平成16年(わ)第726号の第九回公判の傍聴の続き。



を書く前にひとこと。
「606 梅の実」や「梅の実 Winny」で検索してきている人が少なくないのですが、うちは「楊梅の実」ですのでお間違えのないように。
サイドバーの梅の実画報さんのところへのリンクでヒットしているみたいですし。
なのでリンクは、サイトでの表記の通り、ひらがなにしてみました。


1人目の証人に対する弁護側からの反対尋問の続きです。


甲86号証(Winnyのスレッド別バージョンアップ一覧)について

被告人が2chの開発スレに書き込んだ書き込みをまとめた報告書である。
被告人が書き込んだかどうかの判断は、平成15年11月27日の供述調書を作成した巡査によるものである。
供述調書を作成した巡査に、200回以上のバージョンアップがされたことが分かるようにまとめるよう指示したが、何を基準に本人の書き込みと判断するかについて指示したかどうかは分からない。
「細部を調整した」という内容の書き込みだけでは、本人の書き込みかどうかは分からない。
警察が保持しているWinnyのソースは2つか3つであり、保持している実行ファイルは(バージョンアップがなされたとされる)すべてではないため、実際にバージョンアップされていたかどうかは分からない。
バージョンアップの記載について他人が騙った書き込みがあったが、それは省いた。
実際に本人による書き込みであれば、他の人たちが「キター」などと反応する。
それ以外に本人による書き込みであると判断する材料は自分にはない。
甲139号証(2chのスレを印字したもの)について

印刷したのが誰であるのかは分からない。
2chビューアが使われているが、それを使うように指示した人が誰なのかは分からない。
自分がスレを入手しろとは指示したが、どこからどのようにして入手しろとは指示していない。
昔の2chのスレッドの内容は、インターネットエクスプローラなどで見れるものと見れないものがある。
どこからどのように入手したかについて、後から報告は受けているが覚えておらず、今はどこからどのように入手したかは分からない。
ある一つの書き込みを被告人が書き込んだと特定して、そこから波及していくIDが同じであれば同一人による書き込みであると判断した。
IDについては、同一日、同一板、同一IDであれば同じIDが生成され、それ以外の生成要素は知らない。
IDが本当は64桁であることは、この裁判で知った。
2chの管理人には連絡はしたが、連絡はつかなかった。
2典プラスの管理人には連絡はしていない。
IDの作成方法はしっかりとは知らない。
IDが被告人のものであると判断した理由としては、

・47番目は被告人が書き込んだと証言している
・彼宛のメールにあった内容は彼しか知らないため、それが貼り付けられていれば、彼の書き込みである
の2点の他にもあるが、手元に書類がないので分からない。
開発スレッドの書き込みについて

被告人による書き込みではないが、
・甲132号証の1番目の書き込みの中ほどに「違法なファイルの共有はしないで」とある。
・甲137号証の15番目の書き込み「著作権法上問題のあるファイルは共有しないでください」というのは確認していない。
・甲139号証の一番上にある「違法なファイルを共有しないで」という書き込みは確認していない。
甲140号証について

480番目の書き込みには、「47」の後に「◆文字列」のトリップがある。
トリップとは、なりすましを防止するためのものである。
技術的な生成法は分からないが、自分が知る範囲では、同じ文字列を入力すれば同じトリップになる。
その文字列を知っていれば同じトリップをつけれるので、他人が同じトリップをつけるのは不可能ではない。
2chの管理人には連絡はしたが、連絡はつかなかった。
155番目の書き込みには、「47」の後にトリップがついている。
2002年10月3日の書き込みであるが、被告人の所に来ているメールの内容を貼り付けた2002年10月2日の書き込みと同じトリップがついている。
このトリップがついている「47」の書き込みは、本人によるものである。
168番目の書き込みには、47の後のトリップがついているが、トリップが違う。
トリップが違えば被告人ではない。
188番目の書き込みには、47の後に「◆tLZwerNc」というトリップがあるため、被告人の書き込みと判断できる。
480番目の書き込みには、47の後に「◆KbtLZwerNc」というトリップがある。
188番目の書き込みとはトリップが違うが、これには理由がある。
同じトリップがついたものは被告人による書き込みだと判断できる。
482番目の書き込みには、「もちろん違法なファイルの共有はしないでください」という内容が書かれている。
FreenetP2Pが実用になるのかどうかの実験」などと書かれているが、その意味は分からない。


