薄れるなか、突如解雇を言いわたされるリスクが高くなることを考えれば、この選択肢はできれば避けたいところです。

反面、経営者や仕事が外国に移っても、文句を言わずに従えばあまり激しい衝突は起こさずにすみますから、上で見てきた1〜4の選択肢と比べて、穏やかに日々を過ごせるという見方もできるかもしれません。

以上、グローバル時代を生き抜く際の5つの生き方を整理してきました。どの選択肢を選択するのかは、人それぞれだと思いますが、残念ながら格差が大きくなってしまういまのグローバル社会の状況を考えると、「フォロワー」になる道を積極的に選択するのはあまりお勧めできません。

そこで次回は、どのようにして「フォロワー」から抜け出し、この世界をサバイブするのかを考えてみたいと思います。

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う〜ん。
自分のこともやが、自分の子供達の世代はもっとグローバル化が当然進み、更に広がる選択肢に対し自分の力でどう立ち向かえるかを考えなければならないのだな。
厳しくもあり、また楽しくもあり。
その為の地力を今からつけさせようと思う。まずは勉強、やな。
その勉強、あんまりしないし。
夏期講習、行かせるかー。

この本も同じ話が書いてある。

10年後に食える仕事、食えない仕事

10年後に食える仕事、食えない仕事


で、その前に自分のキャリア、生き方はというと、…。

「生態系、複雑なほど安定」 龍大グループが解明

京都新聞 7月20日(金)

生物種の間に「協力」「敵対」という相反する関係がバランス良くあることが、多様な生物が共存する条件であることを龍谷理工学部の近藤倫生准教授や舞木昭彦研究員らの研究グループが数値実験で明らかにした。生物多様性を考える新たな視座で、米科学誌サイエンスで20日発表する。

2〜200種の生物がいる生態系を想定。それぞれの種の間で、花を咲かせる植物とミツバチなど互いの繁殖を支え合う協力関係か、食う食われる捕食や寄生など敵対関係か、もしくは無関係と仮定し、組み合わせて約7万パターンの初期条件を設定した。さらに気候変化や人間活動の影響などの外部要因も考慮した上で、生態系の変化を約7千万回シミュレーションしてその結果を解析した。

生物種間の関係が協力または敵対に偏らず適度に混合している場合は、個別種の個体数は多少増減しても、生態系は元通りに回復する傾向にあった。種間の関係の数が全体として多いほど、生態系は安定していた。

生物多様性については、英国の生物学者ロバート・メイ博士が1970年代に「生物の種類が多く、関係が複雑なほど不安定になる」と提唱したが、熱帯雨林など現実の生態系と矛盾があり、大きな謎として残されていた。

近藤准教授は「生物多様性は、生物単体ではなく、生態系全体を見て、他の生物たちとどのような関係を築いているかを考慮する必要がある」と話している。

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人間もいろんな性格、考え方の人がいるからこそ、共生できないものかねぇ。
たぶんできるのだろうけど、それを邪魔しているのは、欲、具体的には「お金」なのだろうなぁ。

会社という「小さな」生態系も同じかな…。