先従隗始・温故知新

はてダからの引っ越し(http://d.hatena.ne.jpのURLからここへ自動転送されます)。元サイト:アニメイレコムhttp://kasumin7.web.fc2.com/ire/

数値だけで判断するのと、実際の人々のマインドは違う

原発事故の放射能汚染地域、どれだけ帰還できるか、政府の試算…あくまで線量数値からの概算。…省庁を明記してないが、計算に関与したのはたぶん厚労省文科省総務省あたりかな。


でもじっさい、
遙かに低い線量でも被曝病のガンなどそのものを発症したり、体を衰弱させることで成人病が悪化したりと、そういう人々は何割か出てくる。
酒やたばこに弱い人がいるのと同じだ。


それに、いくら線量計シーベルトを出したり、サンプルを送ってベクレルを出しても、「目安」でしかない。すべての空気や土壌を測ったわけではないから、取り漏らす。内部被曝や局部被曝の多くはその瞬間を取り漏らしている。
これを防げるのは『医療被曝』だけだ。あれは固形化されたペレットを密閉容器に密封して、ビームを照射するだけだから…漏れたものを吸い込んだり飲食しようがない。トレーサーやアタッカーとして服用する検査や治療もあるが、これは排泄される量が人間単位で微量である。
だが原発事故は日本列島や外洋に、霧状や微粒子のセシウム他を大量にスプレーしたのだ…吸わない食べないというのは無理。いまご覧になってる地面や空気にセシウムも漂う以上、すべてを線量計やベクレルモニターで拾いきれない。あくまで膨大に存在するセシウム他の、サンプリング計測をしてるに過ぎない。


あと、マインドというのがある。「あんな汚染されたとこ、住みたくてももう住めないよ…」だね。


おそらく今後、南米移民政策みたいになるだろう。さも極楽浄土のように喧伝され、南米あるいは北朝鮮へ旅立った移民たちはその後…でもトラブルになってもすべては自己責任と言われる。


…そんな政府レベルですら逃げ腰を続けなきゃいけないほどのオオゴトなのだから、二度とこんな事故を起こさない保険として、原発即時全廃は実は現実的で堅実な選択だ。
目先の利益を確保し、また再度の原発爆発によって派手にバブル崩壊するよりも、地味でも末永い将来的利益を担保するのが賢者である。前者の短絡的な商売は英米流であり、原発も米国流の輸入品だ。そろそろアジア的な後者路線を選ぶべきだろう。

http://www.j-cast.com/2012/06/10135092.html
福島第1原発周辺の避難指示区域(11市町村)について、5年後も32%、10年後も18%の住民が帰還できないとする試算が示された。除染効果を加味せずに、年間に換算した放射線量を予測し、20ミリシーベルトを超える地域の事故前人口などを基に計算したもので、政府が2012年6月9日、公表した。


http://mainichi.jp/select/news/20120610k0000m010059000c.html
今後20年間の線量が帰還の目安(年間20ミリシーベルト以下)になる割合を推計した。同日の国と県、双葉郡などの協議会で示し、平野達男復興相は記者団に「機械的に計算したもので、除染の効果は加味していない」と述べた。

20年後でも8%(約6900人)


日本社会は、国家体制は、上流階級が、いざというときに命をなげうつようにはできておらず、
逆に徹底して卑怯を重ねてでも過剰に守られてしまう…


ノーブレス・オブリージェのすっかり消え去った日本では、いつなんどき、何が起きても、相変わらず失望され、グダグダとなり、「問題解決が一つもできないでうやむや」のままだろう…民主主義とやらで希釈しすぎてしまった最大の弊害…国家社会命取りの弊害…


逆に今の日本では、この『高貴の有事犠牲』が煙たがられ、まんまとネガキャンのエサにされてしまう…部分的にでもこれを果たした菅総理も、海外でしか評価されず、国内ではまるで弱いものイジメのカモ、利権の敵として悪者にすり替えられて退場させられた…


やるべきことばかりつぶし、やるべきでないことばかりはやる…陰陽の逆転=死を尊び生きるをつぶす…日本国が追い込まれてばかりいる理由である。陰陽を逆転すればすなわち風水が好転し、運気はいくらでも向いてくるよ。


有名どころでは、白洲次郎

福田和也『人間の器量』


薩摩藩の「郷中」と呼ばれる6歳から25歳くらいまでの少年、青年たちの自治教育組織は、
絶対に負けない、卑怯なことはしない、命をかけても名誉を守る、弱いものいじめをしない、武士道を徹底させた。
そこから、西郷隆盛大久保利通ら英雄が現れた。



