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Late Night Monologue

2013-08-11

BRM810千葉200

 今朝は5時過ぎに目が覚めた。昨夜に比べれば幾分か涼しいが日中は再び猛暑になるのは間違いなさそうだ。昨日攣りまくった両脚のダメージは想定通り、攣りまくった両手は問題なさそうだ。昨日喰らったダメージを考えれば予想外に残っていない。と言っても日常生活の普通の動きに支障があるレベルの痛みは両脚に残っている。昨日の過酷なブルベのレポートを書くのは結構難儀だが、夏休みの宿題は午前中の涼しいうちにってことでさっさと書いてしまおう。

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 8/10、朝5時起床。昨夜の熱帯夜で寝不足気味だが、この程度のことはよくあることなので問題はない。今日はスタートが8:00なのでちょっとのんびり支度をして千葉柏市道の駅しょうなんに向かう。
 今日から夏休み、初日から200kmブルベを楽しく走れるとあって気分も上々、鼻歌交じりで車を走らせる。
 7時過ぎに現地着、道の駅しょうなん傍の橋の下には既に多くのブルベライダーや関係者で賑わっている。AJ千葉スタッフのつかぽんさんに受付をしてもらう。シン3さんに会ってしばし歓談、今日は”手堅く”10時間切りを目指すなんてのたまってしまう(この時点では本気でそう思っていた)。
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 ブリーフィング。終始和やかな雰囲気。
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 スタートはウェーブ方式で私は8:10のスタート。8:00スタートのライダー達を見送る。

 車検の車列にいる間にナビのスイッチを入れたら反応なし。あれっと思って電池カバーを開けたら電池が入っていなかった。昨夜電池を入れなきゃとおもっていたのだがスカッと忘れてしまっていた。今日は200kmなので予備のバッテリーは一組しか持っていないが、いざとなったらヘッドライトのバッテリーを回すこともできるので問題はない。(当ブログの読者の一人から「御前のブルベレポートにはいつも何かしら抜けやらミスがあって読んでいてイライラする」とのコメントを頂戴したがまた突っ込みネタを提供してしまった)
 無事に車検をパスして定刻8:10にスタート、緩々と走り始める。

 今日のルートはこんな感じ。

 勾配きつめの峠越えが5つあるがそれぞれはそれ程長くないし、総標高差も2600mなので構える程の山岳ブルベではない。問題は暑さだが、前回のBRM713岡山1000を脚攣りなしで完走したことを考えれば全く問題ないだろう。

 最初のPCまでは40km、今日はこまめにPCと通過チェックが設定されているので補給のタイミングに神経を使う必要もない。
 気温がぐんぐん上がって汗がどんどん流れ落ちる。汗はしょっぱくなくてさらさらなのでいい感じだ。取り敢えず夏錬はちゃんと入っている様だ。ボトルの水はどんどんなくなるが40kmは持つだろう。
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 40km地点のPC1に到着、チェックタイムは9:51。ボトル2本分1.5Lがほぼ空になったのでスポーツドリンク2Lを購入。
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 スタート前にしっかり補給しておいたので空腹感はない。暑いのでいきなりアイスを補給。余りの冷たさにキンキン頭が痛くなった。

 次の区間で2つの山越え、この区間をクリアしてしまえば前半のうちにかなりの標高差を消化してしまうのでかなり気が楽になる。
 市街地を抜け徐々に山間部へと入っていく。
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 登りが始まる前に蓮の池があった。
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 いよいよ登坂開始。まずは不動峠を目指す。
 この峠は以前登ったことがあるので何となく覚えている。気温は高いが森で直射日光が遮られるのでそれ程暑さに苦しめられることもない。汗をぼたぼたたらしながらえっちらおっちら登っていく。
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 無難に不動峠に到着。帰りはここを登り返して往路と同じルートを戻っていくことになる。
 不動峠を越えて更に風返し峠まで登る。ここから木々が少なくなりもろに直射日光を浴びてしまう。ボトルの水がガンガンなくなる。
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 風返し峠着。ここからは下るのみだがボトルの水が心配なので峠脇の自販機で休憩を入れる。
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 冷たいコーラをがぶ飲み。旨いのはいいのだが、序盤1つ目の山越えで暑さに参っている様ではこの先が思いやられる。
 ちょっと長めの休憩後、風返し峠から一気に下る。スピードを出し過ぎない様にしてできるだけ長い時間身体を冷やす様にする。

