【ネタバレ】280930さだまさしコンサート(東京国際フォーラムホールA・初日)

(ここから先はネタバレの内容が含まれます。)
 昨日(9/30)に東京国際フォーラムホールAで開かれた「さだまさしコンサート 月の歌」の感想です。
 今回、まさしんぐWORLDの先行予約は日にちを間違えていてトライできず、チケットぴあで入手。いつもは2階の後ろの方だけど、昨日は2階18列のセンターでしかも通路側でした。
 ただ、座席がおかしいのか、腰がかなり痛くなった。覗き込むような体勢がいけないのかなあ?

 セットリストは写真のとおり。
 「風に立つライオン」も「主人公」も「まほろば」も「修二会」もない。
 結構渋め、というかこれまでのコンサートであまりやってないようなものも多かったような気がする。

 幕開きの「交響楽(シンフォニー)」はともかく、2曲目の「殺風景」とか、「曲の調子はわかるけれども曲名忘れた」状態。
 「童話作家」とか「片恋」とかよかった。「童話作家」はしみじみするし、「片恋」は恋しさが本当に届いてくる。

 トークは7月に亡くなった永さんの話。「六輔 永のお別れの会」の時に黒柳徹子さんが弔辞で言った内容(エビチリと顎の話)がそのまま噺のネタになってしまうとは驚いた。これも今後のレパートリーになるのかなあ。
 永さんの詩の曲を録音して今後発売、という話は聞いていたけど、来年くらいには永さんの歌を歌うコンサートも考えられたらなあ、という話もあった。これなんかは、土曜ワイドを聴いていた人間からすると、是非行きたいものよなあ。

 「シラミ騒動」がらみは、トークはアルバムのトークそのまま。あまりにもそのままなので、ちょっと眠かったです。アルバム聴かないで行けばよかった。

 いよいよまとめにかかって、今年亡くなった松原正樹さん、さださんの母親、学校の先生たち、そして永さんの話。
 アンコール前の3曲「あと1マイル」「戦友会」「Bye Bye Guitar」はびっくりした。
 前2つは、戦争を知る世代がどんどん死んでいなくなっていくことに対する惜別であり、戦争をやっちゃいけないという気持ちを新たにする、という感じかな。そして、プログラムを読んでなかったから、前奏の後「Bye Bye Guitar」が始まったので「こんな曲やるの珍しい」と驚いた。
 ここで、永さんの話、黒柳さんの弔辞に出てきた「最後の一撃」という言葉が存在感を大きくする。「戦友会」なんかも「最後の一撃」につながるのかなあ、とも感じたけど、「Bye Bye Guitar」はそれに対する返歌、自分たちは「最後の一撃」があっても、これからも生き続けていくから(生き続けていくしかないから)、という返事のようでもある。

 ちょうど今「土曜ワイド」で外山惠理さんが出ているけれども、ぼくもやはり永さんが亡くなって、まあ長くないのはわかってはいたけれども「いなくなっちゃったんだな」と改めて思うことが多い。
 今年は永さん、秋山ちえ子さん、蜷川さん、巨泉さん、など、1月の竹田圭吾さんが亡くなったのが今年だったのかと信じられないくらいにたくさんの人が死んだような気がする。うちも今年の年末年始は鏡餅やおせちがない。
 そんな中で、生き続けている以上、生き続けていくしかないんだな、ということを「Bye Bye Guitar」で改めて思う。

 アンコールは「遥かなるクリスマス」。後半は反戦、非戦というメッセージがかなり強く濃厚に伝わるものになった。

 自分は2階だったからどんな人なのかわからないけれども、トークの時に常に大きな声で絡んでいく1階のお客さんがいて、いつもいる人なのかどうかわからないけど、自由奔放ではあるのだろうが自分とさださんの2者によるコンサートとでも勘違いしてるんじゃないかと思った。そういう意味で「いい出来」というより「悪くない」コンサートだった。

国会の議論から(平成28年2月25日衆議院予算委員会第5分科会)。

次は平成28年2月25日衆議院予算委員会第5分科会から。
本村賢太郎議員は民主党。塩崎厚生労働大臣とのやりとり。(EPA
ついで堀内詔子議員は自民党。石井社会・援護局長とのやりとり。(EPA
最後は武村展英議員は自民党。神田医政局長、唐澤保険局長とのやりとり。(医療通訳

○本村(賢)分科員 私も相模原が地元でありまして、今回幾つかの介護施設にお邪魔している中で、例えば毎月八十万円、百万円の広告代を使って人材を募集してもなかなか日本人が集まってこない、非常に厳しい現実があるということで、あとは介護報酬二・二七%の削減も非常に響いているという声を伺っております。幾つものメニューを大臣を中心にやっていただいていることは、ここは評価をしなくちゃならないわけでありますけれども。
 そこで、労働力確保のために行っていないとは承知をしているわけでありますが、一方では、現場では、人材不足の解消に、EPAということで、インドネシア、フィリピン、ベトナムと結んでいる観点で、この三カ国の皆さんが、二国間の経済連携の強化というのが本来の趣旨だということは十分承知をしておりますが、こういった外国人労働者に対しても非常に現場の皆さんは大きな期待をされております。
 特に、親日であるインドネシアの皆さんは試験に合格する確率が比較的高いと伺っておりますが、フィリピン、ベトナムはまだまだ厳しい形でありますし、三年間現場で働いて、介護福祉士の試験を受けて、おっこちると一年間また延期できるようでありますが、帰ってしまう方も多いようでありまして、そういった帰ってしまう人材を、やはり地元の人たちはもう一度、例えばフィリピンに行って、もう一回試験を受けてくれないかと。恐らく、日本で得た経験が、後にはこのフィリピンやインドネシアベトナムで介護という形で生かされていくというふうには思っているんですが。
 平成二十六年十月から外国人介護人材の受け入れに関する検討会が行われておりまして、あす取りまとめがあるとも伺っているんですが、介護におけるEPAの拡充についてお考えをお聞かせいただきたいと思っています。

○塩崎国務大臣 先生今御指摘のように、インドネシア、フィリピン、ベトナムにつきましてはEPAで介護の人材を入れるということになっているわけでありますが、この外国人介護福祉士候補者については、既に二〇一五年の日本再興戦略、これは去年の六月三十日に閣議決定をしておりますけれども、そのさらなる活躍を促進するための具体的な方策を検討しろということになっておりまして、これが、今お話あったように、本年度中に結論を得るということになっています。
 今御指摘をいただいた外国人介護人材受入れの在り方に関する検討会につきましては、今議論を重ねておるところでございますけれども、今月十九日に、先週ですか、外国人介護福祉士候補者の研修を行う受け入れ対象機関の範囲の拡大というものを固め、これは有料老人ホームなども追加をするということでありますが、そしてまた、そこで研修を修了して介護福祉士の資格を取得した、そういう人たちに関しては、就労の範囲の拡大ということで、医療機関についても御活躍をいただこうじゃないかということになりました。
 そういったことを初めさまざま今議論をしているところでございまして、今お話がありましたように、二十六日、あすでございますが、検討会を開催して取りまとめをしようというふうに思っておりますので、その検討会での御議論を踏まえて、介護福祉士候補者などのさらなる活躍を促進してまいりたいというふうに思っております。

○本村(賢)分科員 今のお話ですと、外国人の皆さんの働く環境が、少し枠が広がるのかなという方向で捉えましたので、ぜひとも、日本で経験した外国人の皆さんが、やはり本国でもまた日本での介護の経験を生かせるような形で、ともにウイン・ウインの形になるように御指導をお願いしてまいりたいと思っています。

