Hatena::ブログ(Diary)

博物士

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Wednesday, 2004/03/31

maid  maidを含むブックマーク

 札幌に、メイドさんパブが開店予定だそうです(情報出所:takaxoの食い物屋レポート)。べつにそれだけだったら気にもかけない話題なんですが、問題はその所在地。私の通っていた高校の裏(汗) あの、この地域って、高尚にいえば「屯田兵が開拓した歴史ある街区」、有り体に言えば「ひなびた住宅街」ですよ。週休5日というのは懸命な判断だとしても、大丈夫ですかぁ?

http://pubmoon.dip.jp/


▼ 関連項目

http://www.bluegale.co.jp/primevere/(プリムヴェール)

http://www.mer-maid.jp/(ミルクホール・マーメイド)

Monday, 2004/03/29

Hora de verano  Hora de veranoを含むブックマーク

 今日になって思い出した。昨日は、3月の最終日曜日。ということは、夏時間(サマータイム)に切り替わる日。CETヨーロッパ中央時間の場合、午前2時(土曜日の26時)に時計を1時間進める。そんなわけで先週までと同じ習慣で起きると、1時間の寝坊になってしまう。

http://www.geocities.jp/taihaku_03/geography/database/timezone.html

http://www.timeanddate.com/library/abbreviations/timezones/eu/cet.html

 ややこしいし、面倒。何より、切り替え日には1日が23時間になるので、損したような気分になる。昨日はたまたまテレビを1度も見なかったので、今日になってそのツケがまわってきたというわけです。2度目だけど、やっぱり慣れないなぁ。

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Saturday, 2004/03/27

Patlabor 2

[] Patlabor 2  Patlabor 2を含むブックマーク

 劇場版『機動警察パトレイバー2』(スペイン版)を観る。

 国防予算の増大を企図する者達が、東京を舞台とした「戦争」という状況を演出することにより、平和に酔いしれた国に危機感を持たせようとする筋立て。そのために首謀者達が繰り出してくるのは、米軍機によりベイブリッジを爆破してみせたり、ガスを積み込んだ気球を新宿に落としてみたり、自衛隊機に模した戦闘機により通信設備を破壊してみたり。1993年の作品なのですが、その頃にテロというと、こんなにも金をかけないとできないものだと思っていたんですね。

http://www.selecta-vision.com/

http://www.bandaivisual.co.jp/patlabor/

ASIN:B00012T0I0(日本語版DVD)

 この10年の間で人類は、致死性の強い薬品を生成して地下鉄車内にまくとか、旅客機をハイジャックして建築物に激突させてみるといった、もっと安くて手軽な方法が存在することを知ってしまいました。選挙の3日前に列車を爆破すると、与野党の交代すら起こせるのです。

http://www.arrobaspain.com/ensayo/(@spain)

 そう考えると、テロというのは存外に簡単なものなのかもしれない。東京を混乱に陥れるというだけなら、情報の流れを止めてしまうだけで十分。例えば、電話局やデータセンターにつながる基幹回線が走っている地下溝で同時多発火災を起こしてみるとか。あるいは送電網を寸断して、電力の供給を落としてしまう。たったそれだけのことで、日本の経済は息途絶えてしまいそうです。コピー機と電話とパソコンが動かないと、何もすることが無くなってしまうのが現代の会社の姿なのですから。

 函館本線で崖崩れが起こると札幌への雑誌搬入が数日止まるように、もろい箇所はどこかしら存在します。日本の中枢といえば、千代田区。東京駅があり永田町があり秋葉原がある。その脆弱性って何だろう、と思わず考えてしまう映画でありました。

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Thursday, 2004/03/25

vuelos internacionales  vuelos internacionalesを含むブックマーク

 ようやく一時帰国の予定が立ちました。前々から旅行代理店(H.I.S. Madrid)への問い合わせは出していたのですが、日系航空会社が4月以降の欧州発料金を発表したのは18日になってからで(ぉぃぉぃ)。

 で、気になる VLCバレンシア‐SPK札幌 のお値段なんですが

NH
808ユーロ
JL
852ユーロ
AF
874ユーロ

 スペインの地方都市から日本の地方都市への移動となると、いろいろ不都合が多くて…… バレンシアに就航している会社が限られていることに加え、何より日本国内の移動が高いのです。

 エールフランスは参考料金として出してもらったのだけれど、復路パリでの宿泊が入るので除外。値段で見ると全日空の方がいいのだけれど、往路CDGシャルル・ド・ゴール空港(パリ)で7時間30分の乗り継ぎ待ちがある。というわけで、マイレージのこともあって日本航空になりました。といっても、JALの機材を使うのはKIX関西‐CTS新千歳(札幌)だけ。わざわざコードシェア便を選び、往路はCDGパリ経由のエールフランス、復路はMXPミラノ経由のアリタリアです。日本航空の自社便でも悪くはないのですが、どうせなら他社便に乗ってみたいな(はぁと)というわけで。

 ところが運航日と空席の都合で、日本を出るのは4月22日(木) よりによって“Quartett!”と『リアライズ』の発売前日だよ(泣)

Tuesday, 2004/03/23

planetas  planetasを含むブックマーク

 Wikipediaの『架空の惑星一覧』(情報出所:読冊日記)。「架空の××」は他にも一覧化されているけれど、もっともSFの色彩が強くて面白いのはこれでしょう。何たって、架空の生命体が生活する場所を考え出そうとしているわけだから。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9E%B6%E7%A9%BA%E3%81%AE%E6%83%91%E6%98%9F%E4%B8%80%E8%A6%A7

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Sunday, 2004/03/21

さくら

SAKURA cazadora de cartas  SAKURA cazadora de cartasを含むブックマーク

 荷物の整理をしていたら、買ったけれど観ていないDVDが5枚ほど出てきました。そんなわけで、消化作業。まず『劇場版カードキャプターさくら封印されたカード』を、日本語音声+スペイン語字幕で。前半の告白しようとするさくらちゃん、あの身悶えするような演出は2度目でも耐性がついていませんでした(完膚無きまでにやられた)。

