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博物士

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Wednesday, 2010/01/27

梅田星也 『日本語先生奮闘記』

梅田星也 『日本語先生奮闘記』  梅田星也 『日本語先生奮闘記』を含むブックマーク

 外国人留学生への対応について何か参考になる文献で,小手先の技術を披露するのではなく理念を語っているものはありませんか? と日本語教育担当の教授に尋ねたところ,梅田星也(うめだ・せいや)『日本語先生奮闘記――中国で思う外国語教育のあり方』(ISBN:4469243434)を紹介されました。著者は1929年生まれ。太平洋戦争直後に小倉の米軍キャンプで通訳をした後,高校で英語教師をし,1987年から長沙大学(中華人民共和国湖南省)にて日本語を教えていた方が書かれたもの。

 出版は1993年であり天安門事件前後の状況も出てくるが,教育論としては今でも通用する。全3章構成であり,第1章から第2章にかけては中国人が日本語を学んで生じたおかしなエピソードが披露される。これも十分に面白いのだが,教育哲学の話としては後半が興味深い。

 例えば教材の作り方。日本であれば,教科書には要点のみが記されており,教師が黒板に板書したものをノートに書き写すことによって教育が完成するという

「奥義は秘す」方式。それが中国の教科書は必要な事項はすべて書き込んであるので,ノートをとる必要がないように出来ている。単語の意味などもすべて書き記してある。言うなれば「虎の巻」「アンチョコ」のような造りだという。生徒は,辞書を調べるために時間をとられることもないので,ひたすら覚えることに努めれば良い。さらに,覚えるべきとされる内容も異なる。日本式だと“This is a pen.”に代表されるように単文であるが,中国式では“問いかけ”とそれに対する“応答”とが組み合わせになっている。著者曰く,初学者にとっては(単語を2000語程度覚えるまでの期間には)中国式で進めた方が実際に話せるようになるのではないか,と。

 なかなか考えさせてくれる本でありました。

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Tuesday, 2010/01/19

塩野七生 『最後の努力』

[] 塩野七生 『最後の努力』  塩野七生 『最後の努力』を含むブックマーク

 塩野七生(しおの・ななみ)『ローマ人の物語(35-37)最後の努力』を読了。本巻では,ディオクレティアヌス帝ならびにコンスタンティヌス帝を扱う。前の巻の内容を失念してしまっていたので『迷走する帝国』も再読。

 北方の蛮族を退けた後,ディオクレティアヌスは「四頭政(テトラルキア)」を導入するも,これが続く内乱を引き起こすになる。分割統治体制というシステムは当時の状況を考慮すれば最適と思えるのに,権力の争奪という要素が運用段階で入り込むと,こういう結末を生むのか……と。物語としては理解できるものの,システムを期待通りには動かさないように振る舞う当事者の心情を理解できない私は,少なくとも政治家と経営者には向かないなぁ,と痛感。

 

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Thursday, 2010/01/07

[] 『ソ・ラ・ノ・ヲ・ト』の舞台探訪 @クエンカ  『ソ・ラ・ノ・ヲ・ト』の舞台探訪 @クエンカを含むブックマーク

 昨日の出来事。『ソラノヲト』の第1話「響ク音・払暁ノ街」を観たしらさんから話題提供がありました。

 ロケハンレポート「物語の舞台、架空の街・セーズのモデルとなったのはスペインの城壁都市クエンカとアラルコン要塞。」

http://www.sorawoto.com/special/sp0301.html

  • id:riyot 「『ソ・ラ・ノ・ヲ・ト』の舞台モデルはスペインらしい。こういうのは誰の得意分野なんだろう」
  • id:USO9000 「スペインは[id:genesis]のテリトリーだったような気がします」
  • id:riyot 「また無茶振りを!」
  • id:genesis 「クエンカの『宙づりの家』ですか? この前,観に行ってきましたけれど……」

 あいにく北海道は放映地域に入っていないもので,キャプチャー画像を送っていただきました。手持ちの写真に同じような構図のものがありましたので御紹介を。

 まず確認しておくと,クエンカ(Cuenca)はマドリードとバレンシアの中間に位置します。イベリア半島の広域地図を見ると分かりますがクエンカは中央台地の東端に位置しており,地中海方面との出入りを固めるポイント。川が削ってできた峡谷に挟まれた高台の上に城壁都市が築かれており,1996年にユネスコの世界遺産に登録されています。


より大きな地図で 『ソ・ラ・ノ・ヲ・ト』舞台探訪マップ を表示


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 アニメでは「アンティークショップのモデル」であった(らしい)建物は,クエンカ随一の名所ともなっている『宙吊りの家(casas colgadas)』です。現在では美術館になっています。



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 『宙吊りの家』からみて北東方向,峡谷を挟んだ向かい側にはパラドール(parador)があります。かつて修道院だった建物を国営観光ホテルとして利用しているもの。この2地点を結ぶ赤い鉄橋が「サン・パブロ橋」。アニメでは《パラドールの側から市街地を》見ているのですが,この写真では構図が逆になっています。



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 鉄橋の上から市街地方向。2枚組み合わせてご覧下さい。

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 背後にある白い建物は,クエンカの市役所庁舎だったと思います。『宙吊りの家』からみて北西方向にあるマヨール広場(大聖堂前)から南方向を見た構図。ちなみに,私が旅行した当日,クエンカでは村祭りの準備が行われていましたが「水かけ祭り」ではなく「牛追い祭り」でした。撮ってきた写真の手前にあるのは,牛に追いつかれそうになったときに走者が逃げ込むための二重柵。ちなみに「トマト祭り(トマティーナ)」の行われるブニョール(Bunol)は,アラルコン要塞とバレンシアを結ぶ線上にあります。

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大きな地図で見る

Wednesday, 2010/01/06

07th Expansion『うみねこのなく頃に』

[] 07th Expansion『うみねこのなく頃に』  07th Expansion『うみねこのなく頃に』を含むブックマーク

 年の瀬は読書で過ごしていたのですが,気分を変えてゲームをやろうかな,という気になりました。昨年の1月にインストールはしたものの,序盤のつまらなさで放置してあった『うみねこ ep.1』を再開(ちなみに購入したのは2007年秋)。夜のシーンになり,事件が幕を開けると面白くなるのはいつもの竜騎士07だ。

 同月2日,『ep.1』終了。

 同月3日,MKにて『ep.1-4』を購入。紗音(私服)が横に広がっていたのに驚く。

 同月4日,『ep.2』終了。ようやく,この作品で何をやろうとしているのかという主題の片鱗が見えてくる。随分と考えて作品に挑んでいるのは分かるのだけれど,大仰な舞台装置に興が削がれたという感が拭えない。

 同月5日,『ep.3』終了。作中人物達の行動原理が分からなくなる。

 そして今日,『ep.4』終了。『ep.3』で抱いた疑問については作中で回答が示されたものの,白けてしまって楽しめませんでした。メタ構造のせいで展開がすべて虚しく,シナリオを受け止められずにいます。

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