ぽてまよ
御形屋はるかさんは,ウラヌス&ネプチューンのアンソロジーで活躍しておられた*1頃からのファンなのです。特徴あるデフォルメは言うまでもない魅力ですが,暖かみをこめた物語作りに取り組んでいるところには大いに好感が持てます*2。
そんな御形屋さんの四コマ漫画が『ぽてまよ』〔1〕(ISBN:4575939676)。フシギ生物「ぽてまよ」が冷蔵庫から出てくることからお話がはじまる――のですが,設定はどうでもいい性格の作品。コミカルな〈萌え〉を堪能すべき。
ただ,率直に言って,評価は微妙なところ。
「少し前,漫画を描く事に行き詰まっていた時期に 相方から4コママンガを描いてみたらどうかと 勧められた」(86頁)
のが本作誕生のきっかけだったと自ら明かしているのですが,ひいき目に見ても,四コマというジャンルに作者が不慣れであることが感じられる。時折,かなり無理をしているように思われるものがあったりして…… 例えばそれは,主人公を除く男性キャラが不自然な使われかたをする場面であったり。あるいは,持ち味である「描線の美しさ」が隠れてしまうほどに多めな描き込みであったり。
ほわほわぷにんとした質感を表現させたら御形屋はるかは一流です。第一巻も後半になるとキャラの性格も明確になり,『ぽてまよ』という作品が駆動する環境も整ってきた。あとは,作者から過度の意気込みが抜けてくれればいいのに,と思う。