 それから『パトレイバー』のTV版。なぜか“WXIII”の方が先に発表されているという、変則的な発表順。第2巻しか見当たらなかったので、6話から9話まで。10年後を舞台にした作品を15年後に見ると、「5年前に過ぎた近未来」というややこしいことに。

http://www.otakutv.com/

http://www.jonumedia.com/

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Friday, 2004/03/19

クレマ

Fallas  Fallasを含むブックマーク

 17日(水)からの3日間、火祭り(ファジャス)のため大学もお休み。毎日、人形を見て歩いておりました。19日の深夜、ただ1つを除いて火がかけられ、祭りは終わります。

 で、たくさん写真を撮ってきたのですが、見返してみると面白い絵が少ない。一部分を切り取ってきても、華やいだ空気は伝えられないなぁ。

http://valencia.sociallaw.info/

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Tuesday, 2004/03/16

マジョルカの空と海

Mallorca  Mallorcaを含むブックマーク

 先日のマジョルカ旅行で取ってきた写真を、ウェブサイトに掲載しました。どうぞお楽しみください。

http://barcelona.sociallaw.info/

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Sunday, 2004/03/14

Lost In Translation

[] Lost In Translation  Lost In Translationを含むブックマーク

 映画『ロスト・イン・トランスレーション』を観てきました。ちなみにスペインでの話。日本では、間もなく公開される予定とのことです。

 サントリーでいちばん高いウィスキーの広告に出演するためにやってきた俳優(ビル・マーレイ)と、カメラマンである夫に付いてきた若き妻(スカーレット・ヨハンソン)とが主人公。言葉が通じない街の中で、連れ添うべき人との間にきしみを抱え、共にそれぞれの淋しさを持つ2人は次第にうち解けていく――

 舞台は東京。タクシーから見えるのは渋谷の街角。2人が出逢うのはパークハイアット東京(新宿)。正規料金は、1泊52,000円から。41階にあるというバーの眼下に広がる夜景が美しかった。そんなところでカクテルを傾けてみたいけれど、あの1杯だけで私の使っている安宿の1泊ぶんぐらいするんだろうなぁ。

 感想。いい映画でした。ところが、どこが良かったのを説明しようとすると、非常に苦慮する作品なのです。ソフィア・コッポラ監督は孤独感を描いてみせているのですが、そのせいなのでしょう。「寂しい」というのは、喜怒哀楽といった動きを伴う感情ではなく、穏やかな存在ですから。音楽は、掛け値なしに秀逸でありました。情景にあった、美しい旋律が心に残ります。これもまた、映画の好評価に対し多分に寄与しています。

 さて、舞台が日本であるということについて。この点、ともすれば日本人にとっては負の作用をもたらしてしまうかもしれません。私は、東京にやって来た外国人の視線を上手く表現しているな、と思いました。周囲のスペイン人達の様子を観察していたのですが、笑う場面が違うんですよ。例えば、ホテルのエレベーターにて。枯れかかった男性がいっぱい詰まっている中で、頭1つ背が高い西洋人がいるというコマ。何気ない情景描写ですから、日本人ならここではクスクスっとならないでしょう。なるほど、異国に対する小さな驚きが随所に散りばめられているのです。しかし差異が強調されてはいても、誤解されたり曲解されているようなところは無かったので、安心して観ていられます。日本から見たスペイン観が、「闘牛+フラメンコ+パエージャ=情熱の国」という公式で構成されていることに比べれば、はるかに有りのままの姿に近いのではないでしょうか。

 作品の舞台は、主人公達の言葉(英語)が通じない無国籍な都会であれば良かったのでしょう。もし数年後にこの映画が撮られるなら、舞台は北京かソウルに移っているかもしれません。日本が未だ見捨てられていないことを、幸いに思うべきでしょう。どうも私には、日本が過去1世紀に渡って有していた東アジアにおける地位というものが、あとしばらくで時効を迎えるような気がしてならないんですよ……

 日本人にとって残念なのは、投げかけられている「わからない言葉」が理解できてしまうというところでしょうか。作中、主人公達に向けられた言葉(日本語)を、わざと訳さない場面が出てきます。日本人なら字幕版であれ吹替版であれ双方のことが分かってしまうので、「何を言われているのか分からない」という焦燥感が伝わってきません。“Lost In Translation”になれないのです。

 ちなみに先日『ラストサムライ』のことを散々にけなした私ですが、あれは時代と物語の考証が滅茶苦茶であったことにいらついたのです。『ロスト・イン・トランスレーション』の世界には、すんなり入っていけましたよ。

 そうそう。冒頭に出てくる、お尻。とっても綺麗でしたよ〜(*^^*)

http://www.lit-movie.com/


http://d.hatena.ne.jp/kmiura/20040223#p1

http://d.hatena.ne.jp/kmiura/20040304#p1

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Friday, 2004/03/12

喪章

matanza  matanzaを含むブックマーク

 今日のスペイン。3日間の服喪が発表され、ここ数日に予定されていた催しもの(コンサートなど)は、続々と取り止めになる。美術館や博物館も臨時休館。主立った施設には半旗がかかげられ、喪章がつけられる*1。テレビ画面も、画面の隅に黒いリボンが表示され続けている。

