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博物士

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Friday, 2007/07/27

国立西洋美術館 『パルマ展』

[] 国立西洋美術館パルマ展』  国立西洋美術館 『パルマ展』を含むブックマーク

 午前中,研究会に参加。

 帰路,上野へ寄り道をして国立西洋美術館の企画展『パルマ――イタリア美術,もう一つの都』を鑑賞。

 昨年9月にイタリアへ旅をし,パルマ国立美術館の所蔵品を観ているのですが,今回来日しているのは「パルマゆかりの品々」を各所から集めたものということで十分に楽しめました。中でも,サンタ・マリーア・デッラ・ステッカータ聖堂所蔵の「聖チェチリア」が素晴らしかった。

http://www.parma2007.jp/

 常設展にも回り,『祈りの中世――ロマネスク美術写真展』だけ観る。人里離れたところにあり,足を運ぶ機会に恵まれることはないであろうロマネスクの聖堂5つを写真に収めて閲覧に供するという企画は慧眼であった。しかし,同じサイズにプリントした写真を横一列に並べていて見せ方の工夫がされていなかったことと,細部の拡大が多かったために〈聖堂〉の存在感は退いてしまっていたことが惜しまれるところであった。

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Thursday, 2007/07/26

篠沢秀夫 『フランス三昧』

[] 篠沢秀夫 『フランス三昧』  篠沢秀夫 『フランス三昧』を含むブックマーク

 国会図書館へ資料収集に出かける。

 行きの機内で読んだのは,中公新書の『フランス三昧』(ISBN:4121016246)。買った後で,著者が篠沢キョージュだということに気がついた。

 第1章「今のフランス」では教育制度や言語を,第2章「フランスの成り立ち」ではアルザス地方などを例にとって国土の成立を――と,あれこれ書き連ねられていく。

 前半は楽しく読んたのだが,後半になると文学のテキストを引用した話題が多くなり,つまらなく感じた。

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Saturday, 2007/07/21

労働判例931号

[] 大学院はてな :: パソコンのログを用いた残業時間の把握  大学院はてな :: パソコンのログを用いた残業時間の把握を含むブックマーク

 研究会にてPE&HR事件(東京地裁 平成18年11月10日 判決,労働判例931号65頁)を検討。10人未満の従業員を雇い入れている小規模事業場においてタイムカード等を用いた労働時間管理が行われていなかった場合につき,残業代が不払いであるとして時間外労働にかかる賃金の請求が行われた事案。原告からは自分の手帳にメモしてあった始業終業が証拠として提出されたところ,被告会社の側からパソコンのログデータが提出されたという事案。

 「乙第15号証の1は,原告のパソコンのログデータであり,これによる各月の日々のデータを観察するに,土日祝日を除いては所定始業時間の前後にパソコンが立ち上げられており,これは原告が出勤したであろう時間にほぼ対応していると思われ,デスクワークをする人間が,通常,パソコンの立ち上げと立ち下げをするのは出勤と退勤の直前と直後であることを経験的に推認できる」

 「証拠により,第1次的には原告が日々使用していたパソコンのデータである乙第15号証の1について,システムの立ち上げ(ソース;eventlog,イベント;6009),立ち下げ(ソース;eventlog,イベント;6006)のログデータの日付と時刻を参照し,当該データがないか不十分な場合には同書証のアプリケーションであるマカフィーというセキュリティーソフトが通常はパソコンの起動,シャットダウン時に立ち上げ(ソース:mclogevent,イベント;5000)と立ち下げ(ソース;userenv,イベント;1517)がなされるのが当該証拠及び経験則から合理的に推認できるので,これにより原告が所定の時間に出勤しているかどうか,いつまで勤務していたのかを適正かつ確実に推認できる範囲で取り上げることにした。」

 上記のように述べて,裁判所はパソコンのログに従った時間で始業終業時刻の認定を行った。

 使用者が労働時間の管理を厳格に行っていなかった場合,抽象的には残業をしていたことが認められるにしても,具体的に何時間の残業をしていたのか確定する際に適切な資料を欠くために困難が生ずる例が多い。

