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博物士

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Friday, 2005/09/30

ヘンリエッタ@サンタンジェロ城

[] ローマ (2/4)  ローマ (2/4)を含むブックマーク

 07時起床。ホテルで朝食。パンと珈琲だけの簡素な南欧型。なんか,フランスやスペインに比べてイタリアのパンは,おしなべて味が劣るように感じる。サクサク感に乏しくて,小麦の風味が立ち上ってこないん。どうしてだろう?

 地下鉄で移動し,08時20分,ヴァチカン博物館(Musei Vaticani)。開館まで30分,その後さらに30分待って入館(Eur12)。美術品の宝庫だが,二度目の来訪なので,今回は心理的に余裕がある。見たいところだけを絞って回る。まず最初にピナコテーカ(Pinacoteca:絵画館)。団体客の巡回路に入っていないので人の数も少なく,落ち着いて鑑賞を楽しめる。それから地図のギャラリーへ。絵地図は色々と想像を巡らすことが出来て飽きない。あとはフレスコ画だが,こちらは人が多すぎて身動きもままならない。細部は画集で眺めることにして,実物の質感の確かめる程度にとどめておく。

 11時20分,館内のレストランで昼食。サラダ,ラザニア,リンゴという軽めの組み合わせで(Eur10.3)。

 サン・ピエトロ大聖堂(Basilica di San Pietro)にも詣でておくことにする。先頃逝去されたヨハネ・パウロ2世の墓所が地下に出来たという掲示があったので,冥福を祈りに行く(入口はクーポラに登るための切符売り場の先)。

http://www.vaticana.va/

 サンタンジェロ城(Castel Sant'Angelo)では,『GUNSLINGER GIRL』の舞台探訪(Eur7)。撮影ポイントがなかなか見つからなくて,円形の場内をぐるぐる走り回る(本当は下の階の回廊だった,という落ち)。

 サンタ・マリア・ソープラ・ミネルヴァ教会(Basilica Santa Maria Sopra Minerva)に立ち寄って祭壇画を見てから,15時40分,ドーリア・パンフィーリ美術館(Galleria Doria Pamphilj)。教皇を輩出したこともある名家パンフィーリ家の宮殿に,同家のコレクションを展示している(Eur8)。期待せずに入ったところで,思いもかけず良いものを見せてもらえると嬉しくなる。16世紀から18世紀にかけての風景画なんていう,地味な分野(でも好き)が充実している。格段に秀でたものは少ないが,収蔵品の質が揃っている。ただ,展示方法が百年ほど昔の手法(壁の高いところまで使い隙間なく絵を密集させる)なうえに,照度を落としているので,細部が良く見えないのに泣かされた。建物に合わせたのだと思われるが,惜しまれるところ。

 南下してテヴェレ川の中州,ティベリーナ島(Isola Tiberina)にて再び『ガンスリンガー・ガール』の舞台探訪。この回は,相田裕による原作もアニメ版も割と適当に作られているので,場所の推定に難儀する。チルコ・マッシモ通り(Via del Circo massimo),コロッセオ(Colosseo),フォーリ・インペリアーレ通り(Via dei Fori Imperiali)は場所が分かっていても,微妙に離れているので移動に苦労する(ヴァチカンからずっと歩いてきた)。

 日没を迎えたところで行動を終え,地下鉄でテルミニ駅へ。構内のピッツア屋で軽い夕食。

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Thursday, 2005/09/29

VLC/BIO/FCO

[] ローマ (1/4)  ローマ (1/4)を含むブックマーク

 06時に起床。ホテルをチェックアウト――しようとしたところで,ちょっとしたトラブルに。係員が決済機の使い方を熟知しておらず,なかなか支払いができない。空港行きのバスにしても,なかなか来ない。この日は一日,ちょっとした不愉快な出来事が続くことになる。

 08時35分,ブエリング航空VLG7150便にて,VLCバレンシア/BIOビルバオ。定刻よりも20分ほど早く到着。ここで10時55分発の同VLG7381便に乗り換えて,BIOビルバオ/FCOローマ(フィウミチーノ)という移動。南欧の位置関係が思い浮かばない人には伝わらないことと思いますが,かなりアクロバティックな経路をとってます。例えて言うなら,東京から北京へ行くのに,札幌で乗り継ぐような感じ。それでも運賃が Eur24.2 + Eur48.46 なので,合計しても10,092円で移動できる。

 ビルバオでの待ち時間には,バルで珈琲を飲みつつ,本を読んで過ごす。軽食には,大きなトルティージャ*1が乗ったピンチョ*2を。

 フライトは快適だったのですが,到着したらイタリアでした。預けた荷物が出てくるまで20分ほどかかる。何ですか,この仕事の遅さは……*3。しかも! スーツケースが(少しだけど)破損してるし*4

 クレームを付けるほどではないので,15時37分の鉄道「レオナルド・エクスプレス」でローマ市内へ移動する。自動販売機で切符を買い,クレジットカードで支払う(Eur9.5)。すると,カードがものすごい勢いで吐き出され,飛んでいきました(!)。一瞬,何が起こったのか分からなかったよ。これだからイタリアは……。)

 ホテルは,テルミニ駅の隣にあるホテル・ルチアー二(Hotel Luciani)。BOOKINGSにて予約。あまり良くない。まず第一に値段。二つ星なのに1泊75ユーロだなんて,ローマは物価が高いよ*5。第二に室内設備。洗面所にコップが無いって,なんか間抜け。第三に客層。廊下で大声を出したり,大音量でテレビを見ている客がいて,閉口。

http://www.bookings.net/hotel/it/hotellucianirome.html

 まだ明るいとはいえ既に16時をまわっており,施設には入場できないので,市内を散策してまわることにする。まずはホテルの近くにあったトラットリアでピッツァを一切れ頬張り,昼食の代わりにする(Eur2.2)。

 あとはひたすら,ヘンリエッタとリコを連れて『GUNSLINGER GIRL』の舞台探訪。ローマ国立博物館(マッシモ宮),国立絵画館(バルベリーニ宮),それからスペイン広場――って,どうしてスペイン階段の上にある教会*6を覆って修復工事なんてしてるんですか!!(泣)

f:id:genesis:20050929170531j:image

 お約束ということで,『ローマの休日』に従い,近くの店でジェラートを食べる。

 近くにアウグストゥス帝廟(Mausoleo di Augusto)があったので寄ってみる。思いの外に大きい。塩野七生の著作を読んでから訪ねてくると,感慨もひとしお。基層がかなり低いところにあって,テヴェレ川が運んだ土砂により二千年で4mほど堆積があったことが分かる。パクス・ロマーナを象徴するアラ・パチス(Ara Patis:平和の祭壇)は修復工事中ということで近寄ることは叶わなかったが,外壁のガラス越しに目にすることは出来た。

 その後,モンテチトリオ宮殿(下院)とパンテオン(Pantheon)を巡ったところで日没を迎える*7

 あとはパンテオンの中を満足のゆくまで眺める。美しくて飽きない。直径43.3mのコンクリート製ドーム。これが紀元120年頃の建築だとは,とても思えない。古代ローマの技術力の高さに感嘆。

f:id:genesis:20050929182530j:image

 ローマは,交通事情が悪くて苦労する。横断歩道がなかったり,あっても信号は無い。車列の切れ目を縫って渡れ,ということなのだが,それを思い出すまで困り果てる。あと,困ることといえば,3か国を回ってきたので言葉が混乱する。「セニョール,ウン・ビエール,ペル・ファヴォーレ」(西語+仏語+伊語)なんていう,とんでもない文章を発してしまったり(それでも通じるので問題は無いのですが)。

 夕食は,ちょっと奮発してトラットリアでア・ラ・カルタを。第一皿はポモドーロ,第二皿は冒険して「牛の胃袋のトマト煮ローマ風」,それにパン,グリッシーニ,ビール(Eur19.5)。トマト味を重ねてしまったことに気がついたのは,食べ始めてからでした。スパゲティは文句なしに美味しかった。胃袋は,なんて事はない,モツでした(^^;) ん〜と,動物性タンパク質が豊富でありながら脂肪分少なくヘルシーで,のどごしなめらか。一度は挑んでみる価値があるかもしれないが,無理はしなくていいかもしれない。

