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博物士

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Tuesday, 2005/11/29

生きづらい〈私〉たち

[] 生きづらい〈私〉たち  生きづらい〈私〉たちを含むブックマーク

 勤務先の専門学校で「就職出陣式」という催しがあり,講師代表として招かれたので出かける。堅苦しい場に出るのは数年ぶりなので,肩が凝る。最初の方で出番は終わったのだけれど,せっかくなので講演も聴いていくことにする。

 講師は,職員研修を手がけている会社の人。趣旨は「相手のことを考えよう」というものだったが,そう言っている講師自身が実践できていなかった。これから就職活動に臨もうとしている学生を相手に,変わった採用をしている会社のエピソードを話す(それは会社の人事担当者向けだってば)。まぁ,そこまではいいとしても,それらの事例から何も考察を引き出さずに終わってしまったので,何のために話をしたのか伝わらないだろうに……と思う(講師自身も目的意識を持っていなかったのかもしれない)。

 まぁ,こういう人がいてくれるおかげで,私のような商売が成り立つのですけれど。今度の講義で「あの講師は何を言おうとしていたのか」を解説し,「あのような講演を聞かされたらレポートには何を書くか」を伝授すれば,喜ばれる。

 で,講師はクレッチマー*1の性格分類*2を持ち出して「自分を知ろう」ということを述べていたのですが,知ってどうするのかという意識が希薄で講演は無惨な内容でした。むしろ,「自分を知らなければならない」というのが強迫観念じみていて怖いなぁと感じる。

 それというのも,移動中に香山リカ*3『生きづらい〈私〉たち――心に穴があいている』(ISBN:4061497405)を読んでいたので。「生きづらい」と訴える「患者さん」は,病気なのか健康なのか。あるいは異常なのか,正常なのか。そうした区別が意味をなさなくなった精神医療の現場が,目前に捉えている事例を紹介するエピソード集。結論が殆ど無いか,あっても香山の現時点における到達点を記したに過ぎない感のある読み物。良く言えば,精神科医の苦悩を率直に表明している。

 処方箋が示されているわけではないので,読んでも心に雲がかげるばかり。この本を必要とする人は,この本を読まない方がいい。

*1:Ernst Kretschmer(1888-1964):ドイツの精神医学者。

*2:神経質(N型),粘着質(E型),顕示質(H型),偏執質(P型),分裂質(S型),循環質(Z型)

*3:Rika Kayama (1960-):精神科医

Saturday, 2005/11/26

労働判例897号

[] 大学院はてな :: かわいそうなゾウ  大学院はてな :: かわいそうなゾウを含むブックマーク

 研究会にて,アワーズ(アドベンチャーワールド)事件(大阪地裁判決・平成17年4月27日・労働判例897号26頁)の検討。

 被告Yは動物園。博物館法上の指定を受けている社会教育施設であり,社団法人日本動物園水族館協会に加盟している。原告Xは,Yに勤務しゾウの飼育経験もある者。1978年の開園当所から飼育員として働いてきたが,1998年10月に販売部(その後倉庫係)に異動している。

 Yではタイ人調教師を採用し,アフリカゾウの調教に当たらせた。タイ式の調教は,調教の間,あえて給水ならびに給餌をせず,身動きできないように拘束したうえで,手かぎ・槍・チェーンを用いて殴打するものであった。この際,1頭のアフリカ象(ピコ)は左前肢に腫脹を生じた。99年9月には以前から障害のあった左後肢が曲がらなくなり,10月頃から痩せ始めた。12月24日,上位のゾウに攻撃されて横転。同日,死亡した。Yは呼吸不全が原因であると判断し,その旨の発表を行った。

 Xは,ピコの死亡はタイ人調教師らの調教による足の怪我,治療不備,ストレスによる衰弱,餌不足が原因であると考えた。そこでXは,一連の調教の様子を撮影したビデオテープ(総計100時間以上)をテレビ朝日に提供し,インタビューに応じた。この内容は2001年1月28日,報道番組「スクープ21」にて放映された。

http://www.tv-asahi.co.jp/scoop/past/9809-0109/20010128_010.html

http://www.ff.iij4u.or.jp/~orca/pico1.html

 テレビ朝日はYの広報担当者と獣医師にも取材を行ったが,放送中の説明は概ねXの主張に沿うものであった。番組放送後,Yを非難する電話や郵便物が多数送られてきた他,行政機関や観光協会にも抗議が寄せられた。そこでYは2月5日,Xの行為は就業規則に定める解雇事由「会社の重要な機密の漏洩」「会社の信用の失墜」に該当するものとして懲戒解雇の意思表示をした。本件は,解雇無効の確認を求める訴えである。

 内部告発については裁判例の蓄積があり,判断に当たっては

  • (1)告発内容の真実性ないし真実と信じる相当の理由の有無
  • (2)告発目的の公益性
  • (3)告発手段・態様の相当性

などを考慮要素とするのが通例*1

 本件でも裁判所は,次のようなフレームワークを提示している。

 企業に関して虚偽の事実を第三者に告知することは,企業の名誉・信用を失墜するのみならず,ひいてはその業務を妨害することにもなり,刑法上の犯罪をも構成するのであるから,内部告発が正当なものであるというためには,少なくとも,告発した内容が重要部分において真実であるか,仮に真実でなかったとしても,真実と信ずる相当な理由のあることを要するというべきである。

 裁判所は,本件ではこの〈真実性〉テストを満たさないとし,原告の請求を棄却した。すなわち,ピコに対する厳しい調教が行われてから死亡までの間に約8か月間が経過しており,ピコの死因は他個体からの攻撃を受けての起立不能による呼吸不全(窒息死)と獣医師が診断していることから,Xの主張は真実についての証明が無いと判断。よって,本件内部告発は正当性を有するとは言えないと結論づけた。

 この点を巡り,研究会では意見が分かれた。

 労働者の主張を認めるべきだという意見としては,ピコの死因についてはXの主張に沿う大学教授の鑑定意見書もあることだし,自然科学(医学)的な〈真実性〉の立証を要求すべきではないというもの。

 これに対して,動物園側の主張を相当とする側からは,原告は調教の経験を持ち専門的知識を有するのであるから,一般人を誤信させるような情報をみだりに与えるべきではないとの意見が出された*2

 そんなわけで,この事件は適否の判断がつきかねます。事後的に死因が確定できたとしても,告発を決意した段階では「本当か嘘かわからない」グレーの状態であったと評価できるし。また,地裁の判旨では〈真実性〉テストしか行っておらず,〈公益性〉や〈相当性〉については立ち入っていないので,論旨は脇が甘い。控訴審段階で逆転する可能性もありそう。

 まぁ,「都合のいいところだけを繋いで番組に仕立てたテレビ局が悪い」ということでは意見の一致をみました。テレビ朝日の報道番組は品が無いので大っ嫌いです*3

*1:正当な内部告発であるとされた関連判例に,トナミ運輸事件(富山地判・平成17年2月23日・労判891号12頁),生駒市衛生社事件(大阪高判・平成17年2月9日・労判890号86頁),カテリーナビルディング(日本ハウズイング)事件(東京地判・平成15年7月7日・労判862号78頁),大阪いずみの生協事件(大阪地判・平成15年6月18日・労判855号22頁),杉本石油ガス事件(東京地判・平成14年10月18日・労判837号11頁),宮崎信用金庫事件(福岡高宮崎支判・平成14年7月2日・労判833号48頁),三和銀行事件(大阪地判・平成12年4月17日・労判790号44頁),医療法人思誠会(富里病院)事件(東京地判・平成7年11月27日・労判683号17頁)などがある。