 下り終えてちょっと走ると直ぐに2つ目の山越えが始まる。この山は今日最も標高が高い。
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 目指す山の上にはハンググライダーが飛んでいる。あれが飛び立つ場所まで登る。
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 細い林道を淡々と登る。木立が鬱蒼と茂っている上に空は雲が出てきて日差しが殆どないので暑さに苦しめられずに登れるのは幸いだ。ただ想定以上に体力を消耗している様でかなりきつい。これはペース配分を考えないと後半まで持たない感じだ。
 いきなり両太腿の内側が攣る。岡山1000では全く攣らなかったのに今日は駄目だ。水分補給は念入りにしているつもりなのに追いつかないのか。激痛をダンシングで強引に抑え込む。
 かなり長い距離を登って漸くハンググライダーの滑走場所まで辿り着いた。峠のピークはもうちょっと先だが、ハンググライダーの飛び立つ場面を見学するという名目で休憩を入れる。正直かなりバテている。
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 ハンググライダーの反対側の斜面の景色。ちょっと霞んでいるがかなり遠くまで一望に見渡せる。
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 飛び立つ直前のハンググライダー。追い風を待っている様だがなかなか風が吹かない。
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 飛んだ!ここから飛ぶ人、ここまで自転車で登って来る人、どちらも酔狂である。

 休憩後、再び走り始める。
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 再び登り始めて直ぐに足尾山のピークに到達。
 細い林道は道も悪く、下りの恩恵が得られない。途中、コースアウトして違う方向のダートに下ってしまった。慌ててバイクを急停車させた途端、右太腿の上側が攣った。ここは滅多に攣らないところだが余りの激痛に身動きが取れずただ呻くのみ。
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 数メートル先のコースに戻れない。痛みを抑えてコース復帰までに10分近くを要した。
 この頃になると両脚のあちこちで攣りが発生し、その度にペースが落ちる。状況が余り宜しくないことがこの頃になって自覚してきた。
 細かいアップダウンの後、長い下りが始まり漸く山越えは終了。とにかく次のチェックポイントまで辿り着いて休憩しなければ身体的に結構ヤバい状況だ。

 96km地点の通過チェック1に到着。チェックタイムは13:47。
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 バイクから降りる時にも脚が攣る。とにかく冷房の効いたコンビニ店内に入る。このコンビニはイートインがあるのが非常にありがたい。
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 とにかく水分補給。ここまでにもう10L以上飲んでいるのにまだ足りないのか。そしてまたアイス、とにかく身体を冷やしたい。涼しい店内で座っているのに汗が止まらない。この暑さは尋常じゃないし、身体の変調もちょっと経験がない。もう完走タイムに拘っている場合じゃないのでしっかり休憩する。

 次の通過チェックポイントまでは17kmと短いので少しは気は楽だ。30分以上休憩して出発する。

 出発してちょっと走って3つ目の山越え開始。昼下がりの日差しが容赦なく照り付ける。体力もそうだが気力もかなり削がれている。10数kmという距離の短さが救いだ。
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 目指すべき山は遥か先、気が遠くなる。
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 路面の黄色い線が勾配のきつさを誇張して心理的圧迫を加えてくる。7km/h位の速度で這う様にして登る。相変わらず脚は攣りまくる。そのうち背中も攣り始めた。もう、ちょっとヤバい。
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 必死の思いでピークに到達。通過チェックまでもう少しだ。

