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博物士

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Sunday, 2011/05/22

[] 新海誠星を追う子ども 新海誠『星を追う子ども』を含むブックマーク

 昨日,ホテルで朝食をもぐもぐしていたところ,テレビで背景画の描き方講座を紹介しておりました。「何だか新海ちっくな光線だなぁ」と思ったら,やはりチーム新海の背景美術の方でした。釧路では上映予定が無いので意識から外していたのですが,どうやら新作を公開中らしい。ということは名古屋であれば観られるかも……と調べてみたところ,名古屋駅の南方,徒歩15分ほどのところにある109シネマズでは午前10時35分からの上映がありました。これならば帰りのフライト(1505セントレア発)に間に合うということで観に行ってまいりました。

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 背景美術と劇伴音楽については文句なし――なのですが,ストーリーにおいて気になるところが出てきてしまうのはいつもの新海誠でした。

  • また明日,と言っておきながら自ら崖上からの**を図るというのは,異文化出身とはいえ些かディスコミュニケーションが過ぎるのではないか。あと,禁帯出物品を持ち出してきたままで**すると出身母体において回収業務のための負担が生じる(弟が駆り出される)なら,**の前に返納の努力をしようよ……
  • アスナが持っているクラヴィスは父から譲り受けたものだが,ではその父は何処から手に入れたのか? 
  • ファンタジー空間における原始社会的な描写のせいで『風の谷のナウシカ』の原作版を想起してしまうところに,テトっぽい小動物やら『もののけ姫』っぽい四つ足動物やらがいて,極めつけに島本須美さんの声。どうしても宮崎駿のコンテクストが出てしまうのが避けがたい。現状では新海誠の独創性がノイズに掻き消されてしまう要因にしかならず,もったいないと思う。
  • 突如として危難が生じるのは,いつもの新海誠。ですが,ファンタジーの文脈に落としているために『雲の向こう』に比べれば納得はできる範囲でした。
  • 登場人物が〈内面〉を言葉に出して語りすぎているために,説明口調な印象を受ける場面が散見されました。特に,最後の最後で〈神〉の声までも代弁されてしまうと,ね。

 観劇を終えて妙な引っかかりがあるのは,ジュブナイル的な構造に見えて,その実は星を追っていたのは《子ども》ではなかった――という展開に対してでしょうか。主題から説き起こせば,問題を抱えていたのは〈少女〉でも〈少年〉でもないわけで……。主要人物3人に割り振られたモティーフのカケラが結末で焦点を結んでくれないので,大団円という感想にならないのです。

 まぁ,こういうツッコミを入れられない隙のない作品だと,それはそれで寂しい思いをするのでしょう。主演を務めた金元寿子さんの声を通して聞くためだけでも,もう一度観たいところです。

BMCSSXBMCSSX 2011/05/22 23:45 新海さんの独創性が宮崎テイストによって薄まってしまうのはまったく持って。
映像としては流石に美しくBGVとしてなら本当に一級品。
先生が綺麗なムスカって感じで、あえて作中に毒っぽい表現があまり使われてなかった点としては,
子供向けとして良かったのかなぁとは思うわけですが、総じてみんなの意志がどこあるのか感じにくいのが厳しかったです。
それを自然に感じさせるにはもう少しわかりやすい表現が必要なのではないのかと。

本当に勿体無いですね。

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Saturday, 2011/05/21

ヤマザキマザック美術館 『ロココの雅

[] ヤマザキマザック美術館 『ロココの雅』  ヤマザキマザック美術館 『ロココの雅』を含むブックマーク

 日本スペイン法研究会の例会に参加するため,名古屋へ出張。釧路からだと,始発に乗って最速で移動したとしても名古屋大学駅(南山大学)に到着するのは17時近くになるので,前日の夜のうちに移動しました。前泊したおかげで研究会の前に少しばかり時間ができましたから美術館に寄っていこうと思ったのですが,この時期の展示内容を調べたら「ヤマザキマザック美術館」という初めて名前を聞くものが出てまいりました。なんでも工作機械メーカーが立ち上げたもので,現在,開館1周年記念展『ロココの雅(みやび)』を開催中とのこと。

 散歩のつもりで栄から歩いていったのですが,結構な距離がありました。「新栄町」駅に直結しているので,地下鉄で出かけるべきところですね。

 決して大規模ではないのですが,企画展のために集められた作品は質が良く,音声案内も充実していて楽しめるものでした。今回の1枚を挙げるとしたら,ヴィジュ=ルブラン《リラを弾く女性》でしょうか。

 常設展は主にフランスのアール・ヌーヴォー期における家具やガラス工芸が中心であり,本業(工作機械)との関わりが見て取れました。メセナは業績が悪くなると撤退してしまうことが多いのですが,ヤマザキマザックには是非とも長く活動を続けて欲しいと願うところです。

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Sunday, 2011/05/08

関川夏央『汽車旅放浪記』

[] 関川夏央汽車旅放浪記 関川夏央『汽車旅放浪記』を含むブックマーク

 大型連休は10連休でした。勤務校には遠方から来ている寮生が多いので,親元に帰省する便宜を図るべく休みを繋げているのだとか。

 最初の2日は釧路に居てお仕事をし,次の3日は札幌の実家でお仕事していました。法律家は判決文とパソコンと通信環境があれば何処でも仕事ができるのが良いところであり,ずるずると仕事を持ち越してしまう理由でもあり……

 今回の帰省で,引っ越しの際に運び出しきれなかった本9箱ぶんを発送してきました。帰りの列車では,搬送する荷物からはみ出していた関川夏央(せきかわ・なつお)『汽車旅放浪記』(ISBN:4101107157)を読んできました。

 本書は,列車による旅にまつわる短編を集めたもの。宮脇俊三乗りつぶしをなぞってみるものだったり,夏目漱石の作品から鉄道が登場する場面を拾い出してみるものだったり,内田百輭を紹介するものだったり。著者自身の旅行は一歩退いて,鉄路の上で先人達の足跡を探しているかのような印象。引用が多彩で興味深く読みました。

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