 本件は,(1)原告が経理業務を担当したことから,「パソコンを起動していた時間」と「実際に労働していた」とが一致する職種であることが推認できた,(2)使用者の側から証拠として提出された――という状況の下でのことであるが,パソコンのログデータを用いて労働時間の算定を行った事例としての先例性を有するだろう。

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Sunday, 2007/07/15

西村悠 『二四〇九階の彼女』

[] 西村悠 『二四〇九階の彼女』  西村悠 『二四〇九階の彼女』を含むブックマーク

 行き詰まって途方に暮れてから,かれこれ二週間。アウトプットが得られないのはインプットが不足しているからだろうと思って,二晩でライトノベルを10冊ほど読んでみる。

 その中で特筆しておきたくなった一冊を挙げると,西村悠(にしむら・ゆう)のデビュー作『二四〇九階の彼女』〔1〕(ISBN:4840235929)。

 無数の階層からなる塔の形をしたセカイの中を,ボクとカエルが旅をする。階層間を移動するには,「扉」という場所に「鍵」とされる人物を連れて行かなければならない。そして,各々の世界で示される〈幸せ〉は何処か狂っていて……。

 あらすじを見た限りではベタに陥ってしまいそうな不安があったのですが,それでも購入してあったのは題名の魅力でした。

 率直に申し上げて,あまり文章は上手くないです。会話文と地の文とが1行ずつ反復しているところなどは,硬さを感じる。何より,主人公よりもヒロインの少女よりも,芝居がかった語りをするカエルの方に注目がいってしまう文章というのは不都合があるように思います(笑)

 ですが,2006年の段階において,この環境設定と人物設定で作品を書いてしまうというのは何より凄いことだなぁ,と。

 形式としては『キノの旅』に代表される電撃連作短編ものの一つですが、『キノ』にある説教くささやヘンな達観が全部消えて、かわりに男の子の圧倒的な無力感が挿入されているという、いわばセカイ系『キノ』。

http://d.hatena.ne.jp/cherry-3d/20061011/1160555148

 この手のロードノベルはいろいろ読んできましたが、これは雰囲気作りが上手いためか差別化に成功していると思いました。

maijar.org -&nbspこのウェブサイトは販売用です! -&nbspラノベ リソースおよび情報
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Wednesday, 2007/07/11

桜庭一樹 『GOSICK ―ゴシック―』

[] 桜庭一樹GOSICK ―ゴシック―』  桜庭一樹 『GOSICK ―ゴシック―』を含むブックマーク

 古本屋にシリーズがまとまって出ていたので,桜庭一樹(さくらば・かずき)の『GOSICK ―ゴシック―』を買い込んできた。

 空き時間に第1巻(2003年12月,ISBN:4829162295)を読んだのですが……

 えっと,率直に言って下手だと思う。導入部からの接続が強引だったり(他人の招待状を使うなよ!),事件の発生が唐突だったり(妖しいものを食うなよ!)。発端の出来事の動機は,何だかなぁという感じで。

 逆説的に,ここ数年間における桜庭の成長ぶりを強く認識した次第。

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Monday, 2007/07/09

今野緒雪 『フレーム オブ マインド』

[] 今野緒雪フレーム オブ マインド 今野緒雪 『フレーム オブ マインド』を含むブックマーク

 痛む胃をなだめようと,今野緒雪(こんの・おゆき)『フレーム オブ マインド』(ISBN:4086010348)を開く。〈マリア様がみてる〉シリーズ短編集その3。

 さて,本編はどこまで読んだのであったか……。ドラマ進行どころか,準メインの登場人物まで忘れかけている始末。

 さくさくと読み終えたのですが,今野は文章が上手いなぁ。実に口溶けが良く,後に雑味を残さない。

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Friday, 2007/07/06

ヤス 『五日性滅亡シンドローム』

[] ヤス 『五日性滅亡シンドローム』  ヤス 『五日性滅亡シンドローム』を含むブックマーク

 昨日,店頭に平積みされていた彼女と目線が合った。

 世界が終わるまで,

 あと五日。

という帯に,きゅん☆ときたので購入。こういう後ろ向きな設定が大好きな私。*1

 ヤス(YASU)『五日性滅亡シンドローム -- five days ruin syndrom』(ISBN:4832276379)は,『まんがタイムきらら』掲載のストーリー4コマ。あと5日で世界が滅亡するという噂の広まった学校を舞台に,1日ずつカウント・ダウンが進む。

