Hatena::ブログ(Diary)

博物士

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Saturday, 2004/01/31

camara digital  camara digitalを含むブックマーク

 そこそこ良いデジタルカメラが欲しいと思う今日この頃。昨日の写真のように、食卓の上にあるものを撮ろうとすると苦労する。Exilim-M1はマクロ撮影に弱いというのが、如実に現れてくる。別売りの接写レンズも取り付けているのに…… 携帯性は抜群なのだけれど、光学ズームが無いというのも難点。スペインのフナック(Fnac)でも Exilim-Z4 が売られていたので手に取ってみたのだけれど、操作ボタンの配置がしっくりこない。

 ニコンCoolpix 3700 が手招きしているような気がしてならない(笑)

http://www.nikon-image.com/jpn/products/camera/digital/coolpix/3700/


 履歴:

  1. Kodak DC3800
    • いかにもコダックな絵作りが気に入っていたけれど、動作が緩慢で
  2. NHJ Che-ez! moni-me
    • 安物買いの銭失い
  3. Sony Cybershot DSC-P72
    • 気軽に持ち歩ける重量ではなかったので、留学が決まった時に手放す
  4. Casio Exilim-M1
    • とにかく小さいものをということで

yamazakurayamazakura 2004/01/31 02:36 Kodak DC3800は元気に働いております。今度のワンフェスに同行予定w

genesisgenesis 2004/01/31 02:46 かわいがってやってくださいませ m(_ _)m

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Friday, 2004/01/30

レモンカード

Lemon Curd  Lemon Curdを含むブックマーク

 最近の朝食は、トーストにレモンカード。出典は、山田南平紅茶王子』第7巻です。かなり前から気になっていたのですが、ロンドン旅行の際、ガトウィック空港のハロッズで買い求めてきました。1便£2.15(530円)。レモンを練り混んだカスタードクリームといった感じ。ジャムとは違い、酸味が爽快。

http://www.iris-gardening.com/ryouri/ryouri16.html

http://www.franco-japonais.com/tomato/sucre/lemon_curd.php

http://www.agri.pref.kanagawa.jp/nosoken/nousankako/Lemoncard/Lemoncard-001.htm

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Thursday, 2004/01/29

grabacion  grabacionを含むブックマーク

 外国に暮らしていていても、日本のテレビ番組を見たいなぁということがあります。先日、スペイン関係のMLで紹介されたのが、「録画ネット」という企業。

http://www.6ga.net/

 仕組みはと言うと、録画機能を持つパソコンを1人1台購入し保管してもらう。保有者は、番組のデータをインターネット経由で取り寄せることになります。なるほど、これなら著作権の問題には引っかからない。良く考えたものです。

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Wednesday, 2004/01/28

nueva companera  nueva companeraを含むブックマーク

 新しい同居人が来ました。どうも3日前から住んでいたようなのですが…… ようやく今日になって挨拶に出てきました。めいめいの生活時間帯も勤務場所も違うため、数日誰にも会わないというのは珍しくないのです。しかし、家中の明かりがつけっぱなしになっていたりして、すでに大変な迷惑を被ってます(``;

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Tuesday, 2004/01/27

pan tostado  pan tostadoを含むブックマーク

 先日、バレンシア在住の人と会話していたところ、私の言葉遣いで意味の通じないところがあると言われました。

 「かくしょく、って何?」

 角食と言えば、小麦にイーストを混ぜて焼き上げ、薄く正方形に切り取ったもののことに決まっているじゃないですか、と説明したら

 「それは、食パンでしょ?」

と反論された。うわ、「角食」って北海道特有の語句なん?(^^;

 北海道方言は、関西や博多のそれと異なり、際立った特徴が少ない。それだけに、話者当人は標準日本語だと思っているようなものが多いのです。3年前、オーストリア人に「あなたのアクセント、ちょっとおかしいです」と指摘された時にはどうしようかと思った。椅子のことを北海道では「い\す」と、イを強く発音するのですよ。

http://www.sh.rim.or.jp/~akarin/dialect/ (北海道方言辞書)

http://www.geocities.co.jp/NeverLand/4090/rex2000_032.htm

yamazakurayamazakura 2004/01/31 02:34 北海道の人は語尾が「〜しょ」ってイメージがあるwあと「〜でないかい?」とか。

yamazakurayamazakura 2004/01/31 02:35 あと「中華まんじゅう」もこっちと違うモノでしたな。方言は大事にしましょう。埼玉では消滅してしまったのでつまらんですw

genesisgenesis 2004/01/31 02:48 「〜っしょ」は北海道方言ですが、「〜でしょ?」は id:genesis の属性かもしれません(笑

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Monday, 2004/01/26

[] 菜の花の沖 (3)  菜の花の沖 (3)を含むブックマーク

 司馬遼太郎菜の花の沖』第3巻(ISBN:4167105543)、読了。

 高田屋嘉兵衛は、最大級の輸送船「辰悦丸」を建造し、蝦夷地(北海道)へと上陸する。そこで目にしたものは、松前藩の目に余る振る舞いであった。アイヌ民族は虐げられ、搾取の対象となり、人としての扱いを受けていなかった。その頃、ヲロシャの赤蝦夷(ロシア人)が勢力圏を拡大しつつあることが有識者によって認識されるに至る。1799年、江戸幕府は北方警備とアイヌ民族の保護を目的として、東蝦夷地*1 の直営に乗り出す。

【書評】

 話が北海道に及ぶと、あまり面白くない。興味を掻き立てられないというべきか。だって、小学校の社会科で学んだ郷土史が脳裏をよぎるんだもん(^^; 出身地の話だと、どんなに素晴らしい描写をされても、実物を容易に思い浮かべられるために「そうかな?」と思ってしまう。例えば、次の一節

――なぜ、蝦夷地が好きなのだろう。

と、嘉兵衛は自問したことがある。がすぐにその自問の愚かさに気づいた。憧れには、理由づけられる根や葉がなく、なければこそ、この奇妙な精神現象があるのではないか。

(強いていえば)

と嘉兵衛は考えたことがある。

極北だからではないか。(343頁)

 言わんとするところ、分からないでもありません。NOCCHI大槍葦人)さんが作画を手がけた作品に『北へ。』という北海道もの(?)があります。決して、南へ行こうとはしないのです。まぁ、人類がアフリカの大地溝帯で発生して地球全域に生息域を広げていったということからすると、北へ向かうのは性(さが)なのかもしれませんけれど。だったら、スペインというはるか西の果てへと来てしまった私は?(^^;

 興味をそそられるのは、作中でたびたび登場する工藤平助『赤蝦夷風説考』(163-170頁)。この書が時の老中・田沼意次を動かしたのだという。当時、ロシアという存在が、どの程度認識されていたのかを読みとることが出来て面白い。

*1:太平洋側の意。箱館(函館)から厚岸あたりまで。

Sunday, 2004/01/25

[][] maid (2)  maid (2)を含むブックマーク

 昨晩、夕食の準備中に不備に気がついたので追補。スパゲティー(≠ミートせんべい)を調理していたのが、深層心理に作用したらしい。

 「メイド」と「メイドさん」の相違に関して、一例を挙げて考察してみよう。LeafTo Heart”に登場するHMX-12マルチである。彼女は『メイドロボ』であり、「メイド」としての機能がを有している。「わたしにご奉仕させてください」*1という発言などは、まさにメイドものの定石である。しかしながら、マルチを指して「メイドさん」と呼ぶ例が少ないことは指摘しておくべきである。というのも、幾つかの点に於いて「メイドさん」に必要な要素を欠いているからである。

 まず(1)服装である。彼女が着用しているのはエプロンドレスではなく、通常の制服。終幕(随所でメイドロボが活躍していることを説明する場面)ではエプロンを着用しているものの(v65.lf2)、ヴィクトリア様式のものではない。つまり、歴史的・装飾的に「メイドの時代」を参照していないのである。

 続いて(2)社会的関係。主人公(場合によってはプレイヤー)との関わり方である。作中、マルチが主人公を「ご主人様」と呼ぶのは最終夜に入り、主人公宅で恩返しをしている時(および購入後)のこと。それ以前の学校を舞台とした場面では、「〔任意〕さん」と呼んでいる。物語の冒頭から従属する立場であったわけではなく、転換点ではマルチの自発的意志が介在している。つまり、使用者に対する被用者という「メイドの社会的地位」を踏襲していない *2

