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2017-03-23

[][]ハルタ 2017-FEBRUARY volume 41(その1) 00:00 ハルタ 2017-FEBRUARY volume 41(その1)を含むブックマーク ハルタ 2017-FEBRUARY volume 41(その1)のブックマークコメント

※先月号です。





●渡邉紗代『B/W』/新連載。

九井諒子ダンジョン飯』/センシの内面はなんだ、親か。帰還に入ったものの、このままダンジョン内にて以前と変わらぬ文法で話進むのかな、と思ってたら、食事で気分高揚、ムードも一新、論理的希望も見出だし、成長展開まで始まってこの回は幕。やっぱり飯で切り開く物語なんだ!/登場モンスターはドライアド(ドリアード)、キスが受粉の女性型。食べる実に顔ついてるのは、表情といい吉田戦車っぽい。乱獲とめるのは畑ゴーレム育てるセンシらしいし、折れたマルシルの杖(育成設定)とも対比、とこういう演出もらさず入れるのが世界構築の力量。ブラックマジックジョークとは。

●大上明久利『Pre-Spring』/読み切り。まだカット集という印象だが、作者的にはあえてそうしてるようにも見えるし、うーん。

樫木祐人ハクメイとミコチ』/徒弟制度世界だと思っていたが、美容学校、そういうのもあるのか(そも学校って概念が)。同期生という距離感。

入江亜季『北北西に曇と往け』/かわいい純朴な弟と思いきや、なのか?前回といい、本作は闇を描くことへの挑戦かね。

●設楽清人『忍ぶな!チヨちゃん』/新連載。くのいち高校生の片想い。一発ネタに見えるが、続くのか。

●戒島実里『今日のちょ〜か!』/連載化。

●緒方波子『モテ考』/執事喫茶。あー、うん、イメージプレイは慣れと協力だよ。

宇島葉『世界八番目の不思議』/結局今回が最終回でなぜかそれは日常劇というしまらなさだが、悪いのは編集部側。路上に落ちてる手袋はダンプの給油栓カバーだって、昔E-Loginの投稿欄で言われてた。

八十八良『不死の猟犬』/はえてる。柱アオリは「相打つ」じゃなく「相まみえる」だろ。

●黒川裕美『ミカ、さいごの日』/読み切り。しゃっくり100回で死ぬって俗説、直接聞いた経験ないんだよな。呼吸を限界まで遅くくり返せば止まるよ。

近藤聡乃『A子さんの恋人』/今回は話の展開的にも技巧的にも大きな山場で、感想もやおら長文になったので、下の別記事に。

山本ルンルンサーカスの娘オルガ』/憧憬。この少年と主人公では、外と内、そして上と下であることは理解も自覚もしていて、なお、だからこそ“夢”を描くしかないという。それでも最後に同じ動作を真似てみる、身体性として自らをだぶらせる無謀さ・子供らしさの切なさ。内面は通じてるんだよな。床の木目好き。

長崎ライチふうらい姉妹』/なんと、本編最終回。新しい職を得て。えらく濃いというか大仰な絵面から最後はポエミーに。次号エピローグ。

●福田星良『キンギョのおすし』/読み切り。オノマトペの工夫がちょっとおもしろい。

中村哲也ネコと鴎の王冠』/麦芽工場見学。いかにも業界モノたる、行程を解説する内容であるが、ディティール出しつつ図示はさらっと、ほのぼのしたキャラ立てもこなす、とこの辺はやはり巧い。巨大機械というガジェットをコマにおさめつつ見映えさせつつ、絵的オノマトペ的に誤りなく。自転車、猫、食事、商談、ショタ萌え(しっ)という生身に話としては焦点あわせ尺費やし。