*1:tortilla:スペイン風オムレツ。ジャガイモを入れて堅焼きにする。

*2:薄切りのフランスパンに総菜を乗せて楊枝で刺したもの。バスク地方の名物

*3:この点,スペイン人は真面目。いい加減な国民性と思われているけれど,スペインでも北部や東部の人たちは時間を厳守する傾向にある。

*4:書き添えておくと,手荷物の移送はイタリアの会社が受託して行っていた。

*5:これでも,希望した条件(1)地下鉄で行ける地理的範囲内にあること,(2)エンスイート(個室内にシャワーがある)であること,を満たす最安値だった。

*6:トリニタ・ディ・モンティ教会

*7:日没後にも探索はしていたのだけれど,特に発見は無し。『ガンスリンガー・ガール』には,舞台がイタリアであることにリアリティを持たせるための仕掛けのコマが所々に挿入されているけれども,実在するものに忠実なわけではないのが探索者泣かせなところ。

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Wednesday, 2005/09/28

バレンシア市役所

[] バレンシア (4/4)  バレンシア (4/4)を含むブックマーク

 買い集めた文献を箱に詰めて小包にし,郵便局から発送。何せ12kgもある。これをスーツケースに詰めたのでは,下手をするとホテルの部屋から出られないという悲惨なことになりかねない。安い船便(economico)にしてもらったが,それでも送料60.8ユーロ(泣)

 昼には,フアンマ学部長とヘスス教授からのご招待を受けて会食。海岸のレストランにて,イカ&タコの蒸しものオリーブオイル仕上げ,パタータス・ブラーバス*1,海鮮パエージャ,それにビールと珈琲を。

*1:フライドポテトに「アリオリソース」というニンニク風味のマヨネーズをかけたもの。

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Tuesday, 2005/09/27

バレンシア大聖堂

[] バレンシア (3/4)  バレンシア (3/4)を含むブックマーク

 日がな一日,研究活動。

 文献の脚注を見て,判例検索データベースに出典番号を入力して,閲覧し,圧縮ファイルを呼び出し,フラッシュメモリーに保存して――。単調な作業の反復で,ふっと意識が遠くなる。

 19時近くまで作業をして,大学を出る。夕食には,ボカディージョ*1+ポテト+ビール(Eur5.7)。

*1:スペイン風サンドウィッチ。フランスパンを半分に割り,間に具を挟む。

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Monday, 2005/09/26

バレンシア大学

[] バレンシア (2/4)  バレンシア (2/4)を含むブックマーク

 まずはバレンシア大学(Universitat de Valencia)へ行き,教授陣に挨拶をして回る。

 その後は,博士論文のための資料集めに勤しむ。近くにある専門書店で法律書を買い漁る。クレジットカードの請求額が恐ろしい。

 夕方には,ノルド駅の近くにある“imagenes”と“futurama”で趣味の買い物。

 翻訳されたものの幅が広がっており,はじめて海外事情に触れる人ならばいざ知らず,それほど驚くようなものは無かった。秋元奈美『ミラクル☆ガールズ』には懐かしさを覚える(が,買うほどの思い入れはもう無い)。翻訳の難易度が高そうなものとしては大島永遠女子高生─バカ軍団─』があったのだが,手に取ってみたところ訳文も印刷も良くなかった。

 それから日本食材店“japon.es”に立ち寄り,主人のサルバとミリアンに歓待を受ける。感謝。

*1:日本語版(ASIN:B000ALF6U8)を買おうと思っていたところだったので。

*2http://www6.airnet.ne.jp/mandn/favorite/noir/pilgrim.html での舞台探訪を拝見して興味を持ったので。

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Sunday, 2005/09/25

聖ピオ5世美術館

[] バレンシア (1/4)  バレンシア (1/4)を含むブックマーク

 朝05時に起床。05時50分にホテルを出る。地下鉄で北駅(ガール・デュ・ノール)へ移動。かなりの早朝ということで心配していたものの,かなりの数の通勤客がいて,それほど危険は感じませんでした。RER(高速郊外鉄道)のB線で,シャルル・ド・ゴール空港へ。ターミナル1駅で下車し、徒歩数百メートルのところにあるターミナル3(旧T9)へ。列の消化が遅いのは毎度のことだけれど、それでも10分ほどでチェックイン。08時30分,ブエリング航空にてCDG/VLC。格安航空会社なので、国際線でありながら81.03ユーロ。

http://www.vueling.com/

http://barcelona.sociallaw.info/vlg/vueling.html

 10時30分、定刻より早くVLCバレンシア空港に着く。360日ぶりのスペイン。帰ってきたという感じがして、ほっとする。

 今回のホテルは、地下鉄アンジェル・ギメラ駅(Angell Guimera)の近くにあるビジャレアル(Hotel Villarreal Valencia)。1泊37〜43ユーロ。BOOKINGS にて予約。交通の便は良いのだけれど、準幹線道路に面していて騒がしめなのが難点か。細かいところでは備え付けのハンガーが1本しか無くて困ったので、ティエンダ60センティモ(スペイン版100円ショップ)で買い求めてくる。

http://www.bookings.org/es/hotels/villarealvalencia?aid=303998

 日曜日で行ける場所が限られているので、聖ピオ5世美術館(El Museo de Bellas Artes de Valencia San Pío V)で過ごす。祭壇画のコレクションが充実しており、落ち着いた雰囲気。

http://www.cult.gva.es/mbav/

 手近なバル(Bar)で軽食をとり、市役所前広場へ。

[] 御法度  御法度を含むブックマーク

御法度 [DVD]

 映画でも観て過ごそうとしたところ、18時からフィルモテカ(La Filmoteca,バレンシア州立映画機構)で大島渚監督作品『御法度』(1999年)を上映するというので鑑賞。1.5ユーロ。日本語音声、バレンシア語字幕。

 時は幕末、衆道の狂気に取り憑かれた新撰組を描いた作品。なかなか面白かった。配役も良く、画面構成も手堅い。なるほど、海外で上映するのに向いている。もっとも、事前知識を持たずに観ていたであろう地元客の方は、地名やら人物名やらで困惑していた様子が見受けられた。

http://www.ivac-lafilmoteca.es/

hajichajic 2005/09/26 03:15 問題なくご到着のようす、お疲れさまでした。良い滞在を。また何か変なスペイン語版のコミックをご紹介してください。関係ないですが『自殺するうさぎ』とか言うコミック、あれはスペインにも売っているのでしょうか?

genesisgenesis 2005/09/27 21:46 へぇ、そんな本があるのですか。知らなかったよ。
Andy Riley, “The Book Of Bunny Suicides”, ISBN:0452285186

エレエレ 2005/09/28 01:55 やっぱいいなぁ〜、そっちは。いつか行ってみたいねぇ〜

そういえば、genesisさんはそちらの言語は話せるんですか?
とりあえず、行くなら少し勉強していこうと思うんですが。

genesisgenesis 2005/09/28 18:38 スペイン語でしたら読めますし,そこそこ話せます。2年近く留学していたにしては下手ですが。イタリア語は,スペイン語と酷似しているので,旅行程度でしたら苦労はありません。▼ 問題はフランス語。出自が同じなので,文章に書いてあるものでしたらラテン語に戻すことで何となく意味が理解できます。取りあえず,次の5つで足りましたよ。
 「ボンジュール(こんにちは)」
 「ビエール(ビール)」あるいは「キャフェ(珈琲)」
 「シルブプレ(ください)」
 「メルシ(ありがとう)」
 「オルヴォワ(さようなら)」。