 113km地点の通過チェック2に到達、チェックタイムは15:15(だったと思う)。
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 ここはAJ千葉のスタッフさん達の有人チェック。グロッキー状態で辿り着いたのだが、スタッフさん達との会話と手厚い補給で元気が出てきた。
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 この水飲み場で頭から水をかぶったらもう気持ちいいの何の!マジで生き返った!
 聞けば私が6人目の通過と言う。てっきりもう最後尾あたりかと思っていたが、やはり今日の酷暑は半端ない。これはサバイバルブルベの様相を呈してきた。
 長めの休憩の後、スタッフさんに別れを告げて出発する。次のPC2までは23kmで距離は短い。途中4つ目の峠越えがあるが何度も走ったことがある道祖神峠なので素性がわかっている分気は楽だ。中間地点を過ぎたので完走もDNFも同じ距離を走るのだから、どっちにしても進むしかない。

 日はかなり傾いてはいるが西日はかなりきつい。ちょっと走って登坂開始だが、過去の道祖神峠の印象はあっさりという感じだったが今日は勝手が全く違う。勾配はきつく長い。気力が削がれている分かなり苦しい。脚が攣る度に思わず脚を付きそうになるのを堪えるのが精一杯だ。
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 這う様にして道祖神峠をクリア。後は下って直ぐにPCだ。
 下り始めたのだが、下りが怖くてブレーキかけっ放しでスピードが全く出せない。身体のコントロールが効かないし集中力が途切れる感じだ。心拍が高止まりして苦しい。ますますヤバくなってきた。

 必死の思いで下り切り、136km地点のPC2に到着。
 バイクを降りてまずはチェックタイム確定のために買い物をしようと思うのだが、もう身体が言うことを聞かずバイクの傍にへたり込んだ。もう動けない。そのままゴロリと横になった。熱いコンクリートの上だがそうするしかなかった。隣で休憩していたブルベライダーに「大丈夫ですか?」と心配される。全然大丈夫じゃないです。
 そのまましばらく横になっていたらいつの間にか周りが後続のライダー達で賑わっていた。
 少し身体が動きそうだったので何とか起き上がってコンビニ店内で買い物をした。
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 ブルベライダーの一人に氷を分けて頂き、レジ袋に入れて首筋を冷やす。生き返る。
 もたもたと休憩していたら、隣のブルベライダーがPC2のクローズタイムに間に合わなかったとDNFの連絡を入れている。
 もうそんな時間なのか!と驚いて慌ててレシートのチェックタイムを確認、クローズ時間が17:14に対してチェックタイムは16:57、危ないところだった。更にもたついて買い物が遅れていたらと思うとぞっとした。

 それにしてもPCのクローズタイムを過ぎても出発できていないのはちょっと経験がない。DNFと紙一重の状態に置かれたのは初めてかも知れない。
 ここから次のPCまでは38km、時間は2時間半。普段なら余裕で行けそうだがいかんせん体力も気力も底をついている。おまけに最後の峠越えがある。
 DNFでも結局はスタート地点まで戻らなければならない。バイクに跨って何とか走り出した。

 相変わらず脚が攣る。攣っても抑え込めれば走り続けられるが、抑えられない程の症状が出たらアウトだ。この後はずっとその恐怖に苛まれ続けた。
 日も落ちかけた頃再び山道に入り、不動峠を登り返す。もう完全に思考停止してペダルを踏み続ける。一体自分が今何をしているのか理解できない。這う様に登りながら時折意味不明の叫び声を上げながら登る。
 細い細い気力を繋いで遂に最後の不動峠を越えた。これで今日5つの峠越えは全て終了、結果的に全て脚付きなしで登り切ったのは我ながら良くやった。
 下りはやっぱり怖くてスピードを出せない。ここでタイムを稼がないと間に合わないのに、でも如何ともし難い。
 山道を抜け、ようやく平坦基調になった。とりあえず20km/hを超えるスピードは出ているので次のPCのクローズタイムに間に合う可能性は辛うじて残されている。
 携帯のバッテリーが切れて写真が撮れなくなった。と言うより写真を撮る余裕はもうなかった。
 日も暮れてナイトラン開始。市街地に入り信号待ちに引っ掛かる回数が増える。時間がないので焦りが募る。