●冨明仁『ストラヴァガンツァ〜異彩の姫〜』/これで決着か。犠牲考えると結局悲劇であるな。

●長蔵ヒロコ『ルドルフ・ターキー』/市長が戦車でやって来る。

●二宮香乃『豆腐小僧一代記』/読み切り。同名妖怪が前提、のはずだがこのビジュアル化は異様過ぎるだろ。

西公平『ゲス、騎乗前』/何この羞恥プレイ。目的は果たしたけど、実るのはだいぶ先だなあ。

●原鮎美『織子とナッツン』/最終回。記念日と贈り物。次号スピンオフ掲載。

●犬童千絵『碧いホルスの瞳』/やっちまったか。あくまで他者計画への便乗として完遂、子は成し、現国王の義母の地位も手に入れ、と首尾は上々だな。



  • 次号よりサワミソノ新連載。それ自体は楽しみなのだが、この予告カットは…。編集側から誌面にあわせてこういう絵柄にするよう指示した、とかなら嫌だなあ。


だってさあ。現状のハルタはもう“絵柄”ばかりで、話の展開についてはキャラか設定に還元するのみがせいぜいな作品、ゴロゴロしてるじゃないですか。画面構成力としては視線誘導どころか、緩急の見せ方すらろくに上達しない、文法としても作家性としてもそれが読み取れない。高田築も夏本満も空木哲生も梶谷志乃も高江洲弥も天乃タカ長野香子も丸山薫福島聡も、自分の絵が世界を生むことに、物語る側としてめいっぱい自覚的でしたよ。作品という被造物は虚偽は自身が触れなければゼロであり、だからそれを見せることの意義を価値を知っていた。俺はそういう作家性として読んでいたし、だからそれをおもしろがり愛してましたよ。それに金と時間を費やしたくて、俺はハルタを買ってたんです、が。

[][]ハルタ 2017-FEBRUARY volume 41(その2) 00:01 ハルタ 2017-FEBRUARY volume 41(その2)を含むブックマーク ハルタ 2017-FEBRUARY volume 41(その2)のブックマークコメント



●マンガには、コマの外・枠を黒で塗りつぶす手法が、“過去・回想内”の場面を表現する技術としてある。また、作中で流れる時間とは別のエピソードを、丸角のコマで挿入する手法もあり、これも往々にして過去や回想内の場面を表現する。





●さて。本作にてA太郎は、前話からA子の手伝いとして漫画の「ベタ塗り」を“昔同様に”手伝っている。またA太郎とA子は元恋人同士として、接することで互いに“記憶・回想”としての心理描写を呼び起こされている。

●それらの多くは本作においても、黒ベタに囲まれた丸角コマ内で描かれるる。同時にそれらは二人にとって、ふり返り直視するにはつらさを伴う過去・心の傷=“闇(黒)”でもある。作中人物のおこなっている黒ベタ塗りという作業が、作中で描かれる事象の内実とも、その表現方法ともリンクしているのだ。

●また本作においては、それを描写するコマの置き方も独特である。“記憶・回想”コマの黒ベタ囲みはページの一部のみがそれにあたる場合、大抵の作品では、その黒塗りと通常の白枠との境目に描線やトーンによるグラデーション処理がなされる。話として、コマ(過去)とコマ(現在)を地続きに並べるわけである。

●しかし本作では今回、回想コマを囲む黒ベタは現状コマの枠(白)とはっきり分かたれている。それは縁取りされた絵、異層として見るものであり、同時に断絶を、あくまで一過性の瞬間的な挿入を意識させる。

●その上で、そこに描かれるのは現状と相似としてある過去で、物語としてはリフレインになる。同時に元恋人のA子とA太郎の関係は、内面的にはあの時から変わらない、引きずってしまっている、という継続。はなから関係の終わりを直視できない二人の姿があらためて、伏線の集積として描かれる。それを自覚する二人の描き方として、“ずれ”とそれが故の“重なり”(≠流れ)を意識させる「ベタ塗り」の効果が、今回見事なのだ。





●前号感想で触れたが、A太郎がA子を手伝い始める前回では“夜の雨”が背景にある。中に白線を含む黒ベタ(室内では白い空間に棒線)が、瞬間人物のコマを闇として侵食する。その後、A子が思い出すA君・今の彼氏の言葉は、丸角コマ(黒ベタに囲まれていない)の中に描かれ、エピソードとして存在する。絵も内実も白い。その分、現状が黒くのしかかり、黒地に白線という雨の表現が室内に現れ、前回は終わる。