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Saturday, 2005/09/24

ロマン派美術館

[] パリ (5/5)  パリ (5/5)を含むブックマーク

 ヴェルサイユ宮殿へ。中心部からRERのC5線で所要1時間ほど。10時48分着。行ってはみたものの、あまり良い印象を持たなかった。人が多すぎます。美術鑑賞を楽しめる雰囲気じゃない。

http://www.chateauversailles.fr/

 帰ろうとしたところ、宮殿内にある「両院合同会議」(Assemblée nationale)の議場を見学させてくれるという掲示があったので行ってみる。議場内では、演出を凝らして演説を再現して見せてくれる。法律家の端くれということもあって、こちらの方がよっぽど見応えがあった。

http://www.assemblee-nationale.fr/

 ちょうどバスが出るところだったので乗車し、パリ市内へ戻る。ポン・ド・セーヴル駅(Pont de sevres)で地下鉄に乗り継ぎ、サン・フィリップ・デュ・ルール駅(St. Philippe du roule)にて下車。

 13時56分、駅の近くの中華料理店で昼食。白ご飯の上に、鶏肉のあんかけ煮をかけたもの。平皿に乗ってはいるが、どう考えても

丼飯。

 14時15分、ギュスターヴ・モロー美術館(Musee National Gustave-Moreau)。19世紀後半の画家モローの邸宅を美術館としたもの。神秘性を帯びた作品群は興味深かったものの、陰鬱とした作風はあまり好みではなかった。

http://www.musee-moreau.fr/

 14時51分、すぐ近くにあるロマン派美術館(Musee de la Vie Romantique)へ。『地球の歩き方』では扱いが小さいものの、洒落た雰囲気を漂わせる品の良い展示でした。館内ではショパンのピアノ曲がかかっていましたが、とても良く似合う。特別展は「ブラジル絵画展」。

http://www.v1.paris.fr/fr/ASP/SITEs/SITE.ASP?SITE=02023

 16時05分、ドラクロワ美術館(Musée national Eugène Delacroix)。アトリエを美術館としたもの。大作は他所にあるので展示作品の質では劣るが、周囲の雰囲気は落ち着いており、すぐ近くにある厳かなサン・ジェルマン・デ・プレ教会(St. German des Pres)も含めて足を運んでみる価値はあった。

http://www.musee-delacroix.fr/

 このあと、自然史博物館の鉱物陳列館を見ようと思っていたのだけれど、閉館時間が迫っていたので断念。次の楽しみに残しておくことに。かといって、一日を終えるには少し早い。そこで、凱旋門(&シャンゼリゼ大通り)に寄ってみる。特に感慨は覚えなかった。エッフェル塔にしても、移動中に地下鉄6号線の車窓から眺めて満足してしまったし。

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Friday, 2005/09/23

ジャックマール・アンドレ美術館

[] パリ (4/5)  パリ (4/5)を含むブックマーク

 09時41分、ピカソ美術館(Musee Picasso)へ。予想されたことではあったのですが、やはり肌に合わなかった。すぐに退出。開館直後で20人程しか入場者が居ないのに、その8割近くが日本人というのが何とも。

http://www.musee-picasso.fr/

 10時04分、カルナヴァレ歴史博物館(Musee Carnavalet)。途中にあったので立ち寄ってみただけだったのだが、これがすごく良かった。16世紀に建てられたルネッサンス様式の館。本館には近世の絵画が並べられており、下手な「美術館」よりも充実している。古い時代のパリの町並みを描いた風景画が数多く展示されており、とても楽しめた。別館は、革命期の模様を描いた作品の一大コレクション。2時間ほどかけて、じっくり楽しむ。今回のフランス滞在で、最も思い出に残る場所となった。

http://www.paris.fr/musees/musee_carnavalet/

http://www.v2asp.paris.fr/musees/musee_carnavalet/default.htm

 13時30分、サンドウィッチを買って、公園で昼食。

 13時37分、マルモッタン美術館(Mus醇Pe Marmottan Monet)。クロード・モネの『印象』を所蔵しているところ。これまた日本人だらけ。印象派の作品は悪くないと思うのだけれど、こう一堂に会すと、とぼけた感じになって興味を引かなかった。

http://www.marmottan.com/

1437 ジャックマール・アンドレ美術館(Mus醇Pe Jacquemart-Andr醇P)[写真]。銀行家エドアール・アンドレと、その妻であった肖像画家ネリー・ジャックマールの館に、夫婦が集めたコレクションを展示している。これまた本当に素晴らしい。イタリア統一戦争に伴う混乱で流出したルネサンス期の絵画や彫刻を貪欲に収集したおかげで、実に見応えがある。ここは日本語音声ガイド(無料貸与)の内容もしっかりしていて、より楽しめた。

http://www.musee-jacquemart-andre.com/jandre/index.htm

 17時11分、エロティシズム美術館(Musee de Erotica)に寄る。これは、いわゆる秘宝館ですね……。つまらなかった。ブランシュ駅からピガール駅にかけては風俗街と化しており、みだりに近寄るべきではない。

 17時43分、モンマルトルも丘にそびえるサクレ・クール聖堂(la basilique du Sacre-Coeur)。優美。堂内にはステンドグラスを通して夕陽が差し込んでいる時間帯で、淡い薔薇色の光が美しかった。眺めていたら18時からのミサが始まったので、しばし賛美歌に耳を傾ける。

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Thursday, 2005/09/22

オルセー美術館

[] パリ (3/5)  パリ (3/5)を含むブックマーク

 滞在二日目。09時07分,オルセー美術館へ。開館は10時からだったようで,屋外で待たされる。上着がないと寒いくらいに肌寒い。日本人の姿が,やたらと目立つ。

 所蔵品は1848〜1914年にかけてのもの。世に名声の鳴り響く美術館だけあって,見応えはたっぷり。印象派を見ただけで正午をまわってしまったので,館内に併設されているレストランで昼食。手頃な値段で食事も楽しめた。館内の装飾も瀟洒。15時に退出。

http://www.musee-orsay.fr/

 15時39分,中世美術館(Musee National du Moyen Age)へ。テーマに関心が無いわけではないのだけれど,展示の仕方に冴えが無く,どうもパッとしない印象を受けた。

http://www.musee-moyenage.fr/

 16時26分,アラブ世界研究所(Institut du Monde Arabe)。建物が奇抜。しかし,展示は面白いとは思えなかった。宗教色を取り除いているせいか,古代文明の比重が高かった。イスラム世界の現在を,というのは無理な頼みなのだろうか。

http://www.imarabe.org/

 16時56分,ノートルダム大聖堂(Cathedrale Notre-Dame de Paris)。そびえ立つ内部の空間は,すくっと天上へと誘う。荘厳なゴシック建築。

http://www.cathedraledeparis.com/

 18時03分,ポンピドゥー芸術文化センター(Centre National d'Art et de Culture Georges Pompidou)。現代芸術は苦手です。巨大なゴミ集積場に,不燃ゴミが並べてあるようにしか見えない。こんな文句を言うであろうことが分かっていながら足を運んだ自分の愚かさ。やはり,行くべきではなかった。

http://www.cnac-gp.fr/

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Wednesday, 2005/09/21

ルーヴル美術館

[] パリ (2/5)  パリ (2/5)を含むブックマーク

 滞在初日。09時10分,ルーヴル美術館(Musee du Louvre)へ。開館直後で並んでいる人も無く,正面入口であるガラスのピラミッドからでもすんなり入場できた。まずは混みそうな,レオナルド『モナ=リザ』を見ておく。こちらも待つことなく真正面から対峙することができた。あまりに有名すぎて画集などでも見知っているため,実物を見ても感慨は湧いてこなかった。

 さて,ルーヴルは大まかに言って3つの建物から成り立っている。『モナ=リザ』があるのは南側のデゥノン翼(Denon)2階。そのまま順路に従って進み,フランス絵画,イタリア絵画,スペイン絵画を楽しんでいくことにする。