(中略)

○堀内(詔)分科員 ありがとうございます。
 在宅医療の問題、認知症の問題、これからの高齢社会でますます重要な課題となってまいりますので、よろしくお取り組みのほどお願い申し上げます。
 続きまして、介護人材の確保について質問させていただきます。
 介護離職ゼロを目指し、今後二十五万人の介護人材が必要となってまいります。労働力の減少が進む中、介護人材の確保は深刻な問題となっております。
 国内の介護労働の充実はもちろんですが、最近、外国人の介護人材についても議論が活発となってきております。
 今後、外国人の受け入れも含めて、政府としての対応はいかがでいらっしゃいますか。質問させていただきます。

○石井政府参考人 お答え申し上げます。
 介護離職ゼロ、これは一億総活躍社会の実現のため大変重要な政策の柱でございまして、議員御指摘のように、介護施設の整備とあわせて、人材の確保、これは極めて重要でございます。
 このため、介護福祉士を目指す学生に、介護職に五年間の勤務で返済を免除する奨学金制度の拡充や、あるいは介護ロボットの活用促進、ICTを活用した生産性の向上の推進、さらには平成二十七年度介護報酬改定による処遇改善の着実な実施などの取り組みを進めるとともに、これらの施策の効果検証を行いながら、必要に応じて施策を充実改善し、着実な介護人材の確保につなげていきたいと思っております。
 委員が御指摘のとおり、まずはこうした介護人材の確保、あくまでも国内の人材確保、これをしっかり進めていく、充実強化が基本だというふうに考えているところでございます。
 他方、介護分野における外国人の人材の受け入れに関しましては、既に、経済連携協定に基づきまして、経済活動の連携強化を目的として外国人介護福祉士等の受け入れを実施しているところでございます。これは閣議決定ができておりまして、これに従いまして、そのさらなる活躍促進のための具体的な方策についてただいま現在検討を進めているところでございます。
 さらに、同じく閣議決定に沿って、専門的、技術的分野への外国人材の受け入れを目的としまして、日本の介護福祉士養成施設で学んで、かつ介護福祉士資格を取得された方の就労を認めるため、在留資格「介護」の創設などを内容とします出入国管理及び難民認定法の一部改正法案、これが国会に提出されているところでございます。
 これらはいずれも人材確保そのものを目的とするものではございませんが、ただ、介護を担っていただくこともこれは事実でございますので、まずはこのEPA介護福祉士等のさらなる活躍促進を図るとともに、あわせて、この法案の早期成立、これが重要と考えておりまして、その成立の暁には、この円滑な施行に向けて全力で取り組んでまいりたい、かように考えているところでございます。

○堀内(詔)分科員 ありがとうございます。
 私も、議員の一員として、法律の制定に向けて一生懸命努力してまいりたいと存じております。

(中略)

○武村分科員 (略)
 続きまして、次の質問に移らせていただきます。
 医療通訳者につきましてお尋ねをいたします。
 私の選挙区である滋賀県では、外国人集住地域におきまして、外国人が医療機関で診察を受ける場合に、医療通訳者がなくてはならない存在になっております。
 こうした医療通訳者につきまして、医療機関が募集を始めてから現場で業務に従事するまでに四、五カ月の時間を要します。また、従事した後のスキルアップのための教育の継続が必要となっておりまして、医療機関の大きな負担となっている現状です。
 そこで、例えば、公的機関による医療通訳士の認定制度をつくるとか、その後の継続的専門研修制度をつくる、そういったことも考えられますが、厚生労働省の御見解をお伺いいたします。

○神田政府参考人 先生御指摘の医療通訳についてでございますけれども、厚生労働省といたしましては、平成二十五年度の補正予算におきまして、医療通訳の育成カリキュラム、またそのテキストを作成、公表いたしまして、各種団体の研修で今使っていただいているというところであります。
 それから、平成二十六年度から、医療機関における医療通訳や外国人向け医療コーディネーターの配置について財政支援を行っているところであります。
 さらに、二十八年度におきましては、その対象に電話通訳の活用等に対する支援も盛り込むということで、現在予算案を提出させていただいているところでございます。
 御指摘の公的な仕組みについてということでございますけれども、現在、国立国際医療センターでございますとか日本医療教育財団、大阪大学等で既に医療通訳の養成が行われております。平成二十八年に、学識経験者ですとか医療関係者、実務者を交えまして、医療通訳の評価の基準のあり方について研究を行うことを現在検討しているところでございます。

○武村分科員 ありがとうございました。
 厚生労働省として、育成カリキュラムそしてまたテキストを作成する、そういったお取り組みをされているとのことでした。また、従事者の配置に対しまして財政支援をしていただいている、こうしたお答えでしたけれども、やはり、一定の水準、レベルを保つためには、私は、公的機関による資格制度というものは必要だというふうに思いますし、資格を取った後も、スキルアップ、そしてまた水準を保っていく、そうした取り組みをするためにも公的な資格制度というのは必要だというふうに思いますので、これからも御検討のほどをいただきたいと思います。
 続きまして、こうした通訳業務と医療保険制度の関係についてお伺いをいたします。
 医療通訳者が安定的に雇用され、その質を一定の水準に維持するためには、医療通訳士を正当に評価するような医療保険制度を構築する必要があるというふうに考えます。
 例えば、医療通訳者雇用を機能評価項目にする、あるいは、医療通訳士がかかわった外国人患者数を診療加算項目で評価する、さらには、医療通訳者を医師事務作業補助三として位置づけるといったことが考えられますけれども、厚生労働省として御見解をお伺いいたします。

○唐澤政府参考人 お答え申し上げます。
 先生からいろいろな御提案をいただきまして、ありがとうございます。
 今の現状でまず申し上げますと、この保険診療の範囲というものがやはり診断と治療ということになっておりますので、通訳の方の通訳料を診療報酬で払うというところまではなかなかいっていないのが実情でございます。
 ただ、御指摘のように、外国から訪れる方、これは観光客の方も含めて非常にふえてきておりますので、例えば、そういう方たちがぐあいが悪くなったときの訴え、お医者さんに説明とか訴えとかいうものをきちんと伝えられるのかということが課題になっていることはもう先生の御指摘のとおりであると考えております。
 現在の保険制度では、例えば、通訳の方をお願いして、それにコストがかかったという際には、実費徴収として病院が徴収できるという位置づけにはしてございますけれども、混合診療みたいな話とは違うので実費は徴収できるということにしておりますけれども、実際に徴収できるかどうかということはまた別の問題なんですね。
 こういうようなことが現在の状況でございますけれども、これから海外からの方もふえてくるというようなこともございますので、医療関係者だけではなくて、保険者も含めた議論というものが必要であろうと思いますので、これが必要な場合には、保険者も参加をしております中医協などでも議論をいただくようなことも含めて検討してまいりたいと考えております。

○武村分科員 ありがとうございました。
 保険者も含めて議論をしていただけるということで、今や必要不可欠となっている医療通訳者につきまして、雇用する医療機関側の経営、それからまた、今度は働かれている医療通訳者側のモチベーション、そして、今お答えいただきました保険者も含めて、幅広くやはり議論をしていただいて、現場の方々の声に改めて耳を傾けていただいて、安心できる医療システムの構築に努めていただきますようにお願いを申し上げます。

国会の議論から(平成28年2月23日衆議院財政金融委員会)

久しぶりに時間がありますから、国会会議録検索をやってみましょう。

平成28年2月23日衆議院財政金融委員会
民主・維新・無所属クラブの木内孝胤議員と麻生財務大臣のやりとり。そして、自由民主党の國場幸之助議員と広瀬直政府参考人内閣官房日本経済再生総合事務局次長)のやりとりから。