●そこから続く今回。1ページ目・扉絵は白枠の中の黒ベタ、その中にコマ(過去)。めくって2ページ目は、ほぼページ全体黒ベタ枠(過去)の中、最後のコマ(現在)の周囲のみ白。(※以下、ページ数は本誌ノドのノンブル参照。偶数は右、奇数は左ページ。)

●3ページ目(現在)では、1コマ目の室内、背景でカケアミに棒線(雨)。2コマ目、背景の窓の外で黒ベタに白棒線。この描写は扉絵から3ページ目にかけての、過去から現在、黒から白へのグラデーションとも読める。ここでA子とA太郎の対面しての会話。

●4ページ目上段では、右端と左端のコマで二人の顔が逆向き・互いに外向きに配置され、浮かれるA子とのズレからA太郎の内面描写に入る。モノローグの続く中での、黒ベタ&カケアミに白棒線という背景の現在コマと、角丸コマ内で黒ベタ背景の過去コマの並びが、次ページからの過去シーンの導入にもなる。「振ってもくれない」はダブルミーニングか、なるほど。

●5ページ目は全体が角丸コマに黒ベタ枠の過去シーンで、これが次ページまで続く。ここではA太郎の回想の始まりにさらっと描かれる、駅でのA太郎とA子のシーンであるが、この回全体を通して読むと重要な場面となる。貼り付いたようなA太郎の笑顔と背景一面のカケアミ。

●そこからくり返される、A太郎の内面「……」。次の6ページ目中でA太郎のモノローグが始まるが、ここでコマ内のベタがカケアミに変わる。画面が白っぽくなる。浄化、と言うと妙だが、A太郎の中でのA子の位置づけはここで変わったように取れる。

●7ページ目に入ってもA太郎のモノローグは続くが、過去=黒ベタ枠は初めの2コマのみ。3コマ目、現在のA子の姿に、「A子ちゃん」という過去のA太郎の呼びかけが吹き出しとして重なる。フォントが絵として機能する、漫画という媒体のおもしろさよ。A太郎側からのこの呼称は、その時点が初めてだったわけである。

●このページでは以降、背景カケアミ、丸角コマの中の黒いA子の像、背景黒ベタ、と続くA太郎モノローグ。次の8ページ目からは現在の二人のやりとりが、フラッシュバック的に背景黒ベタの丸角コマ挿入されつつも続く。A子のモノローグ内の背景カケアミはA太郎より薄く、自己言及もより自覚的である。





●12ページ目、朝焼けの中A子もA太郎も白い(キャラのベタがカケアミに)。会話の中、14ページ目でA子が問いかけをはっきり意識する、同時に過去を垣間見るコマがある。そこではコマ内が黒ベタで塗りつぶされ、A太郎の像は過去の物で白く、A子の像はカケアミ混じりとしてある。位置どりもまたリフレインという状況。

●15ページ目、こちらも数話またいで続いているU子(の彼氏)のすれ違いコメディ。電話呼び出し音を表すオノマトペの「ピーピ……」の点のもたらす余韻と、吹き出し中の「……」のリンク。ページめくると「パタ……」(※倒れ込む)もあるが。このパートは純粋に情報伝達の、口に出す言葉に起因する(おもしろい)作劇なわけである。A太郎とA子の過去と向き合う内面の言葉とは異なり。

●A太郎とA子の会話。相手を理解している側の方が、より諦観に近いのだろうか。

●20ページ目。仕事も片付き、ここから風景描写が入るようになる。もとより風景の細かさとデフォルメきいたキャラクター造形が絵の魅力としてある作品だが、今回はずっと室内での対面状態(“過去”としてのモノローグすらその中にある)から、ようやく外の様子が入ることによる開放感も混じる。漫画家仕事のストレス状態が活写されてるしな!