 なんとかかんとか174km地点のPC3に到着、チェックタイムは19:30。クローズタイムの16分前だった。
 ここにAJ千葉のスタッフさん達がいて会話を交わす。この時間で完走したのは何とまだ2名とのこと。とんでもないサバイバルブルベになったものだ。DNFの公算は極めて高いがこの場で自ら宣言することはしなかった。どうせDNFするにしてもゴールまであがいて、ゴール地点でスタッフさんからアウトの宣告をされることを選ぶ。
 
 後34kmを2時間弱、可能性はまだある。バイクに跨りスタートする。

 日が落ちて少し走り易くなった。巡航速度も25km/hまで回復し、致命的な脚攣りが発生しなければ何とかなりそうな気配が出てきた。後は市街地の信号待ちや渋滞でどれだけタイムロスをするかが気がかりだ。
 脚をいたわりつつ淡々と走る。残り距離が少なくなるにつれて時間の余裕が増えていき少しずつではあるが完走の可能性が高くなっていく。当初の悲壮感はかなり薄れ徐々に気力が蘇って来た。

 途中一人のブルベライダーさんに追いついた。彼はDNFしたとのことだが、後ろについてくれて残り時間を教えてくれたり励ましてくれた。この有難い緊張感で何とかペースを維持することができた。
 ゴールの方向に花火が上がっている。スタートする時には明るいうちのゴールを想定していたのだが、まさか花火を見ることになるとは全く考えていなかった。

 利根川を渡る。残り6kmで50分弱、何とか行けそうだ。両脚に抱えた爆弾が爆発しないことを祈りつつひた走る。
 手賀大橋を渡る。遂に戻って来た。しかも完走である。ほっと安堵して橋下のゴール地点に滑り込んだ。
 ゴール地点のスタッフさんやライダーさん達の拍手に迎えられて歓喜のゴール。正にやったぞ!というゴールだった。
 バイクから降りた途端両太腿が攣ってその場にうずくまる。何とかゴール受付に行くが手が攣ってクリアケースからブルベカードやらが取り出せない。
 祈るような気持ちで認定手続きを見守り、OKが出た時は全身が脱力した。

 ゴール時間21:15、認定完走時間13時間5分、タイムアウト25分前であった。

 冷たいコーラやキュウリやトマトや梨を頂いたが、もう生き返る生き返る!食べながら完走した実感がじわじわと湧いて来た。

 その場にシン3さんがいたので会話を交わす。シン3さんは残念ながらDNFとのことだが、シン3さん程のキャリアの持ち主がDNFを決断するとは如何に今日のコンディションが酷かったかを物語っている。

 振り返るにPC2で倒れ込んだあの時は恐らく熱中症だったのだろう。そこまでして走り続けることが果たして正解だったのか正直判断がつかない。でもまあ、ゴール地点にいたチャリガールのmocoさんにかっこいいですよーと褒め言葉を頂いたので、それだけでも完走の意義はあったってもんだ。

 それにしてもきついブルベだった。暑さで言えば過去に埼玉のアタック北信600kmがあったが、それ以上のキツさだった。今回の千葉ブルベは完走率が10%だったとのこと、200kmのこのコースプロフィールでこの完走率とは、一重にこの酷暑のなせる技だろう。

 ブルベ出走52回目にして初のDNFを喫するかも知れない瀬戸際まで追い込まれたが何とか回避した。これが経験としていいことなのか悪いことなのかは良く分からないが、少なくとももし今日DNFしていたら暫くはかなりな敗北感に苛まれていたことだろう。

 それと岡山1000の完走で一旦は払拭された8/15出走予定のSR600の恐怖が、再び頭をもたげてきた。後4日間で心身共に喰らったダメージを払拭できるかどうか正直全く自信がない。

 まずはしっかり休む。それからだ。

 

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