*2:私は今回,懲戒解雇有効の立場に立った。理由は,〈告発手段・態様の相当性〉を欠くから。ゾウの調教についての一般的なやり方も知らない一般人が見れば,芸を仕込む様子を切り出して見せられれば「動物虐待」と思ってしまうのではないかとの印象を持った。専門家に対しては〈相当性〉判定のハードルを高くしても構わないと考えます。

*3:関係のないことを関係ありそうに言うのは良くない,というのを自分で実演してみました。

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Thursday, 2005/11/24

法月綸太郎の功績

[] 法月綸太郎の功績  法月綸太郎の功績を含むブックマーク

 法月綸太郎(のりづき・りんたろう)の中編集『法月綸太郎の功績』(ISBN:4061822454)を読む。

 どうも法月の作風は肌に合わない。かといって,作品が悪かったわけでもない。

 よって,読了したことを記録に留めておくだけにする。

Tuesday, 2005/11/22

小説エマ〔2〕

[] 小説 エマ〔2〕  小説 エマ〔2〕を含むブックマーク

 久美沙織(くみ・さおり)『小説 エマ』第2巻(ISBN:475772490X)を読む。

 第1巻を読んだときには引っかかりを感じ,やや否定的な論調で感想を述べました(id:genesis:20050403:p1)けれど,転向します。第2巻では,実に透き通った読後感を得る。

 原作では第2巻(ISBN:4757713126)で綴られる部分。ストーリーには手を加えず,セリフもそのまま。それなのに,久美沙織の作品へと見事な昇華を遂げている。

 タイトルにわざわざ「小説」とつけている辺りが、久美沙織の仕事への誇りを表している……

のかもしれません。

http://d.hatena.ne.jp/megyumi/20051107#p2

 例えば第八話「ひとり」。原作には,ただ一言の言葉も示されずに進む箇所が三回,各5頁ずつで合計15頁ある。ストウナー女史が天に召された後の様を淡々と描くことで静かに悲哀を醸し出す,マンガの醍醐味と言えるところ。ここに対して久美は,つぶさに解釈を行い,エマの独白として構成してみせる。本巻の見どころと言えよう。それはあたかも,お前は原作をどれほど丹念に読み込んだのか?――と読者に問いかけているかのような緻密さ。

 もっとも,これは逆の評価をも与えうる。例えば次のような意見。

 「エマ」はある意味では映画のシーンを抜き出して漫画にしているようなところがあって、その間の部分は想像で補うしかなかったりする(中略)のですが、逆にそれが持ち味であっただけに、それを補完する描写によって持ち味が壊されてしまったというか……

http://d.hatena.ne.jp/gmax/20051107/p2

 何しろ,肯定的に評価しようとしている私自身も,同じ見解を併せ持っている。負の方向に振れたのが第1巻についての感想に他ならない。言葉を冗長なまでに重ねていくことによりヴィクトリア朝の荘重な空気を紡ごう,というのが小説版『エマ』の特徴。好みが分かれて然るべきところ。今回は,原作で採った方針をなぞることを避け,森薫の〈呪縛〉を解き放とうとした久美沙織の心意気を高く買おうと思う。森と久美の手法はまったく正反対であるが,それぞれの最適解を導きだそうとしているのだから。

Saturday, 2005/11/19

労働判例898号

[] 大学院はてな :: 女性の昇格差別  大学院はてな :: 女性の昇格差別を含むブックマーク

 研究会にて,住友金属工業(男女差別)事件(大阪地裁判決・平成17年3月28日・労働判例898号40頁)*1の検討。

 原告ら,昭和37年から昭和50年にかけて入社した4名の女性。女性であることを理由として昇格および昇級において差別的取扱いを受けたとして,不法行為に基づく損害賠償を求めた事案。

 この会社には,5つの査定区分が存在した。賃金の低い順に,

  • 高卒女性事務職
  • LC(ブルーカラー労働からホワイトカラー労働へと移った者)
  • BH(LCの中から選抜された者)
  • 高卒男子事務職
  • 大卒

となっている。原告らは最も低い査定区分に属しており,当初は定型的・補助的業務を担当いたが,入社20年目あたりから高卒男性事務職と同じように契約業務等に従事するようになった。

 そこで,(1)主位的に男性事務職との賃金差額を,(2)予備的にLC転換者との賃金差額相当額の精神的損害賠償金を請求したもの。

 裁判所は,請求を一部認容。予備的請求を認め,昭和61年以降の分についての差額賃金*2と,精神的苦痛に対する慰謝料*3の支払いを命じた。

 このような差別事件の場合,「誰との比較で」「どれだけの賃金格差が」生じているかを明らかにするのが難しい。本件の場合,会社が作成した人事資料で5種類の区分がなされており,女性が差別されていることを外形的に立証するのが比較的容易な事案であった(労働時間管理でも同じだが,いい加減に運用している会社ほど立証しづらいという困ったことが起こる。)。

 男女差別については,社会状況を反映させて時代区分をするのが一般的である*4

  • 第1期 :: 募集・採用について,男女間で異なる取扱いをすることが違法ではなかった時代。
  • 第2期 :: 1985(昭和60)年,男女雇用機会均等法が制定されて以降。男女差別という意識の芽生え。1997(平成9)年6月には,男女間で差別的取扱いをしないことが使用者の努力義務となる。
  • 第3期 :: 1999(平成11)年,改正均等法において強行法規が盛り込まれて以降。職掌転換制度を実施するなどして差別的取扱いを是正する措置を採らなければ違法となる時代。

 本件では昭和61年以降の賃金差額を請求しているが,これはおそらく均等法が施行された後は「性別のみによる不合理な差別的取扱い」が「民法90条の控除に反する違法なものである」という趣旨のものと思われる。

 ただ,問題なのは,男女差別を是正すべきであったということは言えても,いったい損害額は幾らなのか。裁判所は,原告らがある時期から

本来男性事務職が担当していた一定の判断や交渉が必要となる業務の一部を実質的に任されるようになり,高卒事務職の男女間における業務内容の相違は,相対的なものとなった

とは述べているが,まったく同一の労務に従事していたとはしていない。「同一労働同一賃金」ということができないため,主位的請求(男性高卒事務職との差額)を認めず予備的請求に留めたのではないかと思われるところ。裁判所の苦労の跡がうかがえる。

*1:判決原文は,→ courts.go.jp

*2:X1:1415万円,X2:1413万円,X3:1125万円,X4:887万円

*3:X1:300万円,X2:250万円,X3:200万円,X4:150万円

*4:例えばこのような時代区分を反映した判断を行っているものとして,住友電気工業事件(大阪地判・平成12年7月31日・労働判例792号48頁),野村證券(男女差別)事件(東京地判・平成14年2月20日・労働判例882号12頁),兼松(男女差別)事件(東京地判・平成15年11月5日・労働判例867号19頁),岡谷鋼機事件(名古屋地判・平成16年12月22日・労働判例888号28頁)がある。

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Wednesday, 2005/11/16

試作品少女

[] 試作品少女  試作品少女を含むブックマーク

 ゆずはらとしゆきid:yuz4:20051015)+宇佐美渉id:usami_wataru:20051019)『試作品少女――空想東京百景』(ISBN:4576051768)を読む。