○木内(孝)委員 (中略)
 続きまして、次の質問に移りたいと思います。潜在成長率の推移と向上に向けてお伺いをしたいと思います。
 一枚物の資料を用意させていただいておるんですが、潜在成長率が一九八〇年代は四%とか五%であったところ、直近は〇・四、五、震災の影響で一にふえたりゼロだったりというような表がございます。
 午前中も玉木委員から潜在成長率の動きについての質問がありましたが、一つ、この潜在成長率を短期的に上げる即効性のあるものとして、もちろん、生産性を上げるというのは我々が目指すべき方向性で、それは今既にやろうという努力はしているというふうに思っています。
 一つ、これはいろいろ議論もあろうかと思いますし、当然反対意見もあるかもしれない政策だと思っていますので、私は麻生大臣の考え方を教えていただきたいんです。
 外国人労働者にもいろいろな形の職種もあろうかと思いますが、これを例えば年間三十万人程度受け入れること、期間を例えば五年間にすること。これは、移民と難民、外国人労働者、いろいろあるかもしれませんけれども、あくまでも、外国人労働者を期間限定で年間三十万人程度受け入れるということに関していかがお考えでしょうか。

○麻生国務大臣 難民、移民、今、多分ヨーロッパ最大の問題は金融じゃありません。間違いなく難民問題ですよ、現実問題として。そういったものが、現実として今我々は、ヨーロッパで遠いから見えていませんけれども、似たようなことがもしアジアで起きたら、大量な難民を日本に受け入れてくるときにどうするかということもきちんと考えておかないと、この話はうかつに、今の話で平和なときに考えるというようなのは、そういった意味では危機対応という経験が全くありませんから、難民は武装している可能性も覚悟しておかないかぬ。
 その武装難民に対してどうするかというふうなことも考えた上でこの種の話を進めないと、平和なときに平和なことしか知らない人たちが考えると危ないことになりかねぬというのを頭に入れた上で、私どもは、外国人などの受け入れにつきましては、これまでもいろいろな形で受け入れてきているのは事実でありますので、一定の海外の人材を受け入れてきているのは確かですので、ラグビーでいえば五郎丸ばかり有名になっていますけれども、実際問題、五郎丸以上に活躍した外国生まれの日本籍の人もいっぱいあの中にいらっしゃるというのが現実ですから、サッカーよりよほどラグビーの方がインターナショナルにやっている、私はあれを見てそう思いました。
 ぜひそういった意味で、必要な分野にきちんと着目した上で、モンゴル人しか勝たないから相撲がおもしろくないとかつまらないことを言わないで、活躍できる人が大いに活躍できるというのはいいことだ、私どもは基本的にはそう思っております。

○木内(孝)委員 私もヨーロッパに十年以上住んでいましたので、こうした移民政策とかに関しては物すごく慎重な立場でございます。一方で、私は、外国人労働者を受け入れる政策に関しては非常に積極的な立場です。
 今、移民政策と外国人労働者受け入れ政策といろいろと混同されがちでございますが、私は、ぜひそこの議論を整理して、外国人労働者、専門職であったりとかいろいろな職種というのは考えられますけれども、数千人とかそういうことではなくて、十万、二十万人単位での受け入れというのも、国力を考えた場合、シンガポールみたいに、三百五十万人シンガポール人がいて移民が百八十万人とかそういうことを私は申し上げているわけではございませんが、労働力人口が減る程度の外国人労働者の受け入れというのをぜひお願いしたい、そのように思っております。

(中略)

○國場委員 日本経済が名目三%、実質二%という経済成長実績を最後に達成したのは平成三年、今から約二十五年前です。ちなみに、次年度の税収は五十七・六兆円と、こちらもまた二十五年ぶりの高水準を達成しております。
 今回の成長目標を達成するためには、先ほど来議論にありますけれども、潜在成長率を高めることが必須であると思います。ちなみに、日本銀行の潜在成長率推計は今わずかに〇・二三%しかありません。内閣府は〇・四%と見積もっております。民需主導の成長戦略や、午前中の質疑にもありましたように、生産性の向上など課題は山積しておりますけれども、有効求人倍率や失業率など、雇用に関する統計は大幅に改善しております。
 それであるがゆえに、その一方で、地元を歩いて最も切実な訴えの一つとして聞こえてきますのが、求人しても人が集まらない、人手不足であるという声であります。
 今、お手元の方に、OECD諸国の高齢化率、若年年齢率のリストをお配りしておりますけれども、この中で、日本という国は顕著な人口構造になっておりますが、OECDの三十四カ国のうち、六十五歳以上の人口比率が二五%を超えている国は日本しかありません。その一方で、十五歳未満の人口比率が一二%台しかいない国というものも、日本とドイツしか今は存在しておりません。
 ドイツの方は、先ほど木内委員も質疑に立っておりましたけれども、人口約八千万人のうち、一二・八%から約二〇%は外国人や移民の出身で、その中でも、保護申請者の約五割は十八歳から三十四歳と、若い外国人を受け入れることにより人手不足に対応しております。ちなみに、日本の方は在留外国人が一・七%と、世界百九十五カ国のうち百五十一位と異様に低い実情でございます。私は、安易な移民や外国人の受け入れには慎重であるべきだと考えております。
 その上での質問ですが、労働力不足が日本経済の成長に与える影響と、今後どのように経済の担い手不足に対応し、潜在成長率の向上に資していくのかを示してください。

○広瀬政府参考人 お答え申し上げます。
 委員から御指摘ございました、人口減少社会のもとで持続的な成長を実現していく上で、供給面での制約、これを打破するためには、まさに企業や個人の潜在力を最大限発揮させるような生産性革命、これを実現することが非常に重要だというふうに思ってございます。
 こうした生産性の向上を図るためにまさに最大の鍵は、民間投資の拡大と活性化というふうに考えてございます。設備、技術、人材、そういった投資など、質と量を兼ね備えた前向きな投資の拡大を図りますとともに、イノベーションの創出によりまして付加価値の向上を図ることが重要だというふうに考えてございます。
 そうした観点から、成長戦略のもとで、企業の稼ぐ力を向上させるためのコーポレートガバナンスの強化、あるいは法人税改革、また、IoT、人工知能、ロボットといった先端融合分野での投資を促進する研究開発支援とか規制・制度改革、あるいは、人材面で申しますと、大学のイノベーション創出力を強化するための大学改革とか、あるいは、サイバーセキュリティー対策の徹底、IT利活用の推進、さらには、女性、高齢者、高度外国人、こうした人材の活用の促進とか、あるいは、生産性の向上に寄与する働き方改革、さらには、農業、医療、エネルギー、こういった分野での岩盤規制改革、こういった取り組みを進めているところでございます。
 今後、こうした成長戦略に盛り込まれました取り組み、これを着実に進めていきますとともに、成長戦略をさらに進化させまして、潜在成長率の向上を図っていきたいと考えております。

第5次出入国管理基本計画が策定されました。(アクセスカウンタ8544)

 本日(9月15日)、法務大臣によって「第5次出入国管理基本計画」が策定され、公表されました。
http://www.moj.go.jp/nyuukokukanri/kouhou/nyuukokukanri06_00065.html

 出入国管理基本計画は、「出入国管理及び難民認定法」第61条の10の規定に基づき、法務大臣が、出入国の公正な管理を図るため、定めるものとされており、
(1)本邦に入国し、在留する外国人の状況に関する事項
(2)外国人の入国及び在留の管理の指針となるべき事項
(3)前二号に掲げるもののほか、外国人の入国及び在留の管理に関する施策に関し必要な事項
について定めることとされています。また、定めた時には遅滞なく公表するものとされています。
出入国管理及び難民認定法
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S26/S26SE319.html