 これを『殻の中の小鳥』『雛鳥の囀』についてみるに、キャラクター達は様々な事情を抱えているが故にメイドとなることを選択しており、そこには意志が介在している(ここでは、その是非についてまで立ち入ることはしない)。むしろ、本来の「メイド」像に近い。萌え要素たる「メイドさん」を考察するうえでは、シナリオ性との関わりで幾つかの階層に区分することが必要だろう。何故ならば背後にあるシナリオの強弱は、物語冒頭からメイドさんとして登場する『月姫』の翡翠、メイド喫茶で働く店員、衣服だけを記号としてメイドさんから借用したデ・ジ・キャラットとで、それぞれ異なるからである。

 さて、マルチの考察に戻る。先に示した2点は、作者(高橋龍也氏)が「メイドさん」に含まれてしかるべきキャラ萌え要素を意図的に排除したうえで、元来の「メイド」が持つ機能のみを抽出し、それを現代的(未来的)にロボットへ与えてみたことを示している。すなわちマルチとは、「メイドさん」をパロディ化することで登場した存在なのである *3。そのため、マルチを指して「メイドさん」と呼べば違和感を生ずる。

 さらに、“To Heart”の物語世界において、もし人間であるキャラクターが「ご主人様」なり「ご奉仕」などの用語を口にすれば、はなはだ奇異なものとして写るだろう *4。構築された世界が、それを許さないのである。では、知性を持つに至ったロボットに隷属を求めることが許されるのか――というのは大変に興味深い話題であるが、これはマルチシナリオが提起した深遠な問題であって、筆者は未だ解答を出すに至っていない。

*1:マルチEdの最終分岐後、内部番号0620。

*2:作中、量産化されたメイドロボの価格は「自動車2台分ぐらいの価格」となっている。市販化されたマルチは低価格が人気を呼んだとあるので、さらに経済的負担が小さい。即ち、購入する側についても社会的地位を必要としていない。これが人間1人を住み込みで雇うとなると、専用の居室を用意したうえで賃金を支払わなくてはならず、自動車2〜4台分くらいの資金が年ごとに必要となる。

*3http://www.tinami.com/x/interview/04/ の第11節を参照

*4:セバスチャンは別にしていただきたい。

cider_kondocider_kondo 2004/02/03 13:31 始めまして。「メイドさん」の変更前の項目の大半を書いてた者です。あそこの内容は最初に書いてあった文章を中途半端に引きずってたんで、ああいう形でまとめてもらった方がよかったと思います。(コメントアウト部分とかもそこらあたりの関係で存在してました)

genesisgenesis 2004/02/03 23:17 はじめまして。たまたま見かけたところ id:cider_kondo さんによる既存の文章に刺激を受けまして、執筆意欲がわいてきました(笑) お互い、気付いたことを書き足していきましょう。

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Saturday, 2004/01/24

[][] maid (1)  maid (1)を含むブックマーク

 半ば、昨日の続き。既に登録されていたキーワードに「メイドさん」というのがあったのですが、気になるところを手直しして書き加えているうちに、ぜんぜん原文とは別物になってしまいました。冒頭の2文しか、名残をとどめていません(汗) それがWikiというものだから、いいよね?

 このあと別な人が書き換えて行くと思うので、ここに id:genesis 版を保存しておきます。

メイドさん

 maid

 辞書では「メード」と表記されていることが多い。この訳としては「侍女」「女中」「家政婦」等があるが、これらの訳語が用いられた文脈の中に、萌えの要素を見いだすことは困難である。単に「メイド」と称するならば、市原悦子が演じる『家政婦は見た』の家政婦(日本の近現代)ないし『トムとジェリー』に足だけ登場する黒人おばさん(20世紀初頭の米国)までも広く含めることが可能である。

 オタク文化に於いては、萌えの対象となる場合を区別して「メイドさん」と称する用法が一般的。これを作為的に用いている例として、中山文十郎ぢたま某まほろまてぃっく』が挙げられる。「メイドさん」とする場合に、「眼鏡っ娘」「猫耳」等と同様に萌え要素の1つとしての意味合いが濃厚となる。

 その起源をたどると、PC-98x1シリーズ向けに発売されたゲーム「殻の中の小鳥」(BLACK PACKAGE、1996年)によって「メイドさん物」という分野が確立し、続作『雛鳥の囀』(Studio B-ROOM、1997年)によって発展に至ったとするのが通説である。

 「メイドさん」を表す記号としては、エプロンドレスが服装として用いられるが、これは19世紀末の英国・ヴィクトリア様式に依拠するものである。というのも、そもそものメイドという存在が、産業革命の進展*1 に伴って生じた中産階級の存在と密接不可分であり、当時の社会的・経済的階級の存在を背景として成立しているためである。この点については後掲『震空館』に詳しい。エプロンドレスといえば、ルイス・キャロルが著しテニエルが挿絵を描いた『不思議の国のアリス』で有名。この作品は1865年に英国で出版されており、まさにヴィクトリア女王が七つの海に君臨していた時代(1837年-1901年)の産物である。また、名探偵シャーロック・ホームズがベーカー街に住んでいたのも1881年から1904年にかけて(コナン・ドイル卿が彼の物語を著わしたのは、1887年から1927年にかけて)であるから、この時代を知る上で格好の資料である。

 かかる萌え要素の登場は大いに反響を呼び、ゲームの他にもアニメや漫画へと瞬く間に波及。コスプレ等においても高度の人気を持つに至った。2003年には、メイド喫茶の乱立を招くまで加熱する。また、斎藤環がその著書『戦闘美少女の精神分析』に於いて「ファリック・ガールズ」と名付けた方向への分化も起こる。この例としては、前傾『まほろまてぃっく』や、柴田昌弘『サライ』が挙げられる。

▼ 関連資料

震空館(メイドさん社会史学ゼミ)

http://homepage3.nifty.com/shinkukan/

The Rabbit Hall(チャールズ=ラトウィッジ=ドジスン研究)

http://www.hp-alice.com/

追記:

http://d.hatena.ne.jp/genesis/20040125

*1:英国では、ワットが蒸気機関を改良したことがきっかけとなり、1790年頃から工業化が著しく進んだ。

CAXCAX 2004/01/25 10:30 こんにちは。
genesisさんの流儀だと、行頭に1文字スペースを入れるようですが、パーソナルの日記はそれでも別に構わないと思いますが、共有のキーワードにはわざわざ入れない方が良いと思います。hatenaのスタイルシートだと、pタグが1文字分インデントされているので、さらに行頭に1文字スペースを入れると、2文字分インデントされるので、あまり見栄えが良くないような・・・。
ちなみに「YU-NO」のキーワードを修正したときに、ちょっと気になったので・・・(笑)。

genesisgenesis 2004/01/26 22:25 id:CAXさん、こんにちは。keyword/editで、しばしばお名前を拝見しております(笑) ご指摘の件ですが、段落の最初に1文字の空白を入れるのは、私の流儀というわけではではなく、日本語の作法のはずなのですが(少なくとも作文や小論文指導の教本では、そのようになっています)。CSSで text-inden:1em を設定することにより見かけ上の代用は可能ですが、ここで使用しているテーマ(thin)では設定されていませんし、何よりコピー&ペーストでベタテキストに変換して流用することができなくなります。私の文法は、出版用の規則に従っているので、これを崩すわけにはいきません。

genesisgenesis 2004/01/26 22:31 ただこれを、「キーワード用のスタイルシートの場合」に限ってのものとすれば、もっともなお話です。どうも有り難うございました。

Friday, 2004/01/23

アリスソフトアーカイブズ

[] archivos de Alicesoft  archivos de Alicesoftを含むブックマーク

 アリスソフトが、一部の旧作につき自由な配布を認めるという発表を行いました。それを受け、「アリスソフト アーカイブズ」が該当作の頒布を行っています。

http://retropc.net/alice/

 私がギャルゲーに手を染めるきっかけになった『闘神都市』を取り寄せてみたのですが…… 歳月は、思い出を美化させるものなのですね(^^;) 当時としては最も巧みな技法で描かれていたのですが、PC-9801VM仕様 *1 の限界に達するまでは未だ数年の時間があります。

http://www.eonet.ne.jp/~building-pc/index.htm

 このアリスソフトの試みは、英断として称えられるべきものでしょう。

 Windowsというプラットフォームの誕生は、プログラムの操作に伴う煩雑さを減らし、コンピューターの利用にかかる障害を低くするという貢献を果たしました。たしかに、PC-98x1等で動いていたプログラムはエミュレーターという技法を用いれば今日なお利用可能ですが、誰もが容易に扱えるものではありません。こうした技術的な困難さに加え、中古市場から調達しなければならないという問題もあります。それでも欲しがるのは、よほどの好事家でしょう。書籍であれば適切な対価を支払うことにより複製を入手することも可能ですが、ゲームに関してはそのような機構が用意されていません。

