釧路市立美術館 『けんぶち絵本ワールド!』

 学校教員は時間外労働が多い,というのは統計データから知っておりましたが,本当ですね〜。初年度だと授業準備に時間がかかるのですが,どうやっても平日に(自主的に)就業時間外まで作業をしても終わらないので,土曜日曜も登校して教材づくりをしておりました。それが今週は春季(←釧路では今がタンポポの季節)体育大会が開催されたことで授業の無い日があったため,早めに教材開発が進められました(それでも土曜日は登校しましたけれど)。

 で,4月に赴任してからというもの,初めて気分的に休まる日が捻出できましたので市内で開催されている美術展を見に出かけました。最初に向かったのは釧路市立美術館で開催されている『けんぶち絵本ワールド!』。「絵本の里」として町おこしをしている道北の剣淵町にて所蔵されている,絵本の原画展。書籍という形になると物語〈ストーリー〉の方に目が向いてしまうのですが,壁面を使って陳列されることにより連作絵画として眺めることができ,面白い趣向だと感じました。
 一幅の絵としてであれば,バーバラ・ストーン《白くまといっしょに》をいちばんのお気に入りとして挙げておきます。
 今回,会場で抽選会をやっておりまして,お皿をいただいてきました。尋ねてみると陶芸教室で作ったものだそうで……(それって,廃品を押しつけられたのでは?という気がしないでもない)。

道立釧路芸術館 『平山郁夫展』


 続けて,釧路芸術館で開催されている『佐川美術館所蔵 平山郁夫展――大唐西域画への道』を観に行きました。
 玄奘三蔵を称えるべく薬師寺に献じられ《大唐西域壁画》。それを作者自身の手によって縮小版として作り直し,多くの人が観られるようにした――というのが今回の企画の中心で,そこに至る過程として数多くのスケッチが並べられています。が,私が感銘を受けたのは,入場して最初に掲げられた《出山釈迦》。1965年の作品で今回の出典作の中では最も古く,平山郁夫が画壇で認められるに至る契機となった作品の1つであるという説明が添えられておりました。抽象性が高く,説明を読まなければ「苦行によっては悟りを開くことができないと気付いたシャカが山を降りることにした場面」だとは分からないのですが,気高さと神々しさを感じさせる画面は圧巻でありました。