 架空の平行世界における「昭和38年・東京」を舞台とした作品。紹介については著者自身が行っているし,第0章を読むこともできる。あ,言い忘れてましたけれど《ジュブナイルポルノ》です。

http://usami.halfmoon.jp/tokyo/

 何かをやろうとしているのはわかるのだけれど,何だかよくわからない。

 この不明瞭な感覚は,同じく〈ゆずうさ〉の組み合わせで描かれた『ペンデルトーンズ』*1が与えるものと同じ。むしろ,小説を主体とする本作の方がより明確に薄っぺらさを伝えている。

 以前,『ペンデルトーンズ』を読んだときに否定的な見解を述べたことがある(id:genesis:20041103:p1)。その後,更科修一郎*2が,「これはギャルゲーの構造を漫画で表現しようと試みたものだ」という趣旨のことを述べていたのを読んで,なるほどと思った*3

 『試作品少女』ってのは「オタク向けのポルノグラフィの分析と実践」です。それを「使う」わたしたちのお話でもあります。批判的に描かれているわけでもなく、好意抜きで描写したらそこはかとなく残酷だったというだけのことではなかろかね。

http://d.hatena.ne.jp/stupa/20051025

 というのは,上述のことと同旨を言うものと解される。

 序盤,格好付けた主人公(ガンスリンガー)のもとに「犬耳ランドセル首輪ホムンクルス少女」と「ツインテールふりふりツンツン娘」がやってきて××する。中盤では,お姉さんキャラとも××。××する理由は,あるような無いような。なるほど,『試作品少女』がギャルゲーだったとしたら,ごくありふれた作品に見えるかもしれない。それが小説という媒体で表現されると,畸形ぶりが露わになるということなのだろうか。

 構造分析の教材に使うならばともかく,単独の作品として面白いと評価するには非常に躊躇します。まぁ,こうした感想を抱くであろうことは読む前から予想できていたのだけれど,宇佐美さんの表紙に魅了されて買っちゃったん……。私,〈どうぶつ耳娘〉には弱くて。

▼ おとなり書評

 殺し屋の内面と平行世界を扱った内容で、尖がったエロゲとかファウスト系といった風味。〈中略〉「ジョブナイルポルノ」と銘打ってはいるんだけど、ファウスト系の枠内でも普通におもしろいのよな。これなら、むしろエロを強調した作りにしない方がいい予感が。

http://www2e.biglobe.ne.jp/~ichise/book/2005_10.html#d28_0

 え〜っと,こういうのを「ファウスト系」と分類するんでしょうか? 親しんでいない分野なので,判断できないのです。それはさておき,いちせさんが述べておられるように非えっち部分を手厚くしたら,凄い作品になりそうな感じはあります。


 ところで,11月20日に開催される第四回文学フリマに参加される予定の方で,代理購入してきてくれるような心優しい人はいないかなぁ。『Natural Color Majestic-12』が読みたいん。

http://parallelloop.com/

*1http://usami.halfmoon.jp/pendletones/

*2:『ペンデルトーンズ』を単行本化した際に編集をしたのが更科。

*3:出典を探したのだけれど見当たらない

gammaray01gammaray01 2005/11/18 08:21 ようやっとあずまんがについて書いてみました。
http://d.hatena.ne.jp/gammaray01/20051117
もし何か間違っていたら馬鹿にして下さい。
それにしても言葉の壁って高いですね。
訳者の人ってすごいなぁ。

ELEMENTCROWELEMENTCROW 2005/11/18 17:28 行って見ようかな( ・ω・)

Monday, 2005/11/14

ぽてまよ

[] ぽてまよ  ぽてまよを含むブックマーク

 御形屋はるかさんは,ウラヌス&ネプチューンのアンソロジーで活躍しておられた*1頃からのファンなのです。特徴あるデフォルメは言うまでもない魅力ですが,暖かみをこめた物語作りに取り組んでいるところには大いに好感が持てます*2

 そんな御形屋さんの四コマ漫画が『ぽてまよ』〔1〕(ISBN:4575939676)。フシギ生物「ぽてまよ」が冷蔵庫から出てくることからお話がはじまる――のですが,設定はどうでもいい性格の作品。コミカルな〈萌え〉を堪能すべき。

 ただ,率直に言って,評価は微妙なところ。

「少し前,漫画を描く事に行き詰まっていた時期に 相方から4コママンガを描いてみたらどうかと 勧められた」(86頁)

のが本作誕生のきっかけだったと自ら明かしているのですが,ひいき目に見ても,四コマというジャンルに作者が不慣れであることが感じられる。時折,かなり無理をしているように思われるものがあったりして…… 例えばそれは,主人公を除く男性キャラが不自然な使われかたをする場面であったり。あるいは,持ち味である「描線の美しさ」が隠れてしまうほどに多めな描き込みであったり。

 ほわほわぷにんとした質感を表現させたら御形屋はるかは一流です。第一巻も後半になるとキャラの性格も明確になり,『ぽてまよ』という作品が駆動する環境も整ってきた。あとは,作者から過度の意気込みが抜けてくれればいいのに,と思う。

*1セーラーウラヌス緒方恵美さんが天王はるかの声をあてていた → 「おがた」や「はるか」――が名前の由来ですよね?

*2:えっちなのはいけなくないと思います!という人であれば,処女作『Love deluxe』(1997年,ISBN:4871822621)が既刊の中では最もお薦め。ストーリーの完成度が高い。

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Saturday, 2005/11/12

労働判例896号

[] 大学院はてな :: 労働時間管理者の過労死  大学院はてな :: 労働時間管理者の過労死を含むブックマーク

 研究会にて,中の島(ホテル料理長)事件(和歌山地裁・平成17年4月12日判決)*1の検討。

 ホテルの料理長Aが会議中にくも膜下出血を発症し,その後死亡したことにつき,遺族らがAの死亡は過重労働によるものであるとして安全配慮義務違反および不法行為に基づき,遺失利益や慰謝料を請求した事案。

 請求を一部認容しているのだが,遺失利益および慰謝料を3割減額する理由としてあげられた「Aの寄与要因」に気になる説示が。

 Aは,調理課長として,自らの労働時間を自ら管理する立場にあり,調理課員への仕事の分担を決めることができる立場にあったところ,他社への配慮から,あるいは料理人としての職業意識から,業務と無関係とは言えないものの,必ずしも業務上要求されていない仕事まで自ら背負い込んでしまった面も否定できない。

 本件においては,自宅において新しい料理の献立を考えていた時間は業務を遂行していたものとした。その一方で,魚市場まで食材を選定したり料理に使う敷葉を取りに出かけていた時間は業務を遂行していたものとは言えないとしている。というのも,「意地と誇りをかけた亡Aの自主的な判断に基づくものであったと推認される。被告会社において,亡Aがかかる行動を行っていることを把握することは極めて困難であったと認められる。」から,とする。

 本件にあっては,亡Aが高い地位(部門のトップ)にあったので,損害の公平な分担という観点から若干の減額を行うのも致し方ないかとも思う。ただ,ホワイトカラー・エグゼンプションの導入に伴って,もっと低い職位の労働者にまで損益相殺が行われるようになるのではないかと危惧している。健康を害してまで働いてしまう労働者が出てこないようなシステムを用意しなくてはなりません。

*1労働判例896号28頁

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Friday, 2005/11/11

萌える男

[] 本田透萌える男 本田透 『萌える男』を含むブックマーク

 本田透(ほんだ・とおる)『萌える男』(ISBN:4480062718)を読む。

 あきれるほど酷い。これが「トンデモ本」なり「アジ小説」であれば笑って済ませられるところなのだが…… 新書という体裁をとり,外見を装って(偽って)いるからには,放っておくわけにもいかない。