 歴史的ソフトウェアは、決して価値を失った代物というわけではありません。具体的に話を進めると、このほど自由頒布が承認されたものの中に「ランス」シリーズが含まれています。『Rance2 ―反逆の少女達―』や『Rance3 ―リーザス陥落―』は、「シナリオ性がある」ことが評価された作品。「シナリオ主導」に至る前史として、参照するに値します。周知のように、東浩紀id:hazuma)氏の著作活動によってギャルゲー評論というものが成立しうることが総論として提起されました。今はその命題の是非を各論研究として検討すべき時期ですが、歴史を持ち知名度も高いアリスソフトはまさに格好の素材といえます。

 そーいえば、『CAL』で名を馳せたバーディソフトはどうしているんだろう? と思って調べたら、興味深い文章を見かけました。『雛鳥の囀』で知られる“Studio B-ROOM”に系譜が連なるとは、寡聞にして知りませんでした。

http://haruna.on.arena.ne.jp/laboratory/history1.html

*1:オプション装着時で、4096色中16色

Thursday, 2004/01/22

San Vicente Martir  San Vicente Martirを含むブックマーク

 守護聖人サン・ビセンテの祝日。

 紹介が遅くなりましたが、ロンドンから戻ってくると新しい同居人が来ていました。アドリアナという薬学の研究者。“Soy Romana.”と自己紹介していたので、最初はローマの出身かと思ったのですが、すぐに続けてトランシルバニアと付け加えていたので、ルーマニアですね。

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Wednesday, 2004/01/21

marca comercial  marca comercialを含むブックマーク

 特許庁にお勤めの方に教えてもらった話なのですが、『萌える商標』が出願されているのだとか。同庁の電子図書館を検索したら、結構な数が見つかりました。

http://www2.ipdl.jpo.go.jp/BE0/index.html

  1. 商標出願2003-73153号「萌える」(区分:印刷物)
  2. 商標出願2003-80115号「萌える」(区分:印刷物)
  3. 商標出願2003-80370号「萌えるシリーズ」(区分:印刷物)
  4. 登録3064304号「萌える大地」(区分:旅行)
  5. 登録4310910号「萌え〜る」(区分:人工土壌)
  6. 登録4595342号「萌っ娘」(区分:プログラム)

 もしやと思って、特許/実用新案の方も見てみたのですが

「萌え」に関する技術が 2件 見つかりました。

―― !!!

 見たところ期待していたものとは違っていて、がっかりしたような、ホッとしたような。

Tuesday, 2004/01/20

Wnn  Wnnを含むブックマーク

 私が手がけているものに「強化辞書」三部作があります。

  1. 岡野史佳用語の強化辞書』*1
  2. わかつきめぐみ用語の強化辞書』*2
  3. 天原ふおん用語の強化辞書』*3

今回は、その第2作目について。昨夏、製作発表をとあるMLで行ったのですが、最近1通の返信がありました。私の「協力者が得られていないので、当分は(更新を行わず)このまま放置します」という発言に対して、

「他人をあてにできるものではないよ。自分1人でやりなさい」

という一文が書かれていました。あまりに短い文章で意味を計りかねたのですが、発言されたのが旧Wnnの開発に携わっておられた方だったのですよ。Wnnと言えば、UNIXの世界には立ち入ったことのない私ですら名前を聞いたことのある、高名な日本語処理プログラムです。

 説明のために私がFM-NEW7を使っていた1985年頃の昔話をしておきましょう。日本語を使おうとする時には、まず漢字コード表の本を開いて目的の文字を探し、16進数で打ち込んでいくということをやっていました。スペースキーを押して変換するという現在の手法は、未だ一般化していなかったのです。コンピューターでも楽に日本語が扱えるようになりたい――という欲求を実現したものが、1987年に世に出たWnnだったわけです。

http://www.tomo.gr.jp/wnn/wnn-yogo.html

http://www.ipsj.or.jp/katsudou/museum/computer/4050.html

 そういった予備知識を踏まえたうえで先の発言を再読すると、「さぞかし大変であったのだろうなぁ」と先人の苦労が忍ばれます。「岡野史佳用語〜」は誕生4周年になりますが、誰にも手伝ってもらったことはありません。DOSへの移植や、Macでの動作確認などで協力を受けたことはありますけれど、辞書本体の練り上げは1人で行っています。つい先日、「日比野里紗」が「×里沙」に、『瞳のなかの王国』が「×瞳の中」になっていたという重大なバグを見つけたのですが、それまで誰からも指摘が無かったということに淋しい思いをしました。推測でしかありませんが、Wnnの開発に際しての憂いはその比ではなかったのではないかと。ささやかながら、ここに書き記すことで功績を記録にとどめておきます。

 岡野史佳先生については、新作情報を伝える無料メールマガジンも発行しています。こちらについては多数の協力者を得ていることもあり、我ながら良い出来だと自負しています。しかし、この1年というもの読者数が伸びていないん。実状を明らかにしてしまうと、登録件数204(汗) 作者の知名度に比べると、控えめにみても桁1つ足りない。岡野史佳先生のファンだと名乗る人が、掲示板に「新刊が出ているの知らなかった」と書いているのを見かけると、悲しくなります。情報があふれている中で、どうやって存在を示すかというのは、なかなか難しい。せめて、この文の中では宣伝しておこうっと。どうぞごひいきに。

http://www.dailybells.co.uk/

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Sunday, 2004/01/18

グリニッジ天文台

[] Londres (4)  Londres (4)を含むブックマーク

 ♪あさ〜 朝だよ〜 朝ごはん食べて、観光いくよ〜

 今日は、イングリッシュ・ブレックファスト。といっても、ベーコン・エッグとソーセージが加わるだけなんですけれどね……。

 この3日間、昼食はまともに食べてません。スーパーで買っておいたパンを、歩きながらかじっていました。見て歩くのが楽しくてそれどころではなかったとか、物価が高くて飲食店に入れなかったというのもありますが、何より食欲が湧いてくるお店に出逢わなかったのですよ。現地の人の様子を見ていると、サンドイッチ屋さんでスープと一緒に買っている人が多かったです。昼は手早く済ませるあたり、日本人の行動様式と似ていますね。昼食に少なくとも1時間をかけ、たっぷり食べるスペインとは正反対。私は、漂ってくる匂いで店の良し悪しを判断しているので、香りがしないサンドイッチだと素通りしてしまいます。

 09時06分、ホテルを出発。残金が心許なくなってきたので、国際キャッシュカード*1で預金を引き出す。昨日と今日で合わせると£150。最初に持ってきた分をあわせると、これでJPY換算51,350円。嗚呼、UKポンドはヘリウムのように軽く、ヨウ素のごとく空気にとけていく。

 09時43分、Bank駅で地下鉄(tube)からドックランズ・ライト・レイルウェイに乗り継ぐ。ロンドンの南東部を走る軌道交通です。全自動制御らしくて運転席はなく、先頭は展望席になっていました。気になったのは、CanaryWharf駅の前後。駅と駅の間隔が50mほどしか無いんですよ。3つの駅をぜんぶ繋げても、山手線のホームより短いんじゃないかなぁ。

http://tfl.gov.uk/dlr/

 10時15分、カティー・サーク(Cutty Sark)駅で下車。目指すは旧王立天文台(Old Royal Observatory)、いわゆるグリニッジ天文台です。小高い丘の上に建てられていて、眼下にはテムズ川の流れを見ることもできます。ここを経度0度とすることが1884年に決められたのは知られているところですが、その中に据えられた8インチのレンズを持つ大望遠鏡(1848年製造)こそ本初子午線(the Prime Meridian; Longitude 0゜)の在処。通常、天体観測用の巨大望遠鏡はドーム内に収められ、全天を見渡せるようになっています。ところが此処にあるものは南北方向、すなわち上下の向きにしか動かないのです。まさに経線を考えるためだけに創られた代物。ちょっと感動。

http://www.rog.nmm.ac.uk/

 11時31分、丘の下にある国立海事博物館(National Maritime Museum)にも足を運ぶ。ネルソン提督の遺品が陳列されていますが、まぁその程度。

http://www.nmm.ac.uk/

 12時11分、帆船カティー・サーク号の周囲をひとまわりしてから、再び鉄道に乗車。

http://www.cuttysark.org.uk/

 13時07分、オックスフォード・サーカス駅で下車し、リージェント街をそぞろ歩き。一昨日は囲いに覆われていたエロスの像も、今日は平常営業。

 13時49分、そのまま南下しナショナル・ギャラリー(The National Gallery)へ。トラファルガー広場にある美術館です。まず最初に西翼ギャラリー(16〜17世紀)を見て、それからセインズベリー館(13〜16世紀)へ。

