Genmai雑記帳

・・・人にやさしく

最高裁:会社の破産と役員の委任終了(再)

昨日upの通達に引用されていましたので、g-note(Genmai雑記帳)を再掲します。

平成20(受)951 株主総会等決議不存在確認請求事件
平成21年04月17日 最二小 判決
裁判要旨の要旨

〜会社の取締役〜の解任又は選任を内容とする株主総会決議不存在確認の訴えの係属中に〜会社が破産〜決定を受けても〜訴えの利益は当然には消滅しない。

裁判所 | 裁判例情報:検索結果詳細画面・・・・判決原文
(抽出加工あり)

原審

〜(会社が)破産〜決定を受け,破産管財人選任〜,〜総会決議で選任されたとする取締役らは〜委任〜が当然終了〜地位を喪失し、〜解任されたとする取締役ら〜も〜勝訴したとしても,破産〜時点で委任〜が当然終了した〜と扱われるので,〜地位に復活する余地はない〜決議等不存在確認の〜訴えの利益がない。

最高裁

民法653条は,委任者が破産〜決定を受けたことを委任の終了事由と〜するが,これは,破産〜により委任者が自らすることができなくなった財産の管理又は処分〜は,受任者もまたこれをすることができないため,〜通常の委任は目的を達し得ず終了することによる〜。

〜破産財団〜の管理処分権限は破産管財人に帰属するが,役員の選任又は解任のような〜無関係な会社組織に係る行為等は〜管財人の権限に属するものではなく,破産者たる会社が自ら行うことができるというべき〜。

〜破産〜決定がされても直ちには会社と取締役〜との委任関係は終了するものではない〜,〜破産手続開始によりその地位を当然には失わず,会社組織に係る行為等については取締役らとしての権限を行使し得ると解する〜(〜平成12年(受)第56号同16年6月10日〜)。

〜訴えの利益は当然には消滅しない〜

民法

(委任の終了事由)
第六百五十三条  委任は、次に掲げる事由によって終了する。
一  委任者又は受任者の死亡
二  委任者又は受任者が破産手続開始の決定を受けたこと。
三  受任者が後見開始の審判を受けたこと。