 まず,第1章「萌える男は正しい」は読むに堪えない。

 第5章「萌えの目指す地平」と第6章「萌えない社会の結末」は,「世界をセカイに革命する力を!」*1と叫んでいるだけで,内容的には前章までに述べたことを反復しているのみ。まったくの無駄。

 よって本書で読む必要がある箇所は,フレームワーク(枠組み)を提示している第2章「萌えの心理的機能」と,具体的な作品を挙げながらフレームの適用を論じる第3章「萌の心理的機能」&第4章「萌えの社会的機能」に留まる。

framework

 本田の説くところをまとめると,次のようになる。

▼ 第1章

  • 萌えとは,心の奥底に眠る〈乙女回路〉を回転させることである。
  • 1980年代バブル期に,恋愛は商品化された :: 恋愛資本主義の発生
  • オタクとは,恋愛偏差値が低いが故に足切りされ,〈恋愛資本主義〉のシステムに組み込まれていない底辺層である :: 恋愛ニート=〈萌える男〉の発生
  • 恋愛市場からロックアウトされた〈萌える男〉は,二次元の空想の世界(バーチャルワールド)において〈脳内恋愛〉を行うことで欲望を達成する。
  • 萌え市場の参加者は,恋愛資本主義のルール(男性は女性を喜ばせるために消費活動を行う)と真っ向から対立するため,忌み嫌われる*2
  • 現実の世界を舞台とした「恋愛ゲーム」である恋愛資本主義は,バブル経済と結びついており,やがては行き詰まりを見せる。
  • 電車男』は,恋愛資本主義に属する女性が従前〈萌える男〉を排除していたのを改め,〈萌える男〉を洗脳して恋愛資本主義市場へと参入させる物語である(cf.純愛ブーム)

▼ 第2章

  • 自我の存在基盤(アイデンティティ)を支える装置が〈神〉である。
  • ニーチェは『ツァラトゥストラはこう言った』で「神は死んだ」と宣言した。
  • 神の代わりに自我を支える絶対者として〈恋愛結婚〉というシステムが考案され,夫婦が互いに自我を保証し合うことになった*3

 神という絶対的な価値基準の規範が消滅したため,個人が自らのレゾンデートルを信仰によって得られなくなり,その結果自我が不安定になったということである。恋愛の持つ価値が飛躍的に高まり,恋愛至上主義や恋愛結婚制度がヨーロッパ,さらには西洋文化を取り入れた日本において普及した(94-95頁)

 萌えは宗教(神)が死に,神に代わる「恋愛」も死んだ現代の日本において,必然的に生まれてきた新たな信仰活動といえるのだ。(87頁)

 恋愛結婚を基盤に据えた現代の家族制度が有効に機能しなくなっており,さまざまな問題が発生しているという現状(中略)を打破するための一つの思考実験として「萌え」が登場してきた。(164頁)

 そして最後に養老孟司『唯脳論』と岸田秀『唯幻論』,それに吉本隆明共同幻想論』を引き,次のように言う。自我を安定させる装置である〈萌え〉という自己幻想を,共同幻想にしようではないか――と。

 本書は,〈萌え〉という信仰を伝道するための宗教書だったのです。

 そんなわけで,本田透を相手にして議論する気が起こらないのですが…… 一つだけ疑問を呈しておくと,本田の説明ではキリスト教国ではない日本において〈萌え〉が発生したことが不明*4。このような粗雑な本を出版してしまう筑摩書房の力量を疑う。

critique

 第2章の結びからはじまる評論部分は,それなりに楽しく読める。こっちは毒電波を飛ばしてナンボですから。

  • ダンテは,夭逝した初恋の女性ベアトリーチェと『神曲』の中で結ばれた。ゲーテは『ファウスト』において悲恋の後に死んだグレートヒェンを「永遠の女性」とした。彼らは萌えの先駆者である。(83頁)
  • 押井守イノセンス』のテーマは,「人間の男と,仮想世界の女との恋愛の可能性」である。(84頁)
  • 萌え属性論からは,萌えの本質は何も見えてこない。(86頁)*5
  • エヴァによってオタク的完成に目覚め,エヴァに熱狂した人々は,そのエヴァ自身にオタクという自分のレゾンデートルを破壊された。」*6(91頁)
  • エヴァによって与えられたトラウマを克服して治癒しようという動きが,萌え系ゲームの登場である。(91頁)
  • TacticsONE〜輝く季節へ〜 』は,「恋愛によるレゾンデートルの再生」という,萌えの心理的機能を体現した作品である。〈永遠の世界〉に引きこもろうとする主人公(折原浩平)は,萌えキャラによってレゾンデートルを与えられ,恋愛によって救われる。(93頁)
  • ニーチェが提唱した新しい人類のあり方〈超人〉の切り替わり :: 忍者(白土三平カムイ伝』)→ 超能力(平井和正石ノ森章太郎幻魔大戦』)→ メカ(『宇宙戦艦ヤマト』『超時空要塞マクロス』『機動戦士ガンダム』)→ 萌えキャラ(『新世紀エヴァンゲリオン』)
  • 『ONE』は現実世界では到達不能な純度にまで恋愛を突き詰めてしまった結果,『ONE』のプレイヤーは作品世界に自分の居場所=レゾンデートルを発見し没入してしまった(103-104頁)。
  • VisualArt’s/KeyKanon』は,トラウマ(過去の喪失体験)を自覚して自我に取り込み自己治癒するストーリー構造を持つ。これはキリスト教における懺悔と同じである。月宮あゆは人間を救済する〈少女救世主〉である(105-106頁)。
  • 生身の女性にも救われず,新宗教(オウム等)にも癒されないのであれば,残る途は「脳内恋愛」=「萌え」である(107頁)。
  • 恋愛こそが世界のすべてという価値体系は,〈セカイ系〉というジャンルを築く(125頁)。
  • 鬱屈したルサンチマンは,人間を鬼畜化する。『エヴァ』は「萌えが挫折した時に残されたルサンチマンの暴走としての鬼畜ルート」という不安を焼き付けた。不安を突きつけられたオタクたちの恐怖と葛藤を掬い上げたのがLeaf/AQUAPLUS痕−きずあと−』である。ここでは,萌えがルサンチマンに勝利する。(121-127頁)
  • 萌えは,破綻した〈恋愛‐結婚‐家族〉という男女関係の連続性を再生するための新たな関係性の物語をシミュレートするラジカルな思考実験の場となっている。そこでは,恋愛関係ではない男女関係を構築する試みがなされている。徐々に思考実験を積み重ねることで,アイデアの現実化可能性が検証されて進化していく。(140頁,145頁)
  • 例) メイドさん :: 中山文十郎ぢたま某まほろまてぃっく』。相互補完関係,進化した懐古主義。
  • 例) 妹 :: 『シスタープリンセス』,D.O.『加奈〜いもうと〜』,吉田基已恋風』。このジャンルは悲劇のシミュレートまで完了している。
  • 例) 家族の再発見 :: VisualArt’s/KeyCLANNAD
  • 例) ロボット :: Leaf/AQUAPLUSTo Heart』のマルチ(HMX-12
  • 例) 疑似姉妹 :: 今野緒雪マリア様がみてる』のスール制度萌える男は進化して〈男性性〉から解脱し,〈少女性〉を獲得。自己を含めて男性が存在しないセカイを構築した(152頁)。
  • 例) 萌える男自身の萌えキャラ化 :: キャラメルBOX処女はお姉さまに恋してる