 12時00分、追悼行事。郵便局は営業を15分間休み、路面電車も停留場に留まり、工事現場の作業員は仕事の手を休め、黙祷を捧げる。

 午後、小中学校は休講。大学は、全日に渡り休講。

 19時00分、政府の提唱により、全国各地でテロに抗議する集会が催される。参加者への便宜を図るため、17時から21時まで、公共交通はすべて無料。

 今回マドリードを襲った鉄道爆破テロに対しては、虐殺(matanza)という表現が用いられている。“11-M”*2という名称で記憶されることになりそう。

 アトーチャ駅(Atocha)は新幹線(AVE)や長距離線の発着する駅。日本で例えるなら、東京駅か新宿駅のようなところ。駅前には私が常宿しているホテルがあり、見慣れた風景の中を緊急車両が行き交っていた。被害にあった赤い車両は近郊線に用いられているもので、内部の様子を思い浮かべることができる。自然と涙がこぼれる。


▼ スペインの主要全国紙

http://www.elmundo.es/(エル・ムンド)

http://www.elpais.es/(エル・パイス)

http://www.abc.es/(アーベーセー)

*1:旗を旗竿の真ん中で止め、旗の中央か先端に黒いリボンを取り付けると、哀悼を表す意味になる。これは日本でも同じ。

*2:3月11日を意味するスペイン語“11 de Marzo”の略。

nobodynobody 2004/03/13 00:05 気になっていました。genesisさんはご無事のようでなによりですが、自覚し得ぬうちに、心にお怪我などされていなければよいなと案じております。ではでは。(いろいろ大変だと存じますので、ご返信は無用です。)

genesisgenesis 2004/03/13 00:35 お気遣い、ありがとうございます。これから、抗議集会に参加してきます。

Thursday, 2004/03/11

ETA  ETAを含むブックマーク

 Euskadi Ta Askatasuna(バスク語)の略称。「バスク祖国と自由」と訳される。

 バスク地方の分離独立を主張する急進的な民族組織。バスク地方とはピレネー山脈を挟んでスペインとフランスにまたがる地域であり、スペインにおいては北東部のバスク州(ビトリア)とナバラ州(パンプローナ)一帯がこれにあたる。バスク語は、言語学的に周辺のインド=ヨーロッパ語族とは独立しており、系統不明とされている。

 1936年から1976年までスペインに軍事独裁をしいたフランコ将軍は、民族の独自性を否定したため、中央政府との対立が激化。1959年にETAが結成される。以後、爆弾テロを頻繁に起こすようになる。1973年12月、ETAとの対決姿勢を明らかにしたカレロ=ブランコ首相を、自動車もろとも吹き飛ばす爆弾テロを行う。結成以来、無数のテロが行われており、2003年までに800人以上が犠牲となっている。


Special Warfare
http://www.special-warfare.net/data_base/101_war_data/euro_01/spain_01.html
World Digest
http://www.w-digest.com/mm/mm0002/bk/000019.html(前編)
World Digest
http://www.w-digest.com/mm/mm0002/bk/000020.html(後編)
Le Monde diplomatique
http://www.diplo.jp/articles03/0305-4.html
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Monday, 2004/03/08

Koneko

Palma de Mallorca (3)  Palma de Mallorca (3)を含むブックマーク

 マジョルカ(マヨルカ)島、滞在3日目。

 09時10分、オスタル・アプンタドーレス*1 をチェックアウト。夕方まで荷物を預かってもらうことにする。

 町中を眺めながら歩き、09時50分、駅の裏手にあるバスターミナルへ。ベンチにいたおじさんから乗車券を買う(6.35ユーロ)。そのすぐ後、女性2人連れがやってきました。“Doce con setenta”と言われているのに「いくら払えばいいんだろ?」と(日本語で)言うものだから、つい「12.7」と(日本語で)答えてしまいました……。そんな成り行きで、帰りまでご一緒することになりました。福岡の大学の生徒さんで、卒業旅行に来たのだとか。あの、誤解の無いように行っておきますと、私の方から声をかけたわけではなくて、先方がバスの中で話を聞きに来たんですよ〜

 さて目的地は、島の東海岸にあるドラック洞窟(Coves del Drac/Cuevas Drach)。1896年にエドゥアール=マルテルによって発券された、この島最大の鍾乳洞です。地学と鉱石が大好きな私としては、ここをはずすわけにはいきません。途中の沿道には、マジョルカ島名物の風車を見ることが出来ます。所用1時間40分で、港町ポルト・クリスト(Port Cristo)に到着。バスはぐるっと半回転し、バス停の後ろにある道を5分ほど登って到着。車内放送も何もなかったので、危うく乗り過ごすところでした。気をつけましょう。

 さて、このバス停で降りたのは4人だったのですが…… なんか、わらわらと老人クラブの貸切バスがやってきます。その数、およそ300人(汗) 入場時刻が決まっているため、一時に大量の人が押し寄せることになります。おかげで、とんでもない混雑でした。

 残念なことに内部の撮影が禁止だったので写真をお見せできないのですが、とても良いところでしたよ。時間をかけて行ってみる価値は十分にありました。以前、山口県の秋吉台(秋芳洞)に行ったことがあるのですが、それに比べると、鍾乳石の表面は水分少な目で色黒、針のようにとんがっていました。30分ほどかけて進んでいくと、湖面に出ます。これが、長さ177mで世界最大の地下湖マルテル湖(Lac Martel)。で、この湖に面した斜面がコンクリートで固められ、全員が座れるだけの客席が設けられています。あ然。美しい自然をそのままに、という発想は無いようです……。

 着席したところで、イベント開始。3席の小舟が、音楽を奏でながら湖面を滑ってきます。

 小演奏会が終わったところで、順次退場。「船でお帰りの方は左へ、歩いてお帰りの方は右へどうぞ」ということだったのですが、相談の結果、船を選ぶ。が、「あのぉ、船の終点って、あそこですよね?」と視認できるほどに短距離であることが判明したため、橋を渡って帰ることに変更。約1時間の地底見学を終えて帰還すると、そこにはクジャクが……。なぜ??