――4時間かかりました。まだ1/5にも満たない面積しか巡っていないのに(汗) 私の好きなヴェネツィア派が含まれていたというのもあるのですが,それにしても展示品の数が膨大。もともと今日は一日,閉館までルーヴルから出ないつもりでいたのですが,このペースでは見られないものが多すぎて悔いが残りそう。そこで,彫刻や工芸品は捨て,絵画だけを見ることにする。三次元の立体物には興味が無いから……(笑)。

 これまた大好きなフランドル派が展示されている,北側のリシュリュウ翼(Richelieu)3階へ向かう。南西端から北端へと移動するだけで30分を要するというのは,美術館としては何か間違えているような気がする。ヴァン・ダイク,ルーベンスレンブラント,それにフェルメールなどを楽しむのに3時間をあてる。途中,喫茶室でガトー・ショコラを食べて,昼食代わりに。

 シュリー翼(Sully)3階のフランス絵画は時間をかけるつもりが無かったのに,ユベール・ロベールの廃墟シリーズに見とれてしまう。結局ここにも2時間近くをかける。

 取りあえず絵画だけを一通り見る,と制約をかけたにも関わらず9時間かかったことになります。水曜日は開館時間の延長日なので少しばかり余裕がありましたが,これが通常の日だったら干渉途中で追い出されていたことでしょう。ルーヴルを「観光地」として訪れるならいざ知らず,美術を楽しむつもりなら一日では無理です。へとへとになっていたので帰ろうとしたのですが,「ミロのビーナス」くらいは見ておいても悪くないと思い,欲を出して古代ギリシャ部門へ向かう。なんか白い物が置いてあった,くらいの記憶しか残っていません。こんな精神状態で見るべきではなかったと反省。

 売店で画集を購入したあと,すぐさま地下街の食堂へ。20時20分,ヴェトナム風料理店で昼食兼夕食。ピラミッドのライトアップを眺めて戻る。

http://www.louvre.fr/

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Tuesday, 2005/09/20

エールフランス機内食

[] パリ (1/5)  パリ (1/5)を含むブックマーク

 08時00分,JL2500便にてCTS/KIX。関西空港でJL5051便(コードシェアなので実際にはAF291便)に乗り継ぎ,KIX/CDG。エコノミークラスだと航空会社の差は食事の内容くらいしか無いと思うのだけれど,エールフランスはアペリティフ(食前酒)にシャンパンを出してくれるので好き(笑)

 今回のランチは,

  • スモークサーモン,フレッシュサラダ(右下)
  • 鶏肉の赤ワインヴィネガーソース,ポテト,さやえんどう(左下:選択)
  • チーズ(左上)
  • 白ワイン(上:選択)
  • カラメルケーキ(左上)
  • ミネラルウォーター(右上)
  • コーヒー

を美味しくいただきました。所要12時間15分。機内では新書を2冊ほど読む。

 変わった出来事と言えば,各座席に取り付けられている個別ディスプレイが不調になって,リセットがかかったことでしょうか。WindowsCEのブートローダーが出てきて,ちょっと面白かった。再起動に30分近くかかっていて,横目で見ながらマヌケだなぁと思う。

 CEST(ヨーロッパ中央夏時間)で17時15分に到着。ところが,ちょっとしたテロ騒ぎがあって(持ち主不明の手荷物があったらしい)30分ほど入国審査場で足止めを食らう。

 無事に荷物を回収。RER(高速郊外鉄道)のB線で北駅(Gare du Nord)へ向かい,地下鉄4号線に乗り継いで終点のポルト・ド・クリニャンクール(Porte de Clignancourt)にて下車。駅を出て小路を少しばかり進んだところにあるホテル・キリア・クリニャンクール(Kyriad Clignancourt Hotel Paris)にチェックイン。1泊47ユーロ(朝食別5ユーロ)。RatesToGoにて予約。

http://www.ratestogo.com/Hotel/JP/Kyriad_Clignancourt_Hotel_Paris

 その昔パリを囲んでいた市壁の北端に位置する場所で,地域住民の所得水準はあまり高くないように見受けられる。端的に言うと,アラブ系やアフリカ系の人の姿が多い*1。そのおかげで安い飲食店が立ち並んでいたので,便利な場所でありました。

*1:余談ですが,しっかりしたフランス語を話し,職業に就いている黒人が活躍しているなぁというのが,印象に残りました。

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Monday, 2005/09/19

荷物

[] 渡欧  渡欧を含むブックマーク

 ちょっとヨーロッパまで行ってきます。

 バレンシア大学を訪問し,博士論文のための資料調査をしてきます。ちなみに全額自費(日本発着分で148,890円)。JALで手配しましたが,わざわざコードシェア便を選んだので,往路はAFエールフランス(でCDGパリまで),復路は(FCOローマから)AZアリタリアに搭乗する予定。スペインへの移動は別途,自力で予約を取りました。

 キャビンサイズの小さな旅行鞄に洗面用具と着替えを少々,ナップザックには数冊の本と目的地の地図。ポケットには航空券とパスポート,それにクレジットカード&国際キャッシュカード。これで準備完了。

 問題は,締切の近づいている評釈原稿が書き上がっていないことなんですが…… 仕方ない,ホテルで続きを書こう。

 今回はおとなしく旅行するつもり。パリで「ナディア」とか「帝国華撃団」はやりません。でも,つい先ほど『NOIR』の舞台探訪を教えてもらって,心が千々に乱れました(笑)

http://www6.airnet.ne.jp/mandn/favorite/noir/pilgrim.html

 それでは,ごきげんよう。

hajichajic 2005/09/20 16:23 モンタルチーノの件ではお世話になりました。
お気を付けて、buon viaggio!

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Sunday, 2005/09/18

迷宮都市ヴェネツィアを歩く ルートマ

[] 迷宮都市ヴェネツィアを歩く  迷宮都市ヴェネツィアを歩くを含むブックマーク

 陣内秀信(じんない・ひでのぶ)『迷宮都市ヴェネツィアを歩く』(2004年,ISBN:4047041688)を読む*1

 13のルートを設定し,海の都ヴェネツィアを歩いて巡る。実に魅惑的な著作。建築史家である著者が2年間に渡って住み着くことにより得られた体感的な知見が存分に織り込まれている。観光ガイドには,大抵,他の著作からの引用によって成り立っている部分があるものだが,本書にはそれがまったく無い。すべての言葉が著者の内側から湧いて出てきているため,瑞々しい。読むものを惹き付ける魅力に溢れている。

 著者が掲げるのは「都市のコンテクスト(文脈)」。土着的なものに注目し,都市の形成を〈時間〉と〈空間〉の両面から見事に描き出している。街角に置かれたマリア像,小路の曲がり方,橋の掛け方,教会の向き,広場に面した壁面――といった小さな観察を積み上げ,都市が生成していく様を物語る。

 ヴェネツィアを旅するなら,是非とも本書を携えていくべきだ。これほど話の達者な水先案内人は,そうそう見つかるものではない。

迷宮都市ヴェネツィアを歩く―カラー版 (角川oneテーマ21)

*1:1996年に刊行された『ヴェネツィア 光と陰の迷宮案内』(ISBN:4140052406)を加筆・改題したもの。

Thursday, 2005/09/15

[] 悪名高き皇帝たち[二]  悪名高き皇帝たち[二]を含むブックマーク

 塩野七生(しおの・ななみ)『ローマ人の物語――悪名高き皇帝たち[二]』(ISBN:4101181683)を読む。

ローマ人の物語 (18) 悪名高き皇帝たち(2) (新潮文庫)

 老帝ティベリウスが没し,カリグラ帝が24歳で即位。しかし政治を知らぬ若者を第一人者(プリンチェプス)に据えたことがたたって放漫財政を呼ぶ。結果,カリグラは殺害され,「パンとサーカス」による治世は3年10箇月で終わる。

 この巻で興味深かったのは,ユダヤ人について(158-204頁)。塩野は,敗者をも同化させたローマにおいて唯一,自ら同化を拒んだ存在としてユダヤの民があったとする。その理由を「多神教を奉じ人間が法律を作るローマ」対「一神教で法律も神が与え授けるユダヤ」という構図で描き,そこに「多神教であり国王を戴くオリエント」との対比を交えながら進める考察が面白かった。