▼ おとなりレビュー

http://d.hatena.ne.jp/southtree/20051109

 今までの作品の調子は半ば冗談交じりだったから過激な主張も「これはネタだろw」と笑って流すことができたが、「萌える男」ではネタと本気の区別が難しいと言うか、ネタみたいなことを本気で言っているように聞こえると言うか…。

http://d.hatena.ne.jp/ayidabis/20051108#1131451658

 本書は最初から最後まで「萌える男」の「萌えない男」に対するルサンチマンに貫かれており、常に恋愛を強く意識している。このことから筆者もまた世の中を「恋愛」という側面からしか見ていないし、「もてなければならない」という強い強迫観念にさいなまれている。つまり筆者が「愚民」と考える世の人々よりもある意味「恋愛資本主義」にどっぷり浸かっているのだ。

http://d.hatena.ne.jp/ayidabis/20051109

http://d.hatena.ne.jp/ayidabis/20051112/1131812569

あまりに荒唐無稽な内容なので、著者がネタとして書いた可能性も考えた。しかし「パロディではない」という誠実さは、新書において最低限保証されるべきことではないか。

http://d.hatena.ne.jp/shinichiroinaba/20051111#p2

*1:原文には,このような表現はありません。私の意訳ですからお間違えなきよう。本田は易姓革命の話をしています。

*2:その傍証として『負け犬の遠吠え』『だめんず・うぉーかー』『私をスキーに連れて行って』などを引く。

*3:日本における恋愛論については,小谷野敦もてない男』(ISBN:4480057862)を,押野武志『童貞としての宮沢賢治』(ISBN:4480061096)を参照したのではないかと思われる。本田が書いているのは劣化コピー。この点について興味を持たれたのであれば,本書よりも両著作に直接当たられた方が良い。

*4:あたかも,マルクスの社会主義思想が最初に実地適用されたのは後進国ロシアであったかのような歪さ。

*5:明言していないけれど,明らかに東浩紀動物化するポストモダン』に対する批判。

*6:テレビ版最終回における崩壊と,劇場版『THE END OF EVANGELION』での「気持ち悪い」を指している。

hajichajic 2005/11/12 12:09 どちらかと言えばまだアニミズム的要素の方が強そうですね。

ELEMENTCROWELEMENTCROW 2005/11/12 20:51 とりあえず、ワシの萌え初めであるナデシコが除外されているのはどうなのかな?あとCCさくらはどこいった?

難しく言っているような気がするけど、現在は一種の流行なんじゃないかな?
あとは日本独自の風習と文字が要因だと現文論の講師は言ったけどなぁ〜。

genesisgenesis 2005/11/13 00:09 hajicさん :: 本田はニーチェに依拠しすぎているため,〈神〉に対するイメージが貧困になってしまっているきらいがあります。説明のための道具としてキリスト教を用いたのだろうと思いますが,それが故に非キリスト教国である日本を舞台とした現象の捉え方が歪んでしまったように思えるのです。本田のアイデアは面白いと思うのですけれど,もっとていねいに論拠づけて欲しかったところ。

genesisgenesis 2005/11/13 00:17 ELEMENTCROWさん :: ナデシコは,本田の文脈では登場しないでしょう。電子の妖精ルリルリは終始ストーリーテラーとして振る舞う存在で,主人公との関係性を構築するわけじゃないから。カードキャプターさくらは,視点キャラが男性じゃないので考察対象外なのでしょう。あと,一言で片付けるの禁止。

Thursday, 2005/11/10

パリ物語

[] パリ物語  パリ物語を含むブックマーク

 宝木範義(たからぎ・のりよし)『パリ物語』(ISBN:4061597302)を読む。

 パリを題材とした小文30本を収めたもの。冒頭の,パリの成り立ちを〈ローマ時代〉や〈セーヌ川〉といった観点から述べた文から読みはじめ,第5章「ルーヴル美術館」まで来たところで妙な箇所に遭遇する。

マルサン館の一画は大蔵省が使い,その隣の一角は,装飾美術館として別の展示にあてられている。現在,全体をルーヴル美術館として使う計画が進められているが,完成は一九八六年の予定である。

 あれ? この本は講談社学術文庫の新刊なのに――

 あとがきを開いてみると,元々は美術雑誌『日本美術工芸』の1981年6月号から1983年12月号にかけて連載されたもので,単行本(ISBN:4106002698)の文庫化でした。

 そんなわけで,執筆当時の最新事情を紹介した部分は,奇妙なことになっている。オルセー美術館は建設工事中でダンプカーが砂埃をあげていたり(第16章「近代の神殿」),今や古ぼけた感のあるポンピドゥ・センターが完成直後だったりする(第6章「都市空間の舞台」)。それから四半世紀が過ぎ,もはや一時代前のものとなってしまった《モダン》を,当時の視線がどのように捉えていたのかが知られる。

 本書の後半は美術関係の話題が中心となるが,こちらは様々な話題が提供されていて興味深い。19世紀から20世紀にかけてのプレモダン期に,パリが美の都としての魅力を備えていった様が語られている。

 筆者がパリに向ける眼差しには,絶対的な信仰に近いものが感じられる。それというのも本書が書かれた頃は,最先端のモードを送り出す発信源がニューヨークやミラノに移りはじめた頃。絶頂期を過ぎつつあるパリを懸命に盛り立てようと筆者が腐心した証なのだろう。

Wednesday, 2005/11/09

ニートサポートナビ

[] 大学院はてな :: Neet Support Navi  大学院はてな :: Neet Support Naviを含むブックマーク

 本日より正式に運用が始まった「ニートサポートナビ」。運営主体は,NPO法人「育て上げ」ネット*1と(株)シンクプロジェクト。

http://www.neet-navi.com/

 この〈ニート度チェック〉は,簡単に炎上しそうな気がする。やってみると,ものすごく高い割合で

あなたはニート傾向が強いようです。

と判定が出てくるんですけれど〜。満員電車に乗って息苦しくなっちゃダメですか?

 加えて〈ひきこもり〉との混同が起こっているように思えます。

hajichajic 2005/11/09 17:50 NEETどうこう以前に、毎日せっせと二桁の四則の練習をしなければならないこの状況をなんとかしてくれと、友人の高校教師がぼやいておりました。

genesisgenesis 2005/11/09 17:59 私は,中学3年生に「かけ算の7の段」を教えたことがありますよ。初等教育でつまづいているようなら,早い段階で留年を経験させた方がいいのではないかと思うのです(フランスの教育システムが参考になるでしょう)。「急がない」生き方って,そんなにいけないものなのでしょうか? (さすがに大学院に入院して10年目というのはいかがなものかと自分でも思いますが)

hajichajic 2005/11/09 18:13 全国統一中学卒業試験、みたいな感じでしょうか。留年し続けている限りは少なくともeducation下にはあるわけで、NEETならぬNET…。入院年数に関しては自分の首を絞めるのでノーコメントを決め込ませていただきます ( ФωФ)

