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博物士

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Friday, 2009/02/27

野村美月 『“文学少女”と恋する挿話

[] 野村美月“文学少女”と恋する挿話集』  野村美月 『“文学少女”と恋する挿話集』を含むブックマーク

 ちょっと深刻な活力低下状態。たまたま講義の依頼が多かった週だったのですが,授業が終わる前に体内のグリコーゲンを消費しきってしまう有様(血糖値が下がって意識が薄れる)。原稿書きのお仕事は来週に振り替えてもらって,どうにか週末になりました。

 こういうときは本を読んでリハビリテーション。壊れてしまったノートパソコンのリカバリーをしながら,野村美月(のむら・みづき)『“文学少女”と恋する挿話集』(ISBN:9784757745780)を読みました。本編では描写が省かれていたエピソードの集成。

 これはこれで楽しい読み物の数々ではありますが,本編との接続関係に無理が生じているところがあり,どうしても「取って付けたような」感じがしてしまうのはやむを得ないところなのでしょうか。そうした中で,独立した構造になっている美羽の後日談「無口な王子(プリンス)と歩き下手の人魚(マーメイド)」は抜きん出た良い仕上がりに思えました。

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Saturday, 2009/02/21

[] 大学院はてな :: とある先生への追懐  大学院はてな :: とある先生への追懐を含むブックマーク

 スペイン労働法の研究に関していえば,日本で3本の指に入る(意訳:学会でも3人しか手がけていないマイナー領域を研究対象にしている)私でありますが,そのきっかけは,スペイン語圏についての法律学的研究が手薄であることを,とある先生に教えていただいたことでした。

 その先生はフランスの労働災害制度を研究されており,大変なグルメでありました。ワインの愉しみ方は,この先生に教わったものです。

 学部に在籍していた時分が退官される間際のときでありました。労働行政にも深く携わっておいでで,数多くの審議会において主導的な役割ををこなしておられました。ゼミの最中に「これは私が座長としてまとめた報告書に書いたことなのですが……」というのが数多く登場したことから,某お笑いトリオをもじって『ザチョウ倶楽部』というゼミ論集を出してみたり。

 大学院では,私が労働災害について著すことが多かったものですから,親身にご指導をいただきました。また,今では著名ブロガーであるHさんがベルギーに外交官としていて駐在していた時期であり,労働省宛てに届けられていたレポートを入手してきてEU法の手ほどきをしていただきました。

 そんな先生が,一昨日,黄泉に旅立たれました。

 保原喜志夫先生,どうもありがとうございました。

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Friday, 2009/02/13

[] 定点観測:新千歳空港(新国際線ターミナル)  定点観測:新千歳空港(新国際線ターミナル)を含むブックマーク

 日帰りで東京出張。2年間の研究プロジェクトも今日で最終回。

2009-01-30

f:id:genesis:20090130095053j:image

 新千歳空港では,国際線区画が手狭になったので新ターミナルを建設中。カードラウンジから見ると,ちょうど真正面に当たる場所。手前に駐車場があるのは無粋ですけれども,自衛隊が使用している(旧)千歳飛行場の向こう側に恵庭岳を眺められるのが気に入っておりました。

2009-02-13

f:id:genesis:20090213095708j:image

 少しずつ組み上げられている鉄骨。新ターミナルが出来ることで山並みの雄大さは興が削がれてしまうのでしょうが,こうして変化していく様を観察するのは楽しい。

追記)http://d.hatena.ne.jp/genesis/20090422/p1 へ続く

Sunday, 2009/02/08

玉村豊男 『ロンドン 旅の雑学ノート』

[] 玉村豊男 『ロンドン 旅の雑学ノート』  玉村豊男 『ロンドン 旅の雑学ノート』を含むブックマーク

 自家用車の車幅灯が切れてしまいました。ボンネットを開けてあれこれ試してみたのですが,ソケットの取り外し方が分からない。自分で交換するのはあきらめ,マツダの販売店へ持ち込み。

 修理の待ち時間には,玉村豊男(たまむら・とよお)『ロンドン 旅の雑学ノート』(ISBN:4101297037)を読んでおりました。観光ガイドブックの類としての性格を持たない,英国人の日常的な所作やら生活習慣といった小ネタを集めた読み物。初出は1980(昭和55)年で,海外旅行は未だ一般化していなかった時期だと思いますが,自分の足で町の中を歩き回ってみたいという好奇心に訴える書き方をしています。当時の写真も数多く掲載されており,一昔前の社会風俗史というつもりで読めば今でも楽しめるものでした。