 さて、13時。帰りのバスが14時45分なので、ちょっと待ち時間がある。女性2人組は食事をしないということだったので、1人で昼食をとりにいくことにする。坂道を下っていくと、ほどなくポルト・クリストの市街地に着く。海沿いに飲食店が軒を連ねていたので、適当なところを見つくろって定食を注文。1皿目はスープ、2皿目はヒラメのフライ、飲み物はビール、食後にアイスとコーヒーで、しめて10.9ユーロ。店を出た後、目の前の海岸を散歩してきましたが、砂は白くてきれいだし、入り江の湾曲具合も適度、海の色は鮮やかで、保養に来るならいい所でした。海中が眺められる遊覧船も出ていたのですが、そこまでの時間はなかったのであきらめる。

 14時50分、ちょっと遅れてバスが到着。先ほどの女性2人組も乗っていました。ところが、話を聞いてみると、一度この市街地まで降りてきたのだとか。往路、「アルハンブラ宮殿の入場券は、ここにもある銀行*2 の支店で簡単に予約できるんですよ〜」と話しておいたのですが、空き時間に買いに行こうということになったらしい。で、バス乗り場がどこか自信が無かったので、北道を戻り、ドラック洞窟前のバス停から乗ってきたのだとか。お疲れさま。

 16時30分、パルマ・デ・マジョルカに戻る。ここで女性達とは別れ、旧市街へ。17時30分、司教区美術館(Museu Diocesa)へ。祭壇画を収蔵しているとのことだったのですが、要は礼拝堂の壁に集めた絵画を飾り付けてあるというもの。宗教画は嫌いじゃないのでいいとして、これで入場料3ユーロというのは釣り合わないというのが偽らざる感想。

 日も暮れてきたので、これで観光を切り上げることにする。荷物を受け取って、少しばかりチップを渡し、バスの1番線に乗って空港へ。所用30分。チェックインを済ませ、空港内の売店を見て回ることにする。それほど多くはないけれど、必要なものは一通り揃っていました。みんな、競い合うように銘菓エンサイマダ(ensaimada)の入った八角形の箱を抱えているのが面白い。出発のアナウンスを聞いていると、2/3はドイツ語。就航している航空会社も、“.de”で終わるものが多い。マジョルカ島は、ドイツ人にとってのハワイなのです。

 本屋さんに入ってみると、ドイツ語のものが並べられていて、ここがスペインなのが自信がなくなってくる。ふと、ツインテールでセーラー服という、なかなかグッとくる雑誌に目がとまったのですが――

 『オタクのためのトレンドマガジン Koneko』(←と独逸語で書いてある)

 文章の意味は分からないながらも、写真を手がかりに読み進めてみたところ、特集は「実写版セーラームーン」、コスプレ講座は「東京ミュウミュウの髪留めの作り方」でした。やおい漫画も収録されていたので、女性向けと思われます。ヴァルハラは、存外に近いところにあるような気がしてきました。

 あ、最後に。マジョルカ産の真珠のことを、マジョリカ(Majorica)って言うんですよ。♪ピリカピリララ

*1:オスタル(hostal)とは、スペインにおける小規模経営の宿泊施設のこと。

*2BBVA; Banco Bilbao Vizcaya Argentaria, ビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア銀行

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Sunday, 2004/03/07

ソーイェルの路面電車

Palma de Mallorca (2)  Palma de Mallorca (2)を含むブックマーク

 マジョルカ(マヨルカ)滞在2日目。島の北西海岸に行ってみました。パルマのスペイン広場から出ている鉄道に乗車。90年以上前に建造されたという、古い木造車両が使われています。毎日10時40分に観光列車が出発するのですが、駅に行ってみると10時10分の臨時便があったので、即座に乗車(運賃6ユーロ)。アーモンド畑の中を突っ切っていく、のどかな路線。途中、目的地を見下ろす高台に停車します。

http://www.trendesoller.com/

http://www.sollernet.com/

 11時20分、ソーイェル(Soller)着。まずは駅構内のバルで珈琲を飲み、目を覚ます。街の中心にそびえる教会と、その前にある小さな広場が素敵な町でした。鉄道駅の正面から出る路面電車に乗り換え、海岸を目指します(運賃1ユーロ)。これまた木造のレトロな車両。車両の右側には柵も何もなく、下手をすると転げ落ちます(笑)

 15分ほどで、港町ポルト・デ・ソーイェル(Port de Soller)に到着。港を囲むように飲食店やお土産屋さんが並んでいます。私には観光地化しすぎているように思えたので、次の路面電車でソーイェルに引き返しました(30分間隔で運行)。

 13時20分、手近なバルに入り、ボカディージョ(スペイン風サンドイッチ)とビールで昼食。

 14時00分、帰りの列車に乗車(運賃2.47ユーロ)。ぽかぽかした柔らかい日差しにうとうとしながら、車窓を眺める。

 15時00分、パルマに戻る。駅前からバスの3番線に乗り(1.1ユーロ)、20分ほど揺られてプラサ・ゴミーラ(Plaza Gomila)で下車。進行方向後ろ側へと戻り、最初の角で左側に曲がって坂道を登っていくと、10分ほどでベルベル城(Castell de Bellver)に着きます。日曜日は入場無料。高台の上に建つ円形の見晴台で、パルマの街と港とが一望の下に見渡せます。

 再びバスに乗って旧市街へ戻り、17時15分、回教徒浴場(Banys Arabs)へ(1.5ユーロ)。1,000年ほど前にアラブ人が造ったものらしいです。暇を持てあましているイスラム愛好家の方でしたら行ってみてください(無理していくほどのものではないよ、っていうことです)。