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Tuesday, 2005/11/08

現代用語の基礎知識2006

[] 現基知  現基知を含むブックマーク

 さきほど,れいこんはてなさんから,『現代用語の基礎知識2006』(ISBN:4426101247)キーワード掲載の件でメールをもらいました。贈呈本をいただけるというお話でしたので,有り難く頂戴しておくことに。私が作成したものは(幸いなことに)無かったのだけれど,編集行数に換算すると上位100名に入っていたらしい。あちこち整形したり書き加えたりしているからなぁ*1。今回,該当するなかで編集に加わっていたのは

 ……ぁぅ(^^;)。

*1:これまでの総編集件数は,4803件。
http://d.hatena.ne.jp/genesis/keywordlist?of=4800&r=1

*2:追記。書店で開いてみたところ,私の仕込んだネタが(ほぼ)そのまま載っていて,罪悪感を感じた。

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Monday, 2005/11/07

騎士道のススメ

[] 騎士道のススメ  騎士道のススメを含むブックマーク

 神坂一(かんざか・はじめ)『スペイヤーズすぺしゃる〔25〕騎士道のススメ』(ISBN:482911763X)を読んだ。

 マンネリズムを楽しむ作品に対して,余計なことを言うのは野暮だろう。

hajichajic 2005/11/08 14:46 その感想に対して、余計な質問をするのもきっと野暮ですね。 (;^ω^)

genesisgenesis 2005/11/08 22:21 聞くのは構いませんが…… やる気がないのは察してください。

Sunday, 2005/11/06

地底王国の脅威

[] 地底王国の脅威  地底王国の脅威を含むブックマーク

 神坂一(かんざか・はじめ)『スペイヤーズすぺしゃる〔24〕地底王国の脅威』(ISBN:4829117109)を読む。

 メイド服って胸きゅん。あんなキャラでも,ふつーの人に見える。

Saturday, 2005/11/05

労働判例892号

[] 大学院はてな :: 日勤教育を苦にした自殺  大学院はてな :: 日勤教育を苦にした自殺を含むブックマーク

 JR西日本尼崎電車区事件(大阪地裁判決・平成17年2月21日)*1の判決文を精読する。

 2005年4月25日に発生した福知山線の事故により「日勤教育」は一躍知られるようになったが*2,これは脱線事故の起こる2か月ほど前に出されていた判決。日勤教育についてはマスコミ報道で扇情的に書き立てられていたけれども,ここでは裁判所の認定をもとにして,その一例を把握しておこうと思う。

 結論を先に述べておくと,本件における事実関係の下では,被災労働者を救済したくとも難しいように思う。感情的には納得いかないのだけれど……

事案の概要

 被災者たる運転士Zは,昭和32年生まれ。昭和51年に高校を卒業し,旅客運送事業を営む被告Y社の前身たる公共企業体に入社。以来,機関士および運転士として勤務していた。

 事件の発端は,2001(平成13)年8月31日。京都駅に到着後,進行方向を逆にするための操作(エンド交換)を行った際,新運転台のレバーサーを「切」から「前」にすべきところ,これを怠ったため,旧運転台の表示灯(ATS-P電源)が点灯したままになっていた。これに気づいたのが発車時刻の少し前だったため,発車予定時刻である午前5時43分55秒より55秒前後遅れて,電車を発車させた。なお,この電車は午前7時35分,定刻通り西明石駅に到着している。ここでZは,京都駅に於いて出発が遅れたことを担当係長に報告した後,引き続いて高槻行き電車に乗務した。

 報告を受けた尼崎電車区長Aは,Zから事情を聴取する必要があると考え,同電車が尼崎駅に到着した時点でZを降車させることとした。事情聴取の報告を受けて,A区長はZに対し日勤勤務の指定を行った。日勤教育の期間は予め定められておらず,その終了の可否の判断は,区長に委ねられていた

 以下,日勤教育の内容。長文に渡るため,かなり割愛している。双方の発言を殆ど省いているので,原文を読むと事件の印象が変わる可能性があることを指摘しておく。

 日勤教育1日目(9月3日)。

  • 09:00〜10:40 レポート 「京都駅に到着してから自分のしたことを全部書いてください。」
  • 10:40〜12:00 レポート 「なぜ今回列車を遅らせてしまったのか、また遅れ時分を見るのを忘れたのか」
  • 昼食中 Z「レポートが余り書けない」と述べる。
  • 13:00 E助役「この課題なら用紙の八割ぐらい書かないとだめだぞ」「給料をもらって勉強しているのでしょう。本来運転していれば一日三万円ぐらいでしょ」。
  • 13:00〜14:00。レポート 「出発連動をきっちりやっていないことにより、どういう事故を起こす可能性があるか」
  • 14:00〜15:00 レポート 「今回の日勤で反省すべき点、学ぶべきことを考えなさい」
  • 15:00〜16:00 レポート 「事故を起こすことにより誰にどのような迷惑がかかるか」
  • 16:00〜17:00 レポート 「基本動作はなぜ必要か?」
  • 17:00〜17:30 レポート 「今日を振り返って」
  • その後の同僚との会話で,Zは「こんなに日勤教育がきついとは知らなかった」などと述べる。

 日勤教育2日目(9月4日)

  • 09:00〜10:00 レポート 「基本動作の重要性、必要性について自分の考えを書きなさい」
  • 10:00〜12:00 レポート 「今までにあったヒヤリと感じたことを書きなさい」
  • 昼休み中 同僚に対し「「嘘でもええと思って作ったり他人のを思い出したりして書いて出した」「しんどい」などと述べる。
  • 13:00〜14:00 レポート 「塚口泊まりでなぜ起床装置のセットを忘れたのか、その原因と対策」
  • 14:00〜15:00 レポート 「西明石でなぜ小カードを忘れたのか、その原因と対策」
  • 15:00〜15:30 基本動作に関する知悉度テスト[1]*3
  • 15:30 Zが回答できなかったため制限時間を延長
  • 16:00 Z「これ以上思い出せない」 E助役,基本動作基準の資料を見ながら記載するように指示。
  • 16:15〜17:00 基本動作に関する知悉度テスト[2]*4
  • 17:00〜17:40 レポート 「今日を振り返って」
  • 17:40 E助役は,各テストの成績が悪かったためにZが少し落ち込んでいるように感じる。同僚LがZに声をかけるが返事はせず,明らかに元気がなかった。
  • 21:30ころ 同僚Lが電話をかけたところ,「書けない」「もうがんばれない」「頭が痛くてレポートが書けない」と繰り返す。
  • 21:30ころ Zは同僚Gに電話をかけ「クリスチャンでは自殺は大罪なもんや」などと述べる。

 日勤教育3日目(9月5日)

  • 09:00 指導総括助役C,Zに対し知悉度テスト成績が悪かったのを注意。さらに,交番係長に対して月末までZに電車の乗務をさせないよう,Zに聞こえるような言い方で指示。
  • 09:00〜10:00 知悉度テスト[2]の解答
  • 10:00〜11:00 レポート 「なぜ基本動作の知識がないのか。それについてどう感じたのか」
  • 11:00 E助役,レポートを読んでZは書くのが苦手なのかと感じる
  • 11:00〜12:00 レポート 「基本動作で今までできなかったと思うところはないかと思いだして書きなさい」
  • 昼休み中 Z,E助役に対し,1日目に作成した「今までにあったヒヤリと感じたことを書きなさい」という課題のレポートについて虚偽の事実を記載した旨を申告。
  • 13:00〜14:00 保安装置学習会に参加
  • 14:30〜15:30 レポート 「どういうところをうそをついたのか。なぜうそをついたのか。その時の気持ち」
  • 15:30〜16:30 レポート 「基本動作の知識がないと、どういうことになると思うか」
  • 16:30〜17:00 レポート 「基本動作の知識を高めていくために、どうしたら良いと思うか」
  • 17:00〜17:40 レポート 「今日を振り返って」
  • 夕食時 同僚に対し「一か月は日勤してもらうと言われた」「全然書けない」「日勤がこんなにきついとは」などと述べる。