 法務省では、大体5年に1回、「出入国管理基本計画」を策定しており、前回の「第4次出入国管理基本計画」は平成22年3月に策定されています。
「過去の策定経緯及び過去の計画」
http://www.moj.go.jp/nyuukokukanri/kouhou/nyukan_nyukan40.html

 今回、「第4次出入国管理基本計画」の策定から5年が経つことを踏まえ、法務省は平成25年3月に「第6次出入国管理政策懇談会」を設置し、「外国人受入れ制度検討分科会」「難民認定制度に関する専門部会」を設置するなどして検討してきました。
 また、平成26年12月に「今後の出入国管理行政の在り方」という報告書をまとめています。
「第6次出入国管理政策懇談会」トップページ
http://www.moj.go.jp/nyuukokukanri/kouhou/nyukan_nyukan41.html
「第6次出入国管理政策懇談会」名簿
http://www.moj.go.jp/nyuukokukanri/kouhou/nyuukokukanri06_00026.html
「第6次出入国管理政策懇談会」開催状況
http://www.moj.go.jp/nyuukokukanri/kouhou/nyuukokukanri06_00028.html
「今後の出入国管理行政の在り方」概要
http://www.moj.go.jp/content/001130125.pdf
「今後の出入国管理行政の在り方」本文
http://www.moj.go.jp/content/001130126.pdf

 また、6月26日に案が公示され、7月25日までの間でパブリックコメントの募集が行われました。(今日9月15日に結果が公示されています。)
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=300130087&Mode=2

 これら基本情報を踏まえ、「第5次出入国管理基本計画」をざらっと読みました。
 まだきちんと読んだわけではないですが、感想めいたことを書こうと思います。

1.(第5次計画P6)まず、在留外国人数の推移について。
 第4次計画策定時のデータ(平成20年12月末現在の外国人登録者数)の段階では、外国人登録者数、総人口に占める割合ともに増加傾向が続いていました。一方、今計画には平成26年12月末現在の在留外国人数まで記されていますが、平成20年以降、在留外国人の数と総人口に占める割合はざっくりいえば横ばいです。
 ちょうどこの期間はリーマン・ショックの後の景気低迷期を含んでいるので、今後の展開としてこのグラフがどう変化していくのかは、わかりません。

2.(第5次計画P10)また、「留学」の在留資格による新規入国者数や在留外国人は大きく増えています。
 この表、第5次計画だけ見ると、ダウンしてアップしているグラフなのですが、第4次計画P7を見ると、ちょうど10年前、平成17年の外国人登録者数は129,568人、新規入国者数は23,384人となっていますから、10年間で新規入国者数は3倍以上、在留外国人数も10万人程度増えていることになります。
 また、国籍(出身地)別の色塗りが、第4次の場合、中国(台湾)、米国、韓国、中国、となっている一方、第5次の場合は韓国、ネパール、ベトナム、中国、となっており、幅広いアジアからたくさん集まってくる動きにあるといえるのではないかと思います。

3.(第5次計画P14)データ面で一番印象深いのは「永住者」の国籍(出身地)別在留外国人数の推移です。
 これは、平成26年12月末の数字で677,019人となっており、平成22年12月末の外国人登録者数(565,089人)と比べて約11万人の増となっていますが、第4次の表と比べると、平成16年、つまり10年前の数字は312,964人となっていますから、外国人登録制度がどれだけ実態を把握できていたか、という点はともかくとして、2倍以上に増加しています。
 永住者数は31.9%を占めている、と本文にも書いてあります。ほかの人も指摘されていることですが、おそらく、永住者の数は今後減少することはなく、「増加しつづける永住者」を意識しながら、日本社会への社会統合の在り方、この計画でいえば「外国人と共生する社会」をどう作っていくかを考えていく必要があると思います。
 希望としては、その辺をもう少し後半の「主要な課題と今後の方針」で強調してほしかったような気はします。

4.(第5次計画P22)「(ローマ数字3) 出入国管理行政の主要な課題と今後の方針」の項目立てとしては、「本計画においては、今後の出入国管理行政における取組の基本方針を次のとおり定めることとする。」と打ち出したのが目を引きます。第4次計画の時には、特に「基本方針」という書き方はしないまま、各課題と方針を書く、というスタイルでした。
 これはこれで基本方針をきちんと書いているではないか、と思っていましたが、外国人集住都市会議が「国に対して明確な『外国人の受入れに関する方針』を定める」(2012 いいだ宣言)などと主張していたことも勘案して、「ちゃんと書いているのにわからんのなら、ちゃんと「基本方針」と銘打って書いておこう」ということで、このような項目立て、記載ぶりにしたのかもしれません。これなら外国人集住都市会議も文句は言いますまい。
 同じことは「1 我が国経済社会に活力をもたらす外国人の円滑な受入れ」の(1)課題等のところで、
「『専門的・技術的分野の外国人については、我が国の経済社会の活性化に資することから積極的に受け入れる。』これが、外国人受入れに関する政府の現在の基本方針である。」
と書ききったことにも言えると思います。Factとして間違ってないからこれでいいんじゃないでしょうか。

5.(第5次計画P22)少し脱線しましたが、項目立ての話に戻ると、今回、「日系人の受入れ」についての項目立て、記載ぶりがなくなりました。あと、ワーキングホリデーについての記載がなくなりました。
 後者は、正直なところどれだけ活用されているのかわからんので、まあいいんじゃないでしょうか。前者の「日系人の受入れ」については、時代なのかなあ、とも思いますが、日本に在留する外国人は日系人ばかりではなくなった、ということの表れなのだと感じます。「身分又は地位に基づいて入国・在留する外国人」は減少傾向にあり、永住化が進んでいること、ほかにも外国人はたくさん在留しているから、あえて特出しして書くこともない、という判断なのでしょう。
 引き続き、日系人に対する就労支援、日本語修得支援などは行われることが望ましいですし、この計画から離れますが、海外の日系人との交流は積極的に行っていったほうがいいと思います。

6.(第5次計画P27〜28)「2 少子高齢化の進展を踏まえた外国人の受入れについての国民的議論の活性化」の項目については、実はそんなに大きく書き方が変わったところではありません。人口動態統計の引用とかは第4次計画でも行われています。「国民的コンセンサスを踏まえつつ行われなければならない」という表現も若干字句が変わってはいるものの、トーンは同じです。
 ここのポイントとしては、第4次計画ではざっくりと国民的議論を活性化する必要がありますよ、としていたのに対して、今後の外国人受入れの在り方について「本格的に」検討すべき時が来ている、としたこと、そして、専門的・技術的分野と評価できる分野については外国人の受入れを検討していく必要がある、としたことです。
 まあ、「積極的に参画していく」というのは他人事っぽいけれども、法務大臣の策定する計画だから、仕方ないのかなあ。しかし、ではどこがまとめるのか、という話になると、内閣官房内閣府のスリム化というテーマもあるので、結局は法務省がとりまとめになるような気がしています。

7.(第5次計画P31〜33)「4 在留管理制度の的確な運用等による外国人との共生社会実現への寄与」については、第4次計画と比べてかなり分量が増えました。永住者が増えている、専門的・技術的分野の外国人については積極的に受け入れる、としたことを考えれば、流れなのでしょう。
 第4次計画の段階では、まだ新たな在留管理制度の導入が行われる前だったので、「まずは新たな在留管理制度を導入して、把握をしっかりしましょう。」というフェーズだったのだけれども、今回、フェーズが上がっているのかもしれません。
 