 陽が西に傾いてきた時間帯には、ぜひ海岸沿いの遊歩道を散策してみてください。のんびりできる、とても素敵な場所でした。

 潮風の匂いを楽しんだあとでバルに入り、ビールとクロケータ(croqueta)で夕食。これが日本に伝わって「コロッケ」になりました。味も同じ〜

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Saturday, 2004/03/06

アルムダイナ宮殿から見たカテドラル

Palma de Mallorca (1)  Palma de Mallorca (1)を含むブックマーク

 マジョルカ(マヨルカ)行きの往復航空券が 65ユーロ(=8,700円)で買えたので、2泊3日で出かけてきました。マジョルカ島は西地中海に浮かぶ島で、スペイン本土からイタリアの方角に向かって40分ほど飛んだところにあります。タクシーでバレンシア空港に乗り付け、08時50分発のUXエアーエウロパ便に乗り込みました。

 水平飛行に移ったと思ったら、あっという間に州都PMIパルマ・デ・マジョルカに着陸。新しい立派な空港で人口の割りに大きく、観光客でにぎわっていることがうかがえました。

 空港前のバス停から1番線に乗り、30分ほどで中心部へ(1.8ユーロ)。降りるバス停を1つ間違えてしまい、てくてく戻るはめになってしまったのですが、11時には予定の宿泊施設にチェックイン。オスタル・アプンタドーレス(Apuntadores)にしたのですが、共同シャワーのツインをシングルユースにして1泊27ユーロとお手頃でした。経営者も感じのいい人で、ここならお薦めできます。

 荷物を置いて、早速市内観光に出発。まず旧市街の中心にある観光案内所に行き、無料の地図と交通機関の時刻表を入手。階段の下にあるので、ちょっと見つけにくいかも。すぐに戻って手近なバルに入り、生ハムを挟んだボカディージョ(スペイン風サンドイッチ)を食べながら計画を立てる(炭酸水とあわせて4.4ユーロ)。

 12時00分、まずはカテドラル(Catedral)へ。1587年に完成したものですが、前世紀に行われた改修の際にガウディが製作した天蓋飾りがあることで知られる大聖堂です(入場料3.5ユーロ)。この建物、海岸から見たときの姿が美しくて、滞在中、近くを通りがかるたびに見とれていました。真っ青な空に良く映えるのですよ。

 12時30分、隣にあるアルムダイナ宮殿(Palau de l'Almudaina)へ。もともとはアラブ建築だったそうですが、現在ではスペイン国王の別邸として利用されています(入場料3.4ユーロ)。

 旧市街をぶらぶらと散策して、14時に昼食。ボルン通り沿いにあるレストランのテラス席に陣取り、日替わり定食(Menu del Dia)を注文。1皿目は健康のために野菜サラダ、2皿目は牛カツレツ(escalope)。味付けにとんかつソースではなく、胡椒とレモンを使うというだけで、日本のものと大して変わりはないですよ。食後にチョコレート・アイスクリーム、仕上げにエスプレッソ珈琲を頼み、しめて12.3ユーロ。日射しは南国の楽園そのもので、ものすごくゆったりできます。

 ビールを飲んで気分が良くなっていたのと、バスの停留所がわからなかったのとで、歩いてミロ美術館(Fundacio Pilar i Joan Miro)へ。1時間かかりました(^^;) 中心部から4kmほど離れているので、ここへはバスかタクシーに乗って行ってください(入場料4.8ユーロ)。さて、ここなんですが…… 近代美術に強い興味を持っている人でないと、行かない方がいいかもしれません。展示されていたものの中にスケッチがあったのですが、幼稚園児の描いた落書きじゃないの?と思いました。

 帰りは坂を降りたところからバスに乗り(運賃1.1ユーロ)、ランブラス通り(Rambla dels Ducs)で下車。あてどなく旧市街をさまよい歩いてみました。マジョール広場(Pl. Major)に行こうとしたのですが、なかなか見つからない。なんと、ランブラス通りの突き当たりにある階段を昇った上にあるのでした(汗) この通りを貫く南北の通りが商店街になっています。お洒落なお店がたくさん並んでいて、ウィンドウを眺めて歩くだけでも楽しいところです。

 マジョール広場の地下には、コンスーム(Consum)というスーパーマーケットがあります(日祝定休、21時まで)。ここで食料品を調達。エンサイマダ(ensaimada)というマジョルカ名物の菓子パンを買ってきて、翌日の朝食にしました。うずまき型のママレード入りパンとでも言いましょうか。

 21時、宿泊場所の並びにあるバルに入る。マッシュルームのニンニク炒めが湯気を立てて並べられていたので注文し、ビールとパンとで軽い夕食(4.6ユーロ)。美しくライトアップされたカテドラルと、透き通った月の光を見ながら夜道を散歩して帰還。

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Friday, 2004/03/05

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Tuesday, 2004/03/02

はてなダイアリーにおけるルールに関する一考察

 序を含むブックマーク

 ここに、任意の社会集団における意思決定機構として「はてなダイアリー評議会」というものがある(以下、評議会と略す)。この論考は、これまでに評議会にかかった議案を素材にして関連する事柄の法的位置づけを明確にし、もって将来における議論が無用の紛糾を生じることのないようにするためのものである。

第1節  第1節を含むブックマーク

 最初に「はてなダイアリー」におけるルールの位置づけについて考えておこう。まず上位にあるルールとして「利用規約」がある。これはidを取得しようと申し込む(=利用契約を締結する)際に示されるものであるから、その有効性は契約から導き出すことができる。利用規約は将来に於いて改訂することを予定していることからすると、その性質は【約款】(やっかん)であろう。約款というのは、生命保険に加入した時であれば契約書の裏面に書かれている「自殺した時の保険金は〜」といった注意書きであり、バスにあっては「大量のマッチを持ち込んではいけない」という掲示である。これに反した行動は(1)契約の一方的解除(idの停止)を取ることが一般的であろうが、場合によっては(2)契約不履行を理由とする損害賠償の請求によって解決されることも考えられる。