 自殺(9月6日)

  • 06:00 当直のF係長に対し,電話で「頭が痛い」と申告して年次有給休暇を取得。
  • 15:30 同僚2名が帰宅途中にZ宅を訪問したところ,首をつって死んでいるのを発見(死亡時刻は14:00ころと推定)。遺書なし。

裁判所の判断

 以上が本件で認定された事実の概要である。さて,このような事案では,訴訟類型として大まかに3パターンが考えつく。

 まず(1)使用者の業務命令が権利濫用(民法1条2項)であると主張して,業務命令の無効確認を求める。本件ではZが死亡しているので,請求の意味がない。次いで(2)違法な業務命令により精神的損害を負ったものとして,不法行為(民法709条)に基づく損害賠償を請求する。一般的(つまり労働者が生きていて働き続けている場合)には,(1)と(2)を同時に提起することが多い。

 本件では,Zがうつ状態に陥って自殺したことに使用者や上司に過失があったものと主張し,(3)雇用契約上の安全配慮義務に違反(民法415条)したものとして訴訟を提起した*5。請求額は1億1000万円で,訴えの相手は会社と上司3人。

 結論は,請求棄却(敗訴)。裁判所は,次のように述べる。

 日勤教育と一郎の自殺との間に条件関係のあることは否定できないと考えられるところ,権利侵害行為と結果(損害発生)との間に法律上の因果関係があるというためには,単に条件関係があるのみならず,行為と損害発生との間にいわゆる相当因果関係があると認められることを要すると解すべきである。

 そして,相当因果関係を認めるためには,

日勤教育を命じ,これを受けさせたことによってZが精神状態を悪化させ,その結果自殺したという結果について予見可能であったことを要するというべきである。

 日勤教育が不愉快で精神的苦痛を伴うものであることは,裁判所も認めている。そして,Zがレポート作成に呻吟し,精神的苦痛を感じていたことについても,上司らは認識し得べきであったことも認めている。しかし,

  • 1) 日勤教育は他の運転士に対するものと格別変わりはなく,「客観的に肉体的・精神的負担が過大なものであったとは認められない」し,Zについては3日間に過ぎないこと
  • 2) 自殺念慮を窺わせる言動をしたり,精神状態が極めて悪化し,自殺の可能性を予見できるような様子を示したとは認められないこと
  • 3) 鑑定意見(後述)
  • 4) 自殺の当日朝,電話で年次有給休暇を取得した際,次の勤務日を確認していること
  • 5) 自殺の前日にZと飲酒したり会話した同僚も,まさかZが自殺するとまでは予想していなかったこと

などを挙げ,

管理者として十分な注意を払っても,Zが三日間の日勤教育によって精神状態を悪化させ,自殺するに至ったことについて予見可能であったとは,およそ認めることはできないというべきである。

として,相当因果関係の存在を否定している。

 私見。この事件,労働者から発せられるシグナルが微弱で,Zがうつ状態になって自殺の危険性があることを周囲が察知できたとは認めがたい。それ故,事実関係としては日勤教育が自殺を引き起こしたのだろうとは言えても,法律的に相当因果関係を肯定するのが困難なのです。お気の毒なのですが……。

鑑定意見

 本件では4名の識者による鑑定意見書が提出されている。興味深いものだったので,最後に記しておく。

京都大学医学部医師 R.Y.

 「日勤教育という業務上の負荷によりうつ病に罹患し,その結果自殺したものである」。

大阪市立大学名誉教授 Y.K.(神経精神医学)

 「外因分析:業務上のミスから合計三日間の日勤教育を課せられた結果,多少なりとも生活に変化が生じたことは確かであろうが,その結果,「思考」が悲観的に傾いたり,当惑,困惑状態に陥ることはあっても,それは一過性のもので,「死への衝動」が「生の欲望」を圧倒して「自殺観念」「自殺企図」に至ったとは認めがたい。日勤教育中のレポートを見る限り,「激しい心理的ストレス」が加わった形跡は皆無であり,むしろ,最後のレポートは,「自殺観念」「自殺企図」からは、ほど遠い内容となっている」。

東洋大学 K.K.教授(社会心理学)

 「統制不可能な状況,すなわち随伴性の欠如した事態を体験すると,動物に学習性無力が生ずる。学習性無力は、様々な「対応」がすべて問題解決に失敗する事態で生じる。現在のひどい事態を脱するのに何が役に立つのかわからない,どうすればよいかわからない,何をやってもうまくいかない。そのような状況から,何もできないのが学習性無力である。

 人間の場合でも,状況が強力であれば,動物と同様に学習性無力が起こる。状況が相対的に弱い場合には、

認知スタイルなどの内的な要因(素因)が重要となり,個人差が現れることが考えられる。つまり,無力に

なる者とならない者が出てくる。なお,学習性無力の現象においては,主観的な要素が決定的に重要であり,

状況が統制不能であるという事実よりも,本人が統制不能と信じ込む悪影響が重要な意味を持つ。

 学習性無力には,絶望感すなわち主観的統制不能感がともなう。絶望感が絶望性うつの直接的な原因であ

る。絶望性うつが原因となって自殺が起こる。」

 「日勤教育は,学習性無力を強力に発生させる,随伴性が欠如した事態である」。日勤教育は,以下の各点に於いて,心理面でのひどい扱いである。

  • a 否定的な出来事: 「運転士にとって苦役ないし処罰であること,同じような課題を繰り返すこと,罵詈雑言や侮辱的罵声を浴びせられること等。日勤教育は非常に否定的な,誰もが避けたい〈地獄のような〉ひどい事態である」。
  • b 恣意的な管理と強要: 「意図の不明なレポート作成を強要される,レポート用紙の八割を書きなさい,レポートの評価基準が不明,終期について客観的基準がない等。職階を絶対的なものとし部下に絶対服従を強いる。従業員教育であれば本来あるべき明確な目的・手段と評価の基準がない。意図の不明なレポートなどは,統制不能感を押しつける仕組みになっている」。
  • c 困難ないし不可能な課題: 「ルールとはどういうものか,サービスとはどういうものか,過去に注意・指摘を受けたことをすべて列挙せよ,事故を起こしていない者に書けない課題等。困難ないし不可能な課題を強要されると,統制不能感を著しく生じさせる。いくらやってもできないことを繰り返し強制的にやらされると強力な統制不能感が起こる」。
  • d 統制感の剥奪・行動の自由の制限: 「一日中管理者に固まれた机に座らされる,誰とも会話することなく黙ってレポートを書く,トイレに行くにもお茶を飲むにも許可が必要,日勤教育中であることを他の職員に対し言わせられる等。行動の自由の制限は学習性無力の原因となる。自分ではどうすることもできない,会社や上司の思いのままであるというメッセージが,無力感や絶望感を生じさせる。」
  • e いつ終わるかわからない: 「教育期間の終期を明示しない,いつになったら乗務できるか不安が生じる等。いつ終わるかわからない,自分で終わらせることができないしどうすることもできないということも、自己の無力さを思い知らせ、絶望感を強力に引き起こす。」