 P31の「ただし」以下のパラグラフについては、ちょっと外国人集住都市会議とかに気を遣ったのかな、とか感じます。まずは地方公共団体の行政サービスの円滑な提供が不可欠ですよ、地方公共団体の共生社会のイメージが何かを踏まえて国としてどうするのか議論していくんですよ、という書き方になっているので。ここは「国としてのイメージってないのかしら?」とか思ってしまうなあ。
 P32に入って、出入国管理行政と外国人との共生社会に向けた施策を車の両輪、という話は山脇さんが多文化共生に置き換えて話しているけど、「多文化共生」というタームを使うかどうかは別として、これはそのとおりだと思います。
 ぼくは、「多文化」という言葉が非常に曖昧であること、たくさんの文化が並び立っているような印象を抱くことから、「多文化共生」という言葉は使わず、「社会統合」という言葉を好んで使いますが、状態をとらえるに当たっては「外国人との共生社会」という言葉でもいいと思います。

 総務省も「多文化共生」のタームじゃなくて、「外国人との共生社会に向けた施策」と用語を整理してしまった方がいいような気もします。
 が、正直なところ、総務省が、平成18年に出した「地域における多文化共生推進プランについて」
http://www.soumu.go.jp/kokusai/pdf/sonota_b6.pdf
という文書で、
「貴団体におかれては、地域の実情と特性を踏まえ、「地域における多文化共生推進プラン」及び平成18年3月7日に公表された「多文化共生の推進に関する研究会報告書」http://www.soumu.go.jp/s-news/2006/060307_2 .html)等を参考としつつ、多文化共生の推進に係る指針・計画を策定し、地域における多文化共生の推進を計画的かつ総合的に実施するようお願いします。」としているけれども、これは地方自治法第245条の4に基づく「技術的助言及び勧告」といえるのかどうか、個人的に疑問を持っています。

8.(第5次計画P32〜33)「イ 外国人との共生社会の実現に向けた取組」についても、分量が膨らんでいます。
 「受け入れた後の地域における『住民』としての視点からの検討も併せて行っていかなくてはならない。」というのはそのとおりで、「外国人の受入れによる問題の発生を受けて施策を講じるのではなく、そもそも外国人を受け入れる際に外国人と共生する施策を講じておくことが重要である。」というのもそのとおりだと思います。
 概して、外国人受入れの議論についても移民受入れの議論についても、「受け入れるかどうか」という議論に走りがちであると思います。「じゃあ、受け入れた後でどう社会統合のための施策、例えば日本語修得支援とかを行っていくのか。そして、産業界はどのように雇用主としての役割を果たしていくのか。」といった記載が薄いと日頃感じているので、たぶん、このままの流れだと、産業界が外国人受入れによる利益を先食いして、もし不況になった後の問題とかは行政任せにしてしまいそうな懸念を持ちます。
 そう考えると、「外国人の受入れによる問題の発生を受けて施策を講じるのではなく、そもそも外国人を受け入れる際に外国人と共生する施策を講じておくことが重要である。」という記載はその記載そのものが重要だと思います。
 と同時に、今も、外国人がいるわけだから、「(外国人受入れに関して検討する際には)今日本にいる人に対してどうするのか、についての検討、実施も重要である。」くらい書いてもらえば更に良かったけど、それはちょっとやりすぎなのかもしれません。

9.(第5次計画P42)「ウ 出入国管理に関するインテリジェンス機能の強化」については、全くそのとおりです。特に厚生労働省保有する外国人雇用状況届出情報と入国管理局保有の情報の突合、については、もしこういうことができるなら、官庁間の横の連携も図られるので、効率的な行政につながるのではないかと感じました。

 そんなところです。難民問題についてはほとんど知識を持っていませんので何も語れませんし、上で書いたことにも事実誤認等があるかもしれませんが、その辺は御容赦ください。
 なお、難民に関しては、法務省が「難民認定制度の運用の見直しの概要について」
http://www.moj.go.jp/nyuukokukanri/kouhou/nyuukokukanri03_00110.html
というプレスリリースを出しています。

 長くなりました。

国会の議論から(5月29日衆議院内閣委員会)

明日から3連休なので、久しぶりに国会会議録の検索をやってみましょう。
まずは5月29日の衆議院内閣委員会。
輿水恵一委員は公明党所属。

189-衆-内閣委員会-10号 平成27年05月29日

○輿水委員 どうもありがとうございました。突然で、どうも済みません。
 では、次の質問に移らせていただきます。多文化共生ということで聞かせていただきたいと思います。
 今、日本、約二十万人の定住外国人の方がいらっしゃる。そういった定住外国人の皆様が、ここで子供が生まれて、また新しい第二世が成長する、そういった一つ一つの段階において、安心してここで暮らせて、そして日本の社会を担う一員としての自覚を持ちながら成長していくことは非常に大事なことだ、また、そのことが日本の将来の安心と安全、さらなる成長にもつながってくるというふうに私は考えているわけでございます。
 この取り組み、まず、国として、どのような形でこの多文化共生に対しての取り組みを進められているのか、教えていただけますでしょうか。

○武川政府参考人 内閣府におきましては、平成二十年以降の厳しい経済状況のもとで生活困難な状況に置かれました日系人を初めとする定住外国人を支援するため、関係府省から成る日系定住外国人施策推進会議を開催し、累次にわたって対策を策定いたしております。
 昨年三月には、永住者として在留する者の割合の高まりなどの日系定住外国人に関する情勢の変化を踏まえ、「日系定住外国人施策の推進について」を取りまとめたところでございます。具体的には、日本語教室の実施、公立学校による受け入れ体制の整備、日本語コミュニケーション能力の向上等を目的とした就労準備、医療通訳が置かれた病院の整備等の施策を盛り込んだところでございます。
 内閣府におきましては、引き続き、関係省庁や自治体と連携しながら、日系定住外国人施策の推進に努めてまいりたいと考えております。

○輿水委員 どうもありがとうございます。
 内閣府として、こういった取り組みが進められている。しかし、今、日系の定住外国人ということで、地域には、日系でない外国人の方もたくさんいらっしゃると思います。それぞれ現場で対応されている。
 そういった取り組みの中におきまして、総務省として、地域での取り組みに対してどのような認識をお持ちなのか、お聞かせ願えますでしょうか。

○安田政府参考人 外国人住民が増加している現在、自治体にとりまして、外国人住民との多文化共生に取り組むことは重要な課題になってきているというふうに認識してございます。
 総務省におきましては、平成十八年に多文化共生プランを提示いたしまして、各自治体において、地域の実情に応じた多文化共生の計画や指針の作成を促してきたところでございます。このプランの提示から約十年が経過いたしまして、外国人住民の出生地が多様化し、また高齢者対策や就学、就労支援施策の比重の高まりなど、施策、課題の重点もシフトしてきていると認識しております。
 総務省といたしましては、時代に対応し、地域の課題解決に資する多文化共生施策を推進してまいりたいと考えております。

○輿水委員 どうもありがとうございます。
 今、内閣府の方では、日系定住外国人、そういった形でさまざまな取り組みを進められて、地域で現場に即した取り組みが進められている。日系定住外国人約二十万人ということで、約一割、それ以外の百八十万人、その皆さんがまだいる。それぞれの地域でいろいろな取り組みをされている。
 今後は、この全体観に立って、日系外国人の方も、また地域に住んでいる方も、総務省また内閣府とよく連携をとりながら、全体としてどういった形で、将来、外国定住者の方が、安心して、この日本の環境の中で、一人の、支える一員として大きく成長できるか、生活できるか、そういったこともぜひ考えていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
(以下略)

