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博物士

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Friday, 2010/04/23

逢空万太 『這いよれ!ニャル子さん』#

[] 逢空万太這いよれ!ニャル子さん 逢空万太 『這いよれ!ニャル子さん』を含むブックマーク

 ここ数日,就寝前の読書で読んでいたのは逢空万太(あいそら・まんた)『這いよれ!ニャル子さん』の第1巻(ISBN:4797354143)。クトゥルフ神話は意識しつつも避けていた領域なのですが,先日,買い物に出かけたとき店頭で見かけたので試しに買ってみたのです。

 仕事の間に開いてみたら…… 面白いじゃないですか。

 出だしは文章のテンポが良く,矢継ぎ早に繰り出されるコメディとして。文章が進むとクトゥルーの設定を引用しているのであろう話題が増えてきます。こういうのを見ると調べたくなる(←避けていた理由)。今,初心者向け概説書などを薦められたりしたら買ってしまいそうな心境。

rossetarosseta 2010/04/24 17:49 「クトゥルフ神話ガイドブック―20世紀の恐怖神話」(朱鷺田 祐介)がお勧めです(^^)古今東西の作品の紹介、神話体系の広がりと歴史、作家間の繋がりと確執、そしてクトゥルフジャパネスクの一つ「萌え」エッセンスをも取り込んだ作品の最新内容を含んでいて、ニャル子さんが生まれべくして生まれたのがよくわかります:-) 章立ても面白くて、読み物としても楽しめます。初〜中級者向きですが、資料としても他作品への入り口としてもお勧めです(^-^b
また、ほんとお手軽に読みたいって場合は、邪神や異郷などの図鑑としてなら、「 恐怖と狂気のクトゥルフ神話 」(クトゥルフ神話研究会 )や、「「クトゥルフ神話」がよくわかる本」(PHP文庫)でしょうか。値段も500円程度でお手ごろです〜

genesisgenesis 2010/04/24 22:09 うわ,本当に推薦されましたよ!(^^;

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Monday, 2010/04/19

深川栄洋監督 『半分の月がのぼる空』

[] 深川栄洋監督 『半分の月がのぼる空 深川栄洋監督 『半分の月がのぼる空』を含むブックマーク

 最後に,人によってはネタバレになる発言があります。

 朝,出勤前に新聞を読んでいて,映画『半分の月がのぼる空』の上映が始まっていることを知りました。で,たまたま今日は割引の日。仕事の後に行けば間に合いそうだったので,夕方の上映を観てきました。急に観に行くことにしたため先行情報に全く触れていない,スタッフもキャストも知らない状態で。

 ちなみに,橋本紡の原作は(記憶に寄れば)第4巻まで読んでます。アニメ版は,舞台探訪の史料調査をした際に第1話を観て「背景として,再現度はアマイ。」というのを確認するまではしました。

半分の月がのぼる空―looking up at the half‐moon (電撃文庫)

 前半は原作第1巻のストーリーライン,すなわち「砲台山」のエピソードをなぞります。ただし《引用》については,第2巻で使われている『銀河鉄道の夜』に差し替えで核心に近づきやすくしています。「コレクション」は登場しないし,亜希子さんの「過去」についても登場しません。

半分の月がのぼる空〈4〉 grabbing at the half-moon  (電撃文庫)

 キャスティングに関してですが,「里香」を最初に画面で見た時,大人び過ぎているのではないか,と思ったのです。大泉洋を「夏目医師」にあててニヒルになるのだろうか,とも。しかしながら見終わってみると,この配役だからこそ出来上がった作品であると納得しました。

 最近では一般文芸に転出している橋本紡ですが,ライトノベルとしての『半月』から物語の骨格だけを取りだしてメロドラマとしての『半月』を再構成したらこうなるよね,という模範的構造。恋愛+青春+医療ものというジャンル特性に逆らわず手堅い。実写版を作ると聞いた時には『最終兵器彼女』のようになってしまうのではないかと危惧したものですが,実に真っ当。

 ただ,物語の半ばを過ぎたところで“原作読者”であれば医師・夏目吾郎の位置づけに関して違和を感じるようになります。映画の後半は,原作で言えば第4巻のエピソードがベースになっているのですが―― あれ,この人物は誰だっけ? となってから映画独自の物語が紡がれます。

 それぞれの想いが向き合った時,物語は思いもよらない展開へと進む。

ストーリー紹介より引用

 後半は,原作を読み終えている人こそ楽しめる場面でありましょう。原作での展開は,夏目吾郎が亜希子に対して独白するという構造にすることで「里香と裕一の物語」としては露わになることを回避していました。それが,この映画版だと「里香と裕一と夏目医師,3人の物語」として描かれることになる。この意欲は買いたい。