 いまひとつ下位のルールとして機能しているものに、「キーワード作成ガイドライン」というものがある。この性格と効力を考えることが難しい。約款の効力は契約から導かれるものである。しかし利用規約にはガイドラインについて触れていないため、ルールとして有効ならしめるための根拠規定がない。となると、ガイドラインの性格は【明文化された社会通念】であろう。さすれば、これに反対する者に従うことを強制できるほどの強いルールではないところに、利用規約という上位のルールとの相違がある。ただ、ガイドラインには多くの利用者有志が自発的に関わっており、運営者(株式会社はてな)もガイドラインに従った結論を尊重する態度をとっていることから*1、社会一般における社会通念よりは正当性が強いというだけのものに過ぎない。もしガイドラインに反する行為(キーワード作成)が行われようとも、それを禁止できるだけの強制力を持っていない。

 筆者がここで述べておきたいのは、こうしたガイドラインの心もとなさではない。既存のガイドラインを不動のものと考え、杓子定規に当てはめて結論を出そうとする思考によって硬直化することへの危惧である。ガイドラインが【社会通念】の一種だとすると、状況の推移に応じて社会集団の内部で変容していく性格のものだと言える。紛争の発生によってガイドラインの不備が浮き彫りにされたならば、論議を踏まえて臨機応変に変えていくことが出来るし、そうあるべきだろう。

第2節  第2節を含むブックマーク

 さて、話をはてなダイアリー評議会に移そう。この機関の法的性格について論じることはしないが、あらかじめ、ルールと評議会の関係を整理しておく。

 利用規約に抵触するかどうかは管理者が判断すべきものであり、そもそも評議会で決定するに及ばない。評議会に付託されるということは、ガイドラインという【明文化された社会通念】に照らして一義的に判断が付かない場合、その解釈を論じようとするものである*2。ただ、ガイドラインは利用規約の文言の枠内に収まるよう策定されたものであるため、ガイドラインの文言を解釈するための上位規範として参照しているのである。加えて言うと、ガイドラインは【社会通念】のうちの一部を明文化したものであるに過ぎないから、未だ文章化されていない【慣習】というものがあることを意識しておかなくてはいけない*3

第3節  第3節を含むブックマーク

 では、評議会の抱える問題点の指摘に入る。

 まず第1に、開催に至る手続の不備である。キーワードの削除であれば、作成ないし編集に関わった者に対してメールによる通知がある。しかし、評議会での決定はそれ以上に重要であるにも関わらず、衆知が不足しているとの感が否めない*4。投票の意思があるにも関わらず、評議会の開催を知らなかったがために棄権せざるを得なかったということになれば、評議会の結論に従おうとする意思は減退するであろう*5。かといって、評議会の開催があることを逐一利用者すべてにメールで通知するのも大げさすぎる。そこで、法律の公布と同じような仕組みを設けてはどうかと思う。日本では、新しい法律ができると官報に掲載される。実際に官報すべてに目を通している人は余程の変わり者だろうが、このようなフィクションを講じておくことにより、新しい法律が出来たことを知らなかったという反論を許さないことにしているのである。具体的な提言としては、はてなダイアリーのトップページまたはヘルプ*6 に公告のための場所を定めておき、そこにある情報に目を通していなければ不利益が起こっても関知しませんよ、ということにするのである。そもそも、評議会というものの知名度がどの程度あるのかすら疑問である。はてなダイアリーは情報の所在が分散すること甚(はなは)だしい。コミュニティーを成立させようと欲するならば、手続の正当性というものに対し多少なりとも配慮しておいた方が望ましい。評議会を開催することが決定された後、投票を開始するまでの間には、告知や議論のための期間を用意することが必要だろう*7

 評議会の抱える2つめの問題点として、議事進行能力の未熟さがある。これは議題第2号の審議において顕著となった。投票は2004年2月25日に開始されたが、29日に議案の内容が変更されたのである。これは、一方当事者に有利な文面であるとの意見に対応してなされたものであった。管理者はこれに誠実に対応しようとしたのであろうと思われるが、いったん投票に移った以上、議長は沈黙を保たなければ公正ではない*8

 そもそもの発端は、議案の作成に失敗があったことである。例えば国会での審議を思い浮かべていただきたい。票決に入る際、議長は「この法案に賛成の諸君は、ご起立願います」としか言わない。それ以上に情報を加えると、混乱を招いてしまう。評議会にかけられる議題は、「〜〜というキーワードを削除することに賛成しますか?」という明快な文面でなければならない*9

 なお、投票に際して存続支持論や削除支持論という幾つかのダイアリー所在情報が添付されていた。しかし、この取捨選択も問題を引き起こすことが併せて明らかになった*10。かといって、まったく情報が無いのでは判断材料を失う。そこで、評議会の議場から参照するのは、もっとも利害を持つ3人のダイアリーだけにしてはどうだろうか。その人物とは、(1)削除対象に移動させた人物(=削除賛成者)と、(2)キーワード登録者ないし(3)削除対象になった後に最初に引き戻した人(=削除反対者)である*11。利害関係の強さによって区切ろうとすると、この3人だけが壇上に進む資格を持っていると思われる。それ以外は、背後にいる応援団に過ぎない。それでもなお発言したいというのであれば、コメント欄で議論を展開することにすればいいだろう*12。議場の静粛さを保とうとするならば、コメント欄の利用も禁じるというルールを設けることを考えてもいい。

第4節  第4節を含むブックマーク

 評議会で最初に争われたのは、女性の胸郭のふくらみ具合が大であることを表す語句がキーワードとして適切であるか否かであった(以下、議案第1号)。次いで評決にはかられたのは、不倫について綴るサイトの名をキーワードとすることの可否である(以下、議案第2号)。この2つの詳細について検討することは、本稿の関心とするところではない。ここでは、キーワード作成ガイドラインとの関係において、両者はまったく性格が異なるものであることを指摘し、結論の射程範囲*13を明らかにしておきたい。

