gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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菅義偉官房長官「そのような事実全くないと断言」 北方領土交渉で4島帰属前提にしないとの報道否定 - 産経ニュース

菅義偉官房長官は23日午前の記者会見で、ロシアとの平和条約締結交渉で、政府が歯舞群島色丹島の2島返還を“最低条件”とするとの方針を固め、条約締結の際には国後島択捉島を含む4島の帰属を北方領土問題解決の前提にしない方向で検討しているとの23日付読売新聞朝刊の報道について「そうした事実は全くない。明確に断言しておく」と否定した。
菅氏は北方領土問題に対する政府見解について「4島の帰属問題を解決し、平和条約を締結していく。この基本方針のもと、粘り強く交渉を進める方針であることは全く微動だにしていない」と改めて強調した。

http://www.sankei.com/politics/news/160923/plt1609230014-n1.html

実のところ、「2島返還」で良いなら、ずっと前から解決可能だったチャンスは幾らでもあった。
しかし、「4島返還」に拘るのは、大きく2つの理由を根元とする勢力がある。
1つは、「元々ソビエトの条約破りと停戦後の侵略は認められない、4島の領有権は日本にあり、譲歩する理由も意味も無い」という立場。
ある意味、理想論的な立場であり、原則で考えるなら、これは日本人なら誰でも納得できる。
もう1つは、「日本とソビエトが仲良くなったら困るので、現実的に実現可能な2島返還は許さない」という立場。
ぶっちゃけ、アメリカの立場である。
この2つが日本国内、というか与党である自民党内では根強い支持がある為、ソビエト崩壊と、その後の経済困窮の中で、いくらでも有利に交渉を進められるチャンスがあったにも拘らず、日本は何の交渉も出来ず、好機を棒に振る事になったのである。
なので実は、ロシアもケチケチしないで、使い道のない4島をサックリ返還して、日本と平和条約を結び、莫大な経済協力を取り付けてしまうと、自民党の背後にいる「アメリカが物凄く困る」という面白い結果になるのだが、ロシアはアメリカにアラスカを激安で買い叩かれたトラウマがある為、寸土たりとも無駄に譲り渡す事を嫌う性格になっている為、思い切った譲歩が出来ない。
この辺りをアメリカに見透かされているので、アメリカは自民党に「4島返還堅持」を支持するだけで、日露間の接近を阻止できるという美味しい状況たっだりする。
もうこれ以上こじれないんだから、いっそ、中国みたいに樺太全部の領有を宣言して、再交渉すればいいんじゃないかな。