もっと真剣にしなアカン!
「もっと真剣にしなアカン!!」
重い天板がのっかった半円形のテーブルを動かしていた私の姿を見て、父が言った言葉です。
このテーブルはキャスターがついていません。重い上、じゅうたんの上にあるので男性が引きずっても一人で移動させることができません。合板製でやたらと重く、半円形の天板なので、バランスも悪い。食卓テーブル(4人用)程度の大きさのものが4台もあって、それを動かす必要があります。
私が一人で動かせるようにと、父が「キャスター付きのブーツ」を作ってくれました。
テーブルの脚に履かせて移動を助ける、キャスター付きブーツです。4本ある脚のうち、2本にブーツを履かせて、テーブルの一辺を持ち上げて移動させます。
完成したブーツを実際に使って、私がテーブルを移動させる様子を父が観察します。
どの脚にブーツを履かせたらいいか
自分の頭で考えなさい。
そんなトコ持って(ブーツを)履かせたら
テーブルが落ちた時、指はさんでケガするやろ!
そんな簡単なこともわからんか?
どの辺のどのあたりを持ち上げたら
楽に動かせる?
おサルさんの方が、アンタより賢いで。
もっと真剣にしなあかん!
腰がスカスカやないか!
カッコばっかりで、ちっとも気合が入ってへん…
自分の手元だけやなくて
もっと全体を見て動く!
本人は真面目に、テーブルと格闘しているのですが…。
でも、よく自分を観察してみると確かに父の言うとおりです。
アンタが自分の頭で考えて
自分の身体でコツをつかまえんとしゃあないしなあ。
この4つのテーブルを、あと10回ほど動かしたら
もうちょっとマシになるやろ。
これまでも何度か父に言われてきた「もっと真剣にする!」という言葉。
テーブルに悪戦苦闘しながら、久しぶりに聞いて、父が私のどこを指して「真剣さがない・足りない」と言っていたのか初めて少し分かったように思います。
足りないのはStay in the moment.という姿勢(頭と身体の態勢)のようです。
これから先、どれだけのことを気づき、理解し、行動できるのでしょう?
人生80年では足りないかもしれません。
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