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博物士

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Sunday, 2005/08/21

symphonic=rain DPC

[] symphonic rain, unaccompanied suites  symphonic rain, unaccompanied suitesを含むブックマーク

舞台探訪

 工画堂スタジオくろねこさんちーむ)『シンフォニック=レイン*1にて登場する場面に,イタリアの光景を重ねてみる。

http://symphonic.g.hatena.ne.jp/genesis/20140505/p1

 来月末,乗り継ぎのためにローマへ立ち寄る予定があるのだけれど,残念ながら取材に出かけるだけの余裕は取れませんでした。『GUNSLINGER GIRL』&『BITTERSWEET FOOLS』の舞台探訪*2は,そのために撮影したわけじゃないので構図が不正確だし。改めて出かけなくては。

DPC

 “digital picture collection”(ISBN:B0002WTLLA)。

 うわぁ,これが本体と別に存在している(いた)というのは,大問題ですよ*3。3編のオリジナルノベル(外伝)が収載されているのですが,『雨の始まり』は“音の妖精”についての物語解釈を左右してしまう代物。

 個人的な感想ですが,「通りがかりの通行人の足にしがみついて移動するフォーニ」なんていう描写をされたら,ますます虫っぽく思えて嫌(^^;

 収録されているイラスト22枚は,いずれも美しい。

Soundtrack

 すっかり気に入ってしまったので,ボーカルアルバム“RAINBOW”を購入。

 トルティニタ(中原麻衣)の「秘密」や,フォーニ(笠原弘子)の「空の向こうに」などは,ここ一箇月ほど1曲リピートで飽きずに聴き続けています。

シンフォニックレイン ボーカルアルバム「RAINBOW」

 もちろん,岡崎律子さんの唄う“for RITZ”も忘れてはいません。でも,聴いているうちに「涙がほおを流れ」てしまうので,辛いんですよね……*4

 もし,岡崎さんのファンで,このアルバムに特別な想いを持っている人は,是非とも『シンフォニック=レイン』という作品に触れて欲しいと強く願う。この旋律,そしてこの歌詞は,雨の降り続く街ピオーヴァの中にあって光り輝くものだと思うから。

For RITZ

postlude :: evangelist

 この作品を評価する言葉を探すために,かなり熱心に評論を読みふけりました。美少女ゲーム運動,ギャルゲー表現,雫の時代,青の時代,内面の発見,傷つける性,主体性を消し去るプレイヤーキャラクター,メタリアルフィクション,物語における観測問題――そうした要素が収斂する場所に2004年がある*5。そして,そこで『シンフォニック=レイン』は生まれ落ちた。でも結局,

それでも、あえていう。これは傑作である。

http://d.hatena.ne.jp/./show-must-go-on/20050119#p1 (kaienさんの過去ログ)

この一言で足りました。

 〈ゲームという表現〉が〈ゲームにしかできない〉ものを模索した末,〈プレイヤーの中で収束する物語〉として『シンフォニック=レイン』が奏でられた。これは,聴衆を必要とする交響曲。

 これから先,ゲーム評論の場で発言することがあるかもしれません。そのときも私は,福音を伝え続けていくことでしょう。

http://www.nankyoku-koubou.com/symphonic-rain/ (なんきょく工房)


▼ 追記 (2005/08/22)

 歴史的な位置づけの部分について,反論を頂きました。

 ノベル系ゲームのカウンターとしてそのまま取り上げると、後で禍根を残すように思う。

http://d.hatena.ne.jp/tdaidouji/20050822#p1

 白状しておくと,私は演奏パートでは即座にESCキー,だったので意識に昇ってません。ADVパートを重視しすぎだというのは,その通りでしょうね。

 もっとも私は,『Fate』や『ひぐらしのなく頃に』は葉鍵系の〈ハイパー・ノベル〉とは別な文法に沿うものと把握しています。2004年は「流れ」そのもののが構造的に変化を起こしたのではないかと見ているので。“S=R”にしても「ノベル系ゲーム」の系譜に押し込もうとしているわけではありません。ゲームシステム(ゲーム性)が重要な役割を果たしているという点において,“YU-NO”や“Ever17”と同じ地平に立つことが出来た希有な例ではないかと理解します*6

