gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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「民主主義のバグ」を使ったトランプの躍進──“感情”に働きかけるポピュリズムのリスク(松谷創一郎) - 個人 - Yahoo!ニュース

トランプ支持者の“感情”
アメリカが、ドナルド・トランプに困り果てている。
共和党の大統領候補者争いにおいて、トランプの指名が確定した。2月のスーパー・チューズデー以降も勢いは止まらず、5月2日のインディアナ州予備選でも勝利。獲得代議員数で2位と3位につけていたテッド・クルーズとジョン・ケーシックは、それぞれ撤退を発表した。
ローマ法王をはじめ世界中の要人もトランプに憂慮を示しているが、もっとも困っているのは当の共和党アメリカの保守系メディアだろう。共和党は必死にトランプ降ろしを画策したが空振りに終わり、保守系のFOXニュースはトランプが勝つたびにお通夜状態だ。
そんなトランプを支持するのは、アメリカの白人貧困層だと言われる。彼らは、トランプの過激な発言に熱狂する。
(中略)
トランプの特徴は、こうした乱暴かつ排外的な言動だ。見通しの悪い社会のなかで、そうした言葉は支持者のハートに突き刺さる。深い思慮のない彼らには、ダイレクトに感情へ響く。トランプの話はとてもわかりやすいからだ。
そう、このトランプ現象の端的な特徴は、本人にも支持者にもこぼれ落ちそうなほどに“感情”が満ち満ちていることだ。トランプの政策の多くは、多くのひとが指摘するように現実的ではない。だけど、本人も支持者もそんなことはわかっている。いや、むしろそんなことはどうでもいい。そこでやり取りされているのは、建前とはほど遠い“感情”だからだ。そこでは、メキシコ人やイスラム教徒の存在は、彼らの“感情”のための燃料にほかならない。
(中略)
対してトランプを支持するのは、思いやりが低く、従順であることに価値を置く権威主義者だ。ハイトは、トランプ支持者を「真の権威主義者」と断じるほどだ。
ここで思い出すのは、トランプが支持者に求めたあるポーズだ。3月5日、フロリダにおける集会で、トランプは「もし私に投票するなら、右手を挙げろ」と支持者に言った。それは、ナチスの敬礼ポーズに酷似している。
(中略)
日本でこのトランプ現象を眺めていると、多くのひとが既知感を抱くはずだ。
それはこの15年ほどの間に、日本の政治で起きた現象を連想させるからだ。具体的に言えば、石原慎太郎小泉純一郎橋下徹だ。中央や地方自治体などケースは異なるが、彼らを表すのは「ポピュリズム」という言葉だった。
(後略)

http://bylines.news.yahoo.co.jp/soichiromatsutani/20160506-00057264/

愚民を煽動して、口だけのビックマウス野郎が政権を取るのは、「民主主義のバグ」ではなく「民主主義の仕様」だから、対策なんてある筈が無い。
日本だってつい7年前に、マスコミと口だけは立派なアジテーターにコロリと引っかかって、反国家集団を政権与党に付けたのは記憶に新しい事だ。
流石に、アレはあまりにも酷すぎて、再度保守に政権交代後は愚民様も懲りたようだけど、どうせまた愚民様が同じことを繰り返す事は、ほぼ確実なのである。
何故なら、遡れば1993年にも連立野党政権に与党の座を一度奪われた事があるから。歴史は繰り返す。
あの頃も、長年与党の座に居座り続け、党内に複数の党派が乱立するような、「志を同じくする党」ではなく、単なる「権力に群がる寄り合い所帯」と化していた自民党は、首相を能力ではなく「持ち回り」で決めて居た為、超絶無能総理・宮澤喜一*1が首相に就任。無能失政と失言を繰り返して国民からの支持を失い、マスコミの大々的な支援を受けて、今の民進党(旧・民主党)の母体となる「非自民・非共産連立政権」が与党を取った事がある。
これまたお粗末の一言で切って捨てられる寄り合い所帯であり、立役者も民主党と同じ「小沢一郎」で、細川内閣は71%という空前の内閣支持率を得て発足した。
…つい7年前に見た景色とそっくりね…。
そして、やった事もそっくりだった。
基本的に「自民アンチ」の寄り合い所帯であったが、内部の主義主張はバラバラで、「赤字国債を発行しない」とか「国民福祉税構想」とかつい数年前にも聞き覚えがある、耳触りの良い事を言うが、その実現には具体性も財源も無く、内部対立した末に分解。
続く羽田内閣は、僅か2ヶ月と言う史上最短の政権期間で総辞職し、次は自民党に与党が戻る事になる。
つまり、日本の愚民様たちは、たった16年ほどで痛い目に遭った記憶をすっかりと忘れ、以前失敗したのと全く同じメンツに「一度だけなら」と政権を渡したのである。
一度じゃねーよ!二度目だよ!!
この一点だけ見ても、両方の選挙で票田となった団塊世代の愚民様は、「お前ら死ぬ程馬鹿だな、お前らのせいで日本がここまで酷くなったんだよ」と罵られても文句は言えないと思う。
これは、「民主主義のバグ」だろうか? いいえ、仕様です。
民主主義において、政府・政治は国民の平均レベル以上には絶対にならない。
だから、民主主義が、発展途上国に根付かないのも当たり前なのである。
…民主主義の先駆者である欧米が、この当たり前の事実から目を逸らして、第三世界の状況を無視して民主主義を押し付け続ける限り、アフリカとか中東が平和になる事は無いんじゃないかな…。

*1:氏にとっては幸いな事に、2009年以降、彼より無能な総理が2連続で誕生した為、歴代最低という評価は鳩山・菅へと譲られた