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博物士

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Sunday, 2005/10/23

ヒビキのマホウ

[] ヒビキのマホウ〔1〕  ヒビキのマホウ〔1〕を含むブックマーク

 依澄れい麻枝准ヒビキのマホウ』〔1〕(ISBN:4047137138)。

 発売直後に買って一度読み,保留しておいたもの。再読してみたのだが,やはり何とも評価しづらい。

 ストーリーは,これといった才能に恵まれていないヒビキが,マホウツカイの権威であるシロツキ先生の助手として暮らすところから始まる。

 ドジっ娘が成長していく様を描くビルドゥングスロマン教養小説)――のように見えるけれど,ヒビキ(=主人公)の成功は,陰で支えるシロツキ(=全能の人)の助力によって達成されている。すなわち,主人公自身が能力を獲得し成長するのではなく,主人公が庇護者を獲得することにより成功がもたらされる。実際に物語を駆動させているのは「家族の回復」という命題。ヒビキは「シロツキの助手=家族」であるというだけで,遙かに優位な立場に置かれている。

 これを「やさしさに満ちた世界における心温まるファンタジックストーリー」と受け止められるのは,きっと純真な人なのだろう。こんなお話があっても悪くはない。でも,私には向かないようだ。

hajichajic 2005/10/23 13:47 つまり『蠅の王』において、大佐が助けに来てくれなければどうなるか、という問題ですね。子供は大人がいるから良い。しかし大人はいったいどうすれば。

genesisgenesis 2005/10/23 15:05 後半は間違いじゃないと思いますが,前半で比較対象をゴールディングとしているところは疑問……

simulasimula 2005/10/23 16:46 こんにちは

一巻で作品評価をしてしまうことにはちょっと疑問があります
外伝にあるようにヒビキはいつかシロツキから卒業していくと思うので、シロツキのおかげで成功しているヒビキというような図でこの作品を読んでしまっていいのかと疑問に思うので

genesisgenesis 2005/10/23 18:55 simulaさん,コメントありがとうございます。▼ 物語の「序」に当たる部分しか示されていないところで作品全体の評価をするのは早計ではないかと,いうことでしたらご指摘の通りです。しかし,個々のストーリーの面白さというのも,また別に語ることは出来ると考えています。シリーズ全体としては良くても一部のエピソードはつまらないとか,逆に出だしは良かったのに結末で失速してしまったということもありますし。ここで私が述べているのは,あくまでも第1巻に対する見方です。次巻以降においてヒビキの成長していく様が描かれていくであろうことは察しがつきますが,それはまた別個に評価すべきところでしょう。▼ 完結していない物語について語ることの面白さは,途中で評価が変わっていくことにあるのではないかと思います。今回は否定的ではありますけれども,中間報告として見解を表明しておくことにしました。なお,期待も出来ないような代物については無視するというのが私の方針です。▼ さて本作ですが,設定においてこれといった新奇さを持っていないことを否定できないように感じます。本作の見どころを指摘しようとしても,捉え所のない〈ありきたり〉なものであることを示す結果になってしまう。このままでは『魔法遣いに大切なこと』のように,陳腐な物語になってしまう。このような見方を裏切るような展開をしてくれたらいいのですけれど。

simulasimula 2005/10/24 00:10 丁寧なレスありがとうございます▼上のコメントをしたのは、>でも,私には向かないようだ。▼や>ヒビキ(=主人公)の成功は,陰で支えるシロツキ(=全能の人)の助力によって達成されている(ヒビキの成功は全てシロツキの助力という訳ではなく、シイが寝込んでから回復するまではシロツキは関わっていない)等、少し語調が強く、部分ではなく作品評のように感じたからです▼genesisさんの評価が現段階に描かれているもののみということでそうではないことが分かり、その点は良かったです▼ヒビキのマホウの魅力についてですが、一見普通のハッピーエンドに見えつつも、マホウという奇跡が存在する世界にもかかわらず、先生は体をなくす、ミヅキやナナコは生き返らないということを受け入れるという痛みの受容が存在することではないかと僕は考えています▼あと、新規さがないというのは確かに感じますが、それが陳腐な物語とまでなってしまうかは今後を見守りたいと思っています

hajichajic 2005/10/25 00:46 キング『アトランティスのこころ(上)』です。わりと良い話なのでぜひお読み下さいませ。

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