 まず議案第1号であるが、これは利用規約にもガイドラインにも含まれている判断基準である「公序良俗」に該当するかどうかが争点であった。あまり聞き慣れない言葉だろうが、法律を論じる際に頻繁に登場する用語である。関係する民法90条の本文の方がわかりやすい。考えるべきは「善良なる風俗」とは何か――である。ワイセツではないが低俗な語句をキーワードとして許容するのかというのが問題点であり、ガイドラインの条項の当てはめ方についての議論であった。これは当該一語のみを射程範囲に置くものではなく、同じような性格を持つ俗語に対しても判断基準として作用する。

 対して議案第2号で争点となったのは、(A)不倫という語句を含む個人サイトをキーワード登録することの可否、(B)リンク先のサイトの内容をキーワード採否の判断基準とすべきかどうか、(C)第三者言及性である。多岐にわたっているため全てを捕捉できていないが、それぞれの当否を論じることが本稿の目的では無いので、このまとめに不備があることはご容赦願いたい。ここで述べたいのは、論点を1つに整理できないまま事態が推移したため、この評決の射程範囲は他の事例に及んでおらず、ここから新しい原理原則を引き出すことができないということである。2月29日の議案修正によって混然となってしまったことが、ますます混乱を深めた。この議決は、あくまでこの一件をどう収束させるかだけの役割しか持っていない。これを契機として、問題になった論点をガイドラインの内容に反映させるべく議論を展開していくほかないだろう。

第5節  第5節を含むブックマーク

 重複するが、ガイドラインの性格について今一度述べておく。

 ガイドラインは、先に述べたように【明文化された社会通念】である。これははてなダイアリーという社会集団(コミュニティー)内部での話であり、社会一般と異なっていても構わない。雑誌や番組では用いられている卑猥な語句であっても、キーワードとして利用することは控えようということもありうる。

 また、管理者の許容する範囲の内側で、独自の制限を設けても構わないだろう。例えば個人的属性の強い事柄(ウェブサイト名など)を登録することにつき、管理者としてはこれを問題としていないようであるが、利用者で申し合わせて登録を自粛することにしてガイドラインに加えるという方策もあり得る。コメント削除を目的としたキーワードのスクラップ&ビルド(多重登録)を不愉快に思うならば、それに対応したルールを考えるべきだろう。そのために評議会が召集されるという使われ方のほうが*14、有効かつ確実に機能する。議題第2号のように、ある1つのキーワードの当否を判断するために使うことは、当時者同士のもつれをなだめるためのものとして意味があるが、費やされた労力に対する収穫が少ないように思う。

 刑法の基本原理に「疑わしきは罰せず」というのがある。何らかの基準に照らしてはっきり違反だといえないのであれば、権力を行使することは抑制されねばならない。この原理に従うなら、ガイドラインの解釈が不明瞭である(ガイドラインに書かれていない)ならば、キーワードの削除に対して慎重でなければならない*15。評決があたかも人気投票のように推移することは、好ましいものではない。

第6節  第6節を含むブックマーク

 筆者は繰り返しガイドラインの改訂を待っての将来的解決を説いているが、ひとつ留意しなければならないことがある。遡及的適用の制限と、移行期間の設定である。これは、制度を変更することにより、それまではグレーゾーンに位置していたものがガイドライン違反となる場合の対処である。新ルールの制定をもって直ちにキーワード削除という不利益を与えると、反発を受けること必至である。新ルールによって新しいキーワードの出現はくい止めるにしても、既存のものに対してのルール適用は6か月程度の時間をあける必要がある*16

第7節  第7節を含むブックマーク

 個別の議案について本稿で当否を論じるつもりはないが、議題第2号のうち、第三者言及性についてだけは触れておきたい。この議論の中で登場した「休眠キーワード」、即ち、作成されたものの利用頻度の著しく低い語句の処遇についてである。現行の《作成》ガイドラインでは、第三者が利用する《可能性》がなければキーワードとしての存在を認めない立場を取っている。この判断基準を《削除》の際にも適用しようとすると混乱が生じる。何故ならば、作成から幾らかの時間を経た段階では、第三者が利用する《可能性》は引き続きそのままに、第三者が利用している《実態》があるかどうかも見ることも出来るからである。

 キーワード数を抑えなければならないというシステム上の必要性があるかどうか(広くいうと、運営者がどのような商品を提供するか)は、管理者が判断すべき事柄であって、ここで利用者が論じても仕方がない。ただ、利用者の側において、第三者の利用《実態》が無いものは削除するという自主ルールを策定することも、あながち不可能ではない。参照されることが少ないキーワードの存在をノイズとして嫌がる人も、少なからず存在するらしいからである。そこで差しあたっては、当事者の同意を取り付けたうえで削除するための手続的ルールが必要かどうかを考えてみてはどうだろう(これを削除勧奨ないし任意整理と呼んでおく)。「違反はしてないのですが使われていないようなので削除してもよろしいですか?」という要望を添えたうえで削除対象に移すといったことは、現在の諸ルールが禁じてはいないことである。キーワードの整理をしたいと考えている利用者がいることを前提として、そのための観察期間を何か月にするかとか、二度三度と要請しても良いか――といった「行動基準」を、その要不要も含めて論じれば良い。いったん作成されたものは削除しない、という自主ルールが登場することもあり得る。

 《作成》と《削除》を同一の考慮要素(ガイドライン)で判断することに無理があるというのは、議題第2号をめぐる論議から導かれた知見である。第三者利用の《可能性》と《実態》とは分けて考えられてしかるべきである。なお、削除勧奨のための行動基準を策定することで論議が進んだ場合、ある作家の知名度の低い著作のように、データベース上に存在するだけでも意味があるものまでも対象となるようなことがないよう基準を講じていただきたいと希望する次第である。