Tuesday, 2005/09/13

[] 大学院はてな :: ほっとけない 連合の見解  大学院はてな :: ほっとけない 連合の見解を含むブックマーク

■ 労働契約法制に対する連合の見解

http://d.hatena.ne.jp/roumuya/20050913#seemore

 話題になっているのは,連合の出した談話*1。義理はないのですが,連合側を弁護してみることにします。たまたま,今日はこのあたりの資料を漁っていたので披露。

 草野氏の述べているのは,「中間取りまとめ」に対する意見書(2005年6月8日並びに6月20日発表,労働法律旬報1602号掲載)*2の要約です。わかりにくいですね。もっと共感を得られるような表現にすればいいのに――。

[2]解雇無効の判決を勝ち取った労働者が職場復帰できなくなる、解雇の金銭解決制度を導入しようしている。

 解雇の金銭解決について。連合が懸念しているのは,使用者が主導して金銭解決へと持ち込むことだと思われます。和解で現に行われており,近く導入される労働審判制度で行われることになるであろう金銭解決については否定していません。*3

[3]雇用継続型契約変更制度の創設は、労働者に対して「労働条件の変更か解雇か」を迫ることになる。

 連合は,「労働条件の変更には異議をとどめながら、就労を継続しつつその合理性を争う」という態度を取ることは事実上できないだろう,という見方を取っています。ここで論拠に挙げているのはドイツにおける〈変更解約告知制度〉の運用実態。すなわち,労働者が就労を継続しつつ条件変更について争おうとしても,使用者は解雇をもって臨むから,想定通りには機能しないだろうと疑念を抱いているものです*4

[4]ホワイトカラー・エグゼンプションの導入は、労働時間の原則を骨抜きにし、長時間労働を助長しかねない。

 連合は,労働者保護(より厳格な労働時間規制)こそが先決だと訴えています。労働時間管理の対象から除外することにより,「不払い残業」の合法化,長時間労働の激化,過労死・過労自殺の増大が起こることを危惧しています。私の知る限り日本で最も積極的な導入論者である roumuya さん*5にとっては,反論になってないと思われるかと思いますけれど*6

 この点,島田陽一教授(労働法)は,今野浩一郎教授(人的資源論)による「仕事手順の裁量性」と「仕事量の裁量性」を用いた整理を参照しながら,検討課題を論じておられます。今後の議論において参考になるでしょう*7

[1]労働組合とは本質的に異なる労使委員会に、労働条件の決定・変更の協議や就業規則の変更の合理性判断など重要な機能を担わせようとしている。

 これは触れないでおきます*8

 代わりに,この件について意見を表明している弁護士組織を紹介しておきます。

*1http://www.jtuc-rengo.or.jp/new/iken/danwa/2005/20050913.html

*2http://www.jtuc-rengo.or.jp/new/kangaeru/koyou/r_keiyaku_jikan/index.html

*3:roumuya さんは「果たして解雇無効を勝ち取った労働者がすべて職場復帰を希望しているのかどうかが疑問」と述べておられます。しかし,この場合は,《解雇無効を勝ち取った労働者は,不払いであった賃金を受け取った後で自主的に退職する》という理論構成による現在の解決法でも処理できるでしょう。連合の主張は,現在は労働者がもっている「雇用の継続(地位確認)か金銭解決(損害賠償)かを選ぶ主導権」を使用者に明け渡すべきではない,というものでしょう。

*4:私見。そこまで疑ってかかるのはどうかとも思うのですが,不安があるのは確かです。配置転換の場合,異議を留めつつ任地に赴くという戦術を労働者が採る場合がありますが,訴訟遂行中は不安定な状態に置かれてしまいます。結局のところ,使用者の方針(労働条件の不利益変更)に従わない労働者は実力で放逐されてしまうのではないか,と怖れるのも理由のないことではありません。集団的労使関係法の出発点に立ち戻ると,労働者は交渉能力が対等ではないので,個人のまま使用者に立ち向かわせることは避けるように制度設計すべきだと考えます。何らかの身分保障制度やバックアップ体制を組んでおかないと。

*5:『現場からみた労基法改正』 日本労働研究雑誌(JIL)2004年1月号 (→資料

*6:私見。平成13年4月6日・基発339号「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準」すら遵守されていない状況からすると,労働時間規制を緩めることには大いに不安を感じます。

*7:『ホワイトカラーの労働時間制度のあり方』 日本労働研究雑誌(JIL)2003年10月号 (→資料

*8:事情は察してください。私は,集団的労使関係法をテーマにしつつ,従業員代表制度にアプローチするということをしているので……。

stonco606stonco606 2005/09/14 18:41 はじめまして。労務屋さんのブログから来ました。まったくもう、連合は何言ってるんだ・・・と短絡的に嘆いていたところなのですが、なるほど、勉強になりました。ありがとうございました。
自分としては、原則を守る(きわめて簡単に言えば「労働者のため」)のは当然として、実務的に、あるいは実際的にこうしたほうがお互いのためでしょ、ということはぜひ可能な範囲で実現して欲しいと思っています。ホワイトカラーエグゼンプションについては、労務屋さんのように学者さん・識者と語るためのしっかりとしたバックボーンを持ってないので言いづらいだけで、概ね同意だと思いますよかなりの実務担当者は。
1番に関しては、たしかに組合としてはつらいところかもしれませんね・・・
それでは失礼します。

genesisgenesis 2005/09/15 20:36 コメントありがとうございます。ホワイトカラー労働者の時間管理については,膨大な議論の蓄積があります。そこから「現状のままではマズイ」という共通認識を引き出せるとは思うのですが,その解決方法として「合衆国からホワイトカラー・エグゼンプションを輸入する」というアイデアを採用するとどうなるのかは,もうちょっと深く考えてみようとしているところです。

Monday, 2005/09/12

[] よみきりもの 〔9〕  よみきりもの 〔9〕を含むブックマーク

 竹本泉『よみきりもの』第9巻(ISBN:4757724047)。

よみきり もの (9) (Beam comix)

 前略 竹本泉です

 今回 とうとう 半分が アレな話に

 うーん3本 変な話が3本 5割――

まえがき より引用

  • 「そこにあるゆきだるま」 朝,家を出ると雪だるまがあるという話
  • 「なみだのむこうに」 目つきの悪い話。
  • 「ブックスパラダイスVol.4」 本にアイロンがけする話。
  • 「衝突コースの少女」 男の子の魅力はおなかな話。
  • 「眠る一等地」 昼寝場所で女の子がいびきな話。
  • 「霧は深いし」 身の丈15メートルな女子高生の話。

――えっと,半分って,どれとどれとどれ?(^^;)*1

 価値観に自信が持てなくなる一冊。さすが。うじゃうじゃ。

*1:作者曰く,「昔から深い霧の中に入っちゃうと妙な目にあうって決まってる」から第6話は「ふつう」。

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Sunday, 2005/09/11

労働判例 890号

[] 大学院はてな :: 入社前研修への不参加を理由に内定を取り消せるか?  大学院はてな :: 入社前研修への不参加を理由に内定を取り消せるか?を含むブックマーク

 昨日は研究会にて,宣伝会議事件*1の検討。

 原告Xは,A大学大学院工学系研究科の大学院生(博士課程に在籍)。科学ジャーナリストを目指していたところ,B教授の紹介を受け,環境問題に関する雑誌を出版するY社から採用内定を受けた。当初は行き違いがあったが,年度末までに博士論文の審査を終える状態になることを採用条件とし,平成15年度に新卒採用されることとなった。採用内定にあたりY社の人事担当Dから,10月から2週間に1回,多少の課題が出される2〜3時間程度の研修に参加しなければならないことなどの説明を受け,Xも研究に支障はないとして同意した。(6月17日)