国会の議論から(5月20日衆議院文部科学委員会)

今日はこれで最後です。
5月20日の衆議院文部科学委員会
郡和子委員は民主党所属。

189-衆-文部科学委員会-10号 平成27年05月20日

○郡委員 ぜひ、財政審に対しての、理解を深めるようにお働きをいただきたいというふうに思います。
 次に、いわゆる夜間中学についてお尋ねをしたいと思います。
 財務副大臣、結構ですので、どうぞ御退席いただいて結構でございます。
 文科省は、去る四月三十日に、中学校夜間学級等に関する実態調査の結果を取りまとめて、公表されました。調査は、昨年の五月一日に、全都道府県と市町村の教育委員会を対象に実施されたものでございます。
 初めて詳細な全国実態調査が行われたこの背景には、公立と自主を問わず、夜間中学の運営に取り組んでいる教師や市民らでつくる全国夜間中学研究会のおよそ三十年にわたる地道な活動と、そして、当委員会での質疑や視察などの積み重ねがあったというふうに承知をいたします。
 二〇一二年八月二十四日のこの文部科学委員会で、当時の平野文科大臣が、未設置の道県への設置を前向きに検討するというふうに答弁され、翌年の十一月十九日にこの委員会の理事が、足立区の足立区立第四中学校夜間学級を視察いたしました。そして、その翌年の四月には、超党派の夜間中学等義務教育拡充議連が設立をされました。
 この調査が実施された昨年の五月二十一日のこの委員会で、笠委員の質問に答えて下村大臣は、「少なくとも各都道府県ごとに一つぐらいは設置することによって、学びたい方々にそのチャンス、可能性が提供できるような仕組みということをやはり考えていく必要があるというふうに思います」と表明をされまして、七月の教育再生実行会議の第五次提言で、義務教育未修了者の就学機会の確保に重要な役割を果たしている夜間中学について、「その設置を促進する。」と明記されたわけです。
 そして、今回の調査結果の取りまとめ公表後の今月十二日、下村大臣は記者会見で、外国籍の人が八割ということですが、グローバル化の進展によって、母国での義務教育が未修了の外国人等の入学者が増加してきた結果、現在のような在籍状況になってきたと考えております。そもそも小中学校段階の教育は、各個人の能力を伸ばしつつ、社会において自立的に生きる基礎を養うものであり、国際人権規約においても、全ての者にその機会を与えることが求められているところであります。文科省としては、国際人権規約等を踏まえれば、学齢を超過した外国人であっても母国での義務教育が未修了である場合には、できる限り同様の機会を確保していくことが必要であると考えており、夜間中学はそのために重要な役割を果たしていくものと認識しておりますとコメントをされました。
 そこで、きょうは、外国人の教育問題という観点から、夜間中学についてお尋ねをしたいと思います。
 昨年五月に実施されました中学校夜間学級等に関する実態調査の目的は、中学校夜間学級の設置ニーズ、設置に係る検討状況、詳細な実態等について調査を行って、今後の支援また設置促進に向けた施策の検討に資するためというふうにされているわけです。
 公立の中学校夜間学級、いわゆる夜間中学校の生徒の属性や入学理由から見ますと、きょうお配りした資料の一ですけれども、千八百四十九人のうち義務教育未修了者は三百四十四人、一八・六%で、外国人等が千五百五人、八一・四%です。
 また、自主夜間中学・識字講座等の参加者の構成を見ますと、資料の二ですが、七千四百二十二名のうち、義務教育未修了者と、不登校児童生徒と、不登校等により義務教育を十分に受けられなかった義務教育修了者、いわゆる形式卒業者と呼ばれる方々ですけれども、合計で六百九十三名、九・三%で、外国人が四千四百三十四名、五九・七%でありました。
 公立の中学校夜間学級の生徒の実に八割、自主夜間中学校等の参加者の六割が外国人であります。
 では、中学校夜間学級の潜在的なニーズとも言える外国籍の子供、すなわち本国の中学校あるいは九年の教育課程を修了しておらず、かつ日本の中学校の学齢を超えている外国籍の子供がいるということになるわけなんですが、そうした子供たちが日本に現在どれぐらいいるのか、把握しているのでしょうか。また、おおよそ、その子供たちの在留資格は何なのか、承知していらっしゃるでしょうか。

○小松政府参考人 お答えを申し上げます。
 先ほど委員から御紹介のありましたようなデータ等を今回集めたわけでございますけれども、お尋ねの、外国籍で、本国で中学校等、日本でいう義務教育を修了しておらず、かつ日本の中学校の学齢を超えている方々という形での調査をいたしておりませんので、その人数は私ども不明でございます。
 在留資格につきましても、国勢調査在留資格等については通常把握いたしますが、御指摘の部分につきましては調査項目に含まれておりませんので、把握ができておりません。
 なお、直近の国勢調査でございます平成二十二年の国勢調査では、未就学者が、これは外国人だけではございませんけれども、約十三万人おられます。この中で外国籍の方が七千九百四十八人でございます。それで、学齢超過というのは、もちろんお年寄りの方まで全て入るわけでございますが、例えば十代、十五歳から十九歳といったようなところで見ますと、二百十九人となっております。
 この方々が本国で中学校を修了しておられるかどうかは不明でございますけれども、おおむねそういった数字の中にお尋ねの方々が入ってくるかというふうに推測するところでございます。

○郡委員 外国人に対して税金を使うのかとか、公的な支援拡充に対して消極的な見方もあるんだろうというふうに思いますが、だからこそ、であればこそ、理解を得るためにも実態の把握が必要なのではないだろうかというふうに思うわけです。
 ところで、こうした子供たちは日本の公立中学校に通うことはできるのでしょうか。

○小松政府参考人 お答えいたします。
 日本の義務教育に当たる九年の教育課程を修了していない外国人児童生徒についてのお尋ねと受けとめましたけれども、そうした外国人児童生徒、お子さんにつきましては、学齢を超過している場合でも、希望に応じて就学することが可能となっております。保護者の方に対する就学義務は課されておりませんけれども、希望に応じて、就学することは可能な形となっております。
 都道府県教育委員会あるいは市町村教育委員会の判断によりまして、学校の収容能力や指導体制、あるいは施設設備等の状況を勘案して、公立の義務教育諸学校に受け入れが行われているという状況でございます。

○郡委員 文科省は、受け入れを柔軟に行うことができるように各地の教育委員会に対応を求めているわけですけれども、今御答弁があったように、市町村の判断に任せられているわけです。それで、前日述べました、子供たちが昼間の公立中学校に受け入れられていない、もしくは居住する自治体によって対応がばらばらになっているということを許しているんだと思います。
 学校の収容能力や、ほかの生徒への影響、本人の意欲や能力等について、あらかじめ確認、考慮することを勧めていますけれども、想定とは違って、実際は、学齢を超えているという理由で断られているということも聞いているところであります。
 こういった子供たちが、日本における義務教育を実際には受けられずに、高校に進学をしようとしても受験資格がないという問題が生じているというふうに認識をいたします。
 中学校夜間学級等に関する実態調査でも、外国籍の生徒の夜間学級への入学理由、これを見ていただきたいんですが、ごめんなさい、きょうは資料に付しておりませんでしたけれども、日本語会話が三一%、読み書き能力二八%、中学校教育修了一七%に次いで、中学校の学力を身につけたいが一〇%、高校に入学するためが九%となっておりました。
 公立学校への外国人の受け入れを促進するには、学齢主義に立たず、受け入れ学年や受け入れ時期について、外国人の出身国の教育制度を勘案しながら、当事者並びに保護者の意向を聞いて柔軟に対応することが必要ではなかろうかと思うところです。
 文科省は、平成十九年以降、公立学校における帰国・外国人児童生徒等の受け入れ体制、支援体制づくりを推進する委託事業を実施いたしまして、平成二十三年度から、補助事業として、公立学校における帰国・外国人児童生徒に対するきめ細かな支援事業に取り組み、昨年度からは、日本語指導を実施する特別の教育課程を開始されました。学齢を盾にした門前払いは、きめ細かな支援事業の獲得目標や、前提となる自治体の外国人生徒受け入れ体制とそごがあるんじゃないでしょうか。
 市町村の教育委員会及び公立学校の現場での対応のあり方について、学校の収容能力、その他の受け入れ体制の不備などの障壁を取り払う支援、これを充実しつつ是正していくべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。