 以下,放言。

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Monday, 2010/04/12

摩耶雄崇 『夏と冬の奏鳴曲』

[] 摩耶雄崇 『夏と冬の奏鳴曲』  摩耶雄崇 『夏と冬の奏鳴曲』を含むブックマーク

 花粉症の症状を抑えるために夜は強めの薬を服用しているので,趣味の本を読む時間が眠気に削られてます。新書1冊を読むのに2週間かかったり。

 ここしばらくかけて読んでいたのは摩耶雄崇(まや・ゆたか)『夏と冬の奏鳴曲(ソナタ)』(1993年,ISBN:4061817000)。『翼ある闇』を読んだときに本を投げつけそうになったという想い出があるので敬遠していたのですが,とある紹介記事(id:sinden:20071024:1193188835)で本格ミステリ十傑に挙げられていたので読んでおこうと。

 和音という女性の信奉者たちが,20年前に同居生活を多くっていた「和音島」。かつての住人達が同窓会として集まるということで,雑誌記者たる私が同行することに――というふうに始まるクローズド・サークルもの。最初の事件は早くに発生するのですが,その後はダレた展開が続きます。そうしたら,いきなり驚天動地(←文字通りに)が起こって幕引き。

 伏線を読み飛ばしていたのか? と思っていたところ,最後の頁でメルカトル鮎が出てきました。台詞を解釈できないできないので,どんでん返しにならない。

 何,これ…… 

 その後,読み解き(→「麻耶雄嵩とエラリー・クイーン」)を参照して(ひとまず)納得するまでは落ち着きましたが,独力では読みこなせない本でした。

 

Sunday, 2010/04/04

[] 鷲宮  鷲宮を含むブックマーク

 旧・鷲宮町における『らき☆すた』町おこしの状況を見学してまいりました。

f:id:genesis:20100404111040j:image

例) 鮮魚店「魚光」での販売品『柊かがみのとっても質素なお弁当』(500円)

[] ボルゲーゼ美術館展  ボルゲーゼ美術館展を含むブックマーク

 幸手での昼食会を終えたところで同行者と別れ,上野へ。東京都美術館で開催されていた『ボルゲーゼ美術館展』の最終日に滑り込みました。ローマを旅行したときにボルゲーゼへは足を運んだことがあるので,再会ということになります。

[] フランク・ブラングィン展  フランク・ブラングィン展を含むブックマーク

 引き続いて国立西洋美術館での『フランク・ブラングィン展』を鑑賞。人生の中で時代によって作風が変化し,主題も様々でありながら,労働者へ向ける眼差しの強さを感じました。

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Saturday, 2010/04/03

[] 川越  川越を含むブックマーク

 会合に参加すべく埼玉へお出かけ。全体集会は夕方からの開催だったのですが,主宰者から都合が付くなら川越を見物に行きましょうと誘われたので参加。11時30分に川越駅に集合し,バスで「時の鐘」がある地域へ。小江戸を自称するだけあって古い蔵造りが残っており興味深いところなのですが…… 狭い県道39号線に自動車がひしめいており,狭い歩道に人が溢れていて風情なんて言ってられない状況。せっかくの観光資源が交通政策の失敗で台無しでした。もったいない。

 昼食会を済ませた後,甘味が欲しいよねということで「菓子屋横丁」をそぞろ歩き。お薦めされた『たこせん』や,『紫いもソフト』などをいただく。

 さて,もうちょっと見ていきたいと思うものの川越の事情を知らない者ばかり。そこで同行者のQさんが取り出してきたのが絵地図。

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http://imaikami.cool.ne.jp/kikou/02.html

Uさんが持っていたぬいぐるみと組み合わせると,なんだかネコさんが怪獣に見えてきます。不安になりましたが他に頼るものも無いので,絵地図を解読して目的地を決めることにしましょう。「おいなり」と描いてあるのは「出世稲荷(大いちょう)」のことだよね? 青と赤と緑の縞々な建物は「喜多院(川越大師)」かな? ちょうど桜の時季でしたので,境内の花を愛でてまいりました。

f:id:genesis:20100403145107j:image

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Friday, 2010/04/02

[] スペイン語版 『ハヤテのごとく!(HAYATE mayordomo de combate)』  スペイン語版 『ハヤテのごとく!(HAYATE mayordomo de combate)』を含むブックマーク

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 『ソ・ラ・ノ・ヲ・ト』の舞台探訪でスペイン滞在中の「ひきこもりかけぶろぐ」の中の人が「スペイン語版ハヤテと君に届けゲット。」とツイートしているのを見て,そういえば半年前の旅行で『HAYATE mayordomo de combate(戦闘執事ハヤテ) Nº 13』を買ったんだっけ,と掘り出してきました。

 どうして放置していたかというと,購入直後にバレンシアのホテルで読んだときには,さほど工夫を凝らしているようには感じられなかったので。ところが,日本語版の第13巻(ISBN:4091211976)を買ってきてスペイン語版(ISBN:9788483577806)と見比べてみると……結構違う。原作をご存知の方ならお分かりだと思いますが,『ハヤテ』には引用が多いので元ネタを知らないと笑い処が分からない。それがスペイン語版では,コンテクストを知らずにそのまま読んでも(それなりに)意味がとれるように訳されていたので,ざっと読んだだけでは違和感を生じさせなかったのでした。

 以下,訳者の工夫が垣間見られる場面を掻い摘んで御紹介。せっかくなので作中時間にそろえて,愛沢咲夜の誕生日(4月3日)前日に公開です。

原型とどめず

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[原文:ハヤテ] そういえば,お嬢様はなぜ「ナギ」という名前になったんですか?