●そして23ページ目から始まる最後の山場、序盤でA太郎のモノローグとして出た過去が、同じ状況としてくり返されるシーン。異なる駅なので当然背景が別物(阿佐ヶ谷日暮里)なのだが、その風景の描写力あってこそ、只中で変われない人物達の姿が印象的な場面となっている。絵で言うと、前回雨降ってた中いつの間にか部屋に現れたA太郎が、今回帰る際にちゃんと傘を持っているわけで、こういう細かさがいい。

●リフレインとしての見せ方であるが、25ページ目、黒い枠の中の丸角コマで過去が現れる。A太郎の視界、ではなく、あくまでA太郎の背中側からの風景(日暮里駅看板も図示)。ページ全体の構成で言うと、左ページの全三段コマ構成の中、二段目左のコマ内の現在の状況に重なる映像として、三段目に並ぶ3コマの内2コマ目、黒枠丸角コマ内に過去の状況が描かれる。三段目右コマはA太郎の顔、左コマはふり返るA子の顔で、それにはさまれた(過去の)共通体験、共に思い出した状況として現れるわけである。

●めくって次の26ページ目。全三段コマ構成の内、黒枠丸角の上段横長コマは、A子の背中側からの風景として、過去の状況。前ページの“過去”の数秒後。中段横長コマは現在の状況、同じく前ページの現状の数秒後。流れ的にはページをまたいで、現状→A太郎→過去(A太郎側からの景色)→A子→過去(A子側からの景色)→現状、となる。この分節と読ませ方が、視点の変更と描写ふくめて上手い。

●さらに、縦に並んだこのページのラスト2コマ。A子・A太郎それぞれの様子の描かれたコマは、A子のモノローグではあるが、実質ナレーション(白字)の浮かぶ黒ベタ四角(なんて呼べばいいんですかね、これ)でつながれる。この四角は下方向にページ端まで伸びる。

●次の27ページ目は大ゴマ。現在と過去のA子とA太郎それぞれの姿が並び、コマの中心に黒ベタ四角・白字のナレーションが続く。白と黒、絵の描き分けで見せてきた過去と現在が、ここにおいてフォントとそれが浮かぶ枠の色として重なる。セリフの示す内容としても、「繰り返しだ。」と述べられるそれは、ここに至って共通理解の内語としてあるのだ。

●絵的には、現在と過去で異なる駅なので背景は白、しかし共通モチーフとして改札口ははっきり(二人を分かつ物として)描かれてるのがおもしろい。モブは駅によって量が異なるので、うっすらと描かれている。

●最終ページは惑うA子とA太郎の様子で幕。いやー、すごい回だった。本当、近藤聡乃の描くマンガ表現は、白黒2色で成るこの絵物語は、すばらしい。

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2017-03-22

我ながら『実は私は』終わったら、ここまで気が抜けるとは思わなんだ。

[][]週刊少年チャンピオン2017年13号 23:38 週刊少年チャンピオン2017年13号を含むブックマーク 週刊少年チャンピオン2017年13号のブックマークコメント

※2月23日発売号。



●古川一・白土悠介『虚ろう君と』/新連載。人には見えないバディで超能力バトル。ああ、女性ウケしそう。

板垣恵介刃牙道』/話どこに向かってるんだって感じだが、アニメ版『バキ』の脚本チェックしてたら当時のノリまたやりたくなった、とかなのかな。本部の「守護る」は、語り部がその“グローバル”を否定してこそだと思うけど。

渡辺航弱虫ペダル』/なんか出だしのモノローグがカイジの電流鉄骨渡りっぽい。似てるっちゃ似てる作家性かもしれないが。

●中村勇志『六道悪女たち』/ああ、お腐れ様ウケしそう。

●大江しんいちろう『英雄!シーザーさん』/出張掲載。ああ、腐女子ウケしそう。

浜岡賢次毎度!浦安鉄筋家族』/背景が繋がってて震える(寒さで)。

佐藤タカヒロ『鮫島、最後の十五日』/王虎にもトンパチの血は残ってるのだな。双方いい悪人面。

福地カミオ『猫神じゃらし!』/猫の生活格差とは。猫目線(のアングル)からの構成もよいね。

●板垣巴留『BEASTARS』/環境に左右される本能というのも、ある種猫神と通じるかもしれんが。そして超越者(っぽい)パンダマン登場。

●盆ノ木至『吸血鬼すぐ死ぬ』/ああ女性ウケはい。

●掛丸翔『少年ラケット』/常在戦場なればこそ、ここできばらにゃあ。

石黒正数木曜日のフルット』/おねだり(眼力)。



  • 表3広告が弱ペダ舞台、表4広告がシャドウバース

[][]週刊少年チャンピオン2017年14号 23:39 週刊少年チャンピオン2017年14号を含むブックマーク 週刊少年チャンピオン2017年14号のブックマークコメント

