フィールドワーク演習

geniusloci2005-08-01


湖西の比叡山の麓に仰木という歴史ある農村集落があります。
その集落に隣接して昭和50年頃から開発されたニュータウン「仰木の里」の中に成安造形大学という滋賀で唯一の芸術大学があります。私の母校です。

今回、学生時より仰木集落をフィールドワークし、集落の成り立ちや、祭礼行事と村の暮らしとの関係を集落に密着し中に入りながら聞き取りなども行っている事もあり、7月28日〜30日に成安造形大学住環境デザインクラス「フィールドワーク演習」の授業にスタッフとして参加してきました。

将来、建築や都市計画、まちづくり、プロダクトデザイン、ランドスケープデザインなど場所や景観という責任ある仕事に関わる学生達が、フィールドワークを通して、「場所」から様々なものを読みとり、そして造形や見識を深めて、言葉や形を導き出していく。その手法の入門編という授業。
1日目:午前レクチャー 午後全員でフィールドワーク
2日目:午前グループ毎にフィールドワーク 
    字ごとに別れ、聞き取りフィールドワーク、ディスカッション
    闇のレクチャー「闇の中の仰木をあるく」
    仰木内お寺にて宿泊
3日目:個人フィールドワーク
学生たちが3日間、仰木という普段とは別世界の中で何に出会い、何を聞き、何を感じ、何を思うのか。。。KJ法でまとめていくのが楽しみです。

仰木について
仰木は平成20年に1150年を迎えるという比叡山延暦寺とも深い関係のある歴史や場所の力がある
集落です。20年前ほどに写真家の今森光彦氏がこの地域の棚田を舞台にした写真集「里山物語」が高い評価を受け、海外でも反響が呼びました。その影響で棚田を観光する人が近年増え、里山体験イベントが行われ、また体験教育の場として活用されたりと動きがあります。地元地域では、それに合わせ棚田米、地酒、採れたての地野菜の販売を進めています。今後は、棚田の保全活用、跡継ぎ問題など地域の活性化をどうして行くか考えているという、過渡期にあります。