――うおおおおぉぉぉぉ〜〜っっ *2

こ、此処は素晴らしすぎますっ! プラド美術館(マドリード)に規模で劣るものの、収蔵品の質は負けていません。国と時代のバランスがいい。たまらなくなってミュージアム・ショプに駆け込み、日本語版ガイドブック2種類を購入(£9.95+£1.5)。

http://www.amazon.co.uk/exec/obidos/ASIN/1857092325/

http://www.amazon.co.uk/exec/obidos/ASIN/1857099060/

 私の鑑賞の仕方は、まず部屋の中央に入って遠目に眺め、心に響くものが無ければそのまま素通り。気に入ったものがあれば題名と作者を確認し、それから細部を見ます。絵の前で足が止まり動けなくなったのは、ボッティチェリ(58室)、カルロ=クリヴェリ(59室)、アンドレア=マンテーニャ(61室)、ティツィアーノ(10室)。「有名な人の絵だから名画」なのではなく、「良い絵を残したから有名になった」という当たり前のことを、まざまざと再認識。

 北翼ギャラリー(17〜18世紀)はプラド美術館と重なるものが多くて、一見して作者がわかるものが結構ある。やはりレンブラント(23室)、ルーベンス(29室)、ムリーリョ(30室)は良い。他にはクロード=ロラン(15室)、アントニー=ヴァン=ダイク(31室)などに感嘆。

 それが東翼ギャラリー(18世紀〜1900年)になると、ほとんど興味なし。モネもルノアールゴッホも、技巧に走っただけのように見える。写真の出現が美術史を変えたということは理解できても、共感はできませんでした。感銘を受けたのは、ヴィジュ=ル=ブラン(33室)とカナレット(38室)の2点。

 時間が許せば、じっくりガイドブックと照らし合わせながら見て回りたかった。ここには再来したい。

http://www.nationalgallery.org.uk/

 15時50分、ヴィクトリア&アルバート博物館(Victoria & Albert Museum)へ。工芸品と装飾品を集めたところです。これまた収蔵品が多く、すべてを見尽くすことなど無理。なんでも通路の全長は13kmあるとか。金属工芸ということで柵(114室)まで展示しているんですよ(^^; 上の階までぶち抜いて門柱(46室)があったのにはア然としました。英国関係に重点を置いて見てきたのですが、それだけでも大満足でした。17時19分、退出。

http://www.vam.ac.uk/

 17時40分、ウェストミンスター寺院(Westminster Abbey)に駆けつける。セント・ポール大聖堂(St. Paul's Cathedral)の前にある観光案内所に立ち寄ったときに「毎週日曜日の17時45分から無料オルガン・コンサートがある」という情報を仕入れてあったんですよ。あ、オルガンとはパイプオルガンのことです。私、オルガン音楽が大好きなので、これは外したくなかったん。奏者(Andrew Reid)の腕も音場も最高級でしたが、選曲(Complete Organ Works, Maurice Durufle)が悪かったのが惜しまれます。

http://www.westminster-abbey.org/

 19時10分、コヴェント・ガーデンにあるレストラン『ポーターズ』へ。滞在の最終夜ということで、おいしいものを食べてきました(£16)。

*1:私のはスペインのBBVA発行。日本なら、新生銀行やシティバンクが同種の機能を付加しています。

*2:ここは『まほろまてぃっく』を参照のうえ、大江千鶴子(真田アサミ)風にお読みください。

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Saturday, 2004/01/17

国会議事堂とビッグ・ベン

[] Londres (3)  Londres (3)を含むブックマーク

 10時16分、カスウェル・ホテルをチェックアウト。

 10時18分、ブレア・ビクトリア・ホテル(The Blair Victoria)にチェックイン。つまり、すぐ裏に引っ越したんですよ。安宿の場合はハズレだった時の痛手が大きいので、リスクの分散をさせてみました。1泊£(UKポンド)39。朝食をイングリッシュ・ブレックファストにするための追加料金が、1食あたりポンド3.5。両方ともコストはほとんど同じなのですが、これは予約割引があるため。正規料金は、カスウェルが£45に対し、ブレア・ビクトリアは£60(ツインのシングルユース)。値段分だけの差はありました。内装は、ブレア・ビクトリアの方が1段上。こういった違いは実際に泊まってみないとわからないので、見比べてみるための渡り歩きなのです。

 ただ、難点はシャワーが固定式だったところ。ホース式でないと、身体の方をくるくる回転させなければいけないんですよね。余談になりますが、ホラー映画で美女がシャワーを浴びているところを襲われるというシーン、あれ固定式でないとマヌケですよね。これがホース式だった場合、とっさにシャワーを向けて熱湯を浴びせかけると思うんですよ(笑) なにも応戦しようがない固定式である必要があるような気がする。

http://www.blairvictoria.com/

 10時58分、歩行(かち)にてウェストミンスター寺院(Westminster Abbey)に詣でけり。ちょうど11時を告げる鐘が聞こえてきたのですが、学校のチャイムをそっくり真似たような音階でした(←お約束)。かねてより気になっていたのは、何回鳴るか。私が通っていた中学では16回の打鐘だったのですが、高校ではその後にさらに3度、同じ音階で鳴っていたのです。数えてみると19回で、高校式でした。ちなみに音源は、お隣の国会議事堂(House of Parliament)にそびえるビック・ベン(Big Ben)。私、ずっと教会の鐘の音だと思ってました(^^;) 議事堂の正式名称は“The Palace of Westminster”だそうなので、「ウェストミンスターの鐘の音」で間違いないですね。

 さて、戴冠式が執り行われるこの寺院、英国国教会に属しています。スペインの教会(=カトリック)を見慣れた目からすると、かなり変わった造りでした。建物内が明るいのです。スペインに多いゴシック様式の大聖堂は窓が少なく薄暗いのが定番なのに、さんさんと光が差し込んできます。宗教建築にもお国柄がありますね。

http://www.westminster-abbey.org/

 11時50分、テムズ川にかかるランベス橋を渡り、対岸から国会議事堂とビッグ・ベンを眺める。ここで撮った写真を見せれば何処を旅行してきたか説明不要なほど、ロンドンらしい風景が拝めます。

http://www.parliament.uk/

 12時27分、川沿いに上流へ向かい、テート・ブリテン(Tate Britain)へ。英国の近代絵画を扱う美術館で、ターナー(J.M.W.Turner)の作品を主軸に据えていました。

http://www.tate.org.uk/

 ピムリコウ(Pimlico)駅から地下鉄に乗車。今日は“Day Travelcard, Off-Peak”という1日乗車券を購入(£4.3)。札幌の地下鉄は初乗り200円で高いと言われるのですが、ロンドンは£2(=400円)なので倍。でもトラベルカードを買ってしまえば、かなりお得です。

http://www.londontransport.co.uk/

 13時53分、ギルドホール(Guildhall)の図書館へ。まず観光客は行かないような場所なのですが、ここにはロンドンの古地図があるんですよ。同じ場所を数十年ずらして見比べると、街を発展させてきた人間の営みを知ることができるのです。私は地図を見るのが好きなのでいくらでも眺めていられるのですが、30分ほどで切り上げてきました。

http://ihr.sas.ac.uk/gh

 ちなみにロンドンは、もともと2つの町から成り立っていました。ここギルドホールは、そのうちのシティ(City)の中枢であった場所。時代が下って街が大きくなると、境目であった城壁は取り壊されたため判然としなくなってしまいました。それでも街角にあるゴミ箱を見ると、シティに含まれる地域は“Corporation of London”と書かれているのに対し、その外側では“City of Westminster”となっているので区別ができます。

http://www.corpoflondon.gov.uk/

 14時47分、いざ大英博物館(British Museum)へ。と、勢い込んで行ってはみたものの期待はずれ。何を不遜なことをと言われそうですが、いくら世間一般の知名度が高くても関心が向かないものは、自分にとって価値が低いのです。例えていうなら「加護亜依より丹下桜さん」、「スピルバーグより大地丙太郎監督」。