 Y社では入社前研修を実施しており,内定者に対してはレポートの作成などの課題が課されていた。内定通知の際,その内容は次の通り。

  • 第1回内定者懇談会(8月20日) マンスリーレポートを9月以降の毎月提出する
  • 第2回内定者懇談会(10月1日) Y社が出版する雑誌7種類と書籍4冊に目を通す,広告関連書6冊と出版関連書6冊も読む,「当社の事業領域」というテーマでレポートを提出する,Y社主宰の「宣伝会議賞」43課題すべてについて1作品以上作成する,など
  • 第1回入社前研修(10月23日) 朝刊2紙を読んで記事をスクラップし次回以降の研修に持参する,「広告業界について」というテーマでレポートを作成する
  • 第2回入社前研修(11月6日) 「出版業界について」というテーマでレポートを提出する
  • 第3回入社前研修(11月20日) 広告会社20社の社長と社長名を暗記する,雑誌でタイアップ広告を探しコピーする,主要4媒体以外の広告を調べレポートを提出する,レポート「当社の事業領域」を再提出する
  • 第4回入社前研修(12月4日) 「環境ビジネスの市場分析を今後の展望」というテーマのレポートを提出する

 これらの課題は,消化のために1〜2日を要する分量であった。Xも毎日2〜3時間ずつ時間を割くことになり,研究との両立に困難を感じた。これが博士論文執筆の妨げになるとみたB教授は,12月6日,Y社の代表者に対し,次のように依頼し,返信を受けた。

 B教授「当方のXですが,今,博士論文作成の正念場に来ておりますが,貴社の新入社員のための事前教育のノルマがきつくて,どうも博士論文作成のためにいささかの障害になっているようです。理系の学生にとっては,この時期,もっとも大切な時期ですので,なんとか免除していただく訳にはいきませんでしょうか。ご検討くだされば幸いです。」

 Y代表「メール内容,了解しました。」(後略。この後には懇親会についての返答が続く)

 これを受けたB教授は,研修の参加は免除された旨をXに申し渡した。ところが12月24日,Y社の人事担当者EからXに研修不参加の理由を問いただすメールが送られてきた。XはB教授に相談したが,回答の必要はないと助言されたため,これに従った。

 Yの人事担当者Dは,翌年3月25日,Xに対しYへの入社を希望するのであれば,直前研修に必ず参加することを要求したが,Xは,直前研修に参加すれば論文審査終了は難しくなると説明した。Dは,博士号取得よりも直前研修の方が重要であると考え,Xに対し,博士号に係る条件は採用条件から外したので直前研修に来るよう求め,そうでなけれな4月1日の入社を取りやめると通告した。XはB教授と相談し,論文審査を延期して研修に参加することとした。

 3月26日から3日間に渡って行われた直前研修の終了後,Xに対し,研修が遅れているとして,試用期間を6箇月に延長するか,博士号取得後に中途採用試験を受け直すかのいずれかを選択するよう求めた。

 Xは,3月28日20時頃,Dに電話をかけ,4月1日に入社するが試用期間延長は認めない,中途採用になるのであれば再面接を行わずに採用するように求めた。Dは,これに応じなかった。

 XはYに対し,3月31日,内定辞退の事実はなく,内定を取り消されたものであるが,かかる状態では通常の業務に就くことは出来ないから出社しないことを内容証明郵便で通知した。

 なお,内定を受けた者のうち1名は,本件研修と学業の両立が困難であるとして,内定を辞退している。

 以上が,事実の概要。「身につまされる事件だよね〜」と院生が落ち込んだ,というのはさておき――。

 裁判所は請求の一部を認容。金額の算定にまつわる問題はさておき,内定者側の全面勝訴と言って良い内容。以下,判決の説示部分である。

 「効力始期付きの内定では,使用者が,内定者に対して,本来は入社後に業務として行われるべき入社日前の研修等を 業務命令として命ずる根拠はないというべきであり,効力始期付きの内定における入社日前の研修等は,飽くまで使用者からの要請に対する内定者の任意の同意に基づいて実施されるものといわざるを得ない。

 また,使用者は,内定者の生活の本拠が,学生生活等 労働関係以外の場所に存している以上,これを尊重し,本来 入社以後に行われるべき研修等によって学業等を阻害してはならないというべきであり,入社日前の研修等について同意しなかった内定者に対して,内定取消はもちろん,不利益な取扱いをすることは許されず,また,一旦参加に同意した内定者が,学業への支障などといった合理的な理由に基づき,入社日前の研修等への参加を取りやめる旨申し出たときは,これを免除すべき信義則上の義務を負っていると解するのが相当である。」

 冒頭の部分について補足。採用内定の法的効力についてはこれまでにも争われてきたところであるが,大日本印刷事件*2により「採用内定によって労働契約そのものが成立する」という見解が採用され判例となっている。すなわち,採用内定から入社日までの間であっても,労働契約が締結されているので解雇制限法理の適用があることになる。

 内定期間中における権利・義務関係については学説に争いがある。(1)内定期間中に労働契約は成立しているものの,その効力は入社日までは発生しないので,研修へ参加したりレポートの提出する義務は負わないとする効力始期付き労働契約説,(2)労働契約の成立により法的効果は発生し,就業規則の適用も受けるとする就労始期付き労働契約説である。判例も分かれており,前掲・大日本印刷事件は(2)を,日本電信電話公社近畿電気通信局事件*3は(1)を採っている。

 本件では,さらっと述べているが(1)の立場に立つことを表明しており,採用内定を「効力始期付き解約権留保付き労働契約」であるとしている。つまり,本件では労働契約とは別に「研修契約」とでも言うべきものが同時に締結され,任意の同意によって入社前研修が実施されるものと考えている。そうすると,わざわざ「信義則上の義務」を持ち出す必要も無かったように思われるところ。「研修契約」の不履行に対する報復的制裁(サンクション)として「労働契約」の解消をすることは出来ない,とすれば済むところだろう。

 請求額は1年分の賃金相当額616万円余であったが,裁判所は(1)1箇月分の賃金19万6000円,(2)精神的苦痛に対する慰謝料50万円,(3)弁護士費用10万円を認容した。これは,5月1日からA大学の生産技術研究所に非常勤職員として採用され,勤務しながら研究を継続していることを捉えて,4月分だけを遺失利益としたもの。これは不適切であり,Y社に1年分の賃金相当額を支払うよう命ずべきであったと考える。Xは,Y社で就労していれば得られていたであろう賃金の支払いを受けられるようにするのが相当である。これは,損害賠償請求として本件を提起した訴訟戦術の失敗。もしこれが地位確認請求であれば,満額を遺失利益としたうえで,中間収入の問題として控除する処理がなされていたかもしれず,この方が適切な解決であったように考える*4

 ともあれ,労働者/学生/大学関係者にとっては画期的な判決である。もっとも,これが採用内定全般に通用するかというと疑わしい。本件では,工学系の博士課程学生であり,大学教授が学業への差し支えがあることをはっきり認めていることが大きく影響している。このような事情が無い事案であれば,卒業できなかったのは学生側の怠慢であるとされて内定を取り消されるのがオチだろう。

*1:東京地裁判決 平成17年1月28日 労働判例890号5頁 裁判官:甕文一郎

*2:最高裁第二小法廷判決 昭和54年7月20日 民集33巻5号582頁 〔→ 判決文

*3:最高裁第二小法廷判決 昭和55年5月30日 民集34巻3号464頁 〔→ 判決文

*4:使用者の責めに帰すべき事由で解雇された労働者が,解雇されていた期間中に他の職に就いて利益を得ていた場合,解雇期間中の賃金を支払うにあたって当該利益(中間収入)の額を賃金額から控除すること。この際,労働基準法26条の定めるところにより,賃金額のうち平均賃金の6割に相当する分については控除することができない。

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Saturday, 2005/09/10

result03.html

[] 大学院はてな :: 政府認定「女性にイニシアチブを握られて骨抜きになる男」   大学院はてな :: 政府認定「女性にイニシアチブを握られて骨抜きになる男」を含むブックマーク