前回の証言で、「2ch上の発言など、客観的な部分を固めてから逮捕した」と言ったかどうかは分からない(?)。
自分の認識の中では、2chの書き込みは重要である。
甲(?)号証の作成日は平成16年(7月27日?)であり、甲131、134、135、137、138、139、140号証の作成日は平成16年5月31日である。
弁護側は、平成16年5月31日は被告人を公訴提起した日であり、午前中に起訴しているはずだと指摘した
2chの書き込みの中で、初めに報告書をあげたのはいつか分からないが、報告書はその都度あげている。
今年の1月14日に検察官が2chでの発言を証拠として出してきているが、その時期まで提出しなかった理由は分からない。
2chでの発言を証拠として提出するにあたって、検察官に何か作業を言われたりはしていない。


平成15年11月27日の検証の前には、著作権保護団体から被告人を逮捕して欲しいという話はなかったし、任意の申し出はなかったと思う。
その時は逮捕する意志はなかったのに、被告人に任意で捜査協力を求めても良いのではないかという話はなかった。
平成15年11月27日以降に、著作権者や著作権団体に被告人を処罰してほしいかどうかについて自分は確認していない。
上司がやっていたかどうかは分からないし、捜査会議ではその話はなかった。


Winny tipsページの管理人宅の検証のときに、被告人と連絡は取っていない。
Winnyそのものを使うことに関して、(共有するファイルの)著作権法上の問題を除けば、何ら問題はないと考えている。
被告人はプログラマだが、被告人がポリゴンの何らかのプログラムを作っていることは知っている。
被告人に対し、著作権侵害が起こると、プログラマであるあなたも困るのではないかという質問はしていない。
検察側からの尋問。

乙2号証(平成15年11月27日付の参考人調書)について

供述証書で、被告人を立件しようとした部分を挙げると、

・「違法行為がされるであろう事はよく知っていました」
・「警察などに捕まらないように匿名性を(何とか)したソフト」
・「Winnyはシステム上、ネットワーク上で一度広まったWinnyは利用者がなくならない限り根絶しない」 この発言は無責任なのではないかと思う。
・「既存のビジネス(〜?〜)コンテンツ(〜?〜)私からの社会への啓蒙」
である。
弁護側からの尋問。

甲112号証の添付資料2(Winny Web Site)について

ここに書いてあることを分析するための班を作るなどはしていない。
当時、自分では分析していただろうと思う。
平成15年11月27日の供述調書の作成について

供述調書を作成した巡査が被告人の発言に対してどのような認識を持っていたのかは分からない。
前回1人目の証人が居合わせたかどうかについては、出たり入ったりしていたと聞いている。
供述調書を作成した巡査が被告人の生の発言をどのくらい確認していたかは分からない。
検察側からの尋問。

先ほど、「トリップが違うのには理由がある」と言ったのは、2002年10月2日に2chの管理人がトリップを8桁から10桁にしたためである。
平成17年1月14日付の意見書の38ページにある、2002年10月3日に書き込まれた946番目の書き込みの内容が、甲116号証の添付資料1にある、ジオシティーズから来た「ホームページを閉鎖します」というメールと同一の内容であった。
書き込みにはIDがついており、その書き込みと同じIDを追っていくと、144番目の書き込みに8桁のトリップがついている。
479番目の書き込みからは10桁のトリップになっている。
弁護側からの尋問。

平成17年1月14日付の証拠に対する意見書において、「MXの次は何なんだ Part109」の「ななし」による672番目の書き込みは、被告人の書き込みではない。
これで1人目の証人に対する尋問は終わりです。


続きはまた明日

NHKは携帯向けサイトに誤った情報を流し続けていたそうな。


NHKでは携帯サイトのシステム変更のため、技術系職員がテストサーバーを使い、あらかじめ設定した時刻に災害情報が正しく表示されるか確認するテストを続けていた。だが、テストを終了する際、職員が設定解除を忘れたため、架空情報が正規のサイトに掲載されてしまったという。
テストを行うにしても、それがテストであることを示す内容を付加して行うべきだったのでしょう。
防災訓練などの映像を放送するときには、右上か左上に「訓練」などと表示しているのと同様に。
それの有無だけで、今回の失態に対する反応は大きく違ったのではないでしょうか。