 「Zの場合は,急性で重度の症状が出たために自殺が起きてしまったと考えられる。(中略)Zは,学習性無力が起こり,絶望性うつのために,自らの命を絶ったのである。」

龍谷大学教授 O.S.教授(臨床心理学)

 「K.K.教授が紹介する基礎理論は妥当であるが,K.K.教授の意見は,日勤教育の実態,雰囲気,状況について綿密な分析もないままに理論を当てはめ,あまりにシンプルに答え(Zの自殺の原因)を導いている点で妥当性を欠くといわざるを得ない。」

*1:掲載誌は,判例時報1889号75頁,労働判例892号59頁。

*2:著名な裁判例に国鉄鹿児島自動車営業所事件(最高裁第二小法廷判決・平成5年6月11日・判例タイムズ825号125頁)というものがあり,この企業グループに〈職場いじめ〉の体質があることについて労働法研究者の間では衆知のことだったと思う。

*3:〔1〕始発駅で行う確認項目・喚呼方法・確認方法,〔2〕出発連動動作で行う確認項目・喚呼方法・確認方法,〔3〕添乗報告の方法の3項目を問うもの。

*4:〔1〕信号機の喚呼方法・確認方法,〔2〕後部確認指定駅,〔3〕振り分け停車場での運転線路を確認する時機,〔4〕進路予告機の喚呼を省略する信号機を答えるもの。

*5:なお,本件では(2)不法行為も同時に主張されている,

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Friday, 2005/11/04

ひだまりスケッチ

[] ひだまりスケッチ  ひだまりスケッチを含むブックマーク

 アニメイトで平台に並んでいたところを見かけ,表紙に惹かれて買ってきた四コマ漫画蒼樹うめひだまりスケッチ』〔1〕。

ひだまりスケッチ (1) (まんがタイムKRコミックス)

 お,面白いです。これ。

 憧れのやまぶき高校美術科に入学したゆの

 親元を離れ,学校近くのひだまり荘で友人達と楽しい日々を送りながら,今ゆっくりと夢に向かって歩き出す。

 “なんでもないけど,なんでもある毎日――。”

初版の帯より

  • 天然ボケ: ゆの。主人公。ばってん。
  • バカ担当: 宮子アホ毛装備。
  • 眼鏡っ娘: 沙英。小説家。ツッコミ役。
  • お姉さん: ヒロさん離珠でし おだんご頭。

 あと,忘れちゃいけないのは担任の吉野屋先生。「胸」担当。

 一本一本は,言ってしまえば〈萌え系〉にありがちな構成。ところが,ところどころにツボが紛れ込んでいて,気を抜いていると不意を打たれる。そんな面白さ。例えて言うなら,お風呂につかっていたらうとうとと眠ってしまい沈んで水を吸い込んじゃってびっくり――みたいな。

スケッチブック 1 (BLADE COMICS) スケッチブック 2 (BLADE COMICS)

 高校の美術部が舞台ということでは,小箱とたん『スケッチブック』との類似性が高いかも。どっちも,要所要所でつぶれアンマンになるし。こちらは「ぷいにゅ〜」という感じでしたが,『ひだまりスケッチ』は「なー!」っぽいかな*1

*1:説明になってませんが,説明する気がありません。

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Thursday, 2005/11/03

クールベ美術館展

[] クールベ美術館展  クールベ美術館展を含むブックマーク

 大学からの帰り途,大丸札幌店での「クールベ美術館」を観てきた。

 ギュスターヴ・クールベ(1819-1877)は,19世紀の中頃にフランスで活躍した画家。世界で最初に「個展」を開いた人物だということは,パリのオルセー美術館に収められている大作『画家のアトリエ』『オルナンの埋葬』を観ていた際に,音声ガイドから教えてもらった。

 今回の展示,中くらいの大きさの油絵が30枚ほどあり,地方巡業としてはなかなかのものでした。ところが,今思い起こしてみると,大作『シオン城』を除くとボンヤリとした印象しか出てこない。うまく特徴を説明できない――

 でも,それでいいのかな。「身近にある何気ない風景をありのまま写実的に描く」というレアリスム?写実主義)の意図が分かったような気がする。

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Wednesday, 2005/11/02

ふたりだけのうた

[] ぺんぎん書房  ぺんぎん書房を含むブックマーク

 う,うわぁ……

突然のご報告になりますが、株式会社ぺんぎん書房の清算に伴い、COMIC SEED!は休刊させていただく事になりました。

http://comicseed.com/

 今は,きづきあきらさんの行く先について祈るばかり。

漫画家として復帰して軌道に乗せるのはとても難しいことになっています。

http://blog.livedoor.jp/k_akira777/archives/2005-11.html#20051101

 同人誌時代の作品集『モン・スール』『氷が溶けて血に変わるまで』『ぼくのためのきみときみのためのぼく』『針とオレンジ』は無骨な作りの物語ですが,鋭く切り裂くような〈痛み〉を感じさせてくれました。それだけでも希有な作家。この四部作,読んだ人には感想を聞いてみたくなる作品であっただけに,入手しづらくなってしまうのは残念*1

モン・スール (Seed!comics) 氷が溶けて血に変わるまで (Seed!comics) ぼくのためのきみときみのためのぼく (Seed!comics) 針とオレンジ (Seed!comics)

 先頃発売になった『ふたりだけのうた』(ISBN:4901978667)は,商業誌に発表された作品を集めた短編集。こちらでは実験的な試みのあとが見受けられます。作風に広がりを持たせようと苦心している様が伝わってきて,期待を強めていたところ,なのですが……。

 連載が止まることになる『ヨイコノミライ!』は〈胸くそ悪さ〉をこれでもかとばかりに見せつける,イタイ作品。正視するのが辛いということは,それだけ人間性の本質を突いているということでしょう。相田裕の『GUNSLINGER GIRL*2と並び,オタクというトライブ(tribe)を浮き彫りにするための批評的な視座を提供してくれていた作品だけに,このような事情で中断の已むなきに至るのは悔やまれます。


▼追記 (00時33分)

 ――ということを書いているうちに,きづきさんに声を掛けた出版社が現れたようです*3。ひとまず安心しました。

▼追記 (11月04日)

手に入れようというお方は、ここ最近のものから早めに確保しておかないと、新刊新品としては二度と手に入らないと思ったほうがよさそうです。

http://b-chief.org/archives/2005/1104-0200.php

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Tuesday, 2005/11/01

日本労働法学会誌106号

[] 大学院はてな :: 学会誌  大学院はてな :: 学会誌を含むブックマーク

 日本労働法学会の学会誌106号(ISBN:4589028794)が刊行されました。私の論文『スペインの従業員代表制度』を掲載していただいております。本年5月29日に個別報告した内容をまとめたものです。まもなく大学図書館等に入ると思いますので,お読みいただければ幸いです。

 そうそう。スペインからのおめでたい知らせでは,レティシア王女が女児をご出産されたとか。

Princess Holiday ~転がるりんご亭千夜一夜~

洗礼名のレオノール(Leonor)は聞き覚えが無いので調べてみたら,どうもヘレナ(Helena)の変化形みたい。

http://www2u.biglobe.ne.jp/~simone/aya/pan/p_hj/helen.htm

hajichajic 2005/11/01 14:44 ちがう、ちがう、、(*‘ω‘ *)

genesisgenesis 2005/11/01 23:23 いや,レティシアですってば。

ELEMENTCROWELEMENTCROW 2005/11/02 02:46 いや、どうなの?同じ?将来像?幻想?
論文探して読みますねw

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