ノブレス・オブリージュという言葉を好んで使う人がいますが、この本質をわが国では、まったく理解されていません。

ノブレス・オブリージュ、高貴なる者の義務というのは、いざという時に、真っ先に前線に出て行って死ぬということ。

ロンドンのウェストミンスター寺院に行くと、左側の壁に、イートンやハローといった名門の卒業生で、
第一次世界大戦で戦死した方の名前が、千人単位で記されている。
オックスフォードやケンブリッジのカレッジにも、壁などに二大戦の膨大な死者が記されている。

高貴である者は、ふだんは労働に従事せず、学問やスポーツに精を出しているけれども、国家の危機となれば、一番先に前線に出て命を捨てる。
それこそが、ノブレス・オブリージュなのである。

いまのどうしょうもない、悪党の小細工ばかりが勝利する日本社会では…たとえ地位は低くても精神性が高貴である連中がいても、彼らは「ヤル気をうしない」けっして日本を救わないだろう。だから余計に悪党の悪事ばかりが勝利する、悪循環が続いている。衰退も荒廃も加速する…


 ◇


東海村長とはごくわずかだが疎通したことがある。


ああした「自分の故郷を一瞬で失う恐怖」の当事者は、きわめて素直だ。そして強い。


もし爆発事故が起きると予知していた福島民がいたならば、やはり同じく屈強だったろう。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASFB0600Z_W2A600C1000000/
揺れる「原発発祥の地」東海村 村長が反旗
廃炉求める署名17万人超す


 1957年、国内で最初に「原子の火」がともった茨城県東海村。多くの原子力施設が集積し、全国の原発立地自治体のモデルになってきた。しかし東日本大震災後、村上達也村長(69)が「脱原発」を打ち出し、日本原子力発電の東海第2原子力発電所の再稼働中止・廃炉を求める署名が17万人を超えた。「原発発祥の地」で何が起こっているのか――。


 村上村長は1999年、作業員2人が死亡、約670人が被曝(ひばく)したジェー・シー・オー(JCO)東海事業所の臨界事故に直面し、国の判断を待たずに住民避難を指示した経験を持つ。JCO事故後、原子力災害対策特別措置法経済産業省原子力・安全保安院、オフサイトセンターなどの法制度・組織が整備された。それでも村長の国の原子力政策に対する不信感は消えなかった。

 そして起こった東京電力の福島第1原発事故。「この国は原発を持つ資格も能力もない」と東海第2原発廃炉要求に踏み切った。4月に64市区町村長が賛同して結成された「脱原発をめざす首長会議」に、原発立地自治体で唯一参加。5月には長年務めてきた全国原子力発電所所在市町村協議会の副会長も辞任し、脱原発を訴えて全国を飛び回る。


ある会社員(42)は「原発はあるが、福祉が充実しているので引っ越してきた。村長の反旗で村が貧しくなるのは困る」と心配する。
 今年1月の村議選(定数20)は、選挙前まで過半数を占めていた原発推進派と慎重・中立派が10人ずつで並んだ。推進派議員が上位当選した一方で、脱原発を長年訴えてきた相沢一正村議(70)も前回から得票を5割も伸ばした。相沢村議は「女性を中心に村民の反応は確実に変わってきている」


 茨城県の橋本昌知事は5月17日、廃炉を求める署名簿を提出した市民グループの代表と初めて面会した。知事は「減原発」の姿勢を強調しながら「停止中の原発の中で、東海第2は再稼働するにしても一番遅くなる。今は廃炉で動くより、周囲を見ながら中立でいたい」と述べた。


 茨城県の試算によると、
東海第2原発の半径20キロメートル圏内に72万人、30キロメートル圏に94万人の住民がいる。


村上村長は「東京まで110キロメートルしかない。こんな人口密集地にある原発廃炉にするしかない」


 東海第2原発の隣では、国内初の商業用原子炉として66年に稼働して98年に運転を終了した東海原発廃炉作業が進んでいる。第2原発も今年、稼働34年目(=福島第一の1号機マイナス7)に入った。政府は原発の運転を原則40年とする原子炉等規制法の改正案を国会に提出した。「元祖・原発の村」で原子の火が消える日が来るのだろうか。




http://d.hatena.ne.jp/geasszero/20120126/1327508062
村上・東海村長に聞く 東京新聞


 福島事故の原因を追究し、その経験に基づいて規制をしていくべきなのに、結局は現状追認だ。現実にある原発を何とか稼働させたいという思いが見える。原理原則が何もなく、実に情けない国だ。