 〈診断もの〉には近づかないことにしている。何も好きこのんで「自分探し」をアウトソ−シングする必要を感じない。かといって,〈診断もの〉の存在意義を否定することはしない。外部から「本当のあなたは××なのです」とささやいてもらうことで,精神的充足を得られる人もいるだろうから。

 そんなわけで,私は気に留めてもいなかったのだけれど,政府機関が「適性・適職診断」を提供しており,かつその診断結果に問題があるのではないかという指摘を目にした。

 診断への入口は,次の場所。

http://www.neutra.go.jp/diagnosis/

 担当部局は厚生労働省ではなく内閣府だから,フリーター&ニート対策である。

 さて,私の場合――

仕事
どんな仕事でもきちんと完成するタイプ

 会社の総務、事務、人事など管理部門や公務員。スキルを高めれば金融証券関係のアナリスト、ファイナンシャル・プランナー、公認会計士、税理士なども。学校の先生、塾の教師、ピアノの先生もOK。どんな分野でもリーダータイプの人とチームを組むと、大きな仕事を完成させることができます。

http://www.neutra.go.jp/diagnosis/result03.html

 う〜ん,現実との乖離がないから,これは話題にならない。これでも大学の教員を目指して修行中だし,副業では専門学校で公務員受験講座を担当している。塾講師歴もある。最後の一文,これは婉曲的に「人望が無いからリーダーの素質に欠ける」と言われているのだけれど,これも重々承知しているところ。ここに至る分岐チャートは,それほどおかしくないということだろうか。

 しかし,

恋愛
好きな人がいても、押しの強い異性に負けるタイプ

――うるさい(笑)

 労働法の立場からコメントすると,就労支援施策としては実効性が薄いように思える。診断結果から具体的な行動へと結びつけることをしていないし,提示している未来像が遠すぎる。漠然とした方向性の提示ではなく〈とりあえず〉できそうなことのアドバイスでなければ,ニート(NEET)になるのを予防するという目標達成には繋がらないだろう。民営化されたハローワークが,通信教育講座/専門学校/私立大学と提携したり,アフィリエイトでマニュアル本を売りつけたら,いい商売になるかもしれない。

 まぁ,国家事業として職業適性診断に取り組むことについては,正面切って反対しないでおくことにしましょうか。補助金事業などに比べれば,大金がかかっているわけでもないだろうし。他に効果的な対策があるわけでもないし。

 でも,国家が恋愛診断までやるのは,余計なお世話じゃないのかなぁ。少子高齢社会対策ではないのだから(それでも嫌だけれど)。

hajichajic 2005/09/13 18:52 「平凡すぎて特に何も勧めるものがない人」だとかなんとか言われました。あえて言うならセラピストが向いているそうです。なんか悔しいです安西先生。

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Friday, 2005/09/09

[] ヴェネチア・北東イタリア――洋都市国家の足跡  ヴェネチア・北東イタリア――洋都市国家の足跡を含むブックマーク

 田辺雅文(文)=武田和秀(写真)『旅名人ブックス  ヴェネチア・北東イタリア――洋都市国家の足跡』(第2版,ISBN:4861300665*1)を読む。

 「旅名人ブックス」は知的好奇心の旺盛な方々に,ひと味違う切り口で,余暇の過ごし方を提案する新しい旅行ガイドブック」です。取り上げるテーマを絞り,美しい写真と ストーリー生を重視した記事,実用性の高い情報を満載しています。

 この看板に偽り無し。大変に興味深い構成をとっている。

旅名人ブックス43 ヴェネチア・北東イタリア 第2版

 旅は「ヴェネチアを取り巻く島々」から始まる(第1章)。いきなり有名な観光名所に連れて行くことはしない。歴史を遡り,紀元前一世紀にローマの支配下に入った名残をみせるキオッジアを訪れる。それからトルチェッロ島へ渡り,フン族の襲撃を避けるために島へと逃亡したことで海洋都市が誕生した創生期を追う。ヴェネツィア市街へと進むのは,その後だ(第2章)。しっかりとした物語を紡ぎながら,知性に訴えかける旅が本書の魅力。

 しかし,いわゆる「ヴェネチア」はあっさりと通り過ぎてしまう。多くの観光ガイドが紙幅を割く場所など,わざわざ述べるまでもないということのようだ。全365頁のうち,ヴェネツィア市街を扱う第2章は,わずか60頁に過ぎない。少しばかり物足りなさを覚えるところではある。

 本書の眼目は,充実した〈北東イタリア〉編にある。第3章「ヴェローナとガルダ」では北西側の内陸(ヴェネト州)に分け入ってワインを味わう。第4章「ヴェネト平野――海洋国家を支えた〈陸のヴェネチア〉」ではパドヴァやトレヴィーゾを始めとする周辺の町を訪ねて歩く。その数23箇所。この充実振りは尋常ではない。第5章「もう一つの〈ヴェネチア〉」では北東部のフリウリ=ヴェネチア・ジューリア州へと向かい,トリエステにおける分断の歴史を追う。

 書名に『北東イタリア』とあるのは,決して添え物などではない。紀元812年にカール大帝がビザンティン帝国と結んだ条約によって貿易国家の礎が築かれてから,1797年にナポレオンの侵略を受けて滅ぶまでの一千年間,栄華を誇った海洋都市国家「ヴェネツィア共和国」の勢力範囲を網羅している。北東イタリアの奥深さを楽しめる好著。

*1:第1版は,ISBN:4822228827

Thursday, 2005/09/08

To Heart Remember my memories

[] To Heart - Remember my memories  To Heart - Remember my memoriesを含むブックマーク

 昨晩,寝しなに高雄右京(たかお・うきょう)『To Heart Remember my memories』(ISBN:4840231370)を読む。Leafビジュアルノベル第三作『To Heart』の1年後を描いたアニメ『To Heart 〜Remember my memories〜』のコミカライズ作品。

 これに関しては kaien さんのところでアニメ版が話題になったとき,例によってコメントを送りつけている(いつもお騒がせしております)。

 原作の魅力は、あえて大袈裟なドラマを排して、徹底的に日常の楽しさと哀しさに焦点を絞ったところにある。

 「恋愛ゲーム」とひと言でいえばそうだけれど、むしろその本質は、ささやかで他愛ないエピソードの積み重ねからひとりひとりのキャラクターを魅力的に描き出すその丁寧さにあったはずだ。

http://d.hatena.ne.jp/./kaien/20050715/p2

 ここで指摘されているように,原作*1は関係性の負の側面を削ぎ落とすことにより,「心地よい楽園」を現出させようと試みた作品。

 それがねぇ―― 主人公・浩之をめぐるマルチ(HMX-12)との確執で,神岸あかりが泣き叫び,涙を流し,わめき散らす。そこに雅史と志保の告白も加わって五角関係まで。キャラクターの性格が,ことごとく悪くなっている。強気で攻撃的な姫川琴音なんて見たくなかったよ……。

 アニメのシナリオを読んで,ああ,前作ではあえて描かなかった所に踏み込むんだな,とわかり,僕も挑戦させてもらいました。

なかがき(71頁)より引用

 あえて目を背けることで成り立たせていた原作の価値を,あえて否定し前面化させる。その心意気は汲むが,本作についてはまったく評価できない。取り組むならば,新たな場において新たな主題として提示するのが望ましかったように思う*2

 人気作の続きものを制作することは批判しない。しかし,神髄を穢し,魂を劣化させたことは非難に値する。楽園の住人たちを,愛憎渦巻く俗悪な世間へと追いやった罪。そんなわけで,私は〈Remember my memories〉という企画を好意的に見ることができない。原理主義的な立場からすると,あまりにも辛すぎる。