※3月2日発売号。



西修『魔入りました!入間くん』/新連載。お人好し少年が異世界学校へ。はい、女性ウケしそう。

板垣恵介刃牙道』/一喝。しかしなぜここで、ざわ…(福本伸行ナール体)。まあ私の中では、福本も板垣も“90年代のリアル”に属するおはなしの描き手であるのだが。

渡辺航弱虫ペダル』/その安定・信頼が、昨年のエピソードに求められるのもどうかって話なんだけど。

浜岡賢次毎度!浦安鉄筋家族』/バック・トゥ・ザ・フューチャーネタ。名画・名作ネタの世代隔差とか今後どうなっていくんだろうか。そして日常劇としての構成の割に、なんだこの衝撃のオチは。

●中村勇志『六道悪女たち』/そちらの向きには二度おいしい、はい。

●盆ノ木至『吸血鬼すぐ死ぬ』/サテツさんは作品の良心。

●瀬口忍『囚人リク』/ここでか。裏切った側も戻れないからな、しかし。

●古川一・白土悠介『虚ろう君と』/え、女なのコイツ。

佐藤タカヒロ『鮫島、最後の十五日』/壇上と盤外と。ドラマであるなあ。

●板垣巴留『BEASTARS』/罪を意識するからこそ、という話ではあるか。そこで欲に走りきってしまったら、どういう結末迎えるのだろう。

●吉野宗助『ゴッドハンドガール』/読み切り。オチ(?)は衝撃だった、うん。

福地カミオ『猫神じゃらし!』/ひなまつり回。文字の学習はちゃんと続いている模様。背の高さ異なる三人の部屋移動と共に展開する内容を、いかにスムーズに見映えよく楽しませるか、とこの構成力が好きです、はい。

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2017-02-23

[][]コミックビーム2017年3月号 22:15 コミックビーム2017年3月号を含むブックマーク コミックビーム2017年3月号のブックマークコメント

●conix『青高チア部はかわいくない!』/新連載。チアガールの漫画ってエロしか知らない、はさておき女子高校生コメディ。部活コミュニティ代替わりによる方針転換、と硬軟どちらにも針振れそうではある。欲求に忠実な主人公と、囲む仲間達の温度も一様ではないのか。

●伊図透『銃座のウルナ』/扉絵の道具諸々が今では遺品で像で。主人公の追悼とは、それらと共にあった戦果へ授章される、それを離れて帰郷する前の今、ある私物を身に着けることで。主人公の靴にまつわる彼女の思い出も別にいいものではなく、むしろ向けられたのは敵意に近いが、しかしそれに燃える彼女の姿こそが鮮烈だったと。この心理と関係の内圧。女性服だからこそ着用できた、という話でもある。

おおひなたごう目玉焼きの黄身 いつつぶす?』/ビール。間の問題は、親父が人前でだけタバコ吸う人間だったのでわかる。

羽生生純『恋と問』/羽生生作品に勘違いした作り手は色々出てきたものの、この手の(おそらく)口だけタイプは珍しいか。

松田洋子『大人スキップ』/主人公設定ふまえた上だと、この悪意はきつい。くろけーは大人だね。底まで落ちたらあとは上がるだけ、なんて言い方もあるが、ここでは幼児性が故というのがまた。それでも救いなのか。

三宅乱丈イムリ』/言語・文化の違いによる不和である。空のイムリ、地のイコルという光景も一コマながら図としてなぁ。それらもまた能力・武器の生み出したもので、というテーマになるのだが。デュルク、イマク、ニコ、それぞれの転換点において、この危機は。主人公補正など通用しない作品だからな…。