 もう少し理由を明確にしておくと、大英博物館の主力は、(1)ミイラ、(2)彫刻、(3)メダルや硬貨です。(1)は、呪われそうなのでご遠慮したい。(2)は、美術室の石膏像を見ているみたい(←はい、お約束)。それに私、2次元フェチなので、彫像とかフィギュアとかリカヴィネとか『週刊わたしのおにいちゃん』よりは、セル画の方がいいなぁ。 (3)は、HSBC香港上海銀行*1)が提供していることもあって中国のものが多かったように感じました。総じて、紀元前の古代史に興味があるなら垂涎(すいぜん)ものでしょうが、私の知りたい「ルネサンス以降の西洋」はヴィクトリア&アルバート博物館の扱っている分野なので(これは明日のお話)。

 かくも有名な博物館なので入場待ちを覚悟していたのですが、すんなり入れました。あまりにも広大なため、それだけ収容人員も大きいのが理由のようです。入場無料なので、窓口に並ぶという手間がかからないのもあるでしょう。ロゼッタ・ストーンやミイラの前などは人垣ができていましたが、それ以外は周囲の人を気にすることなく見学できました。

http://www.thebritishmuseum.ac.uk/

 17時10分、近くの飲食店でフィッシュ&チップスを注文(£8.8)。だから高いってば…… 付け合わせに出てきたのは、マッシー・ビー(緑豆を形がくずれるまで煮込んだもの)。なんか、おだんごに塗って「うぐいす団子」と言ってもバレないような味と食感でした。

*1:李苺鈴(野上ゆかな)の声色で読んでください。『劇場版カードキャプターさくら』を参照のこと。

KusanagiMikanKusanagiMikan 2004/01/23 07:44 「わたおに」は付属のブックレットが秀逸なので2次元属性な人も必見です

genesisgenesis 2004/01/23 23:10 自制心が揺らぐようなこと、言わないでください(笑

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Friday, 2004/01/16

ワトソン医師

[] Londres (2)  Londres (2)を含むブックマーク

 滞在(実質)初日。

 08時20分、起床。軽く身支度をして朝食。カスウェル・ホテルはコンチネンタル・ブレックファストを提供――と書くとすごいもののように見えるが、要は「パンと飲み物」だけの食事ということ。ヨーロッパ大陸(Cintinental)では、朝は軽く済ませる人が多いので。スペインだと、朝食は付かないのが安い宿泊施設の標準になっているくらい。地階の食堂へ行き、席に着く。ほどなくメイドさんが希望を取りにきたので、トーストと紅茶を要望。さて、この英国におけるトーストというものは特筆に値する。日本には「主食」という概念があるため、「パン=米の代用」と考えてしまいがち。そのため、ふわふわした厚切りのパンを理想とする。コメと同じ食感を求めているわけ。あえてヨーロッパで主食に該当するものを探すと、それはスープかサラダの後に食べる2皿目、いわゆるメインディッシュの肉料理か魚料理のことであって、決してパンではないのです。よってヨーロッパでのパンは、日本の対極にあると言って良い。スペインだと、オリーブオイルで口の中がにごったのをサッパリさせるための口直しとして、パンをちょっと食べます。英国の場合、ジャムを乗せるための台としての役割を求められているのがパン。そのため、薄いけれど端を持っても曲がらない腰の強いものが好まれる。これがおいしいのです。このあたり、リンボウ先生こと林望氏の名著『イギリスはおいしい』の受け売りなので、興味を持たれたら是非読んでみてください。

 10時15分、バッキンガム宮殿(Backingham Palace)。ご存知、エリザベスII世女王陛下のお住まい。ふつーのロンドン観光だと、ここで衛兵の交代を見るのが山場なのだろうけれど、私は目的地へ向かう途中にたまたま通りがかっただけ。意外だったのは、思いの外に建物が小さい、そのうえ、たいして警備らしきものが行われていない。例えば霞ヶ関に行ってみてください。バリケードが組まれていたり、警察官が監視していたりしますから。それがバッキンガム宮殿だと、ものすごく警備が甘い。すぐ横が大きな道路になっているので、トラックにロケット弾でも積んで発射すれば簡単に命中させられるだろうという感じ(←実行するつもりはないですよ)。公園の中にある瀟洒(しょうしゃ)な建物といった趣で、堀に囲まれた皇居(江戸城)とは雰囲気が違いました。

http://www.royal.gov.uk/

 そのまま、ザ・マル(The Mall)を東進し、トラファルガー広場(Trafalgar Sq.)を抜け、ハー・マジェスティーズ・シアターで本日分の観覧券を購入。3階席(Grand Circle)のJ列7番が£(UKポンド)30。

 10時40分、ピカデリー・サーカス(Piccadily Circus)。札幌だと「すすきの」みたいな場所。ここにそびえるエロスの像(Eros)が『ハッピー・トーク』に登場するので撮影に来たのですが、どうして板で覆われているかな(汗) そこから北西方向のリージェント街(Regent St.)を眺めると、建物が優雅に曲線を描いています。これはクアドラント(The Quadrant)と称されており、これまた『ハッピー・トーク』に出ていたので撮影を継続。高級商店街になっているのですが、ユニクロも店を出していましたよ。で、あとで写真の撮影時刻を点検したら、30分近くエロスの像(とその周囲)を見ていたらしい。単行本を持っていって、周囲の建物と照合していたから…… ま、こういう努力の積み重ねが「岡野史佳作品の背景に描き込まれた風景のことならまかせて」という自負に結びつくわけで。第一人者を目指すということは、どんなに狭くてもいいから、他に誰も手を付けていない領域を探してしがみつくということだから。

http://www.capital-calling.com/london-areas/london/piccadilly.htm

 11時30分、すぐ近くにある「ジャパンセンター」を訪問。地階には日本食材、地上階には和食レストランに日本酒売り場、1階(=日本の2階)には書籍と、日本に関するものが揃っているお店です。文庫本でも買おうかと思ったのですが、ものすごく高いの(泣) たとえば白泉社の雑誌『LaLa』を例に挙げると、日本だと390円の品が£5.5(1,100円)。これでは、おいそれと買えないですよ。でも「欲しいものがそこにある」というのは、精神の安定にどれほど素晴らしいことか。空腹は最高のソースと言いますが、モノに対する飢えを抱いた今のスペイン暮らしが、手に入れる喜びを増幅させているような気がします。結局、ここは品揃えを観察して退出。

http://www.japancentre.com/

 11時50分、地下鉄でバンク(Bank)駅へ移動。ここも『ハッピー・トーク』に出てきます。このあとしばらく、作品に出てきた場所巡りが続きますので(^^; 微妙に作中で描かれていたものと違っているのですが、イングランド銀行博物館(Bank of England Museum)に飾られていた改築前の写真を見て間違いないことを確認。昔のコインや紙幣が陳列されていて、なかなか楽しいです。

http://www.bankofengland.co.uk/

 13時12分、テムズ川左岸を散策し、ロンドン橋(London Bridge)へ。頑丈で、ぜんぜん落ちそうにないです(←脳内で音楽再生中)。1973年に掛け替えてしまったらしい。作中ではデイジー嬢がこの近辺に住んでいたのですが、まったく100年前の面影はありませんでした。東京で大正時代を探すのが難しいのと同じように。

 13時52分、ラドゲート・サーカス(Lufgate Circus)、ファーリンドン街(Farringdon St.)、フリート街 (Fleet St.)。この辺りは、デイジー嬢に惚れた人でないと無意味なところなので省略。