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Saturday, 2009/02/07

労働判例967号

[] 大学院はてな :: 年俸制を導入して徐々に賃金を引き下げたら  大学院はてな :: 年俸制を導入して徐々に賃金を引き下げたらを含むブックマーク

 学校法人実務学園ほか事件(千葉地裁判決・平成20年5月21日・労働判例967号19頁)を読みました。

 被告Yは建築士の養成をしている専門学校で,原告労働者XはYにおいて教員をしている者。この学校では従前,年功型賃金体系をとっていたのですが,平成14年に給与規定(就業規則)を変更して年俸制を導入しました。平成15に改定された規定では,次のように書かれていました。

「年俸金額は,前年度の学校業績及び個人業績,担当業務の難易度・責任度等を勘案して理事長が決定する。」

つまり,年俸額の決定については使用者の完全な自由裁量となっています。通常,フリーハンドを得ていたとしても減額は慎重に行われることが多いものですけれども,この学校では早速,賃下げに取りかかりました。

  • 平成12年度(年功型) 年収740万円
  • 平成14年度(成果主義型を導入) 年俸611万円
  • 平成15年度 年俸582万円
  • 平成16年度 年俸448万円
  • 平成17年度 年俸450万円

このように,減額が毎年繰り返され,平成12年度に比べると平成19年度はマイナス39.2%,金額にして290万円の減収になっています(もちろん,Xの従事した業務の内容に変更があったわけではなく,何らかのペナルティとして減額がされたわけでもありません)。本件における使用者の態様は悪質であることから,裁判所はXを自主退職に追い込む意図をもってなされた「Xの人格権を侵害する違法な行為として不法行為に該当するというべきある」と述べ,賃金差額分を支払うよう命じました。

 理論的に興味深いのは,このような減額を違法であると構成する組み立てでしょう。本件の場合,就業規則の不利益変更法理を適用し,使用者の一方的評価の下に給与を決定することが可能となるような方法を定める給与規定は「その内容において相当なものとは評価することはできない」とし,就業規則変更の合理性を否定しています。

 しかし思うに,就業規則の規定が入社当時から使用者の裁量を許すものであったとしても,毎年毎年,前年より年俸額を引き下げていくことで賃金を減額していくことは権利濫用と言えるものでしょう。ただ,成果主義型賃金体系の場合における減額改定の当否については未だ事例の蓄積がないので,裁判所を説得するのが大変そうです。

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Tuesday, 2009/02/03

魁 『死神のキョウ』

[] 魁 『死神のキョウ』  魁 『死神のキョウ』を含むブックマーク

 (かい)の『死神のキョウ』(ISBN:4758040028)を読みました。

 本編開始3頁目,

「はじめまして,死神です。あなたのことを守りにきました」

とヒロインが自己紹介。導入パターンは安定感ある《ある日突然,女の子が》型。この流れだと,ヒロインの言い分を信じてファンタジーな非日常に向かうか,それともヒロインを妄想少女であると規定して日常に留まるか,ということになります。が,本作の場合は割と早めに正体が明かされます。そのせいで,後半の山場で使われそうなシーンが真ん中に登場しており,中味(なかあじ)が悪いという構成に触れることになります。

 その後,結末で一波乱と思いきや,あっけなく収束してしまいました。続刊を出すために含みを残しておいたのだろうか――といぶかしんでしまうような終わり方。目論見では,これまた鉄壁パターンである《幼いときの約束》で盛り上げようとしていたのでしょうし,事実,後半の山場になっているのですが,どうも伏線を張っておく仕込みが足りなかったようで……。

 魁に対しては,『CLANNAD』の藤林杏(きょう)シナリオの作者という枕詞が現状,最も適切であろうかと思いますが,本作の「キョウ」と「杏」は区別が難しいです(笑) キャラ同士の生き生きとした掛け合いが持ち味となっているところも共通。

 で,ここまで書いてからISBNを調べたところで第2巻が出ていることに気が付きました。ん〜 本作は悪くはなかったのですが,作者を指名買いの対象に含めるほどには入れ込めませんでした。

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