●うすね正俊『砂ぼうず』/決着自体はサクッとつくのがよい。ミュータント設定は小砂にも関わるのかね。

ジュール・ヴェルヌ、倉薗紀彦『地底旅行』/不屈が故に絶望も、新たな興奮も大きく。

カネコアツシ『デスコ』/いかにもコミックらしい設定の新キャラ。作者は完全デジタル作画に移行したそうですが、その辺りの意識も影響してるのかな、などと。

横山旬『あらいぐマンといっしょ』/ロードムービーの構成要素にドライさは抜きがたくあるわけだが、また強烈な。

三家本礼『血まみれスケバンチェーンソー』/最終回を前にしての盛り上がりが悪ノリレベルの無茶苦茶さで、だがそれがいい!それでこそよの。

●H.P.ラヴクラフト田辺剛『狂気の山脈にて』/断ち切りゴマは使わずに、枠に囲まれた見開きで(こそ?)この遠景の凄み。

須藤真澄『どこか遠くの話をしよう』/ここまで通じ合いを描いてきての、衝撃の展開。どこか遠く、か。

上野顕太郎『夜は千の眼を持つ』/担当ゼミ学生達との合作作品。オーソドックスな昔話パロディは確かに基本としてよいのかも。

山田参助あれよ星屑』/失っても戻っても。前回は山村で今回は海辺、と土着のイメージとしてわかるキャラ造形なんだよな。6月まで休載とのこと。

山川直人『小さな喫茶店』/前回は人生の記憶が語られた店にて、今回は聞き手にとっての。これを“嘘”と呼んでしまうのは味気ないよな。語る側の想いは、前回と通底した内実。

朝倉世界一『おれは たーさん』/最終回。魂で救うってことか、いや。ラストシーンまでの流れが、今までの道程と未来を感じさせてくれる。お疲れ様でした。



  • 次回のニコ生マンガ実況は、ゲストにみなもと太郎!夜千で1ページ寄稿してたんだよな。
  • コマンタレビーマーは二十年越しに同じ人物ネタ。
  • 編集総長コラムは伊図透について。一時期、女性作家かと思ってた。
  • 次号、おくやまゆかシリーズ新連載。
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2017-02-16

[][]週刊少年チャンピオン2017年12号 22:45 週刊少年チャンピオン2017年12号を含むブックマーク 週刊少年チャンピオン2017年12号のブックマークコメント

渡辺航弱虫ペダル』/連載9周年巻頭カラー。解説役も諦観もモブの本懐って感じだが、いやまあ。

浜岡賢次毎度!浦安鉄筋家族』/勇子のキバは実私へのはなむけだったりする?

板垣恵介刃牙道』/勇次郎は落雷、ドイル電気椅子で無事だったのに、今さらスタンガンごとき出されても(基準がおかしい)。

●中村勇志『六道悪女たち』/予想外の展開。実私路線追ってると言えなくもない。

福地カミオ『猫神じゃらし!』/身体能力はあるんだ。体操服という人間文化に触れてこそ、という話かも。

荒達哉ハリガネサービス』/その公開は全国の無回転サーバーの解禁を意味する!…とはならないか。一人くらい他にもいるんじゃない?

佐藤タカヒロ『鮫島、最後の十五日』/柔道からの転身は、チャンピオンにも相撲マンガにも先人いるからね。現目標は王虎と。闘海丸の分析モノローグは強者感あってよい。

●板垣巴留『BEASTARS』/裏市から来た男、てまたハードな。この闇を見た上でふり返ると、雌鳥レゴムの挿話も異なる意味合い生まれてくる。作品冒頭で起きた殺獣?にも踏み込んでいくのかな。リア獣、自動改札、ネット通販、鳥類の飛行、と文化描写も色々。

●瀬口忍『囚人リク』/いよいよ殺意を向けられるか。さて。

●盆ノ木至『吸血鬼すぐ死ぬ』/先週の人妻(お母さん)の旦那(お父さん)。作品に似合わず(失礼)いい人だ、エンジェル伝説。前回と今回で吸血鬼と人間の結ばれた幸せ一家、とこれも実私ラストに合わせた感ある。

小沢としお『Gメン』/瞳にトーンが。あ、ツレって仲間ってことね。暴力のインフレはなあ。

●掛丸翔『少年ラケット』/試合前の一悶着も、この生真面目な先生がゆえ、か。

増田英二実は私は』/最終回。別れとちょっぴり先をのぞかせて、すっきりと幕。ああ、いい「おはなし」だった、おもしろかった。ありがとうございました、お疲れ様でした!