 本の半ばほどで五日目になってしまったのでどうするのかと思ったら,仕切り直して《第二期》に。再び「あと五日」のやり直しです。

かしまし 5―ガール・ミーツ・ガール (電撃コミックス)
終末の過ごし方

 終局を間近に迎えることになった人々の在り様,というテーマ設定は興味深いのだけれど,テーマに殉じたストーリーの組み立てをしているものが少ないので物足りなさを覚える。それでも《第一期》は未だテーマを描こうとする心意気が透けて見えるのだけれど,《第二期》になると「死神」を登場させてのコミカルさを強調した造りになってしまう。

 最近だと,桂遊生丸かしまし〜ガール・ミーツ・ガール〜』(ISBN:4840239045)が,超展開をかました上で〈終わりへ向かう日々〉を真面目に描いていましたけれど,本作は逆の方向へ向かう。

 かといって,〈世界は終わろうとしているのに営まれ続ける日常〉という路線だと,アボガドパワーズの名作『終末の過ごし方』(1999年,asin:B00008YM2I)との比較をしてしまう。

1週間後に人類滅亡を控えた人々の、非日常という名の日常の物語。

その状況の中で、諦めたように学校へ通い続ける主人公達。

果たしてその先に何があるのか。

ヒロインが全員眼鏡ッ子という点でも妙に注目されてみたりする――おしまいの物語。

http://www.abopa.net/product/shuu/we_t.html

 『五日性〜』は,きらら系の軽妙さが持ち味でもあり,残念なところでもあり。

*1:ちなみに,買い物に出かけたのも「ぼくらの」のチズ編を鬼頭莫宏の原作で読みたくなったから,だったり。

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Wednesday, 2007/07/04

桜庭一樹 『青年のための読書クラブ』

[] 桜庭一樹青年のための読書クラブ 桜庭一樹 『青年のための読書クラブ』を含むブックマーク

 桜庭一樹(さくらば・かずき)の新刊『青年のための読書クラブ』(ISBN:4103049510)を月曜日に購入。寝付く前の一時や作業の合間に,章ごとに読み進めた。

 表紙カバーを外し,本の質感を指先で楽しみながら読むことが多い。本作の場合,表に記された《学園の沿革》を真っ先に目にすることになった。記されていたのは,1918年から2020年に至るまでの略史。

 「2020」年? その一行に想像は膨らむ。

 作品の舞台は,フランスより来たりし聖女マリアナの創建になるお嬢様学校。なのに,この小説からは乙女の香りが漂ってこない。かといって,ほろ苦いわけでもない。温度が低い,とでも言えばいいのだろうか。

 本作に収められるのは,学園内において埒外の者が集う「読書クラブ」の部員が書き残してきた部誌。学園の正史からは葬り去られることになるであろう暗黒史を,各年度の執筆者が書きとどめた記録は,2つの世紀をまたがり,部室の本棚に秘かに隠されている。本作では1969年,1990年,2009年...と,5つの年の出来事が紐解かれる。

 今野緒雪マリア様がみてる』のように咲き誇るような青春は描かれず,紺野キタひみつの階段』のような砂糖菓子っぽさも持たず,袴田めら『最後の制服』のような友情の表象があるわけでもない。

 一言で表すなら,デカダン(dcadent)が支配する読み物。

 わかつきめぐみに『黄昏時鼎談』(ISBN:4592131509)という作品があり,その中では,話者が代わる代わるに奇想譚を語って聞かせます。本作『青年のための読書クラブ』の読後,ふと思い浮かびました。

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