 結を含むブックマーク

 本稿の目的は、議論の方向を整理し、そのためのアイデアを提示することである。個々の事象に対する持論の展開は(極力)差し控えている。本稿で扱った内容については多くの方が発言されているが、ここでは筆者に視座を与えていただいた id:mittyid:sasada のお二方の名を挙げるにとどめておきたい。本稿が、はてなダイアリーというコミュニティーが健やかに成長するための一助となれば幸いである。


追記  追記を含むブックマーク

 id:mitty:20040302#p2 にて、はてなダイアリー日記に関連した言及をいただきました。トップページにおける説明によると、これは「仕様変更・新しい機能のお知らせ」のために利用するものであるとなっています。この文面からは、技術情報に関する資料が掲載される場所であると理解されます。運営に関わる告知の場としては、現状では不適切だというのが筆者の考えです。

 id:sasada:20040302#1078190714 にて、はてなダイアリーヘルプとの関係についてお尋ねをいただきました。ヘルプは、利用規約の解説として管理者が執筆するものであり、利用者が関わることはできません。利用規約よりは下位に位置しますが 利用者が作成するガイドラインよりは上位に位置します。利用規約とヘルプの関係は、さしずめ法律に対する 政令 のようなものでありましょう。【これについては id:hakuriku さんより、同列にある「施行法」を例に挙げた方が適切ではないかというご指摘をいただきましたので、改めます。】

 なお、同じ文書において、キーワード削除ガイドラインについての言及をいただきました。これについてですが、現時点では管理者が作成した文書(ヘルプ)から参照されていないので、キーワード作成ガイドラインよりは弱い存在です。作成ガイドラインから削除ガイドラインへの橋渡しもありません。その通用力が低いと思われたことから、本文中では取り上げませんでした。

 id:herecy8:20040302#p3 にて、論点整理についての所感を頂戴しました。

 id:kanryo:20030002 にて、ガイドライン制定の趣旨について述懐を頂戴しました。なお、評議会の議案に関して当方の見解を補足しておきます。ご指摘にあります通り、評議会は個別事案の解決を目的としております。また、id:hatenadiary より「影響範囲については、議題としてあげられたキーワードのみに適応されるものとしたい」との見解が示されていることは筆者も承知しております。しかしながら、議案第1号のようなものであれば「××が認められたなら△△も可能だろう」という予測をたてることができ、その意味において慣習としてのルールを形成する機能があるということは指摘できると思います。もちろん、下手に推測を広げると誤解や衝突を招きかねないということは言うまでもありません。

 id:Piccoli:20040303#1078287053 にて、本稿の問題点をご指摘いただきました。利用規約とヘルプの関係、議決の効力については、重複するので省きます。第2節以降にはガイドラインに強制力が存在するような記述がみられるという指摘は、まったくもって筆者の不手際であります。ガイドラインに反した行動は評議会によって制限されるであろうから間接的には強制力が担保されている、とは言えると思うのですが手抜かりでありました。

*1ヘルプから誘導されていることのもたらす効果である。

*2:ここでは司法的性格で説明したが、筆者は評議会に立法的性格を持たせることもあるだろうと考えている。即ち、ガイドラインの策定をめぐって対立が生じた時に賛否を問う使い方である。

*3:以後に同種の紛争が続くことを避けるため、論議を呼んだ事柄はガイドラインに収録して明文化することが望ましい。改訂にあたっての手続を考えることも必要だろう。

*4:より上位の規範である規約改訂についても通知はないが、これは一方的に変更することが予め宣言されている。

*5:この指摘は、議題第1号で保留とする意見で既に登場している。

*6:この2箇所だけが、個々のダイアリーから1クリックで移動できる範囲である。

*7:評議会に付託される以前に論議が尽くされていることと思うが、議題となってはじめて問題の所在を知ることの方が多いだろう。

*8:関係当事者各位にお願いしたい。ここで筆者が行っている指摘を過去に向かって遡及的に及ぼすことはなさらないでいただきたい。筆者は、評決によって解決しようという当事者間の了解が反故(ほご)にされることを恐れている。何分、評議会は生まれて間も無い制度なので、不備があるのは筆者も重々承知している。本稿は、将来に向けての提言として捉えていただきたい。

*9:立法的に利用するならば、「〜〜をガイドラインに収録することに賛成しますか?」という文面になる。

*10:異議は、賛否の意見数が均衡を欠いているというものであった。

*11:削除反対者側の人物を2人挙げたのは、キーワード登録者が必ずしも削除に反対するとはいえないからである。3人が関与した場合には賛否同数とはならなくなるが、三者三様の思惑があるだろうから、無理矢理に削除反対者の代表を統一させても禍根を残すだけだろう。

*12:コメント欄が荒れることを防ぐため、文章は各自のダイアリーに記載し、所在情報だけをコメント欄に書き残していく、という試案を提示する。

*13:射程範囲というのは裁判例の分析をする際に用いられる術語である。ある裁判で結論が出された時、似通った別の事件に対してどの程度の影響力があるのかを論じる際に登場する。

*14:筆者が先に述べた、立法的な活用のことである。

*15:ルールが不明確なままでは、作成と削除のイタチごっこになる。グレーゾーンに位置するものだと認識したら、その一件はひとまず放置し、問題の所在を有識者に伝えてガイドラインに反映させる努力に振り向けた方が建設的ではないか。

*16:ここでは評議会の議決の有効期間を準用したが、期間の長短などは自由に議論していただきたい。

hakurikuhakuriku 2004/03/03 17:43 「はてなダイアリーヘルプ」は、規約・はじめに・第2項により「規約の一部を構成するもの」とされる以上、規約と同等の効力を持つと解するのが相当と思います。比喩を用いるなら政令ではなく施行法でしょう。

genesisgenesis 2004/03/04 02:03 なるほど、施行法の方が適切ですね。ご指摘、ありがとうございました。

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