○丹羽副大臣 お答えさせていただきます。
 義務教育未修了で学齢を超過している外国人児童生徒でも、希望に応じて就学するということは可能でございます。
 文部科学省といたしまして、義務教育未修了の外国人児童生徒の教育の機会の確保はとても大事なこと、重要なことだと考えております。就学を希望する場合には、義務教育を受ける機会を逸することがないように、周知を行っております。
 また、先ほど委員おっしゃられたように、外国籍の子供の受け入れの体制整備も、もちろんこれは非常に重要なことでございまして、教員定数の加配措置やサポートスタッフの配置、また、公立学校における帰国・外国人児童生徒に対するきめ細かな支援事業による自治体への補助等、支援を行わさせていただいております。
 今後とも、これらの施策の充実にしっかりと努めていきたいと考えております。

○郡委員 ぜひお願いをしたいと思います。
 外国において九年の教育課程を修了していない、学齢を超過した外国人の子供で、昼間の公立中学校の受け入れを断られた子供たちが日本の高校受験を希望する場合ですけれども、またあるいは、その準備のために学習言語としての日本語を習得しようとする場合どうすればいいのか。我が国にはどのような選択肢が用意されているんでしょうか。

○丹羽副大臣 お答えさせていただきます。
 夜間中学校等、現在約千五百人の外国籍生徒が学んでおり、このうち、主たる入学理由を高等学校に入学するためとしている方が外国籍生徒全体の約一割の百三十七名というふうになっております。日本語が話せるようになるためとしている方が約三割の四百六十二人というふうになっておりまして、卒業後の進路につきまして、平成二十五年度、外国籍の卒業者二百二十三人中九十四人の方が高校に進学しているなど、夜間中学が外国籍生徒の高校入学のための選択肢として一定の役割を果たしていることは明らかになっております。
 さらに、文部科学省としては、定住外国人の子供の就学促進事業、また、高校入学を目指した日本語学習等を支援する取り組みを民間団体に委託して行うというのも可能といたしておりまして、団体の支援を受けるという選択肢もあるというところでございます。

○郡委員 二百二十三人中九十四人が高校入学を果たしたということを御報告いただきましたけれども、日本における外国人学校を卒業するという手法もあるわけですね。
 ですが、実はこれも地域ごとにばらつきがございまして、必ずしも中等教育課程を修了したからといって日本の公立高校への受験資格が得られるわけではございません。
 また、中学校卒業程度認定試験がありますけれども、これは、日本に来て間もない外国の子供さんたちにとっては大変高い壁になっています。
 そこで、現実的な受け皿として重要になっているのが、先ほど副大臣もお話しになられましたけれども、夜間中学ではないかと私も思っているところです。
 報道発表されました中学校夜間学級等に関する実態調査の結果では、初めての調査ということで、過去に比べてこの数字がどういうふうに推移してきたのかということは比較することはできないわけですけれども、参考までに、日本語指導が必要な外国籍児童生徒数の傾向を見てみますと、二年前の調査と比べて二千百八十五人、八・一%増加して、学校数としては三百七十三校、六・五%増加しておりました。
 学齢を超過した義務教育未修了の日本に来て間もない外国人の子供たちにとって、夜間中学というのは非常に重要な位置づけになっているんじゃないかというふうに思います。
 外国人の子供たち、若者が高校に進学をして、そして、ちゃんと将来仕事について社会から排除されないようにしていくということ、これは、とても大切なこと、共生社会を確立していく上でも重要なことだというふうに私自身思っています。
 それでは、全国にそういった子供たちの受け皿となる夜間中学はどれぐらいあるかといいますと、御承知のように、偏在をしているわけですね。中学校夜間学級等に関する実態調査の結果、八都府県二十五市区において三十一校でございます。日本語の指導が必要な子供たちが散在している現実とはやはりかけ離れているように思われます。
 五月十九日、文科省の調査では、自主夜間中学・識字講座など、県別取り組み件数も明らかになっています。これも資料につけましたけれども、資料の三、夜間中学を設置していない市区町村が九九%。そして、資料の四というふうになるわけですけれども、夜間中学の設置の予定がない理由は何だというふうに思われますでしょうか。

○小松政府参考人 お答え申し上げます。
 今回行いました実態調査によりますと、これは千七百三十八の全ての市区町村を対象にしたものでございますが、二十五市区町村で夜間中学を設置しているということでございますので、御指摘のように一%ということになりますが、「国の動向を踏まえて検討したい」という回答をされたところが、市区町村にしまして四百二十、二四%ぐらいになります。それから、「現時点では検討の予定がない」と御回答された市区町村が千二百九十二市区町村、七四%という結果でございます。
 この検討の予定が現時点ではないと回答された市区町村に理由を尋ねましたところ、まず、九割ぐらいが要望・ニーズがないということでございましたが、施設・予算の調達が難しい、あるいは近隣の自治体に夜間学級が設置されている、識字教室その他の事業でニーズに応えているというような回答もあったところでございます。こうしたところが実情かと理解いたしております。

○郡委員 夜間学級を設置している市町村のおよそ七割に対して、県内のほかの市町村からの入学の可否の問い合わせというのが半年に一回以上あるようです。また、ほかの府県からも、およそ三割の市町村が問い合わせを受けているということで、財政その他の負担が生じる夜間学級の設置に自治体が慎重になるという側面もあるだろうし、また、ほかの県やほかの市町村に在住する子供や外国人の受け入れということについて、何といっても自治体住民の合意、それからまた納税者の理解というのが不可欠になってくると思います。
 外国人材の受け入れ、活用という国家戦略との関連などを含めて、夜間学級の必要性を丁寧に説明して、財政支援を初め、都道府県に一校設置に向けた国としての取り組みの姿勢を示し、都道府県の協力と市町村との連携をつくり出していくことが必要だと思いますけれども、いかがでしょうか。

○丹羽副大臣 お答えさせていただきます。
 今回行わさせていただきました実態調査の結果、夜間中学校に在籍する生徒の約八割が外国籍の方々でございまして、夜間中学校が外国人の方々に教育の機会を保障するための重要な役割を果たしていることが明らかになってまいりました。
 また、今後の夜間中学校においては、戦後の混乱の中で義務教育を修了しないまま学齢を超過した方々に加え、不登校等のためにほとんど学校に通えないまま中学校を卒業した方々や、昼間の学校に通うことができない不登校生徒に教育機会を提供していくという役割も期待されると考えております。少なくとも都道府県に一つは夜間中学校を設置する必要があるというふうにも考えております。
 このため、文部科学省におきましても、平成二十七年度の予算において、広報活動を強化するとともに、未設置の都道府県において、区域内の市町村にも参加してもらいながら、設置に向けた検討を行っていくための必要な経費を計上いたしております。
 国、都道府県、市町村が連携協力して、夜間学級の設置が促進されるような取り組みを加速させていきたいと思います。