 「カウンターをあてた」という表現は不正確だったかな。ハイパーノベルの文法に則した“振り”をすることで成立させているシナリオ構造のことを言いたかったのですが。tdaidoujiさんが〈拡散〉という表現で述べておられることは,私が〈収束〉と言っていることとコインの裏表であるように思えます。私は,「観測者である私」の主観しか問題にしていませんでしたので。

▼ 追記 (2005/08/23)

 観測問題について,エレさんにコメントを送りました。

http://blog.livedoor.jp/element0006/archives/50016977.html

*1:初回限定版:ASIN:B0001FG72E,DVD通常版:ASIN:B0001FG72O,CD通常版:ASIN:B0001FG724,愛蔵版:ASIN:B0009RNAT2

*2http://sowhat.magical.gr.jp/ciao/fratello.html

*3:従前別売りであったが,愛蔵版には含まれている。

*4:今,この文章も泣きながら書いているのですが。

*5:流れから抜け出していったものとして,同じ年に“Fate/stay night”が登場した。流れの中に踏みとどまったもののうち,正統を歩んだのが“CLANNAD”で,カウンターをあてたのが“symphonic rain”。こういうゲーム史上の整理でどうだろうか。

*6:“Ever17”は評論を読んでいるだけなので,この位置づけは不正確かもしれません。ただいま取り寄せているところ。

黒胡椒黒胡椒 2005/08/23 03:19 シンフォニック=レインでは歌詞が物語の伝達手段として重要な役割を果たしています。ですから従来のノベルゲームにオペラ的な色彩を加味したモノととらえたほうがいいのかもしれません。さらにキーボードを叩いてフォルテールを奏でる時、プレイヤーは演奏家になるわけです。卒業演奏時、実際にヒロインの後ろでフォルテールを弾いているような感覚は従来のゲームではなかなか味わえません。歌詞が物語の一部であり、卒業演奏においてはプレイヤーも演奏家として物語の創造に参加することになるわけです。END時のスタッフロールで流れる挿入歌も、ヒロインの心情をよく表していますし歌詞なしでは成り立たない物語なのです。

プレイヤーが物語の創造に参加するという意味においてシンフォニック=レインは、ノベル系とは異なる一段上の新しい表現形式を模索しているように思えます。

>tdaidoujiさんが〈拡散〉という表現で述べておられることは,私が〈収束〉と言っていることとコインの裏表であるように思えます。私は,「観測者である私」の主観しか問題にしていませんでしたので。

「物語は音として世界に満ち、心の中で収束する」そういうことなのかもしれませんね。

hajichajic 2005/08/23 13:53 注釈五番に賛成します。Fate、CLANNAD、そしてSRは全て「運命=どうにもならない冷酷な現実(fate)」を舞台に、それらへの「幸せな意味付け(destiny)」を求めて展開された物語でしたが、CLANNADはその解決を(見ようによってはあまりに安易な)奇跡に求め、Fateは(少なくとも現時点では)テーマを解消しきれず、その追求を放棄することで結末を得ています。正確な言い方かどうか自信はありませんが、それでもあえて言うならば、SRとは、CLANNADとFateを止揚した先にある作品です。もちろん、物語としてではなく、あるテーマを追求する、思考の体系としての意味で。

hajichajic 2005/08/23 14:07 つまり、「絶対に起こらない『奇跡』でないと、どうにもならないことはある(CLANNAD)」。けれど、かといって「実際今ここに存在する『現実』を諾々と受け入れる(Fate)」のもどうかなあ哀しいなあ、というジレンマの先に浮かんでいるのが、「何時かきっとわかるから、いいの」すなわち『信じること』(SR)なのだと思うわけです。その文脈で、私はSRを『福音書』と呼びます。たぶん、語義どおりの意味で。

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