●鈴木竜太『にんにんっ』/集中連載最終回。ギャグ密度は悪くないと思うが、投げっぱなし感漂うのがどうも。

石黒正数木曜日のフルット』/SF…なのか?

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2017-02-10

[][]週刊少年チャンピオン2017年11号 22:21 週刊少年チャンピオン2017年11号を含むブックマーク 週刊少年チャンピオン2017年11号のブックマークコメント



●中村勇志『六道の悪女たち』/カラー見開きで得物持ってるのが女性陣だけという。冒頭は日常コメディ、こわい。乱奈は因縁設定あるから展開的に関わらせなかったのか。

渡辺航弱虫ペダル』/小鞠的には疲弊しきった筋肉もありなんだろうか。今年は呉南も乗せられている側ではあるのだが。

●盆ノ木至『吸血鬼すぐ死ぬ』/縦セタ人妻回(おい)。まあ可愛らしいけど、少年読者向けじゃねえよな。

板垣恵介刃牙道』/水切ってますよアイツ!て、とんちじゃないんだからさ。

福地カミオ『猫神じゃらし!』/友チョコ。考えたら(性的存在としての)男はいないんだよな、この世界。平和な空間、かわいいオチ。場面転換の間の見せ方がいい。

浦田カズヒロ『JIMBA』/新連載。異色競馬マンガ、はまあいいけど、シチュエーションギャグなのか、競馬ものとして見せたい物語あるのか、まだちょっとわからん。

浜岡賢次毎度!浦安鉄筋家族』/女子にプロレス技って、一応時事ネタなんだろうか。そこからバレンタインネタで、あらあらちょっとラブコメっぽい雰囲気からの、バイオレンスオチという子供空間。ハルク・ホーガンの名前出てくるのも20年以上小学生やってるからでの。

荒達哉ハリガネサービス』/ついに全国進出、とこれだけチート押しのあげく言われても。双子のカウンセリングは再戦時に持ち越しかな。

安部真弘『あつまれ!ふしぎ研究部』/新キャラ・女教師。「この人超天然だ!」て、逆にこの作品世界のどこかには、知性や理性が存在するんですかね(真顔)。

●陸井栄史(監修・サイプレス上野)『サウスとラップ〜自由形〜』/新キャラ・黒ギャル。キャラクターの関係性は前作とほぼ変わらんな。

佐藤タカヒロ『鮫島、最後の十五日』/握れば拳、開けば掌。嫌いの中には好きがあるって、プリパラでも言ってた!

水島新司ドカベン ドリームトーナメント編』/最終戦はいきなり裏をかいてのブラフから。作者の気合いは感じる。

●板垣巴留『BEASTARS』/この辺の話は、今や移民問題の方を重ねて読んじゃう面はある。ダークサイドも担保された世界か。じつわたにおける学園もの空間とはまた異相である。

●瀬口忍『囚人リク』/腹に物入れるのは大事ですよ。

小沢としお『Gメン』/こっちの不良マンガも(未登場)ヒロインの因縁どうこうって話か。

●掛丸翔『少年ラケット』/奥の手は使いどころが重要。

増田英二実は私は』/校長!校長!!!悲劇のエピソードとしてあった未来編(パラレル)も過去編も、ハッピーエンドに組み込まれたか。作者も過去にインタビューで、校長出してから作品が変わった、という発言はしていたが、つまり今回に集約されるテーマも、作者自身描きながら見出だした内実だと思われる。だからこその熱と切実さ、それを語る意志にあてられた、いち読者として惚れた、その姿勢に信を置いて読んできて本当よかった、と第1話からこれまで連載で追ってきた身として、すごく感じます。次回最終回。

石黒正数木曜日のフルット』/見てるものが違う、ホラーだな。柱の「登場するたび、ネットがざわつきます(笑)」はうぜえよ、一人で読ませろよ。

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