 14時35分、コヴェント・ガーデン (Covent Garden)。『マイ・フェア・レディ』で、花売りのイライザがヒギンズ教授と出会った青果市場――というのが表向きの説明で、私の訪問目的は同上。今では小物屋さんが並ぶ商店街になっています。「パッヘルベルのカノン」が聴こえてきたので行ってみたら、流しの音楽家が四重奏をかなでていて、それが様になる小洒落た場所でした。

http://www.covent-garden.co.uk/

 15時05分、ロンドン交通博物館(London Transport Museum)。ロンドンの文化施設は多くが入場無料なのですが、ここは£4.5(学生割引)。乗合馬車や鉄道が保存されているところなのですが、ちょっと期待はずれ。というのも1つ1つが大きく場所を取るため、全体として展示物の数が少ないのですよ。それを写真や地図のパネル展示で補うことをしていないのが、物足りない原因かな。

http://www.ltmuseum.co.uk/

 15時30分に博物館を出たら、すでに日は西に。だいぶ冷えてきて屋外をまわるのは望ましくない。ということで、

 16時18分、べーカー街。世界で最も知られた住所に事務所を構える、世界で最も高名な探偵シャーロック=ホームズ氏を訪ねました。あいにく氏は御不在だったのですが、右隣の扉で警備にあたっていた警官の取り計らいで中に入れてもらい(£6)、暖炉の前でぬくぬくしていたワトソン博士と面会してきました。“Baker St.”のあとに続くべき地番を知っている人なら、行ってみて損はない所ですよ。あ、ベーカー・ストリート駅前の路上にはホームズ氏の銅像があるので、ついそちらの方向に行ってしまうのですが、像があるのはマリルボルン・ロードなので要注意です。

http://www.sherlock-holmes.co.uk/

 シャーロック・ホームズ博物館(Sherlock Holmes Museum)の地上階では、かわいくてはにゃ〜ん☆なメイドさん(たぶんシャルロッテ)が店番をしていたのですが、そこで“Sherlock Holmes in London ”という本*1を見つけ、狂喜乱舞。£30(=6,000円)と少々値が張りましたが、1879年から1914年にかけて撮影されたセピア色の写真が多数収録されています。これは、ヴィクトリア期の社会文化に興味を持つ者なら、買わなければ後悔するという逸品。ホテルに戻って仔細に眺めたら、どうもこれは『ハッピー・トーク』の背景資料と同じものを載せているみたい。だって「乗合馬車の御者の鞭の角度」や「荷台に乗っている樽の数」まで同じなんですもの(笑)

 いったんホテルに戻って荷物を置き、19時10分、再びハー・マジェスティーズ・シアター(Her Majesty's Theatre)へ。演目はミュージカル“The Phantom of the Opera”――『オペラ座の怪人』です。筋立てを知っている方が楽しめますからね。もう、素晴らしいの一言。人間の声が、いかに美しい音楽を奏でられるかを堪能してきました。「中の下」の席でもJPY換算6,000円するのですが、役者31人に加え、ピットにはオーケストラが、見えないところにも裏方がいます。満足度は十分すぎるほどありました。

http://www.thephantomoftheopera.com/

http://www.officiallondontheatre/

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Thursday, 2004/01/15

easyJet

[] Londres (1)  Londres (1)を含むブックマーク

 はじめての――う〜ん、どう言えばいいのだろう? 英国に「入国する」のは3度目。最初は香港。1994年で返還前だったので。その次は、モロッコ旅行の際に立ち寄ったジブラルタル(Gibraitar)。スペインの南端にある岩山なのだけれど、英国領。国境からは2階建てバスに乗って市街地へ行き、本場(?)のフィッシュ&チップスも食べた。ロンドンに「行った」のも3度目。スペインへは日本からの直行便が無いので、どこかで乗り継がなければならないのだけれど、ロンドンを経由地にしたことが2度ある。よって、「英国本土に入国する」はじめての経験。わくわく。

 スペインからの移動に使ったのは、イージー・ジェット(easyJet*1。格安航空会社の代表的な存在です。日本ではスカイマークエアラインズが行っている手法の、お手本とでもいうべきもの。BCNバルセロナ‐LONロンドン線を予約したところ、6週間前なら「往復64.66ユーロ」という安さで入手できました。予約するとe-mailが送られてきて、あとは空港の搭乗カウンターへ行ってパスポートを見せるだけ。興味を持たれたら、次のサイトをご覧になってください。

http://europe.s9.xrea.com/

 ガトウィック空港の両替所で現金を入手。ユーロ紙幣を持っていったのだけれど、400ユーロ=255.95UKポンド(以下、£)でした。日本円に換算すると、£1=JPY200ちょうど。

 まず市内へ出るために鉄道に乗車(£11)。ヴィクトリア(Victoria)駅を出て、右に曲がり、てくてくと歩いたら迷わずホテルに到着。初めて来た街でも働く読図能力と方向感覚に、我が事ながら惚れ惚れする(笑)

 前半の2泊は、カスウェル・ホテル(Caswell Hotel)。ホテルという名前が付いているけれど、B&Bです。ウェブサイト経由で予約申込を送ると、折り返しe-mailが届き、クレジットカードの番号を添えて送り返すと予約が成立する型。ダブルのシングルユースが、朝食付きで1泊£40。だいたいこの辺りが、シャワー付きの底値でした。東京だと4,000円くらいの格でしょうか。建物全体が古びた感じを持っていて、壁の穴が補修されていなかったり、シャワーの排水が良くないなどの問題はありましたが、掃除はきちんとされていたので印象は悪くありませんでした。受付には南インド系の人が交代で座っていますが、応対の感じも良かった。室内にセーフティー・ボックス、冷蔵庫があったのは便利。

http://www.hotellondon.co.uk/

 ホテルに着いたのが20時30分でしたから、この日の観光は無し。駅からの道筋に22時まで営業しているスーパーがあったので、食料品の買い出し。まずはビール。“1664”を4本。どうしてフランスの銘柄*2を?といぶかしむ声もあろうかと思いますが、先日読んだ小説に出てきたので…… 500ml缶が1本£1と、かなり高い。日本の感覚なら200円だと高くないのですが、スペインだと50円(0.35ユーロ)出せば買えてしまう。ここが、酒を必需品に含める南欧との違いかな。

http://www.sainsburys.co.uk/

 それから、斜め向かいにあった「ノース・シー・フィッシュ・レストラン」(North Sea Fish Restaurant)で、フィッシュ&チップスのテイクアウェイ。英国英語では、持ち帰りが“take away”になるそうで。他にも“subway”は地下道のことで、地下鉄は“underground”だったりと、目に付くものほとんどが馴染みの薄い表現。日本で「英語」だと思っているものは、「米語」のことなのだと実感しました。

 さて本題に戻りましょう。要は、揚げた白身魚とジャガイモを肴にして、ビールを飲もうという魂胆なわけです。私、フライド・ポテトとビールがあれば、取りあえず幸せ。軽い風邪なら、この取り合わせを摂取すると治ります(*^^*) しかしこの質素な夕食が£5.85(=約1,200円)するというところに、ロンドンの脅威が潜んでいたのです。滞在中、この物価高には終始悩まされました。体感的な物価でいうと、ロンドンは東京よりも5割ほど高いように感じます。

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Wednesday, 2004/01/14

viaje  viajeを含むブックマーク

 明日(15日)から、4泊の日程で倫敦(ロンドン)を旅してきます。路面電車が交通の主力だった時代のものを見るのが好きなので、博物館めぐりをしてきます。

 ――というのが当初の目的だったのですが、どうも「岡野史佳ハッピー・トーク』の舞台検証」になりそう(笑) 航空機テロ騒ぎで不穏当なご時世ですが、無事帰還できますように。月曜日(19日)に戻ってくる予定。

 現在の為替相場を観たら*1、1GBP(UKポンド)=195円、1EUR(ユーロ)=135円。うわ〜、随分はねあがってる。まぁ、今回はユーロ預金を引き出してポンドに交換するつもりなので、対円相場はそれほど関係ないのだけれど。気温は、最高気温48度……って、これは華氏表示だ*2。摂氏だと8℃か*3。かなり寒そうなので、気をつけないと。

cf) 世界路面電車めぐり

http://park2.wakwak.com/~tram/

cf) 1881年、世界初の路面電車が運転をはじめる

http://www.siemens.co.jp/about_sij/w_history_01.html

kuroyagisantarakuroyagisantara 2004/01/15 01:35 いってらっしゃい。札幌は暴風雪で空港が麻痺しています。アビー・ナショナル銀行にも行ってきてね。時々インバネスの男が名刺を配っているそうですから。

Tuesday, 2004/01/13

Primera condena en Japon contra un comic  Primera condena en Japon contra un comicを含むブックマーク