 −「脱原発」への思いは

 福島事故への対応を見て、この国は原発を持つ資格はないと分かった。能天気で安全神話にどっぷり漬かっている。巨大科学技術は必ずどこかに陥穽(かんせい)があり、それが破綻したとき、取り返しのつかない惨事になる。


私はふるさとを失いたくない。

イレギュラー行動によって国を民を導く…
311における猪瀬副都知事や、菅総理みたいなもんだな。


いずれも評価されないが…猪瀬や石原が叩かれないのは極右に与しているからだ。菅は左派政党でしかもヒラ市民出身だから容赦がない。


だが原発事故は、ローカルな災害ではない。
国ほど大きな組織・社会が、一瞬で失われるか否か(日本経済どころか住居も食料も、爆発の規模次第で一瞬でなくなる…仮に東京、名古屋、大阪のどれかひとつが立ち入り禁止、緊急避難になってみろ)
…いわば全体存命か、原子力で食う奴らだけの延命か、そういう圧倒差の問題だ。


日本人も日本社会も、ムラに従う=ローカルを尊びグローバルを敵視するようにプログラムされてしまっているから、今回のようなグローバルスケールの事故では大間違いを続けてしまう。



では最後に…


東京から100km付近で、動かすべきではない:東海原発


大阪から100km付近、京都や滋賀は数十km:敦賀付近のすべての原発(巨大水源…琵琶湖アウト)


名古屋から100km付近、静岡県全域は福島浜通り並み:浜岡原発


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おまけ 福島原発事故現場作業員のぼやきツイッター

6月6日 ‏@Happy11311
続き4:メンテナンスも考えてなかったし…、東電は「とりあえず一年動けばいいから急げ」って言ってたんだよなぁ。これからはちゃんと原子力仕様の物に替えていかなきゃダメなのに、汎用品ばかりじゃトラブルは絶えないと思うよ。でも東電は故障するまでは替えないんだろうなって思うよ。


以下、米原潜の火災事故報道。日本では報道スルーか?


条件次第では艦全焼から臨界爆発などへつながり…すると艦は全員脱出後に海中放棄され(この時点で艦内すべて水没し、火災が広がって原子炉ダメージの線は薄まるが)海底に沈む、という流れだろうか。放射能汚染をどこまで海洋にとどめられるのやら…海洋資源のダメージ拡散は…原潜はPWRだよな。

http://www.cnn.co.jp/usa/30006920.html
米原潜内の火災、出火原因は「電気掃除機」か 海軍が発表
2012.06.10


米東部メーン州キタリーにあるポーツマス海軍造船所で先月24日起きた原子力潜水艦「マイアミ」内の火災で、同造船所は10日までに、電気掃除機が出火原因の可能性があるとの初期段階の調査結果を明らかにした。


船体の修理費は初期調査の段階でおおよそ4億ドル(約318億円)と推定。造船所でほかに予定されていた作業が中断するなどの影響も受けており、その被害額は約4000万ドルとしている。

火災はマイアミの前方部分で発生、乗員の居住区や司令室、魚雷管理室が影響を受けた。原子炉は過去2カ月間余、稼働を止めていたため、火災の影響は受けなかったと強調した。

原子炉がある区画は出火場所から離れており、火災が続く間も安全、安定した環境で乗員の配置が続いたとも述べた。出火時にマイアミは魚雷などの兵器は搭載していなかった。

マイアミは1990年に就役。海軍によると、乗組員は将校12人、下士官98人となっている。


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空気を読むではない。読ませたい空気=制御プログラムは悪党どもが準備万端。


先見である。先を見通せ。


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四ツ倉から急に、Soeksを動作させてれば「常時黄色」
さらに国道6号では「この先警戒区域」の電光表示もあるから、二輪の場合はN95マスク必須の緊張感を肌で感じられる。

http://www.j-cast.com/2012/06/08135018.html

事故を起こした福島第一原発から20キロ圏内は警戒区域、その境界線が四倉のそこから17キロ先だ、つまり、今自分たちが立っているところは問題の原発から37キロの地点、と知ったわけだ。


250キロ離れているから安全だ――そんな意識が過酷事故への認識の甘さ、鈍感さにつながっていないだろうか。いや、もしかしたらそれが過酷事故を引き起こした原因ではないのか。そんな思いさえ抱く。


おれなんかはこないだは小高町の丘の上からフクイチの煙突を探してしまったが、さすがに見えなかった。でも南相馬市の陸橋からは見えていたような気もするが…一瞬だけ。
県道12を海方向へいき陸橋を登ると左手は原町火力、右手の煙突はあれは…NHKや民放も原発爆発映像は30km先から望遠で撮影していた。南相馬は25km地点だ。