[原文:ナギ] 「この世のすべてをナギ倒せ」という願いを込めて… 母が…

[西語:Hayate] Señorita, ¿Quién le puso el nombre? ¿Es por algún familiar?

[西語:Nagi] Me lo puso mi madre sin razón aparente. Le sonaba gracioso.

[直訳:はやて] お嬢さん,あなたの名前を決めたのは誰ですか? 家族のうちの誰かですか?

[直訳:なぎ] 名前を付けたのは私の母です。名前には特に意味はありません。聞いた感じが面白いからだそうです。

 表表紙の裏,見返しの4コマ。日本語に固有の問題だからというのは分かりますが,キャラの設定が変わってしまってますね(笑)

現地化

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[原文:ワタル] ふとんが… ふっとばなかった。

[西語:Wataru] Yo lo coloco y ella lo quita. Yo LOCO-LOCO y ella loquita.

[直訳:わたる] 僕がそれ(lo)を置いて(colocar),彼女がそれ(lo)を持ってった(quitar)。僕はバカばっか(loco-loco),彼女はアホの子(loquita)。

 訳しても意味が伝わらないと思いますが,これはスペイン人にとっても唐突です。続くコマで解説あり。

[西語:-Saki-] Ah... ¡Uau! ¡Que divertido! ¡Es un juego de palabras! ¡Las frases tienen las mismas silabas pero agrupadas de forma distinta significan otra cosa!

[直訳:さき] え〜と… あぁ! 何て面白いのでしょう! これは言葉遊びなのですね! 2つの文章は同じ並びなのに,文節の切り分け方によって異なる意味になっているだなんて!

 もう一箇所,言葉遊びのシーン。こちらは相当に苦しい。

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[原文:マリアさん] 窓が壊れてる。まーどうしましょ…

[西語:Maria] Este churrete esta blando... Habrá que decirle que se calle.

[直訳:まりあ] このホコリは{エスタブランド}。黙っていろと言わざるを得ない。

 ※訳注 “エスタブランド”と発音すれば,聞き様によっては2つの意味に取ることが可能。素直に解釈すれば(1)esta・blando「柔らかい」の意味になるのだが,後半になると(2)esta・hablando「おしゃべりをしている」と受け取らなければ文脈が通じない。すなわち{エスタブランド}に二重の意味を込めてボケをかましたダジャレである。

無視

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[原文:ナギ] たしかにこんなにいっぱいの人を見ると,ハ(ル)ヒじゃなくても自分のちっぽけさを感じてしまうな。

[西語:Nagi] No es que me quiera poner a filosofar, pero cuando ves marabuntas como esta te das cuenta de lo minúsculos que somos.

[直訳:なぎ] これほど多くの群衆を前にすると,我々は如何に微少な存在であるかということについて思索を巡らさざるを得ない。

 コンテクストを説明するのが面倒なところでは,要の箇所を削ぎ落として訳しているパターンもありました。

ぐぐれ

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[原文:ナギ] ほう。なら今すぐ三大出版社を買い取って,ワ(ン)ピースとコ(ナ)ンと絶(望)先生が同時に載ってる夢の少年誌を作ってやろうか?

[西語:Nagi] Si quieres ahora mismo puedo comprar las tres editoriales más grandes del país y juntar en una sola revista de manga SHÔNEN las series del momento; ONE-PIXCE, ZETSUXÔ-SENSEI, y COXAN...

[直訳:なぎ] もし,私がすぐさま三大出版社を購入して,ワンピ×スとゼツ×オセンセイとコ×ンが1冊のショーネンまんがに同時に載っているものを作ることをあなたが希望するのであれば,それは私にとって可能なことです。

 先のパターンとは逆で,伏せ字もそのままにスペイン語へと訳してしまっており,読み手に意味が伝わらないのもお構いなしにしている場面。伏せ字(X)が混じっていて日本事情を知らない人は置いてけぼりになっていますが,きっとスペイン語圏の人だって興味が湧けば自分で調べるよね!

このように『ハヤテ』のスペイン語版は,背景を知らずとも楽しめるし,注意深く読むと(訳者の苦労が偲ばれて)もっと楽しい出来になっておりました。

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