 漫画のわいせつ性について争われた松文館(しょうぶんかん)事件で、東京地裁は有罪の判決を下しました。この件について、スペインの全国紙“El Mundo”でも報道あり。論調は中立的。判決の要旨に、弁護人の主張を添えて紹介しています。

http://www.elmundo.es/elmundo/2004/01/13/comunicacion/1073992273.html

http://www.geocities.co.jp/AnimeComic-Tone/9018/shoubun-index.html

El tiempo  El tiempoを含むブックマーク

 本日のバレンシア地方の天候は晴れ、最低気温14℃、最高気温23℃の予報。

――本当に冬?

http://www.elmundo.es/tiempo/previsiones/

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Monday, 2004/01/12

electricidad  electricidadを含むブックマーク

 新聞を読んでいたら、12月31日に過去数年間で最大の消費電力を記録したという記事があった。12月24日も、ほぼ同程度の消費だったらしい。その理由について「家庭用ゲーム機の利用が原因だろう」という分析がありました(笑

http://www.lasprovincias.es/

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Sunday, 2004/01/11

ラストサムライ

[] El Ultimo Samurai  El Ultimo Samuraiを含むブックマーク

 久しぶりに映画を観ようと思い立ちました。チケット売り場に飾られたポスターを眺め、『エル・ウルティモ・サムライ』を選択。Ultimo(ウルティモ)はスペイン語の形容詞で男性形。これを女性形のUltimaウルティマ)に直せば、ゲームの名としてご存知の方も多いことでしょう。原題(英語)だと“The Last Samurai”です。日本でも上映されているようですね。『ラストサムライ』という邦題は、如何なものかと思うのですが。

http://www.elultimosamurai.com/

http://www.lastsamurai.jp/

 さわりの部分を紹介しておくと―― 1876年、米国サンフランシスコから物語は始まる。かつて先住民の排除に従事していた主人公オールグレン(トム・クルーズ)は、見せ物小屋で日銭を稼ぎウィスキーに身を委ねていた。時に、明治9年のこと。オールグレンは銃の腕を見込まれ、軍事指南の「お雇い外国人」として横浜に上陸する。

 さて、武士道の体現者として登場する人物が勝元(渡辺謙)なのですが、オールグレンが勝元に心服するようになるまでの展開で消化不良を起こしてしまいました。私の語学力の問題なので、日本版を観たら印象が変わってくると思います。

 勝元なる人物、最初は実在していたという前提で見ていたのですが、かつては天皇の剣術指南役であり、陛下の御前に出ることが許されているのみならず、元老院では参議と呼ばれている。翌1877年に旧勢力(武士)を束ねて戦に及んでいることから、これは西郷隆盛と西南戦争をモチーフに据えたフィクションであると、ラストシーンに入ってから合点がいきました。これに気がつくまで、大変だったんですよ。元老院で主導権を握っている大村(原田眞人)が伊藤博文を意識しているのは感じ取っていたのですが、なんと合戦場で直接指揮を執っていたのですよ。どうして参議が!? 他にもツッコミどころ満載でしたので、近代史に通じている方はご覧にならない方がよろしいかと思います(笑)

 どうにも、欧米流に「武士道」と「名誉」を解釈してみようとしたけれど取り込みきれなかった、という印象を受けました。勝元の最期は、釈然としないです。もっと釈然としないのは、その後にオールグレンが御前に現れたこと。あんた、反逆者だろうが。

 配役についていうと、明治天皇を演じた中村七之助は実にいい感じでした。氏尾(真田広之)も。殺陣(たて)は、まぎれもなくハリウッドでしたね〜 1対1の見せ場が無い。で、血しぶきは飛び散る、生首は空を飛ぶ、ヒトは真っ二つになる。傷口を針で縫う場面まであって、卒倒しかけましたよ。

 とにかく言葉の壁を感じながら観ておりましたので、批評としては不完全であることをご容赦下さい。批判的な論調をしていたサイトを参照先として添えておきます。

http://cinesc.cplaza.ne.jp/theater/200312lastsamurai/

http://www.eiga-kawaraban.com/03/03111303.html

http://www.kcn.ne.jp/~tkia/kichi-ido/mki-62.html


追記

http://d.hatena.ne.jp/genesis/20040206

kuroyagisantarakuroyagisantara 2004/01/14 09:27 直訳の邦題が気に入らないのと、明治初期までは存在したはずの武士道が云々という「作られた伝統」的な考えが気にくわなかったので見ていなかったのですが、近代史に通じている人にはツッコミどころ満載ということですので、ツッコミに行くことにします。

genesisgenesis 2004/01/15 00:05 どうやっても「メリケンさんの東洋趣味」という印象がぬぐえませんでした。どうして武士の頭領が吉野に?(そりゃ鎌倉以前だろうが)とか、率いている軍勢に比べて食料生産人口が足りないだろうが!とか、どうして皇居へ行くのに石段が!?とか。評論を書くなら格好の素材でしたよ。

kuroyagisantarakuroyagisantara 2004/01/15 01:27 食料といえば、西南戦争時の薩軍は補給が貧弱で大変なことになったようですから、その映画中の描写はある意味正しいのかも(笑)。

genesisgenesis 2004/01/15 03:50 あ、前線への補給ということではなくて、勝元の館がある場所の地勢について。山間の村なんですよ。

Saturday, 2004/01/10

[] 菜の花の沖 (2)  菜の花の沖 (2)を含むブックマーク

 司馬遼太郎菜の花の沖』第2巻(ISBN:4167105535)、読了。この巻は、高田屋嘉兵衛が古船を手に入れ、船乗りから商人へと転化していく過程を描いている。

【書評】

 ここまで読んできて気づいた、司馬の人物描写の特徴。善悪というか、白と黒が明瞭に区分けされている。分かりやすいのは、兵庫の問屋・北風荘右衛門についてのくだり(206-207頁)。この人物、低迷していた兵庫の港を再興させた立役者であり、嘉兵衛に船を買い与えた恩人。それまでは好人物として描かれていたのが、ここでは立ちはだかる壁の如く表現されている。その理由は、船を持った嘉兵衛が「一艘の船を持っただけで自立めいた面構えになっている」からだという。う〜ん、人間関係が深まると良い面だけではなく悪い面も見えてくるのは当然なのだけれど、ここで北風荘右衛門に内心を語らせてまで強調するのはどうしたわけであろうか。読者が悪印象を持つよう誘導しているように見える。北風の「投資活動」の方が上手(うわて)であったことは、それをそれとして評価されても良いだろうに。

 そうした見方で「作中の嘉兵衛」を眺めると、これがもう完全無欠の人徳者なのです。主人公を利する者と害する者、そのコントラストがあまりにも強い。振り返ると、1990年代は「強くない」「がんばらない」「癒(いや)されたい」ヒーローが闊歩した時代でありました。なるほど、「司馬遼太郎高田屋嘉兵衛」は1980年代の体現者であったのか。

 さて、あとは興味深かった記述を抜き出しておこう。

 松右衛門*1が発明したのは、荒巻(新巻)鮭であった。松前・蝦夷地から運ばれている鮭は塩鮭で、塩のかたまりを食っているようにからいものであったが、松右衛門は松前で食った鮭の味が忘れられず、この風味をそのまま上方にとどけようと思った。(50頁)

 この時代の日本社会の上下をつらぬいている精神は、意地悪というものであった。上の者が新入りの下の者を陰湿にいじめるという抜きがたい文化は、たとえば人種的に似た民族である中国にはあまりなさそうで、「意地悪・いじめる・いびる」といった漢字・漢語も存在しないようである。(237頁)

 「物というのは、ふしぎでございますなあ」(中略)「蝦夷地の鰊(ニシン)が、河内など暖国の土の中にもぐって木綿に化けるのです*2。その木綿を船の者が雲州*3へ運んでいって、百姓の家の者が布に紡ぐ。それをまた船が隠岐へ運ぶ」(中略)「この鮑(アワビ)は、最後には唐人が食う。唐人が長崎で支払う金が、まわりまわってあなたたちの懐ろに入る。その金で蝦夷地の鰊が化けた木綿を買う。それを着て、あなたは鮑を干している」(275-276頁)

 こうしてみると、本題ではないことばかり注目しているなぁ。

*1:廻船問屋・御影屋の主。船乗りであったが、帆の改良で財を為した。従前はムシロが用いられていたところ、太い木綿の撚り糸を使うことで保ちの良い帆布を織ることを発明した。25-27頁。