○郡委員 他方で、自主夜間中学・識字講座の全国的な実態についても明らかになったわけです。自主夜間中学というのは、文科省によりますと、市民ボランティアなどの有志が中心となって、外国人や義務教育未修了者などに基礎教育などを施すことを目的とし、社会教育施設などで自主的に運営する組織でございます。自主夜間中学・識字講座などは、より多くの都道府県、市区町村で行われております。
 公立の夜間中学の設置数が最も多い大阪でも七十三件の自主夜間中学がございますし、東京都でも四十三件、奈良県で二十六件、神奈川で十八件。多くの市区町村の公立中学校に夜間学級が設置されていない三重県や長野県、徳島県、埼玉県、栃木県などでも、自主夜間中学が行われているということです。
 私たちの地域では夜間中学のニーズがないと多くの市区町村が答えているわけですけれども、必ずしもそうではないわけでして、日本人の形式卒業者を含め、掘り起こせばニーズはかなり大きくなるもの、そういうふうに思っています。国の方針として、公的支援策、そしてまた先駆的な取り組みを進めてきた団体などへの支援、また、今後の体制の拡充を図るべきだと考えますが、いかがでしょうか。

○丹羽副大臣 お答えさせていただきます。
 郡先生おっしゃるとおり、やはり夜間の学級とかボランティアによるそういった取り組みにおいては、これはまさに夜間中学校の設置に対する潜在的なニーズのあらわれというふうに考えております。
 予算事業も活用しながら、都道府県教育委員会や市町村教育委員会における設置に向けた検討を積極的に支援していきたいというふうに思っておりますし、自主夜間中学校に対する支援につきましては、実態調査の結果から、市町村によっては、施設の提供や教材の提供、指導者の派遣などの支援策が講じられていることも実態として明らかになっております。
 国といたしまして、こうした市町村におけるすぐれた取り組み事例を広く提供するとともに、目的や対象に応じて、定住外国人の子供の就学促進事業や、生活者としての外国人のための日本語教育事業など、外国人に対する日本語教育の充実につながる各種事業も活用しながら、必要な支援を行っていきたいと考えております。

○郡委員 私もぜひ応援をさせていただきたいというふうに思います。
 質問を終わります。

国会の議論から(7月3日衆議院経済産業委員会)

次は7月3日の衆議院経済産業委員会
近藤洋介委員は民主党所属。

189-衆-経済産業委員会-26号 平成27年07月03日

○近藤(洋)委員 私は、この点については確信犯でございまして、地元の自治体は、やはり稼ぐところがなくなればますます疲弊するだけですから、ここの部分は腹をくくってやれ、やった方がいい、こういう立場に立つものであります。
 さて、時間も限られてきたので、あえて申し上げると、ちょっと通告した部分をある程度はしょりますけれども、ただ、このペーパーは多少先のことも埋め込んでいるところがあるんですね。
 開廃業率のところで聞こうと思ったんですが、あえて聞かないでおこうと思います。ここも、要するに、開廃業率、非常に当初の数字から低いままです。ただ、大事なのは廃業しやすい環境をつくることだと私は思っているんですね。
 そういう中で、これの百四十ページ、中小企業の稼ぐ力の確立に向けた金融機能の強化というところに、「信用保証制度の在り方について本年中に検討を進め、あるべき方向性を示し、その後必要な措置を講ずる。」とぴょろっと書いているんですね。
 私は経産省中小企業庁がどんな思いでこれを入れたかはわかりませんが、恐らく、この信用保証制度、成長戦略にこれを入れているということは、各省の合い議の中で入れているんでしょうから、ぜひ信用保証制度をきちんと見直しをして、企業が適正に退出しやすい環境づくりの上でも信用保証制度を見直すというところに踏み出してもらいたい。そういう決意を持ってやっていただくと革命的なことが起こり得るんだろうという期待を持ちたい、これは指摘だけにしたい、こう思います。
 もう一点、小泉政務官にお越しいただいているので、高度人材の話を伺いたいと思います。
 高度人材。このペーパーによると、二〇一七年までに五千人の高度人材認定を目指すとありますけれども、我々民主党政権時代に取り組んできたときには、この程度の人数じゃなかったと思っているんです、認識として。
 世界じゅうから高度な人材を入れて、まさに生産性を上げる、日本の稼ぐ力を強化するため、もっと多くの高度人材を入れるためにポイント制の導入に踏み込んだわけでありますけれども、なぜこの程度の、この五千人という根拠は一体何にあるのか、政務官、お答えいただけますか。この程度にとどまった理由をお答えいただきたい。

○小泉大臣政務官 近藤先生から、この程度という、目標に対して低いという御認識での御質問が今ありましたけれども、九百九十五というのが、今回の再興戦略でも、まずそこが数字としてありますけれども、足元でいうと三千人を超えたと聞いております。そして、二年後の二〇一七年に五千人を達成するために、関係省庁が連絡、連携をとって頑張っていこうと。
 ただ、五千人をどう見るかというのは、先生からすると低いと思われるかもしれませんが、民主党政権時代は三桁の数字です。それから比べれば、今二千七百ぐらいというのが二月の数字ですけれども、この五千というのは、私は必ずしも低いとは言えないのではないのかなと。
 関係省庁が連絡、連携をしっかりとって、しっかりとその目標を達成して、なぜ高度人材が外国からも必要なのかといえば、日本の経済成長のために、多様性、そして新たな活力、こういったものを日本の経済の成長に生かしていこう、そういった考えですので、先生御指摘の五千人が低いのであれば、もちろんそれが最後の目標ではありませんから、そういった目標を達成し、さらに日本の活力につなげていけるように頑張っていこう、そういうふうに思っております。

○近藤(洋)委員 時間が来たので、最後の質問にします。
 小泉政務官、我々のときは、ほとんど鎖国をしている自民党政権を引き継いで、これは何とかしなきゃいかぬというので法務省なり厚労省を徹底的に説得して、そしてポイント制度をつくったんです。その経緯をちゃんと勉強していただきたいと思うんですね。その結果、ある程度ふえてきた。ただ、もっとふやさなきゃいかぬのですよ、革命的に起こすのであれば。いいですか。
 そして、まだまだこのポイント制でいろいろ問題があるんです。細かいことはいろいろ言いませんけれども、厚労省は、この制度をつくるために何か社会保障制度が壊れるとか、めちゃくちゃな理屈を言って抵抗してきたんです。ですから、もっともっとふやそうと思えばふえるはずなんです。
 その上で、五千人程度の高度人材じゃまだまだ足りないと思います。違った意味で、違う制度も含めて外国人の活用というのが必要かと思いますが、経産大臣、最後にそのことを伺って私の質問を終わりたいと思います。

○宮沢国務大臣 まさにこれから人口が減っていく、労働人口がさらに減るという状況の中で、外国人の方の労働力、それはいろいろな現場での労働力という意味もありますし、おっしゃるような高度人材といった意味もあって、大変大事なことだと思っております。
 ただ、五千人が高過ぎるか低過ぎるかは別にしましても、なかなか日本がまだ魅力的でないといったところが恐らくあることも事実でありまして、私も五月にインドに行ってまいりましたけれども、インド工科大学というところに行きまして、IT関係のまさに最先端の学生を集めていただきましてリクルートをしてきたというのが最初にやったことでありまして、そういう努力の積み重ねが今後必要になってくると思っております。