 高橋龍也 「恋愛っていうのは、実は書いてもあんまりおもしろくないんですよ。若い恋愛を書けば、男の立場から言うとイコール性欲。理由なんてないんです。それだけで終わっちゃうんで、語るドラマもなにもないんです。もしくは相手を束縛したいとか、独占欲とか、そういう方向で書くしかないんですけど。そういうのは書いてもしょうがないと思ったんです。だから『To Heart』でやりたかったのは「一緒にいて楽しい」ということなんです。性欲を抜きにしても、一緒にいて楽しい女の子を。」

http://www.tinami.com/x/interview/04/page5.html

*1:1999年,ASIN:B00008I4QF

*2:傷つける痛みをテーマとした作品として,第四作『WHITE ALBUM』(1998年,ASIN:B00009WAYZ)の存在意義がある。

したもしたも 2005/09/08 22:34 アニメは見てないので判らないけど…To Heart自体の記憶がすでにあやふや(おひ)。

Wednesday, 2005/09/07

初校

[] 大学院はてな :: 欧文校正  大学院はてな :: 欧文校正を含むブックマーク

 学会誌に載せてもらう原稿の著者校正が届いた。出版社にて校正記号がたっぷりと書き込まれ,すでに真っ赤になっている。こういう状態で見せてもらうと,法律文化社(とその編集者)は良い仕事をしているなぁと思う。

 ところが,スペイン語のアクセント記号(acute*1)や波形符号(tilde)が吹っ飛んでる!*2 一太郎文書をメールに添付して入稿したのだけれど,どこか途中の段階で消えてしまったらしい。これは,南欧系言語に共通する宿命と思うしかない。

 え〜と,この場合の印刷校正記号って――

*1Wikipedia - アキュート・アクセント

*2:スペイン語の特殊文字は,母音にアキュート(')の付く [á] [é] [í] [ó] [ú] と,ティルデ(~)が付く [ñ] の6種。

ELEMENTCROWELEMENTCROW 2005/09/07 20:32 この記事とは関係ないんですけど、気になっていたのでここで。
プロフィのところにある画像はご本人様ですか?

genesisgenesis 2005/09/12 15:32 本人です。学会で報告したときに撮影してもらいました。

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/genesis/20050907

Tuesday, 2005/09/06

[] 悪名高き皇帝たち[一]  悪名高き皇帝たち[一]を含むブックマーク

 塩野七生(しおの・ななみ)『ローマ人の物語――悪名高き皇帝たち[一]』(ISBN:4101181675)読了。ようやく文庫版の最新巻に追いついた。

ローマ人の物語 (17) 悪名高き皇帝たち(1) (新潮文庫)

 題名の「悪名高き皇帝たち」は反語的である,と塩野は冒頭で述べる。ここで批判されるのは,紀元2世紀の初頭に活動したタキトゥスらの史観。なぜ同時代の歴史家からは批判されたのかを解き明かしていく。この分冊[一]はティベリススの治世について。

 塩野は次のように考える。神君カエサルが青写真を描いたところで暗殺され,神君アウグストゥスは巧妙な手段を用いてデザインを実現していった。その後を継いだティベリススの為すべき役割は,着手ではなく定着であり,メンテナンスに重要性があった。それ故,派手さはなく地味。財政再建策を採ったためケチとの評判がついて回る。

 この巻の始まりは,ナポリ湾に浮かぶカプリ島の情景。人間嫌いになったティベリウスはローマを離れ,断崖の上に経つ館に引きこもるが,それでも統治することを放棄はしなかった。元首制を信じながらも元老院に裏切られる皇帝の失望と徒労感。それを,南イタリアの絶景を眼前に望みながら孤愁を抱える男の不調和として描く。

Sunday, 2005/09/04

[] 阿房列車  阿房列車を含むブックマーク

 内田百閒*1『百閒集成 1 阿房(あほう)列車』(ちくま文庫版,ISBN:4480037616)を読む。

阿房列車―内田百けん集成〈1〉   ちくま文庫

 「なんにも用事がないけれど,汽車に乗って大阪へ行って来ようと思う」。昭和26年から28年にかけて『小説新潮』誌上で発表されたもの。旅にまつわるエピソードが散りばめられているのだが,なかなか阿房列車は走り出さない。まず正しい借金とは如何なるものであるかについて滔々と訓示を垂れる。それから一等車,二等車,三等車に対する見解をご披露なさる。一事が万事この調子だから,駅の歩廊(ホーム)に着く頃には,節の半ばまで来ている。軽快な語り口は読者を飽きさせない。

 昔を思い出して御殿場線に乗りたくなり*2国府津で降りるが,目の前で沼津行きの列車は走り出してしまう。助役が事務室に戻ったところで苦言を述べに出かけていったり。わざわざ一等車を取ったのに,ずっと食堂車で酒を飲んでいたなんてことも(区間阿房列車)。午前9時35分に上野を出る列車に乗りたいが,朝早くに起きるなどまっぴら御免。でも,どうしてもこの列車で盛岡へ行きたい。思案した末,福島で一泊して列車を待つ(東北本線阿房列車)。

 北は浅虫,南は鹿児島。雪景色を見るべく〈雪中新潟阿房列車〉を運行し,横黒線*3では紅葉を愛でる(奥羽本線阿房列車)。旅の道連れは,茫洋とした弟子の〈ヒマラヤ山系〉氏に,大好きな酒。紀行文学の傑作。百鬼園先生は面白いなぁ。

*1内田百間内田百けん内田百機種依存文字

*2:内田百閒は岡山の出身。昭和9年まで,旧東海道本線は

*3:おうこくせん。現在の北上線。横手‐黒尻沢(北上)間。

Friday, 2005/09/02

[] 世界歴史の旅 パリ  世界歴史の旅 パリを含むブックマーク

 福井憲彦(ふくい・のりひこ)+稲葉宏爾(いなば・こうじ)『世界歴史の旅 パリ 建築と都市』(2003年,ISBN:4634633000)を読む。

世界歴史の旅 パリ―建築と都市

 パリの建築物について述べる力作。

 第一部「建築でたどるパリの歴史」では時系列順に,第二部「歩いて眺めるパリの街と建築14コース」では地域ごとに解説し,縦糸と横糸を紡いでいく。特に近現代建築については取り上げている箇所が多く,20世紀初頭の住宅建築については写真も豊富。

 質,量ともに圧巻。しかし,まんべんなく取り上げていることが災いして,叙述は平板的なきらいがある。あの「山川出版社」が送り出している本だけあって,いかにも教科書的な作り。主観が排されているため,躍動感に欠ける。本文で言及する前にコラムが登場したりするなど,構成上の失敗も見られる。図版の使い方も,あまり上手ではない。建物に通し番号を振って,地図と対応させてくれたら楽に参照できたのに,と思う。前半の歴史編では,使われている地図が古代ローマ時代のものだけというのも不親切。ナポレオン3世による都市改造についての箇所は次のような記述になっているが,

 ローマ帝政時代以来の南北軸,サン・ジャック通りからサン・マルタン通りへという軸は残し,その西側に,左岸のサン・ミシェル大通り,シテ島の裁判所大通り,そして右岸のセバストポル大通りへとぬける,新しい,もっと幅の広い南北軸をもう1本通す。右岸では,リヴォリ通りからサン・タントワーヌ通りへとぬける東西軸をこれと交差させた。(中略)左岸では,サン・ジェルマン大通りが学生街の真ん中で2本の南北軸と交差したあと,その東西いずれの側でも弓なりに折れてセーヌの橋に向かい,右岸へと接続する。(60-61頁)

これなどは図示してくれれば良かったのに,と思う。

 叙述に難点はあるものの,参考書的な使い方をするならば頼りがいがある。

Thursday, 2005/09/01

祐巳@ピサ

[][][] リスト::舞台探訪  リスト::舞台探訪を含むブックマーク

 漫画/アニメ/ゲーム/小説などの舞台探訪(=聖地巡礼=ロケ地訪問)を集めた〈リンク集〉を作ってみました。作品別にまとめたものならば幾つかあったのだけれど,横断的なものは見当たらなかったから。もし,抜け落ちているものを御存知でしたら,是非お知らせくださいませ。

http://legwork.g.hatena.ne.jp/

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