*2:江戸時代に入ると、衣類には麻に代わって木綿が用いられるようになった。綿畑は近畿/瀬戸内に分布。その栽培には干鰯(ホシカ)やシメ粕など、金肥(きんぴ。金銭を支払って購入する肥料のこと。)が必要であった。

*3:出雲。現在の島根県。

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Friday, 2004/01/09

[] Wikipedia  Wikipediaを含むブックマーク

 フリーな百科事典を製作しようとする試み、Wikipedia*1。その日本語版に登録されたものが25,000件を突破したとのこと。う〜ん、1年かけてこれでは先行き険しいだろう――というのが正直なところ。はてなのキーワードならば、登録すれば即座に連結が働くので、実用性が目に見えてわかる。それがWikipediaという百科事典となると、反射的利益を持たない純粋なボランティア。動かすものが少ない。そのような状況で、有用な解説を付けている方々には敬意を表したいところ。ご祝儀に、私も1記事を作成。

 なお、この記事についていたコメント「キリの良い数字は25000ではなく、32768や65536」というのには、大いに賛同(笑)

http://slashdot.jp/article.pl?sid=04/01/07/0831246

Thursday, 2004/01/08

[] The Wayback Machine  The Wayback Machineを含むブックマーク

 先日の記述について、id:kuroyagisantara*1による「東浩紀氏の先行研究に言及しておいた方がいい」との指摘に従って出典を調べていたときに、東氏の近況欄*2で知ったサイト。試しに自分のウェブサイトを取り寄せてみたら、思いっきりいたたまれなくなるような4年前の状態が復元された(汗) こ、これからは気をつけよう……

http://www.archive.org/

Wednesday, 2004/01/07

[] 菜の花の沖 (1)  菜の花の沖 (1)を含むブックマーク

 司馬遼太郎菜の花の沖』第1巻(ISBN:4167105527)、読了。先日までバレンシアに住んでいた人が、退去の際に置いていったというものを借りてきました。18世紀後半(江戸中期)の商人、高田屋嘉兵衛を描いた歴史小説。全6巻。

【書評】

 第1巻は、淡路島の貧農の家に生まれた主人公が、如何にして海運業と関わるようになったかという生い立ちについて。灘の酒を乗せた樽廻船に乗り、初めて江戸(品川)へとくだるところまでの話です。面白かったのは、随所に出てくる産業構造についての説明。私、非常勤講師として専門学校で日本史の授業を担当したこともあるのですが、まったくもって理解不足でした。例えば、江戸幕府は米に依拠した政治体制であった、と言うのは簡単です。それを、

 秀吉の豊臣氏の直轄領は、後続の政権である徳川氏のそれの半分しかなかった。この一事でも、秀吉は政権を米でのみ成立させず、貿易でめしを食おうとしていたことがわかる。(199頁)

と一文で比較説明してしまうのは、お見事。

 それから、社会風俗。「若衆宿」という風習の中で、呼ばう*1ことすらも婚姻へと至る制度として組み込んでいた(79頁、119頁)というところには、大らかな性の意識が見て取れます。

*1:夜這い

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Tuesday, 2004/01/06

Reyes Magos  Reyes Magosを含むブックマーク

 「主公現の祝日」のためお休み。一日中、家の中でくつろぐ。

 キリスト教に密着しているため日本になじみの無い祝日なのですが、アニメ*1好きなら、MAGIが来た日で通じるでしょう(笑) 説明を加えておくと、東方より来たりし三賢者が星の導きにより幼子イエスのもとを訪ね贈り物をした――という『マタイによる福音書』の記述に基づくものです。スペインでは1月6日にプレゼントをする習慣があり、12月25日よりもこちらの方が本当のクリスマス。

 ここまでは文献で見知っていたのですが、スペインに来てはじめてわかったこと。バルタザールが黒人として描かれているのです。調べてみると、この3人は「王権、神性、受難」を意味するのみならず、「ヨーロッパ、アジア、アフリカ」をも象徴するのだとか。

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Monday, 2004/01/05

ロスコン

Roscon  Rosconを含むブックマーク

 あやうく忘れるところでした、ロスコン。卵を切らしたので買いに出かけて気がついたん。ロスコンとは何かというと、ドーナツ型をしたケーキ。お値段は、4.7ユーロ。中に仕掛けがあって、小さな人形が入っている小片を当てるとその年に幸運が訪れると言われ、「王様」と呼んでもらえます。写真に金色の帯が見えると思いますが、当選者向けの王冠。砂糖でベタベタですが…… 一方、ハズレとしてソラマメも入っており、大人の世界では不幸(その日の支払い)がやってきます。

 本当は1月6日に食べるものなのですけれど、分量からして1日で消化できるものではないので、早めに開始。どうすれば1人でも楽しめるかをちょっと考え、8等分して引いていくことにしました。

 うわ、激甘(><) 生地は、ドーナツに近い感じ。その上に、砂糖漬けにして着色した果物を乗せ、ザラメで固めている。さらに、2つに割った生地の間にママレードを挟み込んであるし。甘味好きな私でも、お茶が無いとつらい。

 1切れ目*1。もぐもぐ、φ。

 2切れ目*2。もぐもぐ、φ。

 3切れ目*3。もぐもぐ、φ。

 4切れ目*4。もぐもぐ、φ。

――ルール変更。これ以上、続けて食べられません。中を開いてみるだけにする。

 5切れ目。ぱかっ、φ。

 6切れ目。ぱかっ、φ。

 7切れ目。ぱかっ、そらまめ。

 8切れ目。ぱかっ、人形。

あぅ(泣)

*1:夕食後

*2:夜食

*3:翌日の午後のおやつ

*4:翌日の夕食後のデザート

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Sunday, 2004/01/04

tarjeta de felicitacion  tarjeta de felicitacionを含むブックマーク

 紙の年賀状を書く。実家から電話をかけてもらい、到着分を読み上げてもらって宛先一覧を作成。住所録を持ってくるのを忘れていたので、こうしないと送れないのです。

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Saturday, 2004/01/03

Toranoana  Toranoanaを含むブックマーク

 スペインでは平日――なのだけれど、さすがに出勤している人は少ない。『とらのあな』通販が、1万円以上で送料無料に改訂したので、新刊を11点(うち同人2)を発注。

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Friday, 2004/01/02

かなり嫌いじゃない

carne de vaca  carne de vacaを含むブックマーク

 日本では牛丼が存亡の危機ということですが、当家では一足早く最期を迎えました。というか、日本から「牛丼の素」1つしか持ってこなかったので。お正月だから食べちゃおうかな、と。日本では100円で買える代物ですが、こちらでは6.85ユーロする高級品。でも丼ものは危険ですね。味わって食べようと思ったのに、サラサラっとかき込んでしまいました。

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Thursday, 2004/01/01

ブドウ12粒の詰め合わせ

Nochevieja  Nocheviejaを含むブックマーク

 大晦日の21時30分、文章を書き上げて外出。どうも最終便が出てしまったようでバスが来ない。

Feliz An~o Nuevo  Feliz An~o Nuevoを含むブックマーク

 00時00分、スペインの習慣にのっとり、鐘の音とともにブドウ12粒を飲み込んで新年を迎える。このために、「ぶどう12粒入りの缶詰」なんてものも売られていたりする。それから、カバで乾杯。

 05時20分、中心街を通りがかったら人がかなり出ている。チョコラテ(スペイン風ホットチョコレート)屋さんが2軒開いていて、どちらも満席。

 地中海の初日の出を見に行こうとしたけれど、爆睡してました(^^;)

 11時30分、起床。神棚が無いので、街路樹のヤシの木に向かって柏手を打つ。ぼーッとしながら、ウィーンからのコンサート中継を見る。

 昼食。ハレの日には特別なものをということで、とっておきの「カップラーメンとんこつ味」を取り出す(3.85ユーロ)。御神酒がわりにビール。

 夕方、テレビ放映されていた映画を鑑賞。スペイン語吹き替えだけれど、台詞の意味が良くわかる。

「ピカー……」(←困っている)

「ピカチュウ」(←喜んでいる)

「ピッカー ピカピカー」(←とても喜んでいる)

私はスペイン語として聞いていましたが…… それはスペイン語ではないと言われると、そうかもしれない。声が姫ちゃん*1みたいだったし(笑) 猫に小判を付けたの*2は、スペイン語で話してましたけれど。

*1大谷育江